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【SIREN2考察】全終了条件1・2の違いと必要行動の解説・考察1
※ネタバレを多く含みますのでご注意ください。
SIRENとは
プレイステーション2で販売されたホラーゲーム。2003年11月6日発売。
他人の視界を覗き見る「視界ジャック」という能力を駆使し、屍人と呼ばれる敵から逃れつつ戦うステルスアクション。
2006年2月には続編の『SIREN2』、2008年7月には第3作『SIREN:New Translation』が発売されたほか、2006年にはメディアミックスとして、映画化もされています。
『終了条件1・2』と『他シナリオのための必要行動』
『SIREN』の特徴的なシステムのひとつとして、各シナリオに設けられた『終了条件1・2』があります。
『SIREN2』では、ゲーム中のほぼすべてのシナリオにおいて、クリアするための条件がふたつ設けられています。初めは終了条件1しか登場しませんが、終了条件1を達成して行くだけではゲームをクリアすることはできません。必ずどこかで行き詰ることになります。そうなった場合、すでに終了条件1を達成したシナリオをもう1度プレイし、もうひとつの終了条件2を達成することで、先へ進むことができるのです。
また、終了条件2をプレイするためには、他のシナリオで終了条件2を解放するための『必要行動』というものを満たさなければなりません。例えば、とあるシナリオの終了条件2が排気ダクトを外してアイテムを入手することだった場合、事前のシナリオでダクトを外すためのモンキーレンチを入手しておく必要があったり、鍵がかかっている部屋でアイテムを入手する場合は、事前に別のキャラで内鍵を開けておく、など、基本的に終了条件2に挑むためには事前のシナリオで何かしら行動しておく必要があるのです。
これら『終了条件1・2』と『他シナリオへの必要行動』は、その違いや意味が明確なものもあれば、一見するとどういう違いや意味があるのか判らないものもあります。
この記事では、『SIREN2』における『終了条件1・2』の違いと『他シナリオへの必要行動』の意味を解説・考察していきます。
各項目の見方
シナリオタイトル
各シナリオとタイトルと対象となる人物・場所・時間です。
あらすじ
シナリオのあらすじです。
終了条件1:
→
終了条件2:
→
そのシナリオの終了条件1・2と、それぞれ条件をクリアした場合の次のシナリオ、そして、ふたつの条件の違いを解説・考察しています。
他シナリオへの必要行動:
→
そのシナリオで行える他シナリオの必要行動と、その行動が影響を及ぼすシナリオ、そして、その必要行動を解説・考察しています。シナリオによっては複数設定されています。
参考:
『SIREN2』では『並行世界』が大きなテーマとなっています。
ゲーム中、終了条件1の先の展開が描かれることはあまりないのですが、設定上は、終了条件1の先の世界も『並行世界』や『パラレルワールド』と呼ばれるもので存在しています。
筆者は別サイトで『SIREN2』の二次創作の小説を書いており、ゲームでは描かれなかった『終了条件1の先の世界』を書いているものもあります。
参考の項目では、筆者が二次創作で書いた『終了条件1後の世界』を紹介しています。要するにただの宣伝です。もし興味があればぜひ読んでくださいませ。
SIREN2(サイレン2)/小説
WEB小説投稿サイト『ハーメルン』に投稿している筆者の二次創作です。
29年前(昭和51年)の出来事
『惨劇』 三上脩 蒼ノ久集落/三上家二階 -3:45:12
あらすじ
父に見守られて眠りにつく幼い三上脩は、真夜中、一階から聞こえる物音に目を覚まします。
終了条件1:非表示(玄関到達で終了)
→『怪異』 一樹守 夜見島沖/翔星丸 -7:00:07 へ
目を覚ました脩は一階へと降りて行き、玄関先で、血まみれで倒れた父親の姿を見、直後に家を訪れた見知らぬ男と大型犬に驚き、奥の部屋へと逃げます。
終了条件2:「三上脩」の「蒼ノ久集落」からの逃亡。
→『決起』 太田常雄 蒼ノ久集落/太田家大広間 -4:00:09
このシナリオの終了条件1・2は特殊で、通常は分岐する終了条件がここでは分岐しておらず、条件2は条件1の後の出来事となっています。
奥の部屋へ逃げた脩は家の外で加奈江と再会し、資材置き場のロープウェイを使って蒼ノ久集落から脱出します。
他シナリオへの必要行動:「猛獣ロボ」の入手。
→『逃亡』 加奈江 夜見島港/旧道 -1:50:46 終了条件2
ここで入手した猛獣ロボは、加奈江-1『逃亡』のシナリオにおいて、加奈江が漁師を誘導する際に使用されます。
『邂逅』 三上脩 夜見島/蒼ノ久集落 -2:25:10
あらすじ
赤い高波により船が転覆し、三上脩は夜見島の蒼ノ久漁港へ流れ着きます。そこで、幼いころ住んでいた家にたどり着いた三上は、玄関先で、29年前に何者かに殺された父と、三上の姿を見て奥の部屋へ逃げる幼い自分の姿を目撃します。まるで29年前にタイムスリップしたかのような光景に動揺する三上の目の前で、屍霊が憑りついた父の死体が屍人となってよみがえります。
終了条件1:「蒼ノ久集落」からの脱出。
→『不信』 一樹守 夜見島/瓜生ヶ森 0:39:51 へ
終了条件1では愛犬・ツカサと共に蒼ノ久集落を脱出し、貝追崎方面へ向かいます。この先の展開は不明ですが、ツカサと一緒に行動しているため阿部と出会うことがないと思われます。
終了条件2:「宝物」の発見。「蒼ノ久集落」からの脱出。
→『代役』 阿部倉司 夜見島/第1砲台跡 3:47:08 へ
終了条件2では脱出前に廃材置き場に立ち寄り、幼いころ自身が書いた加奈江の絵を掘り出します。
三上は幼い頃この島で暮らした記憶をほとんど失っているのですが、この絵は失った記憶を取り戻すきっかけのひとつになると思われます。
また、さらに重要な点は、この直後に廃材置き場の屋根が崩れてツカサが下敷きとなり、三上は屍人に襲われ斜面を落ちてしまうことです。
この結果、三上は阿部と出会い、彼と行動を共にすることになります。
他シナリオへの必要行動:九十九折り階段手前の石段と民家の壁の隙間を調べる。
→『彷徨』 喜代田章子 夜見島/蒼ノ久集落 15:31:58 終了条件2
石段と壁の隙間を調べることで、三上は29年前に漁師から逃れるために加奈江とこの隙間を通り抜けたことを思い出します。
そして、章子+15『彷徨』条件2で、章子はこの隙間を通り抜け、重要アイテムである熊手を入手します。
『彷徨』のシナリオで、章子は霊体となった脩に導かれて行動していますので、彼が隙間を調べて記憶を取り戻したことで章子を導くことができたと考えることができます。
『逃亡』 加奈江 夜見島港/旧道 -1:50:46
あらすじ
ロープウェイを使って夜見島港へ下りた脩を迎えに走る加奈江は、太田家の娘であるともえを振り切り、脩と再会します。
終了条件1:「三上脩」と「ドルフィン桟橋」へ到達。
→リンクナビゲーターへ
加奈江と脩は漁師たちから逃れドルフィン桟橋へ到達しますが、そこはすでに漁師に見張られていたため、別の場所へ向かいます。
その後の展開は不明ですが、この後0時には母胎が赤い津波を起こしますので、島民が異界に取り込まれた点は変わらないと思われます。
問題は加奈江と脩がどうなったかですが、私は加奈江が一樹+22の『崩壊』のシナリオにおいて自力で特異点へ到達している点から、加奈江には母胎から受け継いだ能力のひとつとして『次元を渡り歩く』ことができるのではないか、と考えています。
よって、終了条件2同様、加奈江と脩の2人は異界に取り込まれることはなかったと思っています。
終了条件2:「三上脩」と「夜見島灯台」へ到達。
→『消失』 太田ともえ 夜見島灯台 -0:00:47 へ
終了条件2で加奈江と脩は夜見島灯台へ向かいましたが、先回りしていた太田ともえに阻まれ、足場が崩れて加奈江と脩は海へ落ちます。その直後、島は赤い津波に襲われ、島民は異界へ取り込まれますが、脩と加奈江は難を逃れました。
このシナリオの終了条件2で重要なのは灯台へ到達することではなく、その途中の洞窟にて海亀を逃がすことです。
この海亀は一樹-3『遭遇』の終了条件2において、脩が落としたメダルを届けることになります。
他シナリオへの必要行動:「圧気機室」内のバルブを捻る
→『遭遇』 一樹守 夜見島港/ドルフィン桟橋 -3:50:52 終了条件2
終了条件2の海亀を逃がす事と同様に重要な行動です。ここで加奈江がバルブを捻ったことでパイプから水が漏れ出し、鉄格子状になっている床を29年かけて腐食させます。
そして、一樹-3『遭遇』の終了条件2において、一樹は腐食した鉄格子を蹴破って移動し、堤防を越えるためのアイテム『鉄パイプ』を入手します。
19年前(昭和61年)の出来事
『予兆』 藤田茂 夜見島金鉱採掘所 -5:26:51
あらすじ
警察官の藤田茂は、「上陸禁止の夜見島に女がいるのを見た」という通報を受け、独断で調査へ向かいます。
瓜生ヶ森にある夜見島金鉱採掘所跡を調査する藤田は、そこで島に古くから伝わる化け物・屍霊に襲われます。
終了条件1:「崩谷」方面の道へ到達。
→『疑惑』 一樹守 夜見島/瓜生ヶ森 -00:01:44 へ
終了条件1では、藤田は襲ってくる屍霊から逃げるように採掘所跡を出て、社宅が建ち並ぶ崩谷方面へ向かいます。その後の展開は不明ですが、少なくとも藤田と市子が出会うことはなかったと考えられます。
終了条件2:「フェリー」の発見。
→『感応』 岸田百合 夜見島/瓜生ヶ森 1:40:07 へ
終了条件2では瀬礼洲の森の中に座礁したブライトウィン号を発見し、そこへ向かうことになります。
結果として市子と出会うことになり、悲劇へ向かってまっしぐらとなります。
他シナリオへの必要行動:「針金片」の入手。
→『喪失』 矢倉市子 ブライトウィン/貨物室 1:20:19 終了条件2
藤田のこの行動にどういう意味があるのかはかなり謎な部分が多いですが、私はこの針金片を使って何かの鍵を開けたと考えています。
アーカイブ49の『藤田茂の始末書』によると、藤田は刑事時代に窃盗犯の捜査をしていたことが判ります。
窃盗の捜査をしているということは、刑事時代は捜査三課(もしくはそれに類する部署)の配属であったと思われます。
捜査三課とは、空巣やスリなどの窃盗事件を取り扱う部署です。窃盗は再犯率が高く、常習犯は何度も逮捕と服役を繰り返しています。こうした窃盗の常習犯は毎回同じ手口で犯行に及ぶことが多いため、ベテランの刑事となると犯行の手口を見ただけで犯人が判ることもあります。捜査三課の腕利き刑事は、ヘタな窃盗犯よりもよほど窃盗の手口に詳しいのです(あくまでドラマとかで見た知識ですが)。
藤田も交番勤務となる前は家族を顧みないほど仕事に打ち込んでいたようですから、窃盗の手口にはかなり詳しかったと思われます。簡単な鍵ならば、針金片を使って開けることもできたでしょう。
よって、藤田の針金片の入手は、ブライトウィン号内のどこかの鍵を開けることに使われた可能性が高いと考えます。
現在(昭和80年)の出来事
『遭遇』 一樹守 夜見島港/ドルフィン桟橋 -3:50:52
あらすじ
赤い高波で船が転覆し、一樹守は夜見島港へと流れ着きました。調査を始めた一樹は、動く死体・屍人から逃げる美しい少女・岸田百合と出会い、行動を共にすることになります。
終了条件1:「同行者」と「瓜生ヶ森」方面の道へ到達。
→『不時着』 永井頼人 夜見島/碑足岬 -2:24:27 へ
百合と出会った一樹は屍人を撃退し、瓜生ヶ森へと向かいます。
終了条件2:「メダル」の発見。
→『漂着』 加奈江 夜見島港/岩場 29年前 へ
終了条件2においては堤防を越えて岩場へ下り、29年前に三上脩が落とした土器博の記念メダルを拾います。
このメダルは、一樹+22『崩壊』での母胎との決戦時に、霊体の脩(子供)を決戦の場である特異点へ呼ぶことができます。この霊体の脩を追って加奈江も特異点へ到達し、加奈江の自傷行為によって母胎を弱らせることになりますので、メダルは母胎を倒すための重要アイテムと言えるでしょう。
なお、メダルを拾った後は終了条件1と同様、百合と共に瓜生ヶ森へ向かったものと思われます。
他シナリオへの必要行動:「モンキーレンチ」の入手。
→『幻視』 一樹守 夜見島/瓜生ヶ森 0:01:08 終了条件2
モンキーレンチは一樹+0『幻視』のシナリオにおいて送風ダクトを外すのに使われ、一樹はダクト内の髪飾りを入手します。
『実戦』 永井頼人 夜見島遊園/管理小屋 -1:59:53
あらすじ
自衛隊のヘリでの物資輸送訓練中怪異に巻き込まれ、夜見島へ不時着した三沢と永井。永井は自分をかばって死んだ先輩の沖田の前で泣き崩れますが、その目の前で沖田はよみがえり、永井に向けて銃を撃ってきました。三沢は永井に銃を渡し、応戦するよう命じます。
終了条件1:「瓜生ヶ森」方面の道へ到達。
→『懇願』 一樹守 夜見島/四鳴山林道 -2:24:32 へ
沖田の屍人を倒した永井は、三沢と共に夜見島遊園を脱出します。
その後二人は瓜生ヶ森で一樹と百合と出会い、赤い津波にのみ込まれて異界へ取り込まれますが、その後の展開は不明です。
ただ、このシナリオの終了条件1では三沢が先行し、彼の指揮のもとスムーズに脱出していますので、ひょっとしたら終了条件2後の世界のような三沢と永井の確執が起こっていないのかもしれません。
終了条件2:「薬」の発見。
→『幻影』 三沢岳明 夜見島金鉱社宅 4:42:40 へ
終了条件2では永井が先行して遊園地からの脱出を目指しますが、さまざまな場所を巡るため脱出に手間取ります。
そして、チケットボックスで三沢の持ち物である怪しげな薬を拾い、これが後に三沢への不信感へ繋がると思われます。
他シナリオへの必要行動:正門前で「信管」を入手
→『幻影』 三沢岳明 夜見島金鉱社宅 4:42:40 終了条件2
この信管は上記シナリオで三沢が社宅の扉を破壊して部屋へ侵入することに使われます。