名馬紹介 テンポイント その9
(9) 親族
テンポイントの親族にも好成績を収めた馬がいます。ここでは2頭紹介します。
・キングスポイント(1977年生)は、テンポイントと父母が同じ弟です。平地競走では芽が出なかったものの、3歳の暮れに障害競走に転向すると一気に素質が開花。1982年の中山大障害を春秋連覇して、当時のジャンプ王になりました。しかし、1984年春の中山大障害のレース中に飛越に失敗して骨折し、天に召されました。
・フジヤマケンザン(1988年生)は母方の祖父がテンポイントの父コントライト、同祖母がテンポイントの半妹オキワカです。人間で言えば、テンポイントの姪の息子にあたります。彼は国内重賞を4勝したことに加え、香港国際カップを1995年に制しています。
彼の香港国際C勝利は、1959年のハクチカラ以来36年ぶりの日本馬による海外重賞制覇の快挙でした。しかし、ハクチカラは当時実質的にアメリカの厩舎に所属し、日々の調教に日本人は関わっていません。つまりスタッフ全てが日本人による海外重賞初制覇はフジヤマケンザンであり、彼こそがいまに繋がる海外での日本馬の活躍のパイオニアです。
テンポイントは海外遠征が叶わず、その壮行レースを最後に旅立ちました。しかし、その無念を見事に一族のフジヤマケンザンが晴らしてくれました。私のテンポイントの物語は1995年、伝説の有馬記念から18年を経て、ここに漸く終わりを告げました。