ただ守りたい… 134話
第2グラウンド
日奈子: こんの〜やめろ〜!!
下位1: あ?ガキは黙っとけよ!!
さくら: 日奈子ちゃん!
賀喜: マズい!!
偶然、第2グラウンドで会った日奈子と賀喜、さくらの3人はトラブルに巻き込まれ、それを解決しようと日奈子が下位構成員に向かっていった瞬間、その下位が日奈子に殴り掛かる。
日奈子: うぇ?!いきなり?!!
ボコッ!!
日奈子: え?
殴られると思い、覚悟を決めて目を瞑り、顔に力を入れていた日奈子だったが、一向に衝撃が来ず、鈍い音が別のところから聞こえたため、ゆっくりと目を開けると…
森田: 女の子に手出してんじゃねぇ!!
東口: 大丈夫っすか?
日奈子: は、はい!
○○の護衛ということで、一般開放されている乃木高の中に入っていた森田と東口が、下位構成員を先に殴り飛ばしていた。
賀喜: 日奈子先輩、大丈夫ですか?!
日奈子: う、うん、この人達のおかげでなんともない!!
さくら: ?(あれ、この人達どこかで…)
森田: (おっと、坊ちゃんの妹さんの1人だ…離れないと。)無事で何よりです。では、私達はこれで…
日奈子: ありがとうございました!!
賀喜: 私からも、先輩を助けてくれて、ありがとうございました!!
さくら: ありがとうございました。
森田: いえ笑
東口: 失礼するっす。
そう言って、立ち去っていく2人を見ながら、日奈子はこう言った。
日奈子: いや〜災難だったよ。にしても、アンチってなんなんだろうね!
森田: っ!!
東口: なに?!
賀喜: アンチってなんですか?
日奈子: 私に殴りかかってきたその人がさ、アンチの仕事がどうのこうのみたいなことを言っててさ。
賀喜: へぇ〜
さくら: アンチか…よく分かんないです。
日奈子: だよね〜
森田: ブクロ。俺は坊ちゃんと連絡を取るから、お前は…
東口: 分かってる。すぐに団員を呼ぶ。
森田: あぁ…
プルルルル
プルルルル
…
森田: 繋がらない…もしかして……いや…
東口: あの人にも連絡しないと。
森田: そうだな。坊ちゃんの居場所も知ってるかもだし…
プルルルル
風紀委員室
風紀委員1: 第3武道場のトラブル解決で、1人捕縛!
若月: よし、向かわせた風紀委員のうち、1人はソイツを隣まで運ばせて、もう1人は第1グラウンドに向かわせろ。
風委2: はい!
風委3: 第2グラウンドのトラブルも1つ解決したそうです!
若月: 分かった。未だに残っているトラブルの件数は?!
風委4: 残り13件です!その全てに風紀委員が対応しています。
若月: 少しは収束してきた…か?
桜井: うん。トラブルは段々と減ってる。だから、このまま乗り切るよ。
若月: あぁ。
大園: どうやら、一部の一般参加者の方々も、協力してくださってるみたいです。
桜井: そっか……なんか嬉しいね。
若月: だな笑……さぁ、畳み掛けるぞ!
「はい!!」
樋口: 失礼しま〜す。
桜井: あ、ちま。
樋口: 隣にいる人達に話を聞いてきたよ!
若月: スマンな。生徒会の方の仕事も手伝ってたのに、いきなり情報の聞き出しを頼んでしまって。
樋口: いやいや、役に立てて嬉しいよ!
桜井: ありがと笑。早速、聞き出せた情報を聞かせてもらっていい?
樋口: うん。なんか、あの人達は全員、アンチっていう組織の構成員らしくて、昨日いきなり集められて伝えられた作戦を実行してたみたい。
若月: アンチだと?!
桜井: アンチって確か、最近警察から回ってきた情報の中に…
若月: あぁ、あの根川雄斗や白仮面が所属していた組織の名前だ。まさか、ソイツらが乃木高を狙ってくるとは…
桜井: …ちま、他に情報は?
樋口: あとはね〜今回の作戦は、文化祭の色んなところで騒ぎを起こせって内容だったみたい。それと、まだ上司が捕まってないみたい。
桜井: 上司…いや、それよりも作戦の内容だね。なんで乃木高に対して、そんなことをする必要が…
若月: それこそ、根川雄斗の件や白仮面の件のやり返し、とか?
桜井: う〜ん…有り得なくはないけど……
樋口: ちなみに、それ以外の情報は話してくれなかった。
若月: そうか。ありがとう、ちま。
樋口: いえいえ。
風委2: 今、梅澤さんから、裏門でのトラブルを解決して、捕まえたヤツらを連れて行くという連絡が来ました!
風委3: 裏門の受付の方からも報告が来ました。
若月: 了解。さすが梅だな笑、速い。
桜井: う〜ん…
生徒会室
アンチの襲撃が始まって、約20分後には、桜井と大園を除いた生徒会役員が全員集結し、校外から寄せられる問い合わせの処理や、理事との連絡、後夜祭の最終調整を行っていた。
中田: ちょっとメールの量がヤバいな……電話は封鎖しといて正解だった。
灰崎: それは、文句のですか?
中田: いや、嬉しいことに、全部心配のメールだね。
灰崎: それは…凄いです。
中田: 先輩方が積み重ねてきた信頼のおかげだよ。だからこそ、今回の件で、その信頼を崩すわけには行かないんだ。
灰崎: ですね。僕達は、僕達が今やるべきことをやって、これを無事に乗り越えないと。
田村: 副会長!これって何て返せばいいですか?!
七瀬: …あぁ、えーっと…
灰崎: …
田村: ありがとうございます!!
七瀬: うん…
中田: なぁちゃん、何か気になることでもあるの?
七瀬: あ、いや…
中田: 行ってきなよ。その気になることを確かめてきな。
七瀬: ええんか?
中田: うん、私達がいない時に頑張ってくれたし。あ、灰崎君にはこのまま頑張ってもらうけど笑
灰崎: 任せてください笑
七瀬: ありがと。じゃ、頼むわ。
田村: いってらっしゃ〜い!!
ガチャ
そうして、七瀬が生徒会室を出て行った。
灰崎: 副会長は、何が気になっているんでしょう。
中田: まぁ、あの子の推理能力はえげつないからね。私達じゃ考えつかないようなことを、考えてるんだよ。
灰崎: 笑、そうに違いない…
ガチャ!!
田村: わっ!!
七瀬: 謙心!!
灰崎: は、はい!
中田: ど、どうしたの?!なぁちゃん!
七瀬: 監視カメラの映像は!!
灰崎: か、監視カメラ…異常なしです!
七瀬: ほんとか?!
灰崎: え、はい…ほら、確認してください。
そう言って、灰崎がタブレットを七瀬に渡す。
七瀬: ……チッ…一旦、行ってみるか…はい、ありがと!
灰崎: い、いえ…
中田: ちょっと、説明して!
七瀬: そんな暇あらへんわ!みんなは仕事やっといて!!
ガチャ!!
そう言い残して、七瀬は再び、生徒会室を勢いよく飛び出して行った。
田村: あんな焦ってる副会長は初めて!
灰崎: 僕もです…
中田: そんなの私もだよ…一体何を……なぁちゃん…
乃木高近くの駐車場
上位1: 黒峰さん…遅いな…
ガチャ
上位1: っ!!って、なんだお前か…
上位2: 俺で悪かったな…それともう1つ悪い知らせだ。
上位1: なんだ。
上位2: 多分、作戦は失敗だ。未だに黒峰さんは戻ってきてないんだろう?
上位1: あぁ、そうだが、失敗とはまだ…
上位2: いや、これ以上、黒峰さんの方が長引くと、黒峰さんが逃げ切れないかもしれねぇ。
上位1: だからそれは、他の構成員で散らしてやれば…
上位2: その構成員が、結構捕まってるんだよ。
上位1: はぁ?
上位2: 軽く見回ってみたが、半分ぐらいは捕まっちまったみたいだ。
上位1: 嘘だろ…
上位2: しかもほら、俺の右肩もぶっ壊れた。
上位1: …クッ…確かにお前の言う通り、もう黒峰さんには引き上げてもらった方が良いな。黒峰さんが捕まるということが、最悪の結果だから。
上位2: まぁ、あの人が捕まるとは思えねぇが、そうだな。
上位1: 黒峰さんに、作戦失敗だと連絡する。
上位2: おう。
実習校舎4階
黒峰: オラッ!!
バコンッ!!
○○: グッ!!…ハッ!
黒峰: クッ…
一瞬で距離を詰め、放たれた拳を、○○は右腕で受け止めつつ、反撃とばかりに右足を振るい、黒峰は横に避けられないと判断し、後ろに跳ぶ。
黒峰: 全く……崩れねぇな!そんなボロボロになってんのに。
○○: フッ笑…どうやら、壁が味方しているみたいでな。
廊下という空間が制限された場所が、戦場であることも相まって、○○は黒峰と相対してからの40分間、攻撃は受けつつも、黒峰を後ろに通すことなく、扉を守り続けていた。
しかし、既に○○の体は各所から血を流し、顔や腕、足は腫れ上がり、一部は骨にひびが入っている状態であった。
黒峰: さすがにイラついてくるよ、ここまで手こずると。
○○: 褒め言葉として、受け取ってやる笑…
黒峰: チッ…
プルルルル
○○: 今度は、お前の携帯みたいだぞ。
黒峰: 分かってるよw
ピ
○○と戦う中で、黒峰は○○が防御だけが上手いということを見抜いており、自分が電話をかけている間に、自発的に攻撃をしてくることはないと考え、○○のことを見つつも、余裕の笑みを浮かべて電話を始めた。
黒峰: なんだ、作戦中だぞ。
上位1 T: すみません、黒峰さん。ですが、緊急の件で。
黒峰: 緊急だと?
上位1 T: はい。作戦に参加した構成員の半数が捕まってしまい、このままだと黒峰さんが逃げることが困難となります。ですので、作戦は…失敗と…
黒峰: あ?
○○: っ!!!
怒りによるものか、黒峰からさらに強烈なオーラが放たれる。
上位1 T: 申し訳ございません!ですか今は…
黒峰: …分かった。すぐに戻る。
ピ
○○: ふぅ…
黒峰: あぁ…良かったな。お前の勝ちだ。
○○: は?
黒峰: はぁ…初めてだよ、俺が失敗したのは。クソ…もっと人員を増やしとけばよかった…もっと下の連中の戦闘力を上げとけばよかった…もっと情報を集めとけばよかった…
○○: 何ごちゃごちゃ言って…
黒峰: 黙れ!!……元はと言えば、お前がいなければ、俺が失敗することはなかったんだよ…お前がいなければ…
○○: っ!!!!
殺気に近いようなものを向けられ、○○は少し怯む。
黒峰: …いや待て。今はもう退却すべきだ。でもコイツを…
と、○○が動けないまま、黒峰がその場で頭を回していると…
先生: う、うぅ……深川君?…
○○: 先生!
後ろで倒れていた先生のうちの1人が、意識を取り戻す。
黒峰: 深川…だと?おい、お前の名前を教えろ。
○○: なんで…
黒峰: もしかして、深川○○だったりしないか?
○○: …違う。
黒峰: まぁいい…
そう言って、黒峰は自分に向かって構えている○○に歩み寄り、○○の耳に口を近づける。
黒峰: 明日、19時に〜〜〜〜〜に1人で来い。来なかったり、他のヤツを連れて来たり、このことを誰かに話したりすれば、今回みたいにお前の大事な学校を襲う。もしかしたら、お前の大事な友達を失うことになるかもなw
○○: なっ…
黒峰: じゃ、そういうことで。待ってるぞw
○○: っ!
ドサ
軽く○○の肩を押し、床に背中をつかせた後、黒峰は素早くスタンガンを回収し、○○の目の前から去っていった。
○○: …
既に体力も切れ、身体中に大きなダメージを蓄積していた○○は、黒峰から受けた強い殺気をきっかけに、体が言うことを聞かなくなっており、黒峰の接近に対しても、肩を押されたのにも、何も抵抗できなかった。
○○: クッ…ソ………
そして、黒峰に負けたことと、黒峰を逃がしてしまったことへの悔しさ、自分の弱さへの怒りが溢れ出ながらも、意識が遠のき始める。
「○○!!!大丈夫か?!!」
「坊ちゃん!!」
「すぐに救急車や!!」
「はい!!」
「○○!!○○!!」
あぁ、なんか、なぁちゃんの声が聞こ……える……
およそ1時間後
「さぁ、これからはみんなお楽しみの、後夜祭の始まりです!!!」
学校中にこの放送が響いた瞬間、生徒達の歓喜の声が校舎を揺らした。
文化祭の三日目が終わった後となれば、生徒は疲れ果てているため、これは、例年では見られないような現象であった。
生徒会室にいた桜井は、その理由を、生徒全員で協力して困難を乗り越えたからこそ、例年以上の達成感を生徒全員が感じていたからだと、言っている。
このように、ほとんどの生徒が、桜井の言った通りの達成感と、高揚感に包まれながら、後夜祭を楽しんでいた。
しかし、何人かの生徒は、他の生徒とは違う感情を抱いているのだった。
空き教室
ここでは、七瀬と祐希、春時、梅澤が集まり話していた。
七瀬: せやから、とにかく、○○はななの家に泊まるっちゅうことで、みんなに説明しといてや。
春時: …分かりました。○○の見舞いには?
七瀬: これから、ななが行ってくる。
春時: よろしくお願いします。
七瀬: うん。任せとき。
祐希: 祐希は行ったらダメ?
七瀬: ごめんやけど、祐希はまだ…な。
祐希: うん…
梅澤: …話は終わりですか?
七瀬: せや。みんなは、後夜祭楽しむんやで。
春時: はい。では、失礼します。
梅澤: 失礼します。
祐希: またね。
七瀬: うん。
ガチャ
春時: …はぁ……
梅澤: 正直、キツいよな。あいつのピンチに何も気づけなかったんだから。
春時: あぁ。
祐希: しょうがないよ。2人は、お姉ちゃんが言ってたコンピュータのこと知らなかったんでしょ?
春時: そうだけどさ…
教室校舎に向かって歩く3人の顔に、笑顔はなく、悲しさと悔しさが混ざったような表情が浮かんでいた。
祐希: …よし、教室校舎に入ったら、切り替えよう。みんなに嘘つかないとだし。
梅澤: だな。こんな雰囲気だと、飛鳥や美月は騙せない。
祐希: 頑張ろ!
春時: ふぅ……おう。今、俺らが任された事を、ちゃんとやり遂げなきゃだな。
梅澤: ってか、お前のあの質問って、どういう意味だったんだ?
春時: あの質問?……あぁ、アレは、俺がちょっと気になっただけだよ。
梅澤: ふ〜ん…で、それに対する副会長の答えは、お前にとってどうだったんだ?
春時: う〜ん………あんまり、良くはなかったかな笑
梅澤: へぇ〜
祐希: …
2年1組教室
教室内の机には、余った食材で作られた料理が並べられており、1組の生徒達はバイキング形式で、それを食べながら後夜祭を楽しんでいた。
堀: みんな、じゃんじゃん食べるんだよ!料理担当は頑張って!!
星野: みなみ、パフェ食べたい!
久保: パフェならそこにあるよ。
星野: ありがと、史緒里。いただきま〜す。
久保: ちなみに、パン食べたいなら、1年6組の教室に行けば、余ってると思う。
星野: ほんと?パフェ食べ終わったら、すぐに行ってくる。
久保: うん笑
杉浦: いや〜あっという間だったな、文化祭。
璃勇: そうだね。
杉浦: 執事の役も何気にやってて楽しかったしな笑
璃勇: じゃあ、これからも執事コスプレ、たまにやったら良いじゃん笑
杉浦: なんでだよ笑。そもそも、執事服がなかったら、コスプレなんかできねぇし。
堀: 各自の服は、記念に持って帰ることになったけど?笑
杉浦: マジ?
堀: 良かったね。楽しい楽しい執事に、またなれるよ。なんなら、その格好で学校に来てみたら?笑
杉浦: 遠慮させていただきます笑…って、俺ってこんなイジられ役なの?!
璃勇: そうなんじゃないの?
堀: 大丈夫、板についてる笑
杉浦: くっそ〜笑
星野: あ、未央奈〜パンもらいに行こ!
堀: パン?
璃勇: あぁ、パン屋さんやってた1年6組のとこにでしょ?
星野: そうそう!
堀: それは良いんだけど、まだ余ってるかな?
璃勇: 確かに。結構人気だったから、後夜祭に入った瞬間に、色んな人がもらいに行ったかもしれないね。
星野: ヤバい!早く行かないと!
堀: はいはい笑
そうして、堀と星野は教室を出て行った。
杉浦: 星野は、パンのこととなると、騒がしくなるんだな。いつもはほわ〜ん、ってしてるのに。
璃勇: ほわ〜んって笑…言えてる。
久保: 確かに、ふわふわとは違うもんね笑
璃勇: あ、久保さん。
久保: 2人ともおつかれ。
杉浦: おつかれ!
璃勇: お疲れ様。久保さんは、こっちにいたんだ笑
久保: え、なに。私の影が薄いって言いたいの?笑
璃勇: いやいや笑。いつも騒がしい人達は、みんな教室を出て、校内中を走り回ってるじゃん、今。
久保: まさか、私もそのいつも騒がしい人判定されてる?笑
璃勇: え?うん。
久保: 嘘…さっきみたいに否定してくれるって思ったのに…
杉浦: 笑、二学期入ってからの久保さんは、完全にあのグループの一員だろ。
璃勇: そうだよ笑
久保: マジか…
璃勇: 久保さんにとって、それは嬉しいの?笑
久保: う〜ん…ちょっとは笑
杉浦: 笑、じゃあ、良かったじゃん。
久保: うん!
と、3人が教室の端で喋っていると…
ガラガラ
春時: お、盛り上がってんな笑
祐希: わ〜料理がいっぱい!
教室に、春時と祐希が戻ってくる。
杉浦: 笑、春時。生徒会に呼び出された理由はなんだったんだ?
春時: ん?あぁ、昼に巻き込まれたトラブルについて聞かれた。
杉浦: なるほど。
璃勇: 西野さんも同じ?
祐希: うん!ねぇ史緒里、どれ取っても良いの?
久保: 好きなやつをどうぞ笑
祐希: やった!
杉浦: ってか、春時は○○がどこにいんのか知らないのか?
春時: え、○○?○○なら、七瀬先輩と一緒にいるはずだぞ。
璃勇: あ、そうだったんだ。どおりでみんなが見つけられないわけだ。
久保: 副会長と…美月達には連絡したの?
春時: 美月達に?いや、まだだけど。
久保: だったら、早く連絡してあげた方が良いよ。今、学校内を探し回ってるから。
春時: 笑、了解。じゃあ、いっその事、○○のことを探してそうな人達全員に連絡しとくか。
そう言って、春時は携帯を操作してメッセージを送った。
10分後…
春時: おぉ、これ美味いな…
杉浦: だろ?笑
ダダダダダダダ
璃勇: なんかすごい足音が…
久保: やっと来たね笑
祐希: モグモグ…
ガラガラ!!
美月: 春時!!
血走った目をした美月が、教室の扉を勢いよく開けた瞬間に、春時を呼ぶ。
春時: はいはい笑。祐希も来て。
祐希: うん…モグモグ
春時: 雅史、これ持っといてくれる?
杉浦: 了解。
久保: 祐希は…持ってくよね笑
祐希: モグモグ…もちろん。
そして、春時と祐希は、気を引き締めながら、教室の外に出るのだった。
to be continued