ただ守りたい… 153話
久保: よし!それでね!みんなをここに呼んだ理由なんだけどもね!
昼休みに生徒会室の隣の会議室で、昼食会をしている面々に向けて、途中で話を逸らされないようにか、ものすごく語気を強めて話す久保。
久保: みんなに、生徒会役員になって欲しいの!
美月: …ニヤッ……え、えぇぇぇえええ!!!!
田村: ?……あ笑……うっそぉぉお!!!!
早川: いや、わざとらしいな笑
美月: 笑、そう?
久保: ま、ここに呼んだ時点で、みんな分かってたんだろうけど。
美月: そりゃあね。
灰崎: 放送で呼ばれた名前と、生徒会室に呼ばれたってことを考えれば、誰でも分かるよ。
田村: え〜私は分からなかったよ!桃ちゃんに教えてもらうまでは。
早川: 桃ちゃん、教えてもうたんや笑
大園: こんな流れになるなんてことは、予想できないからね。
祐希: ……zzz
久保: 祐希、寝ない!!
祐希: はっ!…うん!で、祐希達に役員になって欲しいのは、分かったけど、なに?
久保: いや、なにって……それを承諾してくれるかどうかを聞きたいの。
祐希: なるほど……
美月: ふ〜ん……
と、祐希と美月の2人は、久保の言葉に対して、すぐに肯定の言葉は出さなかったが…
大園: 私は構いませんよ。
灰崎: 僕も。
田村: じゃあ、私も!
元生徒会役員の3人は、それを予め決めていたように、すぐに答えた。
久保: っ!ありがとう。
田村: 生徒会役員としては先輩だから、任せて!!
灰崎: そうだね。何か、仕事で分からないことがあったら聞いて。多分、大体のことは、この3人の誰かが答えられると思うから。
久保: うん。
早川: まずは、3人獲得やな笑。で、美月ちゃんと祐希ちゃんは?
美月: ふ〜む……史緒里さんや。
祐希: 史緒里さんや。
久保: ………なに?
2人の口調から、面倒な展開になると予感した久保は、少し嫌な顔をしながらも、自分の誘いを承諾させたいという思いで、向き直る。
美月: 史緒里さんは、そんなに私達に役員になって欲しいのかね。
祐希: 欲しいのかね。
久保: うん。なって欲しいよ。2人には、私が立候補するか迷ってた時や、選挙活動の時みたいに、近くで私を支えて欲しいから。
美月: ふむ……どうしますか?祐希さんや。
祐希: どうしますかね〜美月さん。
久保: お願い。
そう言って、久保は頭を下げる。
美月: 笑、良いよ。
祐希: しょうがない。手伝ってあげよう。
久保: っ!…ほんと、ありがとう。
美月: もう〜頭なんか下げないでよ!茶番を早めに終わらせないといけなくなったじゃん!笑
久保: じゃあ、頭を下げて正解だった笑
美月: あ〜そんなこと言うなら、やっぱり……
久保: 笑、言質は取ったのでね。しかも証人は私の他に、4人もいる。
早川: ありがとな、美月ちゃん、祐希ちゃん。役員になってくれて。
田村: やった!!2人と生徒会の仲間になれた!!
美月: くっそ〜笑。そう言われちゃったら、やっぱ辞めよう茶番は使えないじゃん。
祐希: 残念だな〜
笑いながらそう言う2人に対して、久保も笑顔でこう返した。
久保: 私には仲間がいるから。2人の茶番にずっとは乗せられないよ笑
美月: …そっか笑
祐希: へぇ〜笑
早川: お、ちゃんと、史緒里ちゃんに仲間判定されてて嬉しいわ。
久保: そりゃ、同じ生徒会役員なんだから、もう仲間でしょ。逆に、そう思ってなかったの?
早川: いや、そういうわけやないんやけどな笑
田村: ここにいる全員、みんな仲間!!
祐希: 仲間!!
田村: 仲間だ!!
祐希: 仲間だ!!
2人は、席を立ち上がって、拳を天に突き上げる。
灰崎: いや、どういうノリ?笑
田村: みんな仲間ノリ。
祐希: みんなもやろ!
美月: 良いよ!
早川: ええで!
久保: いや、やらないから。最初の話が終わったから、次の話に移るよ!役職決め!!
先に立ち上がった2人に続いて、立ち上がろうとした美月と早川を止めるように、久保が声を上げた。
灰崎: 笑、強引に行ったか。
久保: 今のところ、私が会長、聖来ちゃんが監査。そして、美月が副会長。
美月: え、私が副会長?
久保: うん。美月の力を存分に生かすなら、副会長という役職が良いと思うから。
早川: 元役員の3人からしたら、どう思う?
灰崎: 美月さんが副会長か……僕もそれが良いと思うな。美月さんの演技力と人の機微を読み取る力は、対人交渉において最も力を発揮するだろうから。
大園: なるほど。確かにそれだと、副会長が最適だ。
田村: 私も賛成!
久保: って、みんなは言ってるけど……任されてくれない?
という真剣な表情の久保の言葉に…
美月: …まだ不安ではあるけど……うん。了解。私が副会長になるよ。
決意を持った顔で美月はそう答えた。
久保: ありがと。それで、元役員の3人は、同じ役職の方が良いよね?
灰崎: そうだね。同じ役職の方が、仕事はより効率的に行えると思うから。
久保: なら、桃ちゃんが庶務、謙心君が議長、まゆちゃんが書記ってことで良い?
田村: OK!!
灰崎: 良いよ。
久保: 桃ちゃんも、良い?
大園: うん。ただ、1つ聞いておきたいのが、前生徒会のように後輩育成にも力を注ぐ…つまり、1年生を多めに入れるのかどうかなんだけど…
早川: どうする?史緒里ちゃん。
久保: …先代みたいに、半数を1年生にってまではしないけど、1人も1年生がいないってことにはしない。
大園: 分かった。じゃあ、私とまゆちゃんのところには1年生を入れるようにするよ。そうすれば、仕事の効率を落とすことなく、後輩育成もできるでしょ。
早川: お、そりゃナイスアイデアや。
大園: まゆちゃんはどう?1年生の面倒を見れる?
田村: 見れる!!
大園: なら、そういうことで。
早川: ってことはや。まだ決まっていない、書記1人と庶務1人は1年生がなるんなら、祐希ちゃんは自動的に会計ってことになるけど、良いんか?
祐希: 良いよ〜
美月: 祐希が会計……というかそもそも、祐希ってパソコン使えんの?
祐希: 使えな〜い。
美月: ……ほんとに、会計で大丈夫なの?
久保: まぁ、どの役職であっても、パソコンは使うからね。でも、もう1人の会計は頼もしい人にやってもらわないと。
早川: かつ、ダラける祐希ちゃんの尻も叩ける人やんな笑
祐希: え、祐希、お尻を叩かれるの?
久保: 寝てたらね。
祐希: おぉ……気をつけなければ…
叩かれる未来を想像した祐希は、自分のお尻を優しくさする。
久保: 笑。会計知識は引き継ぎ資料があるから、大丈夫とすると、理想としては、数字処理とパソコンの扱いに長けてて、仕事を真面目にやってくれる2年生。誰か良さげな人、知らない?
灰崎: う〜ん……真佑さんは?
田村: え〜っとね〜〜数学が得意で、パソコンが使える人でしょ〜〜あ、桃ちゃん!!
灰崎: いや、確かにそうだけど笑。桃子さん以外で。
田村: ふ〜む……
大園: ……1人、いる。
みんなが考え込む中、大園がそう言った。
久保: え?
大園: 2年生で、パソコンが使えて、数字に強く、仕事も真面目にできる人。
早川: おぉ!マジか!
大園: ただ、その人は所属している部活の部長をしてるから、役員になってくれるかどうかが…
久保: いや、聞いてみるだけ聞いてみよう。早速、その人を今すぐ……いや、昼休みもあと少しだから、放課後にここに来るように伝えてもらえない?
大園: うん。
美月: あ、それなら、書記に相応しそうな1年生には心当たりがあるから、その子も放課後に呼んで良い?
久保: その美月基準での、書記に相応しいとは?
美月: 文字が綺麗で、書くのが速くて、あとイラストが上手。
久保: ふむ……まゆちゃん。相方としてどう?
田村: 私は、文章をまとめるのは得意みたいだけど、あんまり文字を書くのは速くないから、そういう子が入ってくれると、すごい助かるかな。あと、イラストが上手なのはありがたいかも。前は七瀬先輩に書いてもらってたからね!
久保: じゃあ、その美月が言ってる子に、書記を頼んでも良い?まぁ、ちゃんと話してからにはなるけど。
田村: 良いよ!…あ、その子って、ツチノコとかに興味ありそう?!
美月: 笑、う〜ん……ありそう。
田村: やったぁぁあ!!!探検隊の仲間が増えるぞ!!
久保: え、ほんとなの?
美月: 分かんない笑
早川: うわぁ〜美月ちゃんも、ヒドいことするわ〜笑
美月: 大丈夫!その子は強いから!
灰崎: 笑……なら、最後の庶務の1年生は、僕からの推薦で良いかな?
久保: 良い感じの子がいるの?
灰崎: うん。
久保: なら、お願い。
灰崎: 了解。放課後にここに来るように伝えとく。
早川: 謙心君の推薦する人なら、安心やな笑
美月: え、それって私の推薦する子は不安ってこと?
早川: いや、そういうわけやないけど…
美月: 大丈夫、安心して。めっちゃ、良い子だから。
早川: そっか笑。なら、楽しみに放課後を待つわ。
と、会話が一区切りついたところで、みんなに向けて、久保が口を開く。
久保: よし!これで一応、放課後に来る役員候補の3人を含めると、新生徒会役員10人と、その役職が決まったね!
早川: せやな。まだ放課後にあるとはいえ、この昼休み中に無事、決まって良かったわ笑
灰崎: 笑、だね。
久保: ってことで、みんな改めて、これからよろしく。
早川: よろしくな!
田村: よろしく!!
美月: なんか、会長っぽくなってきたね〜笑。良かった良かった。
灰崎: 笑………って、祐希さん寝てる。
祐希: zzzzzz
大園: まぁ、もう良いでしょ。話は終わったし。
灰崎: でも、すぐに昼休みが終わっちゃうから、結局、起こさないとだよ。
大園: 確かに………笑
寝ている祐希の顔を見て、微笑む大園。
灰崎: どうしたの?
大園: いや……可愛いなって思って。
灰崎: へぇ〜
田村: ん?可愛い?!私が?!
大園: 違うよ。祐希ちゃんの寝顔が、だよ。
田村: え〜〜
美月: でしょ?祐希の寝顔は赤ちゃんだから笑
早川: ほんとやな〜ぷにぷにしてええかな?
美月: 良いんじゃない?笑
久保: ぷにぷについでに、起こしてくれると助かる。
早川: りょーかい笑
プニプニ
祐希: …ん…ん〜ん……zzz
早川: まだこんなもんじゃ起きへんか。
美月: そりゃあね。このぐらいまで深く眠ってると、史緒里のさっきみたいな威圧でも、もう起きないから。
久保: ほんとに困ったもんだよ。
早川: そうなんや。
プニプニ
ペシッ
祐希: んもう……zzz
早川: あ、払われた笑
灰崎: これだと、本当は起きてるんじゃないかって思うよね笑
美月: でもそれがですね、起きてないんですよ、この人は。
田村: ねぇねぇ!次、私がやりたい!
早川: ええよ、交代や。
田村: やった〜……おりゃ〜
プニプニ……プニプニプニプニプニ
祐希: …ん…うーん…zzz
早川: 笑、めっちゃ連続でやるやん。
田村: くそ〜これでも起きないか〜
美月: 桃ちゃんが連れて来る人は、このぐ〜たらを起こせそう?笑
大園: う〜ん……多分、大丈夫…かな。
美月: へぇ〜もしそうなら、史緒里もお役御免だね。
久保: やっと解放されるよ〜
美月: とか言って、寂しくなってたりして笑
久保: それはない笑
田村: 次はこれだ〜
ムニュッ
祐希: zzz
早川: 頬を掴まれても起きんのかい笑
田村: グヌヌヌヌ…
キンコンカンコーン
久保: あ、昼休み終わった。みんな、昼食は…
灰崎: 食べ終わっ……てるみたいだね。
寝ている祐希の傍に全員が集まり、人がいなくなっている机の上が、綺麗に片付いているのを確認した灰崎が、そう答えた。
久保: じゃ、さっさと祐希を起こして、解散しよう。
早川: どうやって起こすん?
美月: 現役の祐希専用目覚ましアラームの、腕の見せ所だね笑
田村: お!見たい見たい!
大園: ……
灰崎: ニコニコ
ここまでやっても起きなかった祐希を、どう起こすのかと、全員が注目する中、久保は祐希の耳元まで口を持っていき……
久保: 祐希、起きなさい。
たったこの一言。
先程は、周りに広げるように放っていたプレッシャーを目の前の祐希にだけ向けるように意識した上での、この一言により、祐希の意識が覚醒した。
祐希: はっ!!!!し、史緒里…
早川: え?そんだけで起きんの?
田村: 史緒里ちゃんの声だったら、起きるのかな〜?
灰崎: いや、あのプレッシャーを祐希さんだけに集中させたからじゃないかな?だからこそ、僕達にはさっきみたいなのを感じなかったんだよ。
美月: そ、正解。
早川: はぁ〜なるほどな。そんなこともできるんや。
久保: でも、これも慣れられたらどうしようもなくなるからね。桃ちゃんが言ってたように、できるのであれば、もっと強めれるようにしないと。
美月: 美波に相談だね。
久保: よし、祐希がまた眠る前に解散しよう。放課後に集まれない人は?
……
久保: 大丈夫ね。なら、放課後にまた集まってもらって、その桃ちゃんと美月、謙心君の推薦の人と話そう。
早川: うん!
田村: はーい!
大園: 時間は、ズラす?
久保: いや、同時で良いかな。けど、3人は先に来て、推薦の人達には指定した時間に一緒に来てもらおう。時間は、16時半で。
大園: 分かった。
灰崎: 16時半ね。伝えとく。
美月: ってことは、私達はその前に集まると。
久保: そういうこと。分かった?祐希。
祐希: は〜い。
美月: ホームルーム終わったら、すぐに寝てそうだけど笑
久保: その時は、2人で祐希を起こして連れて来よう。
美月: 笑、了解。
久保: じゃあ、そういうことで、解散。
こうして、昼休みの昼食会は終わり、各々が自分の教室へと帰った。
放課後
1年2組教室
ガラガラ
帰りのホームルームが終わり、担任が出て行った教室は、生徒の話し声と椅子や机が動く音に、一気に包まれる。
教室に残って友達と話し出す者、部活に行く者、いち早く帰宅しようとする者などなど、様々な生徒がいるのだが、教室の1番前、教壇の正面に座る男子生徒は、そのどれにも当てはまらない。
よし、今日はこの問題集の題問246までを解いてから帰るぞ。
完全下校時刻まで、残り2時間30分。
1問あたり、およそ2分か。
中々に厳しい……だけど……
俺は天才なんだ。
絶対にできる。
いや、絶対にやらないといけないんだ。
俺は、次の定期テストではもちろんのこと、全国模試でも1番をとる。
そのためにも、このぐらいは楽勝で解けるようにならないといけない。
さ、やるぞ。
と、1年2組の"宮瀬利空"が、ノートと問題集を机の上に開き、右手に持つペンをノートに走らせようとしたところで、開いている教室の扉が叩かれた。
コンコンコン
まずは、これか…
さすがに難問なだけある。
でも……
カキカキ
数文の問題を、約10秒間眺めた後、スラスラとペンを動かし始める。
教室の前の扉から、ずっと視線を向けられていることにも気づかずに。
ん……ここは、あれだな。
昨日、頭に入れた公式を使えば楽にできそうだ。
カキカキ
「…お……」
これは、こっちのやつを入れてやってと…
うんうん、これでいけるはず…
カキカキ
「…おい……み…せ…」
よし!いけた!
2分以内に解けたぞ!
最初の1問を解いたタイミングで、少しだけ宮瀬の集中が浅くなったことで、周りの雑音が聞こえやすくなる。
クラスメイト男: おい!宮瀬!
宮瀬: うわっ!!な、なんだよ。びっくりさせんな。
ク男: いや、こっちはずっと呼びかけてんだよ。
宮瀬: そうだったか。すまん。で、なに?
ク男: 生徒会の先輩がお呼びだぞ。
宮瀬: は?
ここでようやく、宮瀬は教室の前の扉の前に立つ、灰崎の姿を視界に入れる。
宮瀬: あの人は、前の生徒会議長の…
ク男: お前に用があるみたいだから、早く行ってこい。
宮瀬: ……でも…
ク男: 勉強は後からでもできるだろ。先輩を待たせんな。
宮瀬: …それもそうか……
クソ、俺の計画が……
でも、先輩を、しかも元生徒会の優秀に違いない人を放っとくのはマズいな。
しょうがない、行ってやろう。
そうして、渋々といった感じで、宮瀬は立ち上がり、ペンを右手に持ったまま、灰崎のところへ。
灰崎: あ、来た来た。
宮瀬: こんにちは。元生徒会の先輩。
灰崎: ちゃんと覚えててくれたんだね笑
宮瀬: そりゃ、一応、生徒会長を目指してた人間ですから。
灰崎: この学校で1番優秀な生徒会長を、でしょ?
宮瀬: はい。
灰崎: 笑、ほんと、君の立候補動機を初めて読んだ時は、笑ったよ。俺は1番優秀な人でなければならないから、この学校で1番優秀である生徒会会長に立候補する、なんて。
宮瀬: 俺は真面目でしたよ。だって、事実ですから。
灰崎: うん。君の言うことは間違ってないよ。ただ、それを馬鹿正直に書いてくる人がいるとは思ってなかったからさ。
宮瀬: そうですか。それで、何の用ですか?俺は勉強で忙しいんですけど。
灰崎: じゃ、要件だけ。16時30分…今から20分後に、生徒会室に来て。
宮瀬: え、なんでですか?
灰崎: 大事な話があるから。
宮瀬: ここじゃダメなんですか?
灰崎: ダメだね。会長達と一緒に話さないとだし。
宮瀬: 会長達?……まさか、今の生徒会長?
灰崎: そうだよ。君に、久保史緒里生徒会長から話があるから、16時30分に生徒会室に来てね。
宮瀬: っ…なんで俺が…
灰崎: 自分を負かした相手の話は聞きたくない?…笑、子供だね。
宮瀬: なっ……行きますよ。行けばいいんでしょ。
灰崎: 笑、よろしく。あ、一応言っておくんだけど…
宮瀬: なんです?
灰崎: 僕は、現生徒会議長の灰崎謙心だから。
宮瀬: っ!現…議長……
灰崎: じゃ、またね。
そう言って、灰崎は宮瀬に背を向けて、去っていった。
くっ、あの先輩、また生徒会役員に…
しかも1枠しかない議長だなんて……
どれだけ優秀なんだよ!
あ〜もう、絶対に俺の方が優秀になってやる!
そのためにも、生徒会長の話になんて、時間を割いてられるかっての!
無視して、勉強だ、勉強!
……
「笑、子供だね。」
……
宮瀬: くそっ!!絶対に行ってやらねぇ!!
to be continued