推し馬 メイケイエール 〜超前向き弾丸娘〜
京都牝馬S出走予定のメイケイエール(6歳牝)を紹介します。
彼女は曽祖母がシラユキヒメ、祖母がユキチャン、母がシロインジャーと三世代白毛が続いたのに、なぜか白くありません(鹿毛)。しかし、白毛一族であること間違いありません。
彼女は早く走ることにとても真面目で、自分より前を走る馬がいると、馬乗りしようとするくらい追っかけます。なので毎回少なからず何らかの騒ぎを起こしますが、それでも重賞5勝の一流馬です。個人的には「超前向き弾丸娘」と呼んでいます。
3歳春のチューリップ賞では、スタート直後から手綱をこれでもかと引っ張り宥める武豊騎手と激しく喧嘩しながら走るも、なんと勝ってしまった(同着一位)レースっぷりには心底驚きました。
次走の桜花賞では、出遅れるわ、後のマイル女王ソングラインにタックルしそうな幅寄せをするわ、一気に大外を駆け上がり調和を乱すわ、大騒ぎした挙句に最後は最下位という派手な立ち回りを演じました。
その後シルクロードSや京王杯SCでも、相変わらずスタート直後から先行馬を全力で追いかけようとガツガツし、それを抑えようとする騎手と喧嘩しながらも勝利し、なんて基礎能力が高いんだと感じさせました。
そして迎えた4歳晩夏のセントウルSでは、超前向き弾丸娘の完成形を見せました。彼女は前走から14kg増と大型化、身体だけでなく心も成長したのか、別馬のように落ち着いて5番手で折り合い、直線では他馬を寄せ付けない圧巻のレコード勝ちを見魅せました。
しかし、不思議なもので、それからの1年半、無鉄砲な彼女らしさが影を潜め、戦績も凡庸になりました。そんな彼女がいつか復活すると願い、応援を続けるファンも多いです。私も超前向き弾丸娘の完成形の素晴らしい走りを、もう一回見てみたいファンの1人です。
【後日談】
彼女は24年3月24日の高松宮記念を最後に引退しました。レース後には引退式が催されました。重賞6勝の超前向き弾丸娘は、最後までファンに愛されて牧場に戻っていきました。