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ただ守りたい… 148話

美月: よし、やるぞ、祐希!!


祐希: うん!!


久保: 絶対に無理だって。私なんかが会長になれるわけないよ…



○○から、絶賛ネガティブモード中の久保を説得して、立候補書類を生徒会室に提出しに行かせることを頼まれた2人は、ものすごく気合を入れて、その仕事に取り組み始めた。



美月: まぁ、まずは一旦、史緒里を教室に移動させるか。


祐希: だね。こんな暗くて静かなところにいたんじゃ、気分も変わらないだろうし。


美月: 祐希、いける?


祐希: 笑、任せて。



そう笑顔で行って、祐希は久保の前にある机を退かし、久保の腕を自分の首に、自分の手を久保の膝裏に回して、立ち上がる。



祐希: よいしょっ!


美月: おぉ、さすが力持ち。


祐希: このまま、教室までレッツゴー!!


久保: 無理無理無理無理…


美月: この状態でもネガティブか……これは時間がかかりそうだけど、頑張るぞ!


祐希: おーー!!



こうして、祐希は久保をおんぶし、美月は書類を持って、空き教室を出て教室に戻った。




教室


ガラガラ



美月: はい、入って〜


祐希: とうちゃーく!


飛鳥: あ、戻って来た笑


春時: 流れは聞いたけど、これはなんか面白いな笑


美月: ここに座らせて〜


祐希: 了解!…よっこらしょ。


久保: 私には無理、私には無理、私には無理、私には無理…


祐希: ふぅ〜〜教室に戻すことはできたね。


美月: さぁ、本番はここからだよ。


祐希: うん!飛鳥、席借りるよ。


飛鳥: どうぞ〜



美月は自分の席に、祐希は飛鳥の席にと、久保の席の前と左隣の席に座って、説得を開始する。



飛鳥: 未央奈の席に座ろ。


春時: どう説得するのかね。あの2人は。


飛鳥: 気合で攻めるか、理屈で攻めるか。どっちにしても、時間はかかると思う。


春時: だな。直接見てみると、今の史緒里に下手な言葉が届くとは思えん笑


飛鳥: それこそ、美月と祐希の言葉だったら、史緒里に届くんじゃないかって、○○も考えたから、2人に説得を任せたんでしょ。


春時: 笑、○○が任せた理由はそれだけじゃないと思うが、まぁ要因の一つではあるんだろうな。


飛鳥: あれ、春時でも分かってるんだ笑


春時: でもってなんだよ、バカにしてんだろ笑


飛鳥: 別に〜笑


春時: 見てれば分かるよ。○○が、わざわざ史緒里の説得含め、選挙の手伝いを美月と祐希の2人にさせる理由は。あと、飛鳥が外された理由もな笑


飛鳥: ふ〜ん。


春時: 頼まれても断るつもりなんだろ?


飛鳥: うん。面倒臭いし、時間取られるし。何より、私は向いてない。


春時: 俺はそうは思わないけどな。


飛鳥: …どっちにしろ、私は傍観する。


春時: なら、俺も同じくってことで。日奈子はどうするかな?


飛鳥: 私が黙って見とくようにさせるよ。


春時: 笑、だったら問題ないか。飛鳥も日奈子も黙って見てたら、みんなも何もしないだろ。


飛鳥: うん。今回の史緒里の説得は、美月と祐希だけに任せるよ。


春時: おう。


飛鳥: ま、選挙運動には協力するけど。


春時: 俺らも史緒里には、会長になって欲しいからな。



と、飛鳥と春時は、美月と祐希が久保の説得に奮闘しているのを、暖かい目で見守る。

そして、朝練から戻って来た日奈子が、美月と祐希が楽しそうなことをしていると思い、近づこうとした瞬間に、飛鳥がそれを止め、日奈子も飛鳥達と同じように、ニコニコと見守るようになった。


その結果、他のクラスメイトも、飛鳥達と同じようにし、○○や飛鳥の思惑通り、ネガティブモードの久保の説得は、美月と祐希の2人だけで行うのだった。




翌日


昼休み



美月: ふ〜む…


祐希: う〜ん…


久保: …



書類の提出の締切が、今日の放課後に迫っているこの時、未だに久保の説得は完了しておらず、3人は、中央に書類を置き、それぞれの机に昼食を広げながら、向かい合っていた。



美月: 色々と試してみたけど、中々上手くいかないね〜


祐希: うん…


久保: もう良いよ、2人とも。私は…


美月: その先の言葉は、言わないの。まだ迷ってる表情をしてるのに。


久保: ……でもさ…


美月: でもじゃないの。口に出しちゃったら、心がそっちに流れちゃうでしょ。自分の中で、完全にやらないって決めたんなら、それで良いけどさ。


久保: …


祐希: 祐希は、史緒里なら十分やれると思うけどな〜


久保: ……そう思ってくれてるのは、すごく嬉しいんだけど……う〜ん……


美月: ずっと同じやり取りになっちゃうかボソッ……チラッ



何かしらの打開策がないかと、教室にいた杉浦と璃勇、そして堀と星野の方を、チラッと見る。



杉浦: モグモグ……未だに難航中かボソッ


璃勇: みたいだねボソッ


杉浦: 手伝ってやりてぇけど、春時があの2人だけに任せるって言ってるからなボソッ


璃勇: うん。ま、選挙活動は精一杯手伝って良いって言われてるから、その時に手伝おボソッ


杉浦: そうだなボソッ



この2人は、春時に言われた通りに、美月の視線に気づきながらも、特に動くことなく昼食を食べ続けた。



堀: 困ってるな〜


星野: どうする?


堀: みなみはどうしたい?


星野: 飛鳥に止められてはいるけど、みなみも史緒里には会長になって欲しいから、ちょっとだけでも、説得の手伝いをしたい……かな。


堀: そっか。じゃあ、今は飛鳥もいないことだし、ちょっとだけ手伝おう。


星野: え?どうやって?


堀: 笑、あの2人、ずっとポジティブな言葉をかけて、史緒里のネガティブを無理やり無くそうってしてるのね。でも、史緒里のネガティブって、次元を超えちゃってるから、どう頑張っても打ち消せない。


星野: うん。


堀: だから、ネガティブになってる原因を潰すべきだと思うんだ。


星野: 当たり前のことじゃん。


堀: 多分、あの2人は○○君に頼られたことで、張り切り過ぎて、根本的なことを忘れちゃってるんだよ。


星野: なるほど笑……でも2人にそれができるかな?


堀: 大丈夫。あの2人は、その原因を取り除けるだけの言葉と、史緒里との関係性を持ってるから。だからこその、あの2人なんだと思う。


星野: 確かに笑


堀: ってことで、ちょっと独り言を大声で言いたくなっちゃったな〜



と、堀が声のボリュームをあげ…



堀: やっぱ、何事も原因を解決しないとだよね〜〜


星野: 笑、だよね〜



この一言は、教室中に響いた。



美月: え?


祐希: ん?


久保: …


杉浦: おいおい笑


璃勇: あらら笑


堀: あ、ごめんなさい笑。声が大きくなってた。


星野: ごめんね!


美月: う、うん…


堀: 笑…パチッ



謝りながらも、堀は美月と目を合わせて、ウインクをする。



星野: これで上手くいくかな?ボソッ


堀: まぁ、美月次第ボソッ



そうして、堀と星野は2人が久保を説得できることを願いながら、楽しくお喋りを再開した。



祐希: びっくりしたね笑


美月: うん…(原因を解決……あ。)


久保: …


美月: ちょっ、祐希ボソッ


祐希: なに?ボソッ


美月: コショコショコショ


祐希: …うん…うん……なるほどボソッ



久保が目の前にいるのにも関わず、2人は、顔を近づけて作戦会議をして…



美月: ねぇ、史緒里。



その作戦を実行する。



久保: ……なに?


美月: なんで、会長に立候補しないんだっけ?


久保: ………私が会長に相応しくないから。


美月: なんで、相応しくないって思うの?


久保: ……私には、今の会長様みたいに、みんなを引っ張れるだけの能力も人望もないから。


美月: ……ここだね。


祐希: じゃあ、史緒里が会長になるのに、足りてないって思う能力はなんなの?


久保: ……生徒をまとめる能力、話を聞く能力、自分の言葉をみんなに届ける能力、周りを見る能力、その他諸々の能力。


祐希: ……確かに、桜井先輩は人をまとめて導く能力が、桁外れに高いからね〜〜その桜井先輩と史緒里を比べちゃうと……ね笑


久保: ガーン


美月: ちょっと、祐希。


祐希: え?あ、ごめんごめん。さらに落ち込ませるつもりじゃなかったんだけど…


美月: なら、なんのつもりで言ったの?


祐希: いや、普通にさ、なんで史緒里が桜井先輩と同じぐらい、もしくは勝つぐらいの能力を持っとかないと、会長に相応しくないの?


久保: …


祐希: しかも、史緒里が言ってるその力は会長に必要な能力じゃなくて、桜井先輩みたいになるのに必要な能力じゃん。


美月: おぉ、確かに。祐希、冴えてるじゃん。


祐希: 笑、祐希だって、やる時はやるんだから!


美月: で、続きは?


祐希: えっと、だから、史緒里が落ち込む必要ない!そのままの史緒里で勝負すべきだよ!


久保: …でも、その能力は、乃木高の生徒会長に必要な能力なわけじゃん。実際、その能力を持ってる桜井玲香様が生徒会長になってるんだし。


祐希: う、うぅ………美月、あと頼んだ。


美月: え〜しょうがないな〜笑、祐希と交代して、このまま説得を続けます!


祐希: お願いします!


美月: ねぇ史緒里。私が体育祭の時に、生徒会の人達と一緒に仕事をしてみて思ったんだけどさ。


久保: …うん。


美月: 生徒会の人達って、得意分野がそれぞれにあるみたいなんだ。会長だったら、祐希が言ってるように、人をまとめて引っ張ることが得意で、副会長は人の考えを読んで、先を予測することが得意、みたいな感じで。


祐希: そうそう!お姉ちゃんは、祐希の行動を先読みしてくるの!


美月: 笑、で、つまり私が言いたいのは、生徒会っていうのは、生徒会長だけじゃなくて、他の役員も含めて、生徒会なんだと思うの。


久保: …そんなの当たり前じゃん。私も分かってるよ、そのぐらい。


美月: ほんとに?ちゃんと分かってるの?


久保: ……どういうこと?


美月: 確かに、生徒会長はみんなの前に立って話すことが多いし、役職的にも、みんなをまとめて引っ張っていく力が必要なんだと思うけど、その力っていうのは、別に会長が持ってなくても、他の役員が持ってれば良いじゃん。


祐希: なるほど…


美月: さっきも言ったように、今の生徒会も役員それぞれに得意分野があって、それで足りないところを補い合うことで、歴代最高の生徒会って言われるぐらいになってるんだよ。だから、史緒里に今の会長みたいな力がなくても、他の役員がその力を補って、逆に史緒里が他の役員に足りないところを補えば、問題なくない?


久保: …補い合う…


美月: そう。生徒会役員みんなで、生徒会。そして、その生徒会が先頭に立って、生徒と共により良い乃木高を作っていくの!


祐希: おぉ〜美月の名言だ!


美月: でしょ!笑。我ながら、カッコいい名言だ。


久保: …生徒会役員みんなで、生徒会。生徒と共に乃木高を作る…


美月: 笑、この立候補書類に書いてあることを見るとさ、史緒里は今の生徒会に憧れてもいるけど、とにかくこの学校が好きなんでしょ?


久保: うん。


美月: だったら、憧れの生徒会、生徒会長と比べて落ち込むんじゃなくて、大好きな乃木高をより良いものにしたい!っていう意志を強く持って、前を向いて歩いていくべきだよ。


祐希: うんうん。史緒里に足りないところは、他の役員が補うんだから、史緒里は前を向いて、先に進んでいけば良いの。大好きな乃木高のために。


久保: っ!!………


美月: どう?行く気になった?


祐希: 立候補してみよう!



と、作戦の結果を聞こうとしたところで…



キンコンカンコーン



美月: あ…


祐希: 昼休み終わっちゃった…


美月: これ、マズくない?


祐希: い、いや、今日の放課後が終わるまでだから…


美月: 放課後が終わるっていつよ。


祐希: ……分かんない。


美月: か、完全下校時刻までなら大丈夫だよね?


祐希: だ、大丈夫、大丈夫。


久保: ……笑



昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り、美月と祐希は焦りと不安を抱きながら、机を元に戻し、自分の席に座った。

久保から放たれていた、暗いオーラが完全に霧散していたことに気づかないままに。




放課後



美月: し、史緒里、どうかな〜


祐希: 立候補する?



高山が教室を出て、○○も生徒会室へと向かった後、美月と祐希はすぐに、久保に話しかける。



久保: 笑、ありがとう2人とも。


美月: え?


祐希: ま、まさか…


久保: 2人のおかげで、決心がついた。私は…




生徒会室



田村: ふぅ〜頑張れ私!頑張れ私!


中田: 笑、このモードに入ったってことは、仕事の佳境かな。


桜井: みたいだね笑


○○: …


カタカタカタカタ


桜井: …○○さんや。


○○: なんですか?


桜井: 久保ちゃんの説得は、どうなったのかね。


○○: …今のところ、立候補書類は提出しに来てないです。


桜井: 笑、それは私も分かってるよ。もう締切まで、3時間切ってるけど?


○○: ですね。


桜井: 良いの?別に、今仕事抜けて、久保ちゃんのところに行ってきても…


○○: もう何回も言ってるじゃないですか笑。僕は2人に任せたんですって。


桜井: …ふ〜ん。


中田: 笑、何気に玲香も、久保ちゃん推しなんだもんね。


大園: 会長、ダメですよ。公平性がないって言われてしまいます。


桜井: 大丈夫だって。私は立候補者の中で、特別この人が良いとかないし、久保ちゃんに特別なって欲しいとも思ってないし。ただ、迷ったまま、立候補せずに終わるってのはね〜ってこと。


灰崎: ま、ちゃんと来るはずです。深川君が任せた2人が説得してるんですから。


中田: 灰崎君は、○○君を信頼してる感じか笑


灰崎: はい。それに、その2人っていうのも、一緒に仕事をしたことある白石さんと、副会長の妹さんですし。


桜井: 美月と祐希ね〜


七瀬: …


カタン!


田村: よし、終わった!!昨日の会議のヤツ!


桜井: よくやった!まゆちゃん!


田村: はい!


大園: じゃあ、今日の会議のヤツを…


田村: え〜ちょっとぐらい休憩させてよ〜


大園: ……まゆちゃんの判断に任せます。


田村: やった!!!


中田: 笑……あ、そういえばさ、この前の理事との話って、次の役員のうちの1人を…



と、中田が話を続けようとしたところで…



○○: ……笑、来ましたね。


中田: え?


田村: 何が来たの?!!まさかのツチノコ!


桜井: 扉越しの足音?笑。さすがの地獄耳。



生徒会室の扉の前に来た、3人の足音を聞いた○○により、役員達はみな、その扉の前に立つ人物が、中に入ってくることに期待した。




生徒会室前



久保: ふぅ……


美月: 行けそう?史緒里。


祐希: あとはこの扉を開けるだけ!


久保: うん。まぁまだ、多少の不安はあるよ。でも…


美月: じゃあ、祐希!応援歌を歌おう!


祐希: よっしゃ!


久保: いや…(2人のおかげで、全く気にならないぐらいって言おうと思ったのに…)


美月: せーのっ!



「頑張れ〜!頑張れ〜!できるぞ!やれるぞ!久保史緒里〜!!」



2人の応援歌が、廊下に響き、扉越しに生徒会室にも響き、そして久保の心に響き、最後のひと押しをする。



久保: 笑、ほんとありがと、2人とも。


美月: …その顔は、完全に前を向けたって感じだね。


祐希: よくよく考えれば、あのネガティブオーラもなくなってるし……行けるよ!史緒里!!


久保: いってきます笑


美月: いってらっしゃい!


祐希: 待ってるから!



こうして、笑顔の久保は、静かに燃える炎を心に宿しながら、生徒会室の扉を叩く。



コンコン


「どうぞ。」



ガチャ



久保: 失礼します。



ゆっくりと扉を開き、久保は生徒会室に一歩を踏み入れ…



美月: あ!○○!!お仕事頑張ってる?!!


祐希: やっほ〜!!!


久保: …


○○: え、いや…


桜井: 笑


中田: 今はその空気じゃなかったじゃん笑


田村: あ!美月ちゃんと祐希ちゃんだ!やっほ〜!!


灰崎:しかも、こっちのとも反応しちゃいましたし笑


大園: はぁ……なんか久保ちゃんが可哀想です。


七瀬: …笑


久保: //…ちょっと、2人ともあっち行ってて。



少し顔を赤くしながら、久保は扉の外に向かってそう言う。



美月: え〜じゃ、バイバイ!○○!!


祐希: またね〜!


○○: う、うん笑



バタン



久保: ……すみませんでした。


桜井: 笑、良いの良いの。で、なんの用かな?久保史緒里ちゃん。



明るい笑顔から一変、桜井の目は真剣なものへと変わり、その目で久保の目を真っ直ぐに見る。

それにより、久保に向けて強いプレッシャーがかけられた。



久保: っ!………ふぅ…


○○: …


久保: 私は、次期生徒会長に立候補するために、ここに来ました。


桜井: …それは、会長になる覚悟ができたってことね。


久保: はい。立候補して、選挙で当選して、会長になる覚悟ができました。


桜井: 本当なら、どんな会長になりたいのかも、ここで聞きたいところだけど、それは後に取っとくよ笑



そう言って、桜井が笑顔になったことで、久保へのプレッシャーがなくなり、生徒会室内の雰囲気も暖かいものへと変わる。



中田: 玲香。プレッシャーかけすぎじゃなかった?笑


桜井: そう?笑。でも、久保ちゃんは負けずに喋れてたじゃん。


中田: ごめんね、怖かったでしょ。


久保: い、いえ…


○○: あれ、どうしたの?


久保: いや、改めて今の状況を考えると、き、ききき、緊張して…


○○: 笑、これは桜井先輩がプレッシャーかけてたままの方が良かったみたいですね。その状態だと、史緒里のファンの心が抑えられて、まともに会話ができるっぽいですから。


灰崎: 普通、逆じゃない?笑


桜井: え〜めんどくさいよ。


田村: え?史緒里ちゃん、緊張してるの?!!大丈夫だよ!!


ギュッ!


久保: うぉっ!!


中田: すごい声笑


大園: あのまゆちゃんでも、そんな反応になるんですか…


○○: ガチファンだからね笑


久保: ふぅ…ふぅ……よし。


田村: あ!もう大丈夫になった?!


久保: はい、大丈夫です。


灰崎: システマかな?笑


桜井: ほほぉ〜なら、私も…


○○: あ、それはやめた方が良いです。多分、桜井さんが抱きついたら、史緒里が落ち着く前に気絶しちゃうので。


桜井: 笑、それは残念。にしても、あの2人の歌、良かったよね。


久保: …やっぱり、聞こえてました?


中田: うん笑、バッチリ。


田村: 頑張れ〜!頑張れ〜!


大園: まゆちゃん、ストップ。


久保: ////ほんと、すみません。


桜井: いやいや、私達もなんか元気出てきたし。良い友達を持ったじゃん、久保ちゃん。


久保: …はい!笑


○○: …よし、史緒里。その書類を僕に渡したら、2日後から始まる選挙活動に向けての準備をやり始めるんだよ。


久保: 笑、分かってるよ。なんなら、演説の内容も、いつどこでやるかも、頭の中では決めてる。


桜井: え、それはなんて言うか…


中田: なんでここまで迷ってたの?ってレベルだね笑


久保: …その…私は生徒会の皆さんが憧れで、元々は会長になるつもりも、生徒会に入るつもりすらもなかったんです。


田村: 私達が憧れだって!嬉しい!


中田: だね笑


久保: でも、あの2人と…○○達と仲良くなってからは、段々と生徒会長になりたいって思うようになりました。そして、会長になるまでにやらないといけないこと、会長になってからやりたいことを、簡単にですけど考えるようになってました。


桜井: なるほど、そこで演説の内容とかは考えてたわけだ。


久保: はい。ただ、文化祭で皆さんの凄さを実感して、生徒会選挙を目前に、いざ、立候補期間が始まってからは、どうしても私が会長を務められるとは考えられなくて…


○○: うん、あの史緒里を見つけた時の、ネガティブオーラは凄まじかった笑


灰崎: それを聞いてると、僕も一緒に行けば良かったと思うよ笑


久保: でも、あの2人の言葉を受けて、私の心は変わりました。私は、必ず生徒会長になります!


桜井: 笑、ここでそうやって宣言したのは、2人目だね。まぁ、現会長の私から言えることは限られてるけど、一言だけ。


久保: …


桜井: 頑張って。


久保: っ!……はい!


桜井: 笑、さぁ○○。パパッと、久保ちゃんの立候補処理を終わらせて!


○○: はい笑



こうして、無事、久保は次期生徒会長への立候補を完了させ、選挙活動へと動き始めるのだった。



to be continued






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