ウサギと亀

珍しくちょっとポジティブな話。

今日ふと思ったけど、実際に口にすると負け犬の遠吠えだと思われるから言えない。


「…私ってもしかして亀なのか。。」


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数年前に私の父親が大病した時
両親健在の知人は他人事のように
「大変だねぇ〜」と言っていたが、
その後その人の父親が病気になりあっという間に亡くなった。

当時は他人事だったんだろう。
それは仕方ない。

そして今、私の父親は病気が治って元気に過ごしている。
闘病中は父も人が変わってしまって、かなり辛かった。それは数年間にも及んだ。

元々母親がいないのに、父親まで。

なんで私だけ…

両親健在の奴が憎たらしい。

そう思っていた。

しかし当時元気だった人よりも、私の父の方が長生きしている。

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安月給でなんとか生きている自分が惨めだと思っていたけど、コロナ禍でも仕事を切られることなく今も働けている。
ボーナスも高額ではないが、いつもどおり貰えた。

ニュースを見ているとそれがいかにありがたいことかがわかる。

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ウサギと亀でググるとある経営者の話の記事が出てくる。

“亀が勝てたのは、ウサギではなくゴールを見ていたからだ”

人と比べるな、ということだろう。
全くそのとおりだ。

私はウサギばかり見ていた。
いや、今もウサギを見ている。

寿退社する人たちを見ては、
仕事辞められて羨ましい、
結婚できて羨ましい、
私は全くそんな気配もないのに…

とグルグルと負の感情が回る。



…いや、待てよ。

これはいつもの亀パターンなのではないか?

ネガティブに飲み込まれることなく、珍しく違う思考が浮かんだ。

私にとってのゴールってなんだ?

結婚したらゴールではない。

離婚したら意味がない。

自分の子どもを産むのがゴール?

いや、それも違う。

子どもはほしいけど、産んで終わりではない。

私はウサギしか見えていなかった。

みんなに祝福されて、仕事を辞められて、
綺麗なウェディングドレスを着て…

もう勝負はついた。私は負けたのだ。がっくり

と思っていたが、そんなことはない。
そこがゴールではない。


今まで死にたいほどつらい日々を過ごしてきた。
でも私はちゃんと仕事に行って自分で稼いで、家事もやって、自活してきた。

それだけでもすごくないか?


ノロノロだけど止まってはいなかった。
ウサギのことを羨んで比べて落ち込んで、
でも止まりはしなかった。

今もきっと、ノロノロだけど止まってはない。

死ぬまで決着はつかないのだから
道の途中でウサギばかり見るのはいい加減やめようと思う。


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