マーケティング近視眼

企業が衰退してしまうのは、市場の成長が止まるのではなく、経営の失敗ですよ。という60年前の論文ですが、超有名な論文を紹介します。

これは、1960年にハーバード・ビジネス・スクールの名誉教授になった方が書いた論文です。

鉄道が自動車や航空機等の出現によって衰退した事例や、石油産業が衰退した理由等
1. 人口と富が増え続ける。
2. 代替製品は現れない。
3. 大量生産が利益を伸ばす唯一の戦略である。
4. 製品の品質を改善し続ければ利益が出る。

1. 人口と富が増え続ける。

つまり、消費者の数には限界があるけど、成長中は気づかないよね。という罠です。ドラッカーが「企業の目的は顧客の創造である。」(1)と言っているように、今ある顧客のニーズを満たすだけでなく、新しい市場を創造し続けないと、成長し続けることはできないということです。

2. 代替製品は現れない。

どんな商品にも必ず代替製品は現れます。例えば、鉄道産業は車や飛行機などの代替手段が生まれてしまったために、市場がシュリンクしました。

つまり、どんなに今優れた商品でも、いつかは代替製品が現れます。企業の意識を、鉄道を製造することではなく、移動のニーズを満たすこと。というアイデンティを持つ必要があると提唱されています。

3. 大量生産が利益を伸ばす唯一の戦略である。

顧客はその製品の価格を落とせば買う。という前提が間違っているケースが多いです。

顧客を創造できない一番のボトルネックが価格であり、さらに大量生産によってコストが下げられるのであれば、大量生産は効果的な戦略になりますが、そうでない場合は、生産ラインへの莫大な投資が無意味になってしまう可能性があります。

4. 製品の品質を改善し続ければ利益が出る。

大量生産の罠と、代替製品が現れないという罠とほぼ同じです。
つまり、創造的破壊を自らできないと、長期的には生き残れません。

 

マーケティング近視眼に陥らないためにはどうすればいいのか?

企業の活動を、製品を生み出すプロセスではなく、顧客を満足するプロセスに変化させましょう。と論じています。

つまり、製品を売りまくることではなく、顧客がほしいと思える価格、製品を創造することです。

考察

言っていることは当たり前ですが、利益につながる顧客満足度指標を見つけるのは難しかったりしますし、単年度の利益ではなく、顧客生涯価値を大きくすることが重要ですね。

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