舞台『はら、はらはらり』江戸衣装のお話。〜清花編〜
撫子のセーラたん、牡丹のなっちゃんがともに呟いてくれた清花の衣装✨
清花の衣装。最初に衣装プランの小泉美都さんが描いて描いてくださったスケッチがこちら♪
清花の衣装は、小物も含めてかなりスムーズに決定しました。
薄紫や水色の着物(打掛は着物を加工しています)は結構あるのと、その地色に描かれる柄ゆきが清花のイメージに合いやすいのでしょうね。
オシドリの帯
オレンジの帯も然り。
もともと咲匂さんの所有していた帯や私の帯にもオレンジの帯は何点かありました。そう、オレンジって合わせやすいし華やかだしいろんな柄が映えやすいので、実際お店とかでも比較的よく見るんですよ。
ただなんせね、予算はいつだって厳しいので🤣あるならあるものから使いたいわけです♪
それでその中からもう即決ですよ、オシドリ❣️
廓生まれの廓育ち。外の世界をひとつも知らない彼女。
客に身請けをせがむ彼女が、オシドリの帯をしている。
当時ほとんどお写真でしか存じ上げていなかったけど、清花役に決まった可憐ななっちゃん、麗しのセーラたんの、単純にその美人さ具合と、
そんな彼女たちが客に向けているオシドリのイメージと、その裏に抱えてる想いとの混ざり具合を思って、我ながら悶えたわけです。
ヴィジュアル撮影の日、夢ちゃんに「清花の帯、オシドリの柄なんだよ」と伝えただけで、案の定痺れてくれて嬉しかった💖
だからね、ゲネプロのこの写真、すっごく嬉しかったの❣️
冥利につきます、ほんとに((o(*>ω<*)o))
衣装は“役の印象”になるもの
これは私自身が演じる役の衣装を考えるときに大切にしていることなのですが、
舞台って観るお客様の位置によって俳優の顔の見え方って全然違うんですよね。私なんかは目が悪いくせに舞台観るとき後方で見たがるので、役者さんの顔があんまり見えてなくて衣装や髪型が変わったときに役を見失った経験がありまして🤣
以来、劇中で衣装が変わっても印象的なものを(よく使うのがシュシュとかカチューシャみたいな目立つ髪飾り)ずっと身につけておくようにするとか、衣装の色を同系にするとか、そういう風に組み立てることが多いんですね。
で。今回着物コーディネーターを任せていただくことになったときに、打掛と着物の印象をどう繋げるかってことにすごく留意しました。
衣装プランを考えてくださった美都さんからは「演出と話して、花魁たちは色の洪水って感じにして、男性や他の女性と居る世界が違う感じを出したい」というお話をいただいていたので、スケッチを元に衣装を探していく中でも、白やベージュ系の地色のものや、色んな色が混在しているマルチカラーぽいものは避けて、ぱっと見て「何色」って印象がはっきりするものを選ぶようにしてました。
とはいえ台本読む限り(当時は各シーンがどんな風に転換していくのか見当もついてませんでした)、おそらく打掛は着ているシーンと着ていないシーンがある。
となると、打掛を着ている時と脱いだ時にあまりに印象が違いすぎたり、他の役と混乱しちゃうような色合わせにならないようにしないと、と考えたわけです。
清花のイメージカラー
打掛が鮮やかな水色。
この打掛の脱ぎ着で印象が変わりすぎないようにするなら、小物に水色を足していくのが王道な訳です。
で。セーラたんですよ❣️
こちらはヴィジュアル撮影の日に撮った意気込み動画。
見てください、この水色に愛されすぎている麗しの美女を❣️
セーラちゃん、ほんとに水色大好きなんですって✨
なるほど。この水色の半襟がやたら「わたし❣️絶対わたし❣️」って主張してたんですよ。どうりで。
役が衣装を呼んで、衣装がセーラちゃんに呼ばれてる感じ。
帯揚げと帯締めも、水色ベースに選んだもの。
特に帯締めは、なんとこのヴィジュアル撮影の前々日に偶然わたしの元へやってきた子でして(この舞台ではそういうことがちょくちょく起こってて奇跡めいてました)、エメラルドブルーの平組の紐の片面に薄ピンクと水色の絞りの布があしらわれてまして、それはそれは清花のイメージにぴったりだったんです✨
ということで、ビジュアル撮影の時点のコーディネートがまるっと本番衣装に決定してました。
そして牡丹のなっちゃん❣️
ね。さっき打掛の水色をどう着物に差し込んでくか、みたいなこと言ってた割に、見てくださいこの半襟👀
赤ですよ❣️
どうゆうこっちゃい🤣
や。なんかね、ゆうてもヴィジュアル撮影の日にはまだ全員分の本番用着物も揃ってなかったし、ヴィジュアル撮影では打掛も脱がない予定だったので、スタッフとして入ってくれてた愛実さんにも相談して、この赤の丸繋ぎを試しに入れてみたんですよ。
そしたら、めっちゃ似合うやん❣️
なっちゃん自身が持ってるちょっとクセになる空気感に、
水色×薄紫×赤 がどハマり❣️
そしてそれが、スピンオフ作品を上演したイベント【ものがたりへのいざない〜吉原の巻】で、なっちゃん演じる清花の一人芝居を観て、確信に変わるわけです。
なので本番衣装では、10月に手に入れた紫と鮮やかな青の端切れ(おそらく羽織の裏地ではないかとお店の人が言ってた)を、青の部分を多く見せるようにして帯揚げにしました。
それを清花が隠し持った屈折や葛藤にリンクするように、少し斜め歪んで咲く薔薇のような形に結んで。
これがまた(自画自賛ですみません🤣)まぁハマりました✨
似た2枚の着物の妙
W清花の薄紫の着物は実にそっくりな2枚を入手することができたんですが、
これは着付け稽古の時の写真。
ちょうど清花2人が手前にいるんですが、ね。似てるでしょ❓
でもそれでも、ちゃんとセーラたんとなっちゃんに似合う1枚を割り振れたなと思っています。
洋服でも挿し色コーデ、みたいなこと言うじゃないですか。
セーラたんは水色を主役にするイメージで、全体に水色を挿していったコーディネートでした。
なので着物にも水色が入っている1枚を割り振っています。
なっちゃんは(これは私が自分で作っちゃった言葉なのですが)添え色でコーディネートしました。
紫の着物に水色を繋ぎつつ、赤を添えるみたいな。
なので赤の添え色が効くよう、紺の花の柄の入った着物を割り振りました。
ここまで読んでくれた皆さま、どうもありがとう✨
自分の癖(へき)に任せて書き殴りました。
あー❣️楽しかった❣️🤣
次は誰の衣装について書こうかな。
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