ただ守りたい… 176話
三学期が始まって、はや2週間が経ち、○○達は新しい席にも慣れ……
美月: ○○〜!!!
いや、1人はまだ慣れていないようだが、大半の生徒は慣れ、学業に委員会活動に部活にと、日々を過ごしていた。
ちなみに、正月を避けたのか、今月は4日に、○○は麻衣、美月、さくらと共に乃木坂病院に行き、看護師の幸村とも姉の深川麻衣とも新年の挨拶を済ませ、麻衣とさくらに関しては、美月から話は聞いていたものの、○○の代わり様を実際に見て、驚いていた。
そして今日は、土曜日。
朝に強い麻衣とバイトがある○○はもちろんのこと、普段の休日は昼にならないと起きてこない美月も、ずっと本を読んでいるさくらも、リビングに集まり、どこか緊張していた。
○○: シャーペンは?
蓮加: 2本持ってる!
○○: 消しゴムは?
蓮加: 持ってる!
○○: シャー芯入れは?
蓮加: 持ってる!
○○: 受験票と学生証。
蓮加: どっちも持ってる!
○○: 腕時計!
蓮加: はめてる!
目の前の○○に、腕時計を見せつけるように、左腕を突き出す蓮加。
○○: よしっ!準備完了!
蓮加: はい!
美月: 笑、○○って、テスト前は絶対するよね、それ。毎回、祐希と一緒にやってるのを見るもん。
○○: 忘れ物があるとマズいからね。
麻衣: 蓮加、頑張るのよ。
さくら: 頑張って。
蓮加: うん!
2人の姉のエールに、蓮加は元気な返事で答え…
美月: 蓮加。あんたは、私の○○によるマンツーマン指導…しかも、週に3回もそれを受けたんだから、絶対に受からないとダメだからね!
蓮加: もちろん!
嫉妬による圧をかけてくる姉に対しても、明るい返事とグッドサインで答えた。
美月: うぬぬ……絶対だからね……
麻衣: 笑、○○がいる蓮加の部屋に侵入しようとする、美月を止めるのは大変だったなぁ。
さくら: ほんとだよ笑
元旦に決めた、週3回の○○による蓮加へのマンツーマン指導における、身内の邪魔者の侵入を防いだ日々を思い出し、麻衣とさくらは笑う。
○○: じゃ、そろそろ出ないとだね。時間も時間だし。
蓮加: だね!お姉ちゃん行こ!
美月: …はーい。
腕時計で時間を確認した蓮加は、必要なものを入れたカバンを持って、玄関に向かい、その後を学校の制服を着ている美月もついて行く。
○○: 美月は、生徒会副会長としての仕事、頑張るんだよ。
クルッ
美月: なでなでして応援して♡
背中に向けて言ったつもりだったが、○○の言葉を聞くとすぐに、美月は振り返り、あざとく上目遣いでお願いする。
○○: はいはい笑
ナデナデ
美月: えへへ〜笑
すると、その状況に気づいた蓮加が、急いで玄関から戻ってきて…
蓮加: お兄ちゃん!蓮加にも!!
○○: 分かったから笑
ナデナデ
蓮加: いひひ〜笑
ナデナデ
美月: ふふふ〜笑
結果、両手で美月と蓮加の頭を撫でることになった○○。
麻衣: 笑、これで頑張れるんなら、いくらでもやるわよね?
○○: うん。いつまでもやってあげるよ。
美月: じゃあ…
○○: でも、時間があるから……はい、終わり。
パッと2人の頭から手を離す。
美月: え〜
蓮加: もうちょっと〜
○○: ほんとに間に合わなくなるよ?
美月: ……しょうがない。
蓮加: 帰ってきたら、また、なでなでしてよ!
○○: 了解。ほら、早く行きな笑
蓮加: うん!いってきます!
美月: いってきまーす!
こうして、受験を控える蓮加と、その受験生達の案内等の仕事がある美月は、3人が笑顔で見守る中、家を出て、乃木高に向かった。
麻衣: 大丈夫かな?
さくら: 大丈夫でしょ。お兄ちゃんも、なんならお姉ちゃんも教えたんだから。それに、蓮加は頑張ってやってたし。
麻衣: ふふ笑、さくらもお姉ちゃんらしく教えてたじゃない。
さくら: ……ちょっとだけね。
○○: 笑、お姉ちゃんらしかったよ、さくらは。
さくら: …そっか。それなら良かった。
○○: さ、僕もバイトに向かう準備をしないと。
携帯を確認しながら、○○は言う。
麻衣: だね。ってか、年が明けてからはどんな感じなの?
○○: 何が?
麻衣: 来客数よ。年末までは、夏休みほどではないにせよ、かなり来てたんでしょ?
○○: うん。ありがたいことにね。
麻衣: それで、年明けてからは?
○○: う〜ん、ここ最近はねぇ…
カフェBINGO!
ガチャ
○○: おはようございます。
店長: あ、おはよう、深川君。
奈々未: おはよう。
○○: 更衣室は…
奈々未: 空いてるよ。
○○: 了解です。
開店前の店内に入った○○は、キッチンにいた店長と、休憩室の前に立っていた奈々未に挨拶をして、更衣室に入り、制服に着替える。
ガチャ
○○: 着替え終わりました〜
店長: はーい。
奈々未: さぁ〜て。今日は頑張らないとだよ、○○君。
更衣室から出てきた○○の肩に、強く手を置きながら、奈々未は言う。
○○: ですね。珠美がいないですし。
奈々未: 前みたいに、閑古鳥が鳴いてた時は、店長と私達3人でも、全く問題なかったけど、今みたいにまぁまぁお客さんが来てくださる状況だと、結構大変だから。
○○: 頑張ります。
奈々未: うん。ってか、どうだった?蓮加、緊張してた?
○○: そうですね……そこまで緊張してる様子はなかったですよ。笑顔も多かったですし。
奈々未: へぇ〜まぁ、まいやんもそこまで緊張するタイプじゃなかったから、蓮加もそうなのかもね。
○○: なるほど。それで言うと、美月もそんなに緊張するタイプじゃなくて……さくらは…
奈々未: 比較的、緊張するタイプだね笑
○○: はい笑。やり始めたら、最後までやり切るんですけど、そのやり始めるまでが、中々上手くいかないというか、時間がかかっちゃう子なので。
奈々未: 笑、分かるわ。さ、そろそろ時間だし、始めよう。
○○: はい!
と、ちゃんと時間を見ていた2人は、開店時間の15分前には、開店準備の仕上げを行い、その時に備える。
店長: よし、今日も頑張ろう。
奈々未: はい。○○君、久しぶりにお願い。
○○: 分かりました笑
珠美が入ってきてからは、完全に珠美の仕事となっていた、表の扉に掛けてある看板をひっくり返す作業を任され、○○は懐かしさを覚えつつ、外に出て、看板をひっくり返す。
ガチャ
○○: すぐにはお客さん、来なさそうです。
店長: はーい。
奈々未: じゃ、いつもの感じで、最初は行こう。
○○: はい。
こんな感じで、ゆるりとした雰囲気で、カフェBINGO!は開店し、昼頃までは客も十数人ほどしか来ず、そこまで忙しくはならなかった。
が…
店長: ○○君、休憩に入ろうか。
○○: あ、了解です。奈々未さん!
奈々未: うん、いってらっしゃい。
同じようにホールを担当していた奈々未に、一言伝えてから、○○は休憩室に入った。
すると、その後すぐに…
ガチャ
奈々未: いらっしゃいませ……って…
日奈子: こんにちは!!
飛鳥: こんにちは。
奈々未: あら、日奈子ちゃんに飛鳥ちゃんじゃない。
顔馴染みの2人と、さらに…
理々杏: どうも…
店内を伺うようにしながら、2人の後に続いて、理々杏も入店した。
奈々未: …いらっしゃいませ。2人の友達?
日奈子: はい!友達です!
奈々未: そう笑。お好きな席にどうぞ。
日奈子: はーい!行こ!
理々杏: うん笑
飛鳥: ○○は……休憩ですか?
先に、奥の方の席に向かって歩いて行く2人の背中を見つつ、飛鳥は奈々未に聞く。
奈々未: そうよ。なに?飛鳥ちゃんは、○○君に来て欲しいの?
ニヤニヤしながら、奈々未は言う。
しかし…
飛鳥: いえ。私というよりも、あの2人は来て欲しいと思ってるはずなんで。
あっさりと嘘偽りなく答えた飛鳥を見て、奈々未は驚き、考え、そして理解した。
奈々未: ……そっか。じゃあ、○○君をそっちに寄越すよ……って、なんかこれだとホストクラブみたいじゃない笑
飛鳥: 確かに笑。ありがとうございます。
奈々未: うん。
という会話をしてから、飛鳥は手を振って待っている日奈子と理々杏の元に行き、奈々未はその後ろ姿をチラッと見て、休憩室へ。
ガチャ
奈々未: ○○君。
○○: ん?なんですか?まだ休憩時間は…
奈々未: あ、違う違う。○○君はまだ休憩時間なんだけど、お客さん笑
○○: お客さん?………なんか嫌な予感…
奈々未: まぁまぁ笑。早く行ってあげな。
○○: ……はい。
不安でたまらない○○は、渋々といった感じで、席を立ち、休憩室を出て、ホールを見渡す。
日奈子: おーい!○○〜!
飛鳥: ジィー
理々杏: あっ!
すぐに、大きな声で名前を呼んでいる日奈子と、ずっと視線を浴びせてくる飛鳥と、気づいて手を振っている理々杏が座るテーブルを見つけた。
○○: …これまた、珍しいですね。
奈々未: …そうなの?
○○: はい。日奈子と飛鳥は別に珍しくもないんですけど……いや、飛鳥が休日に日奈子と、一緒に出掛けてるのは珍しいか…
奈々未: 笑、飛鳥ちゃんは、誘われても断っちゃうんだ。
○○: ですね。引きこもりに近いので笑
奈々未: なるほど。ってことは、○○君にとって、珍しいっていうのは、あの友達の子が、一緒にいること?
○○: …はい。理々杏…あ、あの子の名前は伊藤理々杏って言って、僕と日奈子と幼なじみで…
奈々未: へぇ。
○○: その、理々杏はあんまり休日に外に出てる…というか、休日に日奈子達と一緒にいるところを見たことがないので。
奈々未: ………ほんとに友達?笑
○○: それはもちろんです笑
奈々未: あっそ笑。じゃ、休憩時間中は、あの子達と一緒にいてあげて。
○○: 了解です。
軽く背中を押されて、○○は3人が座るテーブルに向かう。
日奈子: もぉ〜やっと来た〜
○○: 笑、こっちは仕事中なんだけど。
飛鳥: いや、休憩中でしょ。
○○: ……奈々未さんか。で?何用ですか?
日奈子: 何用って、そりゃあ……そりゃあ………なに?
言葉の途中で、日奈子は首を傾げて、飛鳥と理々杏の方を見る。
飛鳥: 忘れたの?
日奈子: えへへ笑
飛鳥: はぁ……ま、とりあえず座ったら?
○○: うん。
日奈子の隣の椅子に座り、目の前に理々杏、斜め前に飛鳥がいる状態となる。
飛鳥: それで、なんでここに来たかって言うと…
理々杏: 私がお願いしたんだ!
飛鳥: ………ってこと。まだここに来たことないって言うからさ、私達も○○の仕事ぶりを久しぶりに確認したかったし、ちょうど良い、って感じでね。
日奈子: ちゃんと仕事やってるかぁ?!○○!!
○○: 心配されなくてもやってるから笑
理々杏: いや〜にしても、良いカフェだね。アットホームなというか、なんか空気が暖かい。
○○: それどうも笑
自分のバイト先が褒められて、○○は感謝を伝える。
理々杏: 笑、○○は高校生になってから、ここで働き始めたんだよね?
○○: うん。
理々杏: 楽しい?
○○: う〜ん、まぁ、怖い先輩はいるわ、元気過ぎる後輩はいるわで、中々に大変だけど……
飛鳥: え、そんなこと言っていいの?
○○: あっ!ごめんなさい、なんでもないです。とにかく、楽しいっちゃ楽しいよ。働き甲斐も最近になって出てきたし笑
飛鳥の指摘とほぼ同じタイミングで、鋭い視線と悪寒に襲われ、○○はすぐに謝った後、笑顔でそう言う。
理々杏: ふ〜ん…笑
日奈子: なんか、理々杏ちゃん、お母さんみたいだね!
理々杏: え?
飛鳥: 私も思った笑。なんか、息子のバイトの様子を根掘り葉掘り聞く、母親みたい。
理々杏: 何それ笑、別にそんなつもりじゃないんだけど。
○○: 理々杏がお母さんか………笑、良いかもね。
理々杏: え?
○○: いやほら、理々杏ってしっかり者だし、面倒見も良いから、良いお母さんになりそうだなって思って。
理々杏: っ//そ、それは……どういう意味?
様々な意味で捉えられる○○の言葉に対し、理々杏は頬を少し赤く染めながら、明確な意味を求める。
○○: 意味って……単純に、理々杏は良いお母さんになりそうって意味だけど……
理々杏: …だよね。
飛鳥: 笑、そりゃそうでしょ。○○はそんな上手いこと言えないって。
理々杏: 笑、確かに。
○○: え、なんか僕、バカにされてない?
飛鳥: いやいや、全く全く笑
理々杏: うんうん笑
と笑いながら言う2人を、訝しげな目で見た後、○○は聞きたかったことを尋ねる。
○○: にしてもさ、理々杏が休日に遊ぶって珍しくない?いや、そもそもで言えば、学校以外で見ることもほとんどないんだけど。
理々杏: うん?それはたまたま、今日が暇だったんだよ。
○○: ふ〜ん………日奈子が誘った感じ?
日奈子: うん!!って、○○!ドーナツの盛り合わせ!あとメロンソーダ!
○○: 笑、そういえば、注文がまだだったね。早めにやっとかないと、奈々未さんに怒られるから。
飛鳥: じゃ、私はホットコーヒー。
○○: OK。理々杏は?
理々杏: う〜ん……○○のおすすめってある?
○○: おすすめね……あ、このマドレーヌを頼んでみたら?
メニューを指しながら言う。
理々杏: この、祈りのマドレーヌってやつ?
○○: うん。これはね、僕が初めてここに来た時に、奈々未さんがおすすめしてくれたメニューなんだ。
理々杏: へぇ〜なら、これにするよ。あといちごミルクで。
○○: いちごミルク?笑
その単語を聞いた瞬間に、○○はニヤッと笑いながら、飛鳥の方を見る。
飛鳥: こっち見んなし。
理々杏: え、なに?飛鳥も好きなの?いちごミルク。
飛鳥: …別に…
日奈子: あっしゅんはね!昔は、毎日いちごミルクを飲んでたんだよ!!
飛鳥: ……
○○: 大好きなんだよね〜笑
理々杏: じゃあ、飛鳥もホットコーヒーじゃなくて、いちごミルクにしたら?笑
飛鳥: うっさい!すみませーん!
皆からのイジりを遮るように、飛鳥は奈々未を呼び、その声を聞いた奈々未も、すぐに来て、飛鳥をイジるタイムは終わってしまった。
奈々未: 笑、随分と盛り上がってるようだけど……○○君、あと5分ぐらいだからね。
○○: 分かってますよ。ちゃんと。
奈々未: それなら良かった。それで、注文は?
飛鳥: ドーナツの盛り合わせと、祈りのマドレーヌ。あと、メロンソーダに、ホットコーヒー、いちごミルクをお願いします。
奈々未: はーい。笑、マドレーヌは○○君が勧めたのかしら?
○○: お、正解です。よく分かりましたね……って、そりゃ分かるか。僕の心を読めば一発ですもんね。
奈々未: だから、別に読めないって。じゃ、5分後ね、○○君は。料理はすぐに持ってくるから、少々お待ちください。
そう言って、奈々未はテーブルを離れた。
理々杏: あのさ、心を読めるってどういうことなの?
キッチンに向かう奈々未を見ながら、理々杏は聞く。
○○: いやさ、奈々未さんってね、完全に僕の心を読んだとしか思えない発言を、度々するんだ。
理々杏: 例えば?
○○: 例えば……そうだな……僕がこの人には一生勝てないな、って心の中で思ってたら…
日奈子: 当たり前じゃん!
飛鳥: 違うね。多分、そんなことないでしょ、でしょ。
○○: 飛鳥、正解!
飛鳥: やったね笑
日奈子: くっそ〜
理々杏: なに?クイズなの?笑
○○: まぁとにかく、こんな感じで、奈々未さんは僕の心を読んでくるの。
理々杏: そうなんだ笑
○○: それで、今さっきの僕の質問に答えてもらいたいんだけど……日奈子。
先程、中断されてしまった会話を、再開しようと日奈子の方を見たのだが、案の定、日奈子は首を傾げた。
日奈子: ん、な〜に?
○○: うん、だよね笑。理々杏を日奈子が誘ったの?って質問。
日奈子: あぁ!うんうん、そうだよ!私が理々杏ちゃんと、あとあっしゅんも誘ったの。
飛鳥: 朝っぱらから電話までしてきてさ、もう大変大変。
と、嫌そうな表情で言った飛鳥だったが…
○○: にしては、一緒に遊んでんじゃん笑。何気に嬉しかったんでしょ?
飛鳥: なっ、そんなことないし。仕方なくだし。
理々杏: 笑、嘘っぽ。
○○: ね笑
飛鳥: くっ……勝手に勘違いしてろ。
すぐさま、○○によってメッキを剥がされてしまった。
○○: で、理々杏は?日奈子から連絡が来て、すぐにOKしたの?
理々杏: うん。連絡を見るのが遅くなっちゃって、返信は遅れたけど。
○○: へぇ〜
と、○○が気になることを聞けたところで…
奈々未: お待たせしました。ドーナツの盛り合わせと、マドレーヌ、メロンソーダ、ホットコーヒー、いちごミルクです。
料理を乗せたトレンチを持った奈々未が、○○達の所に来る。
飛鳥: 早かったですね。
奈々未: 日奈子ちゃんが来た時点で、店長がドーナツの盛り合わせを準備し始めてたからね笑
飛鳥: 笑、日奈子、先読みされてんじゃん。
日奈子: え〜ってもしかして、いつもので、ってセリフが言えますか?!
奈々未: 完全に通じるわね笑、日奈子ちゃんなら。
日奈子: やった!今度から言います!
奈々未: 分かった笑。あと、○○君は戻ってね。
○○: はい。じゃあね。
飛鳥: うん。
理々杏: 頑張ってね。
日奈子: 頑張れ〜
休憩時間が終わり、席を立った○○は、仕事に戻り、3人の視線を受けながら、ホールで働き…
飛鳥: はい。
○○: ちょうどお預かりします。ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。
そう言って、○○はレジの前から、店を出て行こうとする3人を見送る。
日奈子: 絶対にまた来るからね!!!
飛鳥: 笑、バイバイ。
○○: うん。また学校でね。
理々杏: ……
○○: 理々杏も。
理々杏: あ、うん。またね!
ガチャ
○○: ふぅ……よしっ…
扉が閉まるところまでを、しっかりと見届けた○○は、再びホールの仕事に戻り、励むのだった。
奈々未: 元気そうでしたね。
店長: うん。良かったよ笑、ほんとに。
to be continued