【エッセイ】サイコーのいたずらっ子
「ランジャタイ国崎の伝説のひとりぼっち集団〜!」
2週間ぶりにランジャタイ国崎の声で、タイトルコールが叫ばれるはずでした。しかしそこから聞こえてきたのは、しわがれた男性の声。人生の厚みと重みを感じさせる、率直に言えばお爺さんの声が聞こえてきたのです。
何が何やら分からない状況。深夜に、私は1人大爆笑してしまいました。
「こいつぅ、やりやがった〜!」
私は1人、国崎さんを称えました。最高です。
詳しいことを説明すると、「ランジャタイ国崎の伝説のひとりぼっち集団」とは、ラジオ番組です。ある出来事がきっかけで隔週配信になったものの、その面白さは健在。2週間に一度の楽しみです。
冒頭の出来事は、その第四回の放送でのこと。2週間ぶりに国崎さんのトークを楽しもうとしていたリスナーは、「ランジャタイ国崎」を名乗る、全く知らないお爺さんの声を聞いたのです。そしてツッコミ不在の中、彼は当たり前のように品川庄司の品川さんと、パーティちゃんの信子さんと、ジャングルポケットの太田さんと一緒に飲みに行った話をし始めました。更にお爺さんはハガキを読み始め、「日暮里」を「ひぐれさと」と読んでいたというエピソードを披露。最後に本当のランジャタイ国崎さんが登場してネタバラシということもなく、そのまま19分間のラジオはまるまるお爺さんのまま終わりました。
衝撃でした。かつてこんな番組があったでしょうか。お爺さん、しかも全く知らないお爺さんの話でまるまる1本。こんなの聞いたことありません。そしてお爺さんの話でこんなに爆笑したのも初めてです。
(ただしこのお爺さん、ランジャタイファンの中では割合有名だそう。他の番組でも出ていたそうですが、芸能人という訳ではなくやはり「知らないお爺さん」なのは変わりません)
お爺さんのトーク中、時折スタッフさんの笑い声と、国崎さんの笑い声も聞こえてきます。ケラケラと笑う国崎さんの姿を想像して、私はいたずらっ子を連想せずにはいられませんでした。サイコーのいたずらっ子。ランジャタイ国崎さんの作るお笑いはあまりにも異質で、あまりにも無邪気です。
今日はどんなイタズラを仕掛けてくるんだろう。心が躍ります。こういう時、私はお笑いが好きだったことに心から感謝するのです。