メタビはなぜ嫌われるのか
お世話になってます。
ドラモンと申します。
最近ランクマッチでメタビートが流行っていてメタビートを話題にしている方を多く見かけます。その内容としては大半がネガティブなものであり、一つのアーキタイプでここまで嫌われているデッキというのも近年の遊戯王においてはなかなか無い気がします。
僕自身も正直好きなデッキではないですが、じゃあ何で嫌いなのか、ということを文章の練習がてらまとめてみようと思ってこの記事を書くに至った次第なので、お付き合いいただければ幸いです。
※タイトルは強めの言葉を使っていますが、当該デッキ及び使っている方を批判する意図は一切ございませんのでご承知ください。
また、「メタビート」というデッキの定義は広義に解釈されるため、今回は便宜上、「結界像やパキケ等の特殊召喚封じモンスターを軸としている罠ビート」として定義して話を進めていきます。
1.メタビートのネガティブイメージの理由
1.対面した時の選択肢の少なさ
メタビートはss封じモンスターが中心になる以上、大抵のデッキでは手数がいくらあっても攻め手にならず、ss封じモンスターを解決するカード(泡影等)を引くまで誘発をセットして粘り、引いたらそれを叩きつけてから手数を放出していくというゲームになりがちです。解答を引いてもそれが無効系罠に止められてしまえば一巻の終わりですし、通ってしまえば突破して概ね勝ちになります。つまり、「結界像の解答になるカードの枚数VSそれを止めるカードの枚数」という構図になりやすく、勝敗にかかわらず「引けたor引けなかった」という印象のみが強く残ってしまい、プレイが勝敗に寄与したという体験を得にくくなってしまいます。バロネスのような回数制限のある無効系の置物であれば、ブラフやかぶっているカードに妨害を吐かせるなどのブラフの余地が発生し、そういった駆け引きに楽しさを見出すプレイヤーが多いため、逆説的にそういったやり取りが介在しにくいメタビート対面は不満を抱くことが多いのかなと思います。
2.先攻後攻間の落差のイメージ
メタビートというデッキは、先攻は結界像等の置物と罠での制圧を目指すデッキですが、後攻だと基本的に汎用の捲りカードに依存している印象があります。筆者が対面した限りだと拮抗やライストなどが見られました。ただ、現代遊戯王でそういったカード1枚で盤面を捲り切れるかと言われるとやや疑問ですし、そうなるとそういったサーチがないカードを複数素引きして且つ蓋をするカードも併せて引く必要があり、後攻の要求値は通常のデッキに比べてかなり高い印象を受けます。したがって先攻を取られた際に「コイントスで勝敗が決まった」というイメージが強く残り、そういった体験が不満につながっていると考えられます。
3.普段と異なるゲーム体験
メタビートというデッキは、良くも悪くも通常のデッキとはコンセプトが異なっており、普段と違うゲーム体験を強いられることに対する忌避感がストレスになっていると思われます。具体的に述べると、通常は「先攻が作った盤面に対し、後手が手数で妨害を踏み乗り越える」というものですが、これに対してメタビート対面は「結界像に対する回答を引くまで時間を稼ぐ」というゲームになり、通常とはかなり異なるゲームプランを強いられ、それがプレイヤーのストレスにつながっている印象です。
2.メタビートの利点
さて、ここまでメタビートに対してネガティブな内容を書いてきましたが、逆に一定の使用者がいる以上、メタビートというデッキの利点も存在します。その利点とは何か、という点も思考の整理に当たって必要だと思ったので、僕の思いつく範疇ですが記載したいと思います。
1.相手の死に札が増える。
現環境(2024年1月)のMDにおいてTier上位のデッキとして、烙印やラビュリンス、斬機、超重などが挙げられますが、これらのデッキは絶対に捲られない制圧盤面を作るというよりは、豊富なリソースを抱えつつそこそこの妨害を立てるという特徴が見られます。それに伴い、後手番の戦い方としてはできた盤面を捲り札で捲るというよりは、展開自体を手札誘発で止めるor弱体化させ、盤面の弱体化及びリソースの削減を狙っていくプランが主流となっています。そのため、現在では誘発を10数枚採用しているデッキも珍しくなく、デッキに採用される誘発の枚数の期待値が高い環境となっています。さて、ここでメタビートというデッキの特徴を鑑みると、当然ですがss封じを主体とする構造上増殖するGがほぼ効かず、他の誘発もほとんど機能させず戦うことができます。(うららのみ例外)したがって、現在のメタビートは相手のデッキの死に札が比較的多い環境となっているため、環境的に追い風と考えることもできます。
2.自由枠の広さによる恩恵
前述した通り、メタビートは結界像+罠が基本の戦術ではありますが、前のモンスターさえ固まってしまえば罠については採用必須のカードというものはあまりなく、環境に応じて多種多様な罠カード、果ては誘発や捲り札も含め、かなり広いカードプールからカードを採択することかできます。この点は、環境に応じて広いメタに対応しやすくなる応用性があるのはもちろんですが、対面目線で採用しているカードを読みにくいという利点にもなります。具体例を出すと、結界像+伏せカード、という盤面の際、その伏せカードがバリア罠や神罠等の特定の行動をトリガーとして盤面に触れてくるカードなのか、強制脱出装置やドラグマ・パニッシュメント等のフリチェ除去であるのかというのはかなり読みづらく、すべてのケアは困難です。これが手札誘発であればある程度採用カードが読めるので致命傷を避けて動けることが多い一方で、罠は手札誘発に比べて圧倒的にカードプールが広いため、想定すべきカードが多すぎて読みにくく適切なプレイを取るのが困難です。
3.プレイの分かりやすさ
これは前の項で述べた選択肢の少なさの裏返しにもなりますが、プレイの択の少なさは使う側の視点で考えたときに利点になりうると思います。いわゆる展開系デッキは、展開ルートのパターンをある程度覚える必要があり、加えて誘発ケアとしてどの展開をしていくかという選択も求められます。そういったことを心掛けてプレイするには、個人差はあるものの一朝一夕にはなかなか難しいです。対して、メタビートは自ターンは基本的にはシステムモンスターの召喚と罠カードセットのみであり、展開系であるようなルートの暗記は一切不要です。もちろん、妨害を当てる際の対面理解は必要ですが、それは展開系でも同じことなので、やはり使いやすいという印象はあると思います。
2と3については現環境に限った話ではないですが、もともとこのような利点があるのに加え、最近の環境的に1の利点も生じたことが、最近のメタビ使用者の増加につながっている原因ではないかと考えます。
3.終わりに
言語化して整理してみると意外とメタビートを使っている人の選択も分からなくはないな、という印象でした。冒頭でも書きましたが、もちろんルールの範疇であって、デッキが嫌われるのはある程度仕方ないとしても、使うこと自体を咎められるのは違うとは思っています。ただ、ランクマで当たってキレそうになる気持ちもわかるので、理論づけすることである程度怒りが抑えられると思ったのも執筆のきっかけの一つです。笑
以上で終わりとなります。今回は試験的に0文字での有料部分をつけてるので、よろしければ投げ銭していただけると大変喜びます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
他の記事も書いているので良ければ合わせて読んでいただけると嬉しいです!
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