ただ守りたい… 180話
とある大事な日の前日
夕方
カフェBINGO!
店長: よし、閉めようか。
珠美: はい!ひっくり返してきます!
閉店時間になり、店長の一言で、珠美が外の扉掛け看板をひっくり返しに行くと共に、○○と奈々未はほっと一息をつく。
○○: 今日はいつもより少しだけ、多かったような…
奈々未: だね。さ、パッパと作業を終わらせよう。
○○: はい。
そうして、手分けして閉店作業をした後、店長に笑顔で見送られて、○○達は店を出る。
ガチャ
珠美: んっふぅ〜
店を出ると、すぐに伸びをする珠美。
奈々未: 笑、疲れたよね。
珠美: はい!あ、いえ!まだ全然いけます!!
○○: いけますって言ったって、もうバイトは終わったんだから、そんな意地張らなくても良いでしょ笑
珠美: いけるもんはいけるんです!!
○○: あっそう笑
珠美: では、○○先輩も奈々未先輩もまた!
笑顔でそう言って、珠美は○○達に背を向けて、歩いて行き、帰る方向が同じである○○と奈々未も、帰路を歩き始める。
○○: もう奈々未さんは春休みに入ったんですよね?
奈々未: うん。大学は春休みが早いから笑。羨ましい?
○○: う〜ん……ちょうど、大学生良いな〜と高校生でいたいっていう気持ちが競り合ってます笑
奈々未: ふ〜ん笑。前に聞いた時と変わらず、高校は楽しそうで。
夏休み中に、⊿モールにあるカフェで、学校は楽しい?という質問を投げかけた時のことを思い出しながら、奈々未は笑う。
○○: はい、楽しいです。そりゃ美月が副会長になって、風紀委員の見回りを僕1人でやるようになったりとか、それぞれが忙しくなって、昼休みに中々いつメンで集まれなくなったりとか、変化はありましたけど…
奈々未: ずっと楽しいんだ笑
○○: ですね笑。最近は特に、風紀委員関連以外に、変に仕事が舞い込んでこないですし。
奈々未: 笑、そんなこと言っていいの?フラグじゃない?
○○: おっと、マズいマズい……先程の言葉は取り消させていただきます笑
慌てて口を塞ぎ、○○は何とかフラグを消去しようとする。
奈々未: 遅いって笑。あぁ〜あ。○○君には、これからたくさんの仕事が振られるんだろうな〜
○○: ちょっ、ほんとそんな縁起の悪いこと言わないでください!
奈々未: ふふっ笑
いたずらな笑みを浮かべつつ、奈々未は○○の隣を歩く。
○○: 全くもう…
奈々未: 笑、新生徒会はどんな感じ?2月にある生徒総会はもう終わったんでしょ?
○○: はい、3日前?今週の水曜日にありました。
奈々未: どんな感じだった?
○○: どんな感じ…そうですね……去年と変わらず、生徒会の方にも生徒達の方にもちゃんと熱があって、良い感じでしたよ。
奈々未: 校則とか変わった?
そう奈々未に聞かれ、○○は生徒総会で決定したことを話し出す。
○○: いえ、校則の変更はなかったんですが、大きなところだと、検討会議のシステムが少し変わりました。
奈々未: へぇ〜検討会議が。どんな感じに?
○○: まず、これまでは、判定に全ての委員会の委員長と生徒会の監査が参加してたじゃないですか。それが、対象の生徒に指導をした委員会の委員長は、参加できなくなりました。
奈々未 あぁ。客観性に欠けるって理由で?
○○: そんな感じです。あとは、最終判定まで全員が手を挙げるか、挙げないかしなかったら、別日に検討会議が持ち越しになっていたのが、そこにもう一段階入ることになりました。
奈々未: もう一段階?
○○: はい。最終判定でも決まらなかった場合は、生徒会が処分の変更を行うことができるようになりました。そして、変更した上で、判定をもう一度できるようになったんです。
奈々未: ってことは、最終判定でも決まらなくて、生徒会が処分を変更したら、判定をもう1回。変更しなかったら、これまで通りってことね?
○○: そうです。
奈々未: 処分の変更……例えば、退学処分で判定が決まらなかったら、停学処分に変更ってことか。
その言葉に、○○は頷く。
○○: ちなみに、この2番目の変更は、桜井さん達から引き継がれた議題だったみたいです。
奈々未: 生徒会の引き継ぎの前に、玲香達が生徒総会の議題の1つとしてまとめてて、それを今の生徒会が生徒総会に出したんだ。
○○: まぁ、前の生徒会のうち、3人は今の新しい生徒会でも役員になってますから、実質、今の生徒会の役員から出た議題とも言えるでしょうけど。
奈々未: 確かにね笑。他には?
○○: いや、大きく変わったのはそれぐらいですね。行事関連も選挙関連も特に変更はなくて、日常生活でちょいちょいって感じです。
奈々未: そっか。あ、委員長は?
毎年、生徒総会の時に発表される、各委員会の新委員長について、奈々未は尋ねる。
○○: 笑、奈々未さんの知ってる人だと、これは分かっていた通り、風紀委員長に美波が就任しました。
奈々未: 若月から相当鍛えられてたもんね笑
○○: はい笑。それと、図書委員長に飛鳥。体育委員長に西条さん…えっと、女子バスケ部の部長です。
奈々未: あ〜はいはい、あの日奈子ちゃんを完璧にコントロールしてた子か。
○○: ですです笑
奈々未: にしても、飛鳥ちゃんが図書委員長とは笑
○○: 笑、ステージの上に立った時も、少し不機嫌そうな顔をしてました。
奈々未: 今の委員長にゴリ押しされたんだな笑
○○: っぽいですね笑
と話していると、駅前に到着する。
奈々未: じゃ、これからもね、○○君は色々と仕事を振られて大変だろうけど、頑張って笑
○○: もう、やめてくださいってば!
奈々未: あ、でも、○○君にとっては、まず明日が大変か笑
○○: え?
奈々未: とにかく、頑張ってね〜
笑いながら後ろ手を振り、奈々未は去って行った。
○○: 大変?……マジで怖いんですけど…
ほぼ同時刻
美月: うぉぉ!!急げぇぇ!!
麻衣: いや、オーブンにそれを言っても仕方なくない?笑
○○の家では、キッチンのオーブンの目の前で、美月が大きく目を開いて叫び、それをリビングのテーブルから麻衣が笑って眺めていた。
美月: だって、あともうちょっとで、○○が帰ってきちゃうんだよ!急がないと!!おいコラ!オーブン!早くしな!!
麻衣: 笑、焼く時間は決まってるんだから、急かしたって意味ないでしょ。
美月: そんなことは分かってるけど、とにかく急げぇぇ!!
麻衣: ま、あと15分ぐらいは大丈夫だろうし、頑張りな。ちなみに、他の子のは?
美月: もう既に完成済み!そこ!
オーブンの中を覗いたまま、後ろに置かれた袋を指す。
麻衣: へぇ〜ちゃんと作ったんだ。試作品じゃなくて。
キッチンを覗いて、その袋を確認すると、麻衣はニヤッと口角を上げつつ、言葉を重ねた。
美月: っ……そ、そんなことないよ。日頃の感謝はちゃんと伝えないとだから、当たり前だよ!!
麻衣: そう笑。蓮加は?
次に、テレビでゲームをしている蓮加の方を見る。
蓮加: ん?
麻衣: 明日っていうか、アレの準備はしたの?
蓮加: うん。
素早い指の動きでコントローラーを操作し、テレビの画面から目を離さないまま、蓮加は答える。
麻衣: 何人分?
蓮加: 3人。お兄ちゃんと、あと仲の良い男子2人。
麻衣: 鴨田君と森田君?
蓮加: うん。笑、良介はめっちゃ欲しそうなオーラを放ってたからね〜
麻衣: そうなんだ笑。ちなみに、さくらは作ってたりとかした?
今は2階の自分の部屋で、読書をしているであろうさくらについて、麻衣は尋ねる。
蓮加: ううん。
美月: 昨日持ってた紙袋がそうなんじゃない?
麻衣: あ、確かに。なるほどね〜笑
美月: で、そう言うお姉ちゃんは?
麻衣: 私はもちろん……○○がバイトに行って、2人が起きてくる間に、作り終わってまーす!
蓮加: ふ〜ん……あっやばっ!
テレビの画面にリザルトが流れる。
蓮加: くぅ……よしっ!もう1戦だ!
美月: あと3、2、1……ってミトンつけないと!!
麻衣: 笑、今頃、他の子達も頑張ってるのかなぁ〜
日奈子の家
プルルル
日奈子: なんだ?!おっ!あっしゅんだ!!
自室に携帯の音が響き、日奈子はすぐに電話をとる。
日奈子: もしもし!!!
飛鳥 T: ちょっ……はぁ……もしもし日奈子?
日奈子: どうしたの?!あっしゅんが電話かけてくるなんて、珍しいね!!
飛鳥 T: あ、うん。確認したいことがあってさ。
日奈子: なに?!
飛鳥 T: あんたさ、明日どうするつもりなの?
日奈子: え、明日?明日って何かあるっけ?
飛鳥 T: …はぁぁ……やっぱりか。
携帯の向こうから、飛鳥の深いため息が聞こえる。
日奈子: なになに?何かあるの?!
飛鳥 T: チョコだよ。
日奈子: チョコ?………はっ!!そうだった!!
飛鳥 T: 全く……どうすんの?
日奈子: う〜ん……
片手だけで腕を組むフリをし、考える体勢に入るが、別に日奈子の頭はぐるぐると回るだけで、結果を出さない。
飛鳥 T: ○○に作んないの?
日奈子: っ……作る……作る!!
飛鳥 T: 笑、そうしな。
日奈子: あっ、でも、作り方分かんない。
飛鳥 T: はぁ……電話にして正解だったね笑
日奈子: ま、まさかあっしゅん、これを予測して…
驚いたように目を開いて、携帯の向こうにいる飛鳥を見る日奈子。
飛鳥 T: 当たり前でしょ。何年、幼なじみやってると思ってんの笑
日奈子: さすがあっしゅん!!
飛鳥 T: じゃあほら、買い物から行くよ。出かける準備して。
日奈子: はーい!!
理々杏の家
万理華: お嬢様、ここにブランデーを加えてください。
理々杏: うん。
純奈: 弱火ですからね。
理々杏: 弱火っと…
料理人: うんうん笑
広い厨房で、万理華と純奈、そして複数の料理人に暖かく見守られながら、お菓子作りをする理々杏。
理々杏: このぐらい?弱火って。
IHではなく、コンロを使っている理々杏は、火の大きさを料理人に確認させる。
料理人: う〜ん、もう少し弱くです。
理々杏: 分かった。
純奈: 笑、これから20分ぐらい待機ですか。
理々杏: だね。
鍋の中をじっと見つつ、理々杏は返事をする。
万理華: しっかりと温めることができたら、取り出して、表面に油を塗る。
料理人: はい。そして、半日乾燥です。
万理華: ですって、お嬢様。
理々杏: うん。明日の早朝に、ラッピングはしよう。
万理華: 起きれます?笑
ニヤッと笑いながら、万理華は言う。
理々杏: 起きれるよ!
純奈: ほんとですか?笑
理々杏: …………念の為、起こしに来て。
万理華: 了解です笑
純奈: にしても、こんなに手間暇かけたんですから、○○は絶対に喜んでくれますよ。
理々杏: 笑、そうだと良いなぁ。
春時の家
紗耶: ……よしっ、焼き上がった。
1人でキッチンに立つ紗耶は、オーブンから大きなプレートを取り出す。
春時: …お、完成か?
居間でテレビを見ていた春時が、キッチンの方を振り返り、そう言う。
紗耶: いや、まだ。
春時: 笑、随分と手が込んでんな。
紗耶: はぁ?当たり前でしょ。
春時: そっか笑。で、○○以外の分はちゃんとあるのか?
笑いながら、春時は尋ねる。
紗耶: え、別に兄貴に渡すつもりはないよ。
春時: 笑、それは良いよ。まぁ、1つぐらい貰えたら良いかな〜っては思ってるけど。
紗耶: ……1つぐらいなら…
春時: ありがと笑。それで俺が言いたいのは……じいちゃんだよ。
紗耶: あぁ…
そう言われれば確かに、という表情になる紗耶。
春時: 今はバレてないからアレだけど、後々になってバレるとややこしいことになるぞ。
紗耶: だね……しょうがない。1個だけ、じいじの分にするか。○○先輩に渡す分が少なくなっちゃうけど。
春時: 笑、そうしとけ。ってか、他にあげるヤツはいないのか?
紗耶: なんで、そんなことを兄貴に教える必要があるの。
中にクリームの入った絞り袋を持ちつつ、紗耶は冷たい目で言う。
春時: 別に良いじゃん笑。優太とかにはあげるの?
紗耶: ……考えはした。でも、優太にはあの子があげるから、十分でしょってことで、紗耶は○○先輩にだけ。
春時: ふ〜ん笑(優太の恋路も気になるところだなぁ…)
珠美の家
珠美: フフフンフフフン、フンフフフンフンフンフン
キッチンの明かりだけが小さく付いた部屋で、珠美は鼻歌を歌いつつも、熱心に、愛情を込めて、ボウルの中にある生地をヘラで混ぜていた。
珠美: これぐらいで良いかな〜っと。じゃあ、これをカップの中に入れていって…
と作業をしていると…
ガチャ
珠美: っ……
玄関の扉が開く音が聞こえ、珠美は作業をストップさせる。
そして、リビングの扉が開いた。
母: ただいまぁ〜
父: ただいま。
珠美: あ、おかえりなさい。ご飯できてるよ。
母: ありがとぉ〜
煌びやかな服を身にまとった珠美の母親は、そう言いながら、自分達の寝室に入る。
父: ………チョコか。
珠美: うん。あ、晩ご飯はちゃんとしてるから、安心して。
父: あぁ。
上着を脱いで、椅子の背もたれに掛けて、珠美の父親は定位置に座り、珠美は作っている途中のものを置き、キッチンから2人分の夕食を運ぶ。
珠美: どうぞ。
父: ……パクッ…モグモグ……
珠美: ……
早速、珠美の父親は料理を食べ始め、珠美はその表情を確認した後、再びキッチンに戻り、お菓子作りを再開する。
ガチャ
母: ふぅ……あら、食べてたんだ。
父: おう。パクッ
母: ふ〜ん。よいしょっと。
煌びやかなな服から一転、上下スウェットを着た珠美の母親も、テーブルに着き、料理に手をつける。
母: パクッ…モグモグ……うん…
珠美: ……
その様子を、キッチンからじっと眺める珠美。
母: …心配しなくても、いつも通り美味しいって。
珠美: そ、そう。それなら良かった。
母: っていうかさ、今日の昼にエレベーターで一緒になった、親子?あれ、親が可哀想だったよね。めっちゃ駄々こねられてて。
父: あぁ、いたな。
母: でさ…
と、夕食を食べながら珠美の母親と父親が、会話を弾ませている中、珠美は黙々と作業を続けたのだった。
翌朝
この日、日本の思春期女子の一部は鼓動を早め、男子の半数以上がソワソワとするはずなのだが…
○○: zzzzz
この鈍感男は、ぐっすりと眠っていた。
まぁ、今年のこの特別な日…バレンタインデーが日曜日という、○○にとっては週に1日しかない休みなこともあってだろうが。
しかし、そんな熟睡も長くは続かなかった。
コンコン
「○○〜」
部屋に、扉を軽く叩く音と、名前を呼ぶ声が聞こえる。
○○: ……ん……うん……zzz
「……よし…」
ガチャ
続けて、扉の開く音が響き、長いツインテールを少し揺らしながら、とある人物が部屋の中に入ってきた。
??: ふふっ笑、ぐっすり眠ってる。美月には悪いけど……いや、美月はちゃんと隙を狙えば、たくさん見れるわけだから……まぁとにかく、この寝顔を堪能させてもらおう。
そう言って、その人物は白い紙袋を片手に持ちつつ、ベッドの横から、じっと○○の寝顔を眺めるのだった。
数分後
「理々杏ぁぁぁああ!!!!どこ行ったぁぁああ!!」
朝の目覚ましと匹敵するレベルの大声が、家の中から放たれ、家が揺れるような錯覚に陥る。
理々杏: 笑、もうお花畑から戻ってきたか。
その声を聞き、麻衣や美月から家に入れてもらったものの、美月がトイレに行っている間に、○○の部屋へと侵入していた理々杏は笑う。
ピンポーン
それと同時に、インターホンが鳴り、階段を上ってきていたであろう美月の足音が止まり、おそらく蓮加が玄関の扉を開けたのか、蓮加の驚いた声が聞こえる。
理々杏: これは……私以外にも来たかな。じゃあ、今のうちにじっくりと。
これからの展開を予想し、理々杏は寝ている○○に、さらに顔を近づける。
そして、一気に下が騒がしくなり、段々とその喧騒が扉の向こうに迫ってきて…
「ノックする?!」
「……いや、もう既に理々杏が来てるだろうから…」
「なんと?!」
「一足遅れたか……理々杏先輩強い…」
「笑、じゃあ普通に開けたら?声がしないってことは、まだ○○は寝てるんだし。」
という声が、扉越しに聞こえた後、扉が開き、勢いよく人が入って来た。
日奈子: ○○!!おはよう!!!
美月: 理々杏〜!!!
珠美: うぉぉ!ほんとに寝てる!!
紗耶: わぁ〜○○先輩の寝顔、可愛い〜
そうなれば、もちろんのこと…
○○: っ!!えっ、なんで?
何となくの人の気配を感じ、少しづつ浅くなっていた眠りから覚め、○○は体を起こし、目の前の光景に驚く。
真横でニコニコとしている理々杏に、その理々杏を大きな瞳で睨む美月、こちらに笑顔を向け手を上げている日奈子と、同じく笑顔の珠美、ぼーっと見ていた紗耶。
その後ろ…部屋の外から、ニヤニヤとしながら立っている飛鳥と麻衣、さらに蓮加と、奥の扉から顔を出すさくら。
多すぎる情報量に、脳の処理が追いつかず、○○から出た一言は…
○○: 夢?
であった。
その後、○○は戸惑いながらも、皆からバレンタインの贈り物を受け取った。
じゃんけんの結果、1番手となった珠美からはチョコカップケーキを、2番手の理々杏からマロングラッセ、3番手の美月からはチョコマフィンを貰い…
4番手の紗耶からはマカロンを、最後の日奈子からはチョコドーナツを貰った。
その間、○○は、心の中では1ヶ月後のホワイトデーのことを憂いつつ、ひたすら皆に感謝を伝え続け…
それが終わると、ずっとニヤニヤしていた飛鳥から、おつかれ、という言葉と共に、クッキーを貰い、麻衣と蓮加、さくらから可愛くラッビングされたチョコを貰った。
ちなみに、その翌日、学校では七瀬や祐希、久保、梅澤、賀喜、掛橋、さらに田村や大園、弓木からもチョコやクッキーを貰った。
こうして、驚きと幸せと、全男子の羨望に溢れた○○のバレンタインデーは過ぎていったのだった。
to be continued