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【ドクターハウス】アメリカ人のブラックユーモアを凝縮した天才ハウスの医療ミステリー

2010年ごろ、わたしは仕事が激務で、人間関係にも疲れ、へとへとになり毎晩深夜の帰宅をしてました。当時はNetflixやアマプラのようなオンライン配信コンテンツはまだ無かったのですが、唯一TSUTAYAオンラインがテレビと接続していて、わたしはこのドクターハウスを見つけました。

深夜帰宅の後、寝る前の2~3時間は毎日ハウスのブラックユーモアと難解な医療ワードと、なんだかんだありながらも最後には病名を特定できる水戸黄門的爽快さによって、うまくいかない現実をひととき忘れることができた思い出があります。

ドクターハウスとはどんなドラマ?

ドクターハウスは他の医師が解明できない病気の原因を、優秀な診断チームを率いて特定し治療する天才診断医。人付き合いが苦手な毒舌家で、めちゃ強力な鎮痛剤バイコディンへの依存症などさまざまな問題を抱えながらも、人への深い洞察力、人並外れた医療センスで、難題を解決していきます。

1話完結型なので、サクサク見れるし、病気はたいてい原因がわかるので、視聴の後味がいいですね。また、ハウスは偏屈じじいではありますが、だれに媚びることもなく、純粋に病気の原因を突き止めることにまっすぐ行動するので、ぶれない。時に患者の意志すらも無視するところもあるので、それが患者のためなのかどうかはさておき、『人に死ではなく生を選択させる』ために説得するシーンはとても見ごたえがあります。普段、不真面目なのでそのギャップでグッときます。私はハウスおよびこの役者ヒュー・ローリーのことも私は大好きになりました。

とにかくアメリカ人的ブラックジョークとユーモア満載

ユダヤ人を茶化す、黒人医師への人種差別、女性医師へのセクハラ発言、患者を基本あほ呼ばわりし悪態をつく、そもそも患者の意志を尊重しないし診療しない、薬物依存、など、コンプラ的にも人間的にもNG祭なやつです。このあたりの描写も含め、アメリカではOKなラインとして地上波で放送されるわけですが、日本では難しいと思ったのが第一印象。

だいたい、アメリカドラマでよく出てくるブラックジョークが日本だと一言「不謹慎」と言われ、また「見ている人がマネする」という理由でドラッグに限らず薬物依存などキワドイこの物語のスパイス的な部分はきっと削除されてしまうのではないかと思います。本筋は医療ドラマでありながら、ユーモアたっぷりなハウスと周りとのやりとりが、毎回笑えます!

このドラマがただ難解な症例の謎解きだけでは終わらず、カッディ(ヒロイン兼上司)やウィルソン(同僚兼友人)、部下の医療チームメンバーとテンポよくやりあうシーンが多くのファンを得た理由だと思います。

嫌われ者だけど愛されるハウス

このドラマのキャッチコピーみたいなものですが「Everybody lies(人は嘘をつく)」という言葉が毎度出てきます。ハウスは患者が言葉で言うことはほとんど嘘だと決め込み、その代わり勝手に家宅捜索したり、家族の病歴を調べたりします。(家宅捜索はほぼ毎回お決まり)そして、だいたい患者は嘘をついていたり、患者の言動も病気の症状の一つだったりすることがわかってきます。そして嘘をついていたその裏側のそれぞれの胸の内や事情が本当に分かった時、その病気の原因にもたどり着く。というのがお決まりパターン。

ハウスはとにかく意地悪なので、患者にも部下のメンバーにも容赦しません。嘘の背景にある不倫の事実、子供の血縁関係、性的志向など隠したい秘密もガンガン暴いてきます。まさに、嫌われる勇気の塊。人に好かれようとすることなど皆無です。だから、なんかすっとするんですよね、見ていて。

そして、そんなハウスの周囲のメンバーば、なんだかんだ言いながら愛想をつかさずに付き合ってくれるんです。愛されてるやんハウス。でも、限界を迎えて離脱する人もでてきます。そして最後まで残るのはいったい誰か。。。

ちょっと中だるみはあったものの、最後まで見てよかった

欧米のドラマは、基本的にシーズンとして続くことを前提としているので、キャラクターにいくつもの側面を持たせます。単純に強いヒーローではなく、同時に薬物依存や、病気、障害を抱えていたり、周りの人物もシーズン1では掘り下げられない内面や過去が、徐々にフィーチャーされていくというのはお決まりです。日本だと、10話で回収できない伏線ははれないし、ドラマの主題とはずれた詳細なキャラ設定というのはやりにくい。だから、意外性があまりないんですよね。

このドラマ、個人的には見ている途中でアメリカのシーズンに追いついてしまい、途中は間が数年ありしばらく中だるみしました。物理的に見れなかった他にも、やはりこのドラマのヒロイン・カッディとハウスがくっつくか、くっつかないかのもどかしい感じを見ているのが一番面白かったのです。ですが、いざカップルになると、なんだか見ていられない気持ちになるんですよね。なんか。恥ずかしいし、ハウスが不器用すぎて、もう見ていられない。。。笑

で、なかなか見る機会がなかったのですが、fuluで見つけ、昨年ようやく最終シーズンまで見終えました。

泣きました。ハウスを最後まで見届けられて本当に良かった。私の心の名ドラマ100選に刻まれましたよ。

グレイズアナトミーは途中で離脱した私ですが、ドクターハウスは本当に楽しませてもらいました。おすすめです。

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