底辺高校生の日記Vol5「ガムを飲み込む勇気みたいなもんだ」
人に話しかけるのって、どうしようもないほど難しい。ぼかぁ昔からコミュ障でず~~~っと誰かに話しかけられるのを待っていた。だって変なこと思われたら嫌じゃん?
例えば女子に話しかけて
「え~、私の全優しさを持ってしてでも関わりたくないこんな陰キャが私に話しかけるんですか、私の時間と思考を省いて一体どんな用事でござんしょ?」
なんて思われた日には、枕どころかベッドを涙で濡らしちゃいます・・・
それに、まず第一声ってなんて言えばいいのかな?
「やぁ?」
フランクすぎる キモイ
「あのぉ~」
弱々しすぎる、キモイ
「すいません、ちょっといいですか」
キモイ
どうあがいてもキモイ。ぼかぁ自身が発する言葉全てがキモイ、金子みすゞのどんなに綺麗な詩でもぼかぁという人間を通したら多分キモくなる。
そんな思考回路からずっと人に話しかけるのを躊躇してたんだけどさ
今日、駅のホームで中国人の人が何やら困った様子でアタフタしてたんだヽ(д`ヽ彡ノ´д)ノ
駅名とか読めんのかな?とか考えながらぼけーっと眺めてたの。何分化してその人は近くにいたおじさんに助けを求めてたんだけど
「日本語で話せよ!」
って冷たくあしらわれてて、日本人は親切なんて幻想なんだなーって思った。周り見てても誰も助けを差し伸べようとしないし、これぼかぁが行くしか無いんだろうな~って感じながらも動けぬまま
いや、ぼかぁそんなコミュ障無いから無視しようかな・・・って。でも、やっぱりほっとけない。親切ってこんなにも難しいんだなって改めて感じました。
しょうがない、とりあえずその人に声をかけてみる。いつもの自分ならこの前に10分ほど考えてから動くんだろうけど、頭より先に口が動いてしまった。
「エクスキュ~ズミ~?(汗)(震え声)」
「メイアイヘルプユ~???」
そしたら中国の人
(;´∀`)・・・・?
ごめんなさい。ぼかぁも英語めっちゃ苦手です。分かります。
そんで、その人、文明の利器スマフォを取り出してグーグル通訳
人生で一番近いんじゃないかって距離で中国語を聞きながら、人類の英知僕らの青春インターネットが日本語に訳してくれました。
「普通車両」
ん・・・・?んんー...ん?普通車両・・・?どゆこと
薄っすらと思い浮かぶこの人の顔、中国の人にも通じるのかな~、ちょっと何言ってるか分からないってジェスチャーをすると、さっきよりも長めの中国語でスマホに語りかけます。
「スペシャル電車じゃなくても、金山駅」
なるほど、この人金山駅に行きたい。僕の中で出かかっていたサンドウィッチマン富澤が消えていくのを感じながら反対側のホームを指差して
「ディスウェイ!ユーキャンゴー!カナヤマスティション!」
って言ったら
中国の人 神妙な顔してスマホに語りかける
「スペシャル電車」
おかえり富澤
ふと、右側に目をやると案内板の”特急”の文字が目に入ってビビビビーン!スペシャル電車って多分このことだろ!案内板を指差して
「ユーキャンライド!スペシャルトレイン」
って言ったら、その人スマホにまた話しかける
「それは高いですか?」
どうやら特急を有料だと思ったのかな?無料の普通列車を待ってたんだけど中々来ないから困ってたみたいだ。だってこの駅、特急か準特急ばっかで次の普通列車30分後ですよ。そりゃ不安になりますわな。
「ノー、イッツフリー!」
と答えたら安心した顔で、金山行きの特急に乗り込んでいった。
すごく長い時間だと思ったけど、この間わずか2分くらい。富沢の顔が浮かんだり消えたりした濃密なひとときでした。
結局人に話しかける勇気ってガムを飲み込む時の勇気みたいなだね。初めは苦しそうで踏ん切りがつけないんだけど、いざ決心して実行したらそんなに苦しくない。それに何となくスッキリする。この気付きを今後の人生にも生かしていきたいぼかぁでした。
終わり