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ただ守りたい… 119話

生田がお客さんとして喫茶店に来て、パンケーキを食べ始めてから、およそ30分が経過し、○○は未だにパンケーキを食べ続けている生田と、もう1人のお嬢様を相手に仕事をしていた。



○○: いってらっしゃいませ、お嬢様。


女性1: はい、また来ますね笑


○○: お待ちしております。



お辞儀をして、お嬢様を見送った後、1人席でパンケーキをモグモグ食べてる生田の様子を確認し、待機場所に戻る。



○○: ふぅ…


執事: なぁ、お前が担当しているあの女の子は、一体何者なんだ?



隣に立っていたクラスメイトに、そう尋ねられる。



○○: 何者って、普通の女の子だよ。ちょっと大食いだけど。


執事: いや、あれはちょっと大食いとかのレベルじゃねぇよ。全く最初のペースから落ちる気配が無いし。


○○: 笑、あの子、この前はうどんを二十杯近く食べてた。


執事: バケモンだな笑



ピロロロ



執事: お、次のお客さんだぞ。


○○: うん、行ってくる。


執事: 頑張れ〜



受付に呼ばれて、○○が入口に向かうと…



桜井: 笑、キマってんじゃん。


若月: 噂通り、カッコいいぞ笑


七瀬: せやな〜



この学校のトップ3がいた。



○○: えっと…いや、お帰りなさいませ、お嬢様方。


執事(受付): (一瞬動揺したものの、すぐに切り替えた……成長したな笑)


桜井: お嬢様だって笑


七瀬: なんか恥ずかしいわ笑


若月: 言われることなんかないから、違和感を感じる。


七瀬: 若は特にそやろ笑


○○: お荷物をお持ちいたします。


若月: そう?ならよろしく。


七瀬: 後から返されるけどな。他のお客さんも、荷物は自分で持ってるみたいやし。


若月: 席に着くまでってことね笑


桜井: まぁ荷物を預かるのは、かなりリスクがあるから。


若月: 自分で持っておいてもらった方が、お客さん的にも、店的にも安心ってことか。


桜井: うん。他のお店もそんな感じだったし。



入口で立ち止まり、お店の分析をする3人。



七瀬: 内装は、ようできてんな。


桜井: だね。システムもよく考えられてるみたい。


若月: システムといえばさ…



これまでにも、こうやって入口で留まる人はいたのだが、そういう場合は、プロデューサーである堀が話をしに来ていたのだが、今回は…



○○: …


堀: (いや、○○君、こっち見ないで。会長達に早く動いてくださいなんて言えないし、このままお店の評価も聞きたいんだから。動かしたいなら、○○君でどうにかしてよ!)



周りの店員も含め、○○以外は、相手が七月桜ということで、完全に腰が引けていた。


そう、○○以外は。



○○: お嬢様方。他のお嬢様、ご主人様方のご迷惑となりますので、席に移動しましょう。


桜井: あ、ごめん。


若月: 気づかなかった…皆さん、すみません。


七瀬: 話し込み過ぎたわ笑


執事(受付): A席でお願いします。(強ぇ○○…)


○○: かしこまりました。お席にご案内いたします。


桜井: はーい。



そして、3人は席に座る。



○○: こちらがメニュー表となります。ご注文がお決まりになりましたら、このボタンを押して、お呼びください。


七瀬: うん。


若月: 了解。


○○: では、失礼し…



ピロロロ



桜井達の最初の対応を終え、その場を離れようとしたところで、生田の席からの呼び出しがかかる。



桜井: なんの音?


○○: 笑、お仕事の合図です。


七瀬: あぁ、他のお嬢様に呼ばれたんか笑


桜井: ふ〜ん、このボタンを押せば、その音と共に、あのモニターにマークが表示されるんだ。


若月: よく考えられてるな、やっぱり。


○○: 改めて、失礼します。


桜井: 頑張って〜



テーブルから離れる○○を見送り、3人は話す。



若月: 誰が考えたんだろうな、この仕組み。


七瀬: みんなで力を合わせたんやないの?


若月: そうかもしれないけど、1人でこれを考えたんなら、中々でしょ。


七瀬: 笑、ここのクラスでそれできそうなん、数人しかおらんよ。


若月: えっと、○○と飛鳥と…あと、美月もできそう。


桜井: それと、次期生徒会長有力候補の、久保史緒里ちゃん。


若月: そっか、その子もこのクラスか。なんか、良い人材が集まり過ぎじゃないか?笑


桜井: 不思議だよね〜


七瀬: まぁ、美月は○○と飛鳥に能力を引っ張り上げられた感はあるけど。


桜井: 確かに笑…って、あの、○○が相手してる女の子は、誰なんだろう?



生田を見ながら、桜井は言う。



若月: ん?…歳は私達と変わらなさそうだけど、うちの学校の子ではないね。見たことないし。


桜井: うん。私もデータベースで見たことないから、他校の子かな。にしても、随分と○○と仲が良さそうじゃん笑


若月: あれは、美月達が見たら、嫉妬しそうだ笑


桜井: 何気に○○をすごく気に入ってるなぁちゃんは、どう思う?笑……え、なんでそんな笑ってるの?


七瀬: 笑…あ、いや、○○に新たな友達ができたみたいで、嬉しいんよ。


若月: もはや、親だね。小学生の頃から仲の良い後輩だと、そんな感じになるんだ笑


七瀬: よし!何食べる?ななは結構、お腹すいてんねんけど。


桜井: う〜ん、1000円以上は頼みたいよね〜


七瀬: あのゲームか?


桜井: そう。ここにある要素は全部試しとこうって思って。


若月: なら、オムライス頼もう。美月の話によると、オムライスには特別なサービスがついてるらしいから。


七瀬: へぇ〜そうなんや。じゃ、頼も。


桜井: となると、他には…



こんな感じで、3人が注文を決めている間、○○は、結局パンケーキをほとんど食べ終わってしまった生田と、ゲームをしていた。


ゲームの内容は、犬の名前で山手線ゲーム。

採用されているルールは、自分の番では、これまでに出てきた単語を全て言った後に、新しい単語を言う、という記憶力を試されるものだ。


と、なると…



○○: チワワ、キャバリアキングチャールズスパニエル、ゴールデンレトリバー、イングリッシュコッカースパニエル、ダックスフンド…えっと、ブリタニースパニエル、ドーベルマン……イングリッシュスプリンガースパニエル、ブルドッグ。


生田: チワワ、キャバリアキングチャールズスパニエル、ゴールデンレトリバー、イングリッシュコッカースパニエル、ダックスフンド、ブリタニースパニエル、ドーベルマン、イングリッシュスプリンガースパニエル、ブルドッグ…う〜ん、そうだな〜アイリッシュウォータースパニエル!


○○: …うん、降参です。


生田: え〜なんでよ!楽しいから、もうちょっと続けようよ!



情報部の特級団員であり、見た情報を完全に記憶することが出来る生田相手に、高校生では賢い方というレベルの○○では、このゲームで勝てる可能性は皆無であった。



○○: 僕の負けなので、このクーポン券を差し上げます。チャージ機で、お持ちのNCFカードに登録して、ご使用ください。


生田: んもう…



差し出されたクーポン券を、パッと取る。



生田: あ!じゃあさ、これ関係なしにゲームしない?



名案を思いついたような表情の生田。



○○: いえ、私にも他の仕事がございますので。


生田: お嬢様が最優先じゃないの?!


○○: それはそうですけど…



ピロロロ



○○: あ、それでは、失礼します笑


生田: チェッ、スタンプ連打してやろ!パクッ…モグモグ



ふぅ〜ナイスタイミングだよ、ほんとに。


あのまま行ったら、いつまでも勝てないゲームに付き合わないといけないことになってた。



一安心しながら、○○は桜井達のテーブルへ。



○○: ご注文をどうぞ、お嬢様方。


七瀬: オムライスと、オレンジジュース。


桜井: ショートケーキとホットコーヒー。


若月: アイスパンケーキとミルクティーをよろしく。


○○: かしこまりました。


七瀬: なぁ、1000円以上頼んだら、ゲームに挑戦できるんやんな?


○○: はい。


七瀬: それって、3人の合計金額で1000円を越えてたら、誰か1人はゲームに挑戦できるって、考えてええんか?


○○: 1人だけなら、挑戦できます。今回は、2000円にギリギリ届いてないので、お嬢様方のうち、お一人様だけが、ゲームに挑戦できますね。


七瀬: 分かった。


○○: 笑、あと一品頼めば、2000円に到達しますが。


桜井: がめついな〜笑。別に私達はクーポン券が欲しいわけじゃないから。


○○: ですよね笑。では、少々お待ちください。



そして、注文表をキッチンに流し、待機場所に戻ろうとしたところで…



ピロロロ



○○: 笑、もう食べ終わったか。



大量のパンケーキを平らげた、生田の元に向かう。



○○: さすがです、お嬢様。


生田: めっちゃ美味しかったよ。作ってくれた子にも、そう伝えといて。


○○: かしこまりました。それでは、行きましょう。お荷物をお持ちいたします。


生田: うん!



2人は、カードリーダーがある所へ行き、○○は自分で持っている注文表を見ながら、値段をカードリーダーに入力する。



○○: …それでは、お持ちのNCFカードをここにスライドさせてください。


生田: よいしょっと…これで、お会計は終わりなの?


○○: はい……残りの時間、文化祭を楽しんでね笑


生田: 笑、もちろん!


○○: 笑、いってらっしゃいませ、お嬢様。


生田: ○○!バイバイ!!



そう笑顔で言って、生田は執事&メイド喫茶を後にした。



生田: あ〜○○とも話せたし、料理も美味しかったし、満足満足。


??1: これ美味しそうやない?!


??2: 食べても良いけど、今から喫茶店に行くんだから、そこの分は空けといてよ。


??1: 大丈夫、大丈夫!なぁ、これ1つ!


??2: もう〜


??3: 心配しなくても、胃にブラックホールがあるんだから笑……


生田: チラッ…次はどこに行こうかな〜




梅澤: どうしたんだ?美月。


美月: いや、なんか今すぐ○○の所へ行かないといけない感じがして…


梅澤: なら、行くか?


美月: うん!






1組教室



しばらくして、久保から料理を受け取った○○は、再び3人のいるテーブルへ。



○○: お待たせいたしました。


若月: ありがとう。


七瀬: うわ、美味そうやな〜


桜井: ね笑


○○: それでは、オムライスにはケチャップで文字を書かせていただきます。何か、リクエストはございますか?


桜井: お、これが例の笑


七瀬: う〜ん、おつかれさま、でよろしく。


桜井: え〜どうせなら、好きだよ系にしなよ!


七瀬: そんなん言うんやったら、自分で頼めば良かったやん。


若月: そうだね。これはなぁちゃんの好きにさせよう。


桜井: …は〜い。


○○: おつかれさまですね。では、お・つ・か・れ・さ・ま。


七瀬: おぉ、綺麗に書けたな。


桜井: ねぇ、頼めばあ〜んしてくれるって、サービスも執事にあったよね?


○○: はい、ございます。


桜井: だったら、それもやってもらおう!


若月: やるとして、誰がやってもらうつもりだ?


桜井: そりゃもちろん…ジー



視線が、七瀬に向けられる。



七瀬: え、なな?


桜井: だって、後輩からあ〜んされるとか、ちょっとさ笑


若月: ってことなら、私も同じくだ。


七瀬: ななも○○は後輩なんやけど。


桜井: ただの後輩じゃないでしょ笑。ってことで、○○、よろしく!


七瀬: はぁ……若も敵に回ったみたいやし、しょうがないな。○○、お願い。


○○: …かしこまりました。それでは、失礼します。



スプーンを手に取り、オムライスをすくい上げる。



七瀬: 口開けといたら、ええか?


○○: はい。


七瀬: あ〜


○○: …



一瞬、動きを止める○○。



七瀬: 何やってんねん、ほら、あ〜


○○: …どうぞ。


七瀬: パクッ…モグモグ…ほぉ、見た目通り美味い!


若月: そうか笑


桜井: へぇ〜味の感想は分かったけど、あ〜んしてもらった感想は?笑


七瀬: 何ニヤついてんねん。昔ようやっとったから、今更どうと思うことないわ。な、○○。


○○: …はい。では、失礼し…


桜井: あ!待って待って。ゲームも今やる!


○○: …



何も言わず、若月の方を見る。



若月: うん。やるよ。


○○: かしこまりました。それでは、少々お待ちください。



そう言って、○○はボックスを取りに、テーブルを離れた。


一方、教室の外では…



堀: ○○君が、副会長にあ〜んしてるよ笑


美月: ふんぬ!!!!


梅澤: 待て待て、突入しようとするな。相手はトップ3だぞ。


美月: 美波止めないで!先輩達の魔の手から、○○を救わないと!!



1組の教室に飛び込もうとする美月と、それを呆れた顔で止める梅澤、笑いながらその様子を見ている堀がいた。



梅澤: いや、魔の手って、ただお客さんとしてのサービスを受けてるだけだろ。


美月: そ、それでも○○のあ〜んを!


梅澤: んなこと言ったら、これまでに○○を担当に選んだお客さん全員に言えることだろうが。


美月: 違う!なんというか、七瀬先輩はまた別なの!


堀: (なんか、飛鳥も前に同じようなことを言ってたような…)


美月: は〜な〜し〜て〜


堀: お、そのままゲームをするみたい。


美月: ゲーム……はっ…まさか、あのゲームにはならないよね…アレは、私が○○と初めてやるはずなのに…


梅澤: お前さ、それがフラグだって分かってないのかよ。


美月: え?




○○: では、この箱の中からカードを一枚引いてください。


桜井: じゃんけんで決めよっか。


若月: うん。最初はグー、じゃんけん、ポイ。


七瀬: あ、負けた。


桜井: いや〜ほんと、なぁちゃんと○○は、目に見えない繋がりが強いね笑


若月: これぞ、幼なじみの力だ笑


七瀬: また、ななか…


ガサゴソ


桜井: これってさ、どんなのが入ってるの?


○○: 色々です。


七瀬: よし、これや!…えーっと…笑、愛してるゲームやって。


○○: っ!!


若月: ほぉ〜笑


桜井: 愛してるゲームとは、中々攻めたヤツが入ってるね〜



その3人の会話から、あの人の大きい声を経由しかけつつ、その話がどんどん広がって行く。



日奈子: え、愛してムグッ


メイド: シッ



「え、愛してるゲーム?」


「副会長が愛してるゲームをやるの?」


「そんなのあるんだ〜」


「俺も、愛してるゲームやりたい!」



梅澤: あ、ほら。


堀: あらら…



ゴゴゴゴゴゴゴ



美月: …わたしがやるはず…だったのに……


梅澤: (なんちゅうオーラを放ってんだ……嫉妬って怖ぇな。)



その話は留まることを知らず、2組の教室まで…



「なんか、この1000円以上注文したら挑戦できるゲーム、今、1組の方で愛してるゲームが出たらしいぞ。」


「ってことは、こっちのあの箱にも、それが…」


「あ、飛鳥ちゃんと愛してるゲームを……よし、追加注文を…」


「理々杏ちゃんを呼ぼう…引けなかったら再入店だ。」


「よし、何がなんでも愛してるゲームを引くよ。璃勇君とやらなきゃ!」



そして、この2人にも…



飛鳥: …七瀬先輩と○○が愛してるゲーム…


理々杏: ふ〜ん。


飛鳥: 見てくる。


理々杏: 早めに帰ってくるんだよ。


飛鳥: うん。


理々杏: (ま、仕事だから、これで嫉妬なんかしてたら、私は体が持たないかな笑)




美月: 離しな、美波。


梅澤: 今のお前を放ったら、とんでもない事になりそうだから、やめとく。ってか落ち着け、深呼吸だ。


美月: スゥーハァースゥーハァー…うん、無理だ。


梅澤: 諦めが早いよ。


飛鳥: …


堀: 飛鳥も来ちゃったか。


飛鳥: ○○は?


堀: そこ。


飛鳥: …


美月: は〜な〜せ〜



そんな視線を受けているとも知らず、七瀬と○○は、ゲームを開始する。



○○: じゃあ、行きます。


七瀬: うん、かかってこい!笑


桜井: どっちが勝つと思う?


若月: う〜ん、普段から激しいアタックを受け慣れている○○優勢かな。


桜井: なるほど、私は…なぁちゃんだね。


○○: 愛してます。


七瀬: 愛してる。


○○: お嬢様、愛してますよ。


桜井: ズルいぞ〜一旦、執事設定は無くしなさい。


若月: おいおい笑


七瀬: ○○、愛しとんで。


○○: …七瀬さん、愛してます。


桜井: 2人の時は、何て呼んでるっけ?


七瀬: ○○、愛してる。


○○: ……なぁちゃん、愛して…ます。


若月: おっとボソッ


七瀬: ○○、愛してるよ。


○○: ……///


桜井: はい!照れた!!○○が照れた!


パシッ


若月: 子供かって。


桜井: 痛いよ〜若〜


七瀬: 笑、ななの勝ちやな。


○○: …ですね。こちらが景品のクーポン券になります。使い方の説明は大丈夫ですよね。それでは、失礼します。



すぐに○○はテーブルから離れた。



七瀬: なんや、もうちょっと話しても良かったやん。


若月: まぁまぁ、他に仕事があるんだって。


桜井: いや〜○○のあんな顔が見れるとは笑


若月: 玲香、ちょっとやり過ぎ。


桜井: そう?


若月: うん。玲香が口出して、盛り上げたせいで…ほら。



廊下の方を指す。



桜井: え?…あ笑



バチバチ…バチバチ…



美月: いくら先輩とはいえ……ユルサナイ…


梅澤: 許さないって、別に美月が許さなかったからって何も起きないだろ。それに、もう終わったんだから、今更、突撃したところで意味がないって。


堀: 笑、もう嫉妬の塊ね。争奪戦の参加者の中では、美月が1番嫉妬が強いみたいだ。で、それに対して飛鳥は…


飛鳥: …



真顔で…いや、どこか悲しげな表情で、待機場所に戻った○○を見ていた。



飛鳥: (やっぱり、そうなんじゃん……○○。)


堀: …


美月: ぐぉぉぉおおおお!!!!


梅澤: 吠えるなって。



と、1組の教室の前で美月が騒いでいると…



??1: なんや楽しそうやな笑


??2: ちょっと美月、何してるの?


美月: 教室に突撃しようとしてるの!…って…


梅澤: はっ!!!


??3: 久しぶり、梅ちゃん。


美月: お姉ちゃん?!


麻衣: お店の前で騒がないの。目立ってるよ。


美月: でも…


??1: おぉ、この子が美月ちゃんか。ホントびっくりよな〜私は、ななみんと同じぐらい、まいやんと一緒におるのに、ななみんとは違って、まいやんの家族とは会ったことないやなんて。


麻衣: 笑、たまたま機会が無かったんだよ。


奈々未: この様子だと…梅ちゃんも大変ね笑


梅澤: は、橋本さんに、白石さん…ってことは…



もう1人の関西弁の女性を見る。



??1: 君、大っきいな〜美人さんやし。


奈々未: そうだよ。松村沙友理。


沙友理: やっほ〜松村沙友理やで!みんな、よろしく!


堀: ねぇ、飛鳥。あの3人って…


飛鳥: …ん、あぁ、あの一番白くて綺麗系の人が美月の姉の白石麻衣さんで、クールビューティーって感じの人が、○○のバイトの先輩の橋本奈々未さん。あと、一番背が高くて関西弁の人が、おそらく御三家のもう1人の松村沙友理さんだね。


堀: え、あの有名な?


飛鳥: うん。よし、私は教室に戻るよ。ありがと、見逃してくれて。


堀: 笑、いいえ。なにか悩みがあるなら、ちゃんと相談してよ。私は飛鳥の味方なんだから。


飛鳥: …分かった。



軽く会釈だけして、飛鳥は仕事に戻って行き…



麻衣: あれ、飛鳥ちゃん?


梅澤: (まだ私は、この空間には、いれない!)し、失礼します!!美月、仕事に戻るよ!!


美月: え〜!!


梅澤: おそらく若月さんは気づいてるだろうから、いつまでここにいるのは、マズいって。


美月: 確かに……お姉ちゃん、また後で。


麻衣: うん笑、またね。



風紀委員の見回りの途中である美月と梅澤も、仕事に戻った。



沙友理: え〜もうちょっと話そうや〜


奈々未: まぁまぁ、明後日も来るんだから、その時に話せるって。



そうして、1組前の廊下には、その他の人物を除き、堀と御三家だけが残る。



堀: (この人達が御三家なんだ。やっぱオーラあるな。)


麻衣: じゃ、早く入ろう。誰かさんのせいで、文化祭終了の時間も迫ってることだし。


沙友理: もしかしてそれ、私のこと言ってる?


麻衣: 笑、それ以外ないでしょ。



そして3人は、文化祭も終わりかけということで、短くなった列に並び、店に入る。



執事(受付): いらっしゃいませ。担当の執事もしくはメイドをお選びください。


沙友理: 誰にすんの?


麻衣: 日奈子ちゃんも良いけど、ここは…


奈々未: ○○君だね。ちゃんとジャッジしないと笑


麻衣: カフェのバイトの先輩として?笑。でも、ここでの○○はカフェの店員じゃなくて、執事だよ?


奈々未: それでも接客の仕方は見れるじゃない。


麻衣: なるほど。○○には事前に言ってるの?


奈々未: この前のバイトの時に言ったよ。ジャッジしに行くねって。


沙友理: 私も、まいやんの弟君と直接話してみたいわ〜


麻衣: なら、決定だね。深川○○でお願いします。


執事(受付): かしこまりました。少々お待ちください。(この人が噂の○○と白石さんのお姉さんで、こっちの人が○○がたまに話してる悪魔のようなバイトの先輩か…綺麗な人じゃん。)


○○: お帰りなさいませ、お嬢様方。



すぐに○○が受付にやってくる。



麻衣: これまたカッコいいね。


奈々未: 笑、バイトの時もこうしてもらおうかな。


沙友理: へぇ〜君があの時、電話越しで話した○○君か!


奈々未: あ、言ってた通り、ジャッジするから笑


○○: っ!!…笑、かしこまりました。では、お荷物をお持ちいたします。


執事(受付): B席です。


○○: コクン…お席にご案内します、お嬢様方。



奈々未の一言で、気合いを入れ直した○○は、いつもの感じで接客を再開するのだった。


ちなみに…



桜井: モグモグ


沙友理: あれ?!そこにおるんわ!


若月: あ、ちょっと、玲香。


桜井: ん?あ。


七瀬: お久しぶりですね〜皆さん。


麻衣: おぉ、偶然。みんなもここに来てたの?


桜井: はい、ちょっと時間が取れたんです。白石先輩は少し前にお会いしましたけど、橋本先輩と松村先輩は本当にお久しぶりです笑


奈々未: 一応、体育祭の時に、こっちは見てるんだけどね笑。って知ってるか。


若月: はい、○○に聞いてました。笑、今回の文化祭も来ていただき、ありがとうございます。


沙友理: 何言ってんねん、母校の文化祭ぐらい普通に来るもんやから、お礼なんか言わんでええわ笑


麻衣: うんうん笑


桜井: 白石先輩はご家族の、橋本先輩はバイトの後輩達の、松村先輩は弟さんの様子を見に来たんですか?


麻衣: ま、そんな感じ。


沙友理: なぁ、なぁちゃん。そのオムライス美味しい?


七瀬: はい、美味しいですよ笑


若月: ところで……うちの部下がそちらのお店で、よくお世話になっているようで笑


奈々未: 笑、良いのよ。こっちとしてはお店の売上が伸びるだけだから。



という、今では滅多に見れない組み合わせの会話が、○○の目の前で行われたそうだ。



その後、御三家をお店から送り出して、少しした後に文化祭が終了し、○○達は片付けと反省会をして解散となった。


○○は元気過ぎる日奈子を落ち着かせ、拗ねている美月をケアしつつ、帰宅し、自分のベッドに入った瞬間に眠りにつく。



こうして、文化祭の初日が終わった。




to be co



沙友理: え、出番少なすぎひんか?!!!



to b



沙友理: だから、もうちょっと私の出番を…うぐっ…



to be contin



沙友理: あ、諦めへんで…え?この感じは作品が違うって?さくちゃん?…何言ってんねん!!!…うぉぉ…




to be continued


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