新潟2歳ステークスの結果 ~覚えることの多い若駒たち~
レースは、トータルクラリティ(2歳牡)が快勝しました。勝ち馬を含めて全馬が若駒らしく、今後一流馬になるための覚えるべきポイントがたくさん見つかったレースでした。
それはそれで、可愛らしく、楽しかった一戦でしたし、今後彼ら/彼女らの成長を見られたら、非常に嬉しいです。
前評判の高かった若駒たちのレース展開を追いかけながら、今後の勉強ポイントを併せて書いてみます。
◆ シンフォーエバー(2歳牡) 9着
2歳戦らしくバラバラとしたスタートの後、我慢できないという感じで馬群の中から抜け出して、先頭に立ったのは、外国産馬のシンフォーエバーです。
気性面で未だ成長途上ということですが、常に全力で走るだけではなく、一息入れることや馬群の中でも競馬をできるようにすることを、今後覚えていく必要がありそうです。昨日は最後直線でバテて9着に沈みました。
◆ スターウェーブ(2歳牡) 6着
セリ価格3億円強と評判だった彼は、終始引っかかり気味で前に行きたがるも、三浦騎手は手綱を引いてず~っと喧嘩したような状況でした。あれだけ騎手と馬が喧嘩していたら、道中で体力を使ってしまいます。
直線を向くとイイ感じで前が開きましたが、既に体力を使い切っていたのか伸びず6着に沈みました。
しかし、ここでの三浦騎手の教えによって成長することもあります。次回以降に期待です。
◆ コートアリシアン(2歳牝) 2着
彼女はデビュー戦での豪脚により、昨日1番人気に推されました。しかし、デビュー戦同様にスタートで立ち遅れます。今後スタートの練習が必要なようです。
向こう正面で前目のポジションを取りにいったところで、引っかかってしまい、菅原明騎手もまた手綱を引っ張り続けました。その分、体力が削られ、最後の競り合いに負けたという印象です。
それでも残り200mで一度は先頭に立つなど、基礎能力は非常に高いという印象で、今後競馬を覚えれば一流馬に駆け上がりそうです。
ただし、彼女の昨日の馬体重は434㎏と軽く、心身双方での成長が必要かと感じました。
現マイル女王のナミュール(5歳牝、22年4月の桜花賞426㎏⇒24年6月の安田記念450㎏)のように成長することを願います。ナミュールもデビュー後数戦、致命的なスタートの遅れを繰り返していました。
◆ トータルクラリティ(2歳牡) 1着
彼のスタートはとても良かったです。そのまま引っ掛かり気味に先行しようとしたのを、北村友騎手が同じく抑え込みます。彼が他馬と違ったのは、そこで早めに落ち着いたことです。言い換えれば、早くに折り合いがついたのが勝因です。
4コーナー手前から上位に進出すると、直線残り300mくらいで加速し先頭に立ちます。しかし、先頭に立つと気を抜いてしまったようで減速します。
運が良かったのは、コートアリシアンが馬体を合わせるように外側から迫ってきたことです。
一旦抜かされましたが、そこで彼の闘争心に火が点き再加速して抜き返しました。彼は先頭に立った後も、集中力を切らさずに走り切ることを覚える必要があるようです。
なお、群生の馬は先頭に立つと気を抜く性質があり、競馬用語では「ソラを使う」と言います。
◆ 最後に ~若者の成長の速さに触れる楽しさ~
競馬以外にもスポーツ観戦が好きな私は、種目に限らず高校スポーツを観ることが大好きです。
出身校などの試合を定期的に見続けていると、前の週にできなかったこと/技が、翌週にはできるようになっている場面に遭遇することがあります。
それだけ、若人/若駒の成長は早いです。オリンピックなどのトップアスリートの技に感動することとは別軸で、そんな成長シーンに出会えた時には、心から感動し、また嬉しく思います。
昨日激走した彼ら/彼女らが、次走で確りと課題を克服し、成長した姿に出会えることを、心から楽しみにしています。