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ただ守りたい… 109話

放課後


風紀委員室



いつも通りに何事もなく見回りを終わらせた、○○と美月の2人は、若月にその報告をしに来ていた。



若月: 報告ありがとう。


○○: いえ。


美月: そういえば、美波達の仕事ぶりはどんな感じなんですか?美波ったら、いつも通りって言うだけで、何も教えてくれないんです。


若月: 笑、そうか。良くやってくれてるぞ、梅達は。


○○: 松尾さんと林さんは、風紀委員に慣れてきてます?


若月: あぁ。楽しそうに仕事をやってくれてる。


○○: 笑、あの2人は美波と一緒だったら、なんでも楽しめそうですけどね。


若月: 笑


美月: 良くやってくれてる…それなら心配ないです。


若月: そうか笑……あ、ところで○○。


○○: なんです?


若月: 文化委員の手伝いをするんだってな。


○○: はい、頼まれましたね。


若月: お前は本来風紀委員だから、例の約束が風紀委員の仕事の妨げになってはいけないんだが、今回は特別扱いだ。


○○: え?


若月: 水曜日は、見回りに参加しなくていい。美月は梅と組ませるから、○○は文化委員の手伝いの方をやれ。


美月: は?


○○: それで良いんですか?


若月: あぁ、玲香となぁちゃん、そして万理華と話し合いを重ねた結果だからな。しょうがない。


○○: …了解です。


若月: ってことで、美月は水曜日は梅と組んで、金曜日は○○と組むって形になる。


美月: ムー……文化委員の手伝いの方に、女の子はいますか?



不機嫌そうに美月は尋ねる。



若月: 多分いないぞ。体育館チームは力仕事が中心だから。


美月: それなら良かったです!



しかし、すぐに笑顔になった。



若月: 笑、素直だな。あと、文化祭本番の見回りも、美月は梅と一緒になるだろうから、よろしく。


美月: な、なんでですか?


若月: おそらく、○○は仕事に埋もれることになりそうだし笑


○○: そんな縁起でもないこと言わないでください。本当に、そんなことになったらどうするんですか!


若月: すまんすまん笑。でも、そうなると○○が見回りを行える場合、誰と組ませるか…


美月: はっ!!


○○: そんなの誰でも…


美月: 他の子…特に女子…特に珠美と組むことにならないよう、○○にいっぱい仕事を与えてください!


○○: ちょっ、美月!何言ってるの?!


若月: 分かった。玲香に言っとく。


○○: 若月さんも了承しないでくださいよ!


美月: ほら○○、家に帰ろ笑



笑顔の美月が、○○の背中を押す。



若月: 笑、また来週な。


○○: 絶対ダメですからね!若月さん!


美月: 失礼します。



ガラガラ



○○: もう、最後の最後にどデカい爆弾を…


美月: ごめんって笑


○○: はぁ…まぁいいや、帰ろ。


美月: うん!





パチ





○○: …



急に立ち止まる○○。



美月: どうしたの?


○○: 病院に行かないと。


美月: あ、分かった。(もう1ヶ月経ったのか、修学旅行があったせいか、すごく早く感じたな〜)


○○: 美月も行く?


美月: うん。(だんだんと、お姉さんとの記憶も戻って来てるみたいだし、この状態の○○も、ちょっと人間らしくなってきたし。)


○○: よし、行こう。


美月: OK。っとその前に、お姉ちゃんに連絡を…



プルルルル


ピ



美月 T: もしもし、お姉ちゃん?


麻衣 T: どうしたの?美月。


美月 T: これから、乃木坂病院に寄ってくるから。


麻衣 T: 乃木坂病院…あぁ、分かった。ちゃんと何を思い出したか、メモするのよ。


美月 T: 分かってる。


麻衣 T: じゃ、家でね。


美月 T: うん。



ピ



○○: …


スタスタ


美月: あ、待ってよ〜







乃木坂病院



○○: こんにちは。


看護師: あら、深川君。こんにちは。それと美月さんも。



この、いつも対応してくれる看護師さんとは、毎月○○と一緒に来ているおかげで、随分と仲良くなった。


最初の印象と違って、中々気さくな人なんだよね。



美月: こんにちは。


看護師: 笑、修学旅行はどうでした?


美月: 楽しかったです。


看護師: そう笑。深川君は?


○○: …良かったです。許可証をください。



感想を言った…



看護師: っ!…笑、分かりました。はい、どうぞ。


○○: ありがとうございます。


看護師: 美月さんも。


美月: ありがとうございます……やっぱり、段々とロボットっぽさが無くなってきてますよねボソッ


看護師: そうですね、この調子で行けばボソッ


○○: ?行きましょう。


看護師: はい。



そうして、3人はエレベーターに乗り込む。



看護師: あちらを向いていてください。


美月: はい。


○○: …



結構変化が出てるっぽいから、○○の記憶も相当戻ってるかも…

もしかしたら、お姉さんのことは全部思い出してたりして。



チーン



看護師: では、いってらっしゃい。


美月: いってきます笑


○○: …ありがとうございます。


看護師: 笑



笑顔の看護師に見送られ、○○と美月は歩き出す。



美月: 私も、さすがに慣れてきたよ、ここの雰囲気に。


○○: そう。



相変わらず、病院らしくないな。


こんなに奥まで廊下が続いてるのに、人っ子一人いない。



と、2人が病室に向かっていると…


ガラガラ



美月: え?


??: っ!!



車椅子に乗った男が、すぐ隣の病室から出てくる。



○○: …


ペコッ


スタスタ



表情を変えず会釈だけして、そのまま歩く○○。



??: (マジ?!こんなところで、坊ちゃんとばったり会うなんて…それに、この子は確か…情報部統括の娘さん…)


美月: っ…



初めてここで、あの看護師さん以外の人と会った。

ってか、人いたんだ…


車椅子に乗って…あ、足に包帯巻いてる…



??: (聞いた感じだと、この子は俺らのことは知らないんだよな…なんか話しかけようとしてる雰囲気あるし、逃げよ。)


美月: あ、あの…


??: (やっべ、どうする…聞こえてないふりを…)


美月: …こんにちは。


??: こ、こんにちは…


○○: 美月、何やってるの?


美月: っ!ごめん、すぐ行く。すみません。


??: い、いえ…



ちょっと話を聞きたかったけど、しょうがない。



??: (ふぅ…間一髪だったな……よし、早めにいちご大福だけ買ってこよ。)





深川麻衣の病室



ガラガラ



○○: 失礼します。姉ちゃん久しぶり。


美月: 失礼します。お久しぶりです!お姉さん。



変わらず、病室の中央にあるベッドで眠る深川麻衣。



○○: 修学旅行に行ってきたよ。渡月橋にも行った。姉ちゃんが楽しそうに話してた理由が、よく分かった気がする。あそこは、すごく綺麗というか、心に響く景色だよね。姉ちゃんも同じ感想を抱いたのかな。


美月: あ…



もしかして、お姉さんも修学旅行で京都の渡月橋に…



美月: お姉さんから、渡月橋のこと聞いてたんだ。


○○: うん。修学旅行の後に、よく聞かせてくれた。


美月: へぇ…



だから○○は、あんなに渡月橋のことを気にしてというか、意識してたのか…



美月: お姉さんも、修学旅行の行先、京都だったんだね。


○○: そうだよ。今考えると、姉ちゃんが持ってた、あのキーホルダーは肝試しでもらったヤツなのかな。


美月: 例のご当地キャラクターのキーホルダー?お姉さんも、持ってたの?


○○: うん。僕に見せてくれたんだ。


美月: そっか。



○○が中1ってことは、お姉さんは高2の春に、ここに入院したはず…

つまり、修学旅行に行った年に、寝たきりの状態になっちゃったのか。


というか、元乃木高生でお姉ちゃんの1つ上なら、お姉さんと仲良かった人ぐらい探せそうだけど…



○○: 懐かしいな……姉ちゃん、買ってきたお土産を、日奈子達にも配ってたっけ。


美月: ほんと仲良かったんだ。


○○: 一緒に遊んでたしね。それこそ、理々杏も仲良かったよ。


美月: あ、確かに…○○と理々杏がお互いの家で遊ぶぐらいなら、お姉さんも理々杏のこと知ってるか。


○○: 理々杏はさ、あんな性格だし、お母さんも亡くなってたから、姉ちゃんが同性で唯一甘えられる存在だったみたいなんだよね。理々杏のお父さんがそう言ってた。


美月: え……理々杏のお母さん、亡くなってたんだ…


○○: そうだよ。理々杏を産んだ後すぐに。


美月: 知らなかった…


○○: まぁ、理々杏はあんまり自分のことを話したがらないから。結局、理々杏は自分がお嬢様かどうかも、教えてくれないし。


美月: 笑、それは私も気になるから、今度聞いてみよう。


○○: うん。あとは…文化祭でメイド喫茶やることになった。


美月: 執事&メイド喫茶ね。


○○: そうそう。すごく楽しみなんだ。だってさ、メイド服似合うと思わない?日奈子とか飛鳥、祐希も。


美月: …


○○: それと、美月。絶対に似合うと思うんだよ。姉ちゃんにも見せたいな〜


美月: 笑、私としては、○○の執事姿も見せたいところなんだけど。


○○: え?


美月: お互いに写真撮っとこ。あとからお姉さんに見せる用に。


○○: …分かった。


美月: よし。って、文化祭については、お姉さんが何か言ってたこととか、覚えてないの?


○○: 文化祭か……1回目はお化けのコスプレ、2回目はシスターみたいなののコスプレを家で見せてくれたかも。


美月: そうなんだ。


○○: 確か、そのコスプレをしたまま、晩ご飯を作ってくれたこともあったよ。


美月: ふ〜ん笑


○○: ま、覚えてるのはこのぐらいかな。文化祭の準備期間でも、いつも通りの感じだったし。あ、でもちょっとだけ、朝の家を出る時間が早かったかな。


美月: いつも通りの感じって、お姉さんが家事をやってたってこと?


○○: そう。姉ちゃんは、放課後すぐ家に帰ってきて、家事をやりつつ、僕の面倒も見てくれてたんだ。大変だっただろうに……ほんと、感謝しかないよ。



放課後に文化祭の準備ができない代わりに、朝早めに行って準備をしてたってことかな。



美月: 改めて、ありがとうございます!お姉さん。


○○: …よし、帰ろっか。言いたいことも全部言ったし。


美月: …そうだね。また1ヶ月後に来よう。


○○: うん。バイバイ、姉ちゃん。


美月: また今度。



こうして、○○と美月は病室を出て、エレベーターの前の看護師と共に、病院の受付付近まで戻って来た。



美月: ありがとうございました。


看護師: いえ、仕事ですので。また、待ってますね。


美月: はい!


○○: 行くよ、美月。


美月: うん!






翌日

夕方



「お誕生日おめでとう!!!」


さくら: うわぁ〜みんな、ありがとう。



みたらし団子で埋め尽くされたケーキを前に、目をキラキラと輝かせるさくら。


そんなさくらを、家族と同級生の友達が笑顔で眺める。



掛橋: おいしそう〜


さくら: さぁちゃん。ダメだよ、さくが最初に食べるんだから。


掛橋: 分かってるって笑。さくがたくさん食べた後の余りを、少しだけ貰えれば満足。


蓮加: そんなこと言ってたら、一欠片も残らないよ、多分。


賀喜: 確かに笑。みたらし団子だけには、食い意地を張っちゃうからね、さくちゃんは。


麻衣: みたらし団子だけにはね笑


さくら: ///もう、みんなして、さくのことイジって…


珠美: さくちゃん、顔赤いよ!


紗耶: か〜わい!


美月: さくらんぼみたいだね〜笑


さくら: ////…


○○: ほら、みんなニヤニヤしない。さくら、まずは1口どうぞ。


さくら: うん!いただきます!



ホールケーキから、そのまま、一口分フォークで取る。



○○: もう一個、団子乗せたら?


さくら: そうね。よいしょっ………パクッ


麻衣: どう?おいし?


さくら: うんま!!



口を手で押えながら、そう言う。



麻衣: 良かった。奈々未のとこに、頼んで正解だったよ。


珠美: 珠美も、お店から運んできた甲斐がありました!


さくら: モグモグ…もう一口食べていい?


○○: それはさすがに、切り分けてからにしようか。


さくら: さくの大きめね。


○○: 了解笑。珠美、手伝って。


珠美: はーい!



ケーキを一旦、キッチンへ運んで行く2人。



掛橋: いや〜今日で、さくちゃんも16歳とは、時の流れは早いね〜


紗耶: うんうん。


賀喜: いや、2人ともまだ15歳じゃん。


美月: そんなこと言う、かっきーもまだ16歳じゃん。


麻衣: いやいやいや、まだみんな未成年じゃん笑


蓮加: この中だと、お姉ちゃんだけが、成人してるもんね。


麻衣: ほんと、歳を感じる…


美月: あれ、私達のJK感についていけないの?笑


麻衣: 笑、何言ってんだか。まだ私は、ピチピチの女子大生よ!


蓮加: ピチピチってなんか…


さくら: 古い。


麻衣: …


紗耶: そ、そんなことないですって!


掛橋: そうそう、麻衣さんはいつもお美しいですし!


賀喜: うんうん!



家族によって大ダメージを受けた麻衣を、1年生達が必死に助ける。



美月: 笑、そんな焦ってフォローしなくても。


麻衣: 美月、余計なこと言わないよ。みんな、ありがとう、嬉しいわ〜


紗耶: ほんと、大好きです!


麻衣: うふふ笑


美月: ねぇ、かっきー、私は?


賀喜: もちろん、美月さんもめちゃくちゃ可愛いです!


美月: えへへ笑


さくら: 2人とも、私の友達使って、承認欲求を満たさないでよ。


蓮加: そういえば、さぁちゃんはFPSやってるんだっけ?



隣に座る掛橋に、蓮加は聞く。



掛橋: う〜ん、残念ながら、私はやってない。


蓮加: そっか〜一緒にやりたかったんだけど…


掛橋: PCガチ勢の蓮加ちゃんには、絶対勝てないよ笑


蓮加: やってみないと、分からないって。でも、私はってことは、他にやってる人を知ってるの?


掛橋: うん。


蓮加: 誰?


掛橋: 蓮加ちゃんは知らない子。


蓮加: ふ〜ん、女の子?


掛橋: いや、男の子。


蓮加: そうなんだ。


掛橋: 夏休みぐらいから、よく一緒にオンラインでゲームしてるんだ。


蓮加: 男の子とね笑…気に入ってるの?


掛橋: 気に入ってる…まぁ、良い子だよ。


蓮加: ほうほう笑


掛橋: ム…そんなニヤニヤしてるけど、蓮加ちゃんは、男の子と一緒にゲームしたりしないの?


蓮加: 別に、しないってわけじゃないけど…


掛橋: へぇ〜笑


蓮加: ただのクラスメイト。


掛橋: 笑、話を聞かせてもらおうか。


蓮加: そう言うなら、そっちもね。



そんな会話が、○○の家で繰り広げられている頃…



新里: …ブルブル……風邪ひいたかな…


鴨田: …ブルブル……何故か体が震える…


新里 鴨田: まさか、誰か変な噂を…いやいや、そんなことは………一応、○○先輩に相談してみるか。



と、キャラが似ている2人が、見事なシンクロをしていたのであった。



○○: はい、みんな切り分けてきたよ。


美月: ありがとう!○○、珠美!


珠美: いーえ。どうぞ。


麻衣: 珠美ちゃん、ありがと。



キッチンから、○○と珠美が、切り分けたケーキを運んで来る。



○○: 要望通り、さくらのは特大だぞ笑


さくら: ほんとだ。


蓮加: ほぼ半分じゃん笑


賀喜: ま、さくちゃんのお誕生日だからね。


○○: さ、みんなで食べよう。良い?さくら。


さくら: うん。


麻衣: じゃ、いただきます。


「いただきます。」


さくら: パクッ…モグモグ…うま〜


蓮加: おいしい!


掛橋: なんか、新食感って感じ。


賀喜: だね。スポンジと団子の食感が混ざりあってる。


麻衣: このみたらしも、ケーキ用に改良されてるよね。


珠美: 店長が頑張ってましたから!


さくら: 今度、お礼を言いに行かなきゃ。


○○: 笑、だね。



全員がケーキを一口食べて、顔を蕩けさせていると、美月が動き出す。



美月: はい、○○。あ〜ん。



自分のフォークにケーキを乗せて、隣の○○の口元へ運ぶ美月。



蓮加: また始まった。


掛橋: いつもなの?


蓮加: うん。時間がある時は、毎回だね。


賀喜: 美月さん…


さくら: かっきーはそっちか笑。それに対して…


紗耶: ム…


珠美: ムムム…


麻衣: 笑、2人もやってみたら?



という麻衣の言葉を受けて…



○○: いや、美月。今そういう場面じゃ…


美月: そんなの関係ないよ!


紗耶: ○○先輩、あ〜んです!


珠美: さっさと口を開けてください!


○○: え、紗耶ちゃんに珠美も?



2人も参戦する。



美月: ちょっと、私が最初なんだけど!


紗耶: 美月先輩は、いつもやってるみたいですし、今日ぐらい紗耶にやらせてください!


珠美: ズルいです!


美月: 先輩に譲るのが、後輩の役目なんじゃないの?


紗耶: うわ、ここで先輩を出してくるんですか。


珠美: ヒドいです!


掛橋: あぁなっちゃうと、カオスだね、傍から見れば。


蓮加: うん。


賀喜: ねぇ、さくちゃん。


さくら: ん?どうしたの、かっきー。


賀喜: 3人が言い争ってる間にさ…ゴニョゴニョ


さくら: ……え///でも……うん、分かった、やってみる。


麻衣: 笑(かっきーの策略に乗ったさくらは、どう動くのか。)


珠美: 珠美が最初にやるので、どいてください!


紗耶: 紗耶です!


美月: 絶対に譲らないわよ!


○○: ちょっと、3人とも…


さくら: ふぅ……



ガタンッ


さくらは、ケーキを持って、勢いよく立ち上がる。



蓮加: どうしたの?お姉ちゃん。


賀喜: 笑


掛橋: まぁまぁ、眺めとこ。


さくら: お兄ちゃん。



黙って歩き、○○の右隣で騒いでいる3人を無視し、左隣に立つ。



○○: ん?なに、さくら。


さくら: はい、一口あげる!


○○: え…ムグッ……



ケーキを刺したフォークを、○○の口の中に無理やり突っ込む。



美月: あ!


紗耶: はっ!!


珠美: な…


さくら: おいしい?お兄ちゃん。


○○: う、うん、おいしいけど…


さくら: なら良かった……ニヤッ



呆然としている3人に、笑みを向ける。



紗耶: さくちゃん!


珠美: やられた…


美月: …さくら、いつそんなことを……


賀喜: 笑、美月さん。私に一口ください!


美月: ……ふん。さくらに取られちゃったし…しょうがない。はい、かっきー、あ〜ん。


賀喜: パクッ…美味しいです!ありがとうございます、美月先輩!!


麻衣: へぇ〜(やっぱり、かっきーは賢いわね。あそこまで計算して、さくらを誘導するとは。)


さくら: ニコニコ笑


掛橋: さくちゃん、満足そうだね。


蓮加: だね。


掛橋: あれ、蓮加ちゃんは、行かなくていいの?前は、美月先輩に対抗していたような気がするけど…


蓮加: 笑、蓮加も大人になったの。


掛橋: じゃあ、○○先輩を眺めながら、そのフォークに刺さったままにしてるケーキは何かな?


蓮加: へ?あ、いや、これは…蓮加が食べようって思ってた分だよ!



慌てて、蓮加は否定したが…



掛橋: 良いんじゃない?甘えても。


蓮加: でも、お友達を見てると、蓮加が子供過ぎるんじゃないかって思って…


掛橋: 大丈夫。逆に我慢する方が、後々キツくなってくるから。ほら、今やんちゃんとたまちゃんがやってるから、その後に流れで行ってきてごらん。


蓮加: …分かった。さぁちゃんの言う通りにする!お兄ちゃん!!



掛橋の優しい言葉で、蓮加も席を立ち…



紗耶: 次こそは、紗耶の番ですよ!


珠美: ○○先輩!!美味しいケーキです!!


蓮加: お兄ちゃん!!お口を開けてよ!!


○○: 分かった、分かったから!


賀喜: 美月先輩、私のもあげます!(○○先輩の方を体で隠しながらっと…)


美月: はいはい笑(全く、可愛い後輩だな〜)


麻衣: さくら、楽しい?


さくら: うん!すっごく楽しい!パクッ




to be continued





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