見出し画像

ただ守りたい… 7話

風紀委員室



ガラガラ



○○: 失礼します。


美月: 失礼します…


??: お、やっと来たな〜



2人が風紀委員室に入ると、教壇の横の席に座っていた女性が笑顔で迎えた。



○○: お久しぶりです。若月さん。


若月: 笑、お久しぶりって言っても、そんな経ってないだろ。まぁ、話は後にして、もうほとんど揃ってるから、さっさと座りな。


○○: そうなんですね。すみません。



一応、まだ10分前なんだけど…

去年の生活委員は、みんなもっとギリギリで来てたと思うんだけどな。



そう思って、○○は教室の中を見渡す。



え、何この空気…



教室にいる大半の人が、一言も喋らず、ただ前を見ていた。



これが風紀委員会なのか…



風紀委員会の異様な雰囲気に驚きつつ、○○は2年1組と書かれた席へと向かう。



??1: あれ?○○じゃん!


??2: ほんとだ!


??3: …



○○が席に着こうとしたところで、席に座らず壁に寄りかかって喋っていた人達に話しかけられた。



○○: あ、純奈さんにみり愛さん!今年も風紀委員なんですね。


純奈: おう!まぁな!


みり愛: 何気に楽しいからね。


○○: そうですか笑…



この"伊藤純奈"さんと"渡辺みり愛"さんの2人は、去年も風紀委員で、若月さんと行動を共にしていたため、僕もよく話していた。

ちなみに2人は色んな意味で強い。


で、なんでここに、この人がいるのだろうか。

風紀委員とは正反対だと思うんだけど…



??3: …


純奈: ほら、梅も挨拶しな。同級生でしょ。


梅澤: うす。どうも…


○○: は、はぁ。どうも。


みり愛: 笑、まぁ梅はこんな感じだけど、良いヤツだから仲良くしてやってね。


○○: 分かりました。



良いヤツねぇ…

この梅澤さんは、この学校にいる人なら、誰でも知ってるに違いない。



梅澤: ギロッ



怖っ!!そんなガン飛ばさなくても…

僕なんかやったかな?


そう、この人はいわゆるヤンキーだ。

中々この辺りでは有名な人らしく、去年はよく風紀委員に連れられている所を見た。


はぁ……僕はこの委員で、上手くやっていけるのだろうか…



若月: おい、お前ら。さっさと座れ!!!



純奈とみり愛が盛り上がり、梅澤はガンを飛ばし、○○が自分の未来に不安を抱き、それを美月が黙って見ていた時、とうとう委員長からの言葉が飛んだ。



純奈: はーい。


梅澤: うっす。



と、全員が座ったところで…



若月: よし、時間になったな。っと、1人まだ来てないのか。1年3組の子、もう1人は欠席か?


後輩: え、あ、いや、その〜来てたはずなんですけど、申し訳ございません。ブルブル



若月に指名された子が、震えながら頭を下げる。



若月: 初回そうそう遅刻とは、中々面白いやつじゃないか。



あ〜あ…その後輩可哀想だな〜

若月さんに目をつけられちゃった。



若月: まぁいい。先に始めておくか。



そう若月が切り出したところで…


ガラガラ!!


勢いよく扉が開いた。



??: すみません!遅れました!!


若月: ほほう!来たか。まぁいいから座れ。


??: はい!失礼します。



そう言って、遅れてきた子は空いている席に座る。



ん?なんかあの子の後ろ姿…

見覚えがあるんだが…


まさかな…



若月: よし!じゃあみんな。改めて、今回、風紀委員長を任された、若月佑美だ。よろしく。


「よろしくお願いします!!」


若月: まず、みんなに伝えておくことがある。この風紀委員会は他の委員会とは、ちょっと違う。それに、生徒を守りもするが、取り締まったりもするから、生徒の規範となる行動を心がけてくれ。


「はい!」


若月: 良い返事だ。これから協力して頑張っていこう。じゃ、活動内容について話す。



と、若月は風紀委員の活動について話していく。


風紀委員の目的は、生徒の安全を守ることと、校則を違反している生徒を取り締まること。


風紀委員は基本、同じ組の2人をペアとし、一緒に仕事をする。


そして、日中に校内を見回る組と、放課後に校外を見回る組に分かれており、校内組は、学校内では常に腕章をつけ、学校生活中の校則違反者の取り締まることが仕事である。

それに対し校外組は、当番制で校外の見回りをして、校則違反者を取り締り、生徒を守ることが仕事である。



若月: で、みんなに注意しておきたいことがある。多分ニュースを見た人は知ってると思うが、ここ最近、この辺りで暴力事件が多発している。



そういえば、そんなニュースをやってたな。



若月: もちろん事件に関わらないことが1番なんだが、我々は校外活動をするため、その事件に巻き込まれてしまう可能性が高い。それでもし、巻き込まれてしまった場合は、すぐに逃げろ。そしてすぐに他の風紀委員に連絡を取れ。無理して立ち向かおうとするな。分かったな。


「はい!!!」


若月: 笑、さぁ、当番を決めよう。



ということで、話は進み…



○○: 校外組で、水曜日と金曜日の当番か…


美月: 今日からだね。



2人が担当する場所と曜日が決まった。



○○: まぁバイトと被らなかっただけ、マシか。


若月: みんな決まったな。3年は、去年とメンツがほぼ変わってないから、校外組の初回の見回りは3年と一緒に行ってもらう。



お、それは心強い。



若月: じゃあ、早速、今日が当番の組はこの後、前に集まってくれ。他の組はもう解散していいよ。



そうして、教室に集まった生徒は席を立ち、教室を出ていった。



○○: よし、美月さん。そろそろ行こうか。


美月: うん。



と、○○達が席を立つと…



??: あの〜若月先輩。今日は遅れてすみませんでした!



遅刻してきた子が、若月の元へ謝りに行っていた。



若月: ん?、あぁ次はないからな。気をつけろよ。ところで名前は?


??: はい!"阪口珠美"です!


○○: 笑



やっぱり珠美だったか。

道理で見たことあるなって思ったんだよ。



若月: …じゃあ珠美って呼ぶね。珠美は今日当番でしょ。早速、遅刻を、挽回してもらうためにも働いてもらうよ笑


珠美: はい!頑張ります!!


若月: よろしくな。(阪口珠美…どこかで聞いたような…)



目の前の珠美の名前に聞き覚えを感じつつ、若月は、席を立った○○達を見る。



若月: おい、○○達も早く来い。


○○: はい。珠美、久しぶりだね。


珠美: あー!!○○先輩じゃないですか!お久しぶりです!!


美月: え、○○君。この子と知り合いなの?


○○: うん、中学の頃の後輩だよ。


若月: へぇ〜そうだったのか。(道理で、聞いた覚えがあるわけだ。)


珠美: ○○先輩にはお世話になりました。これからもよろしくお願いします。


○○: うん。よろしく。


若月: さっ、見回り行こうか。珠美のとこにはみり愛が、○○のとこには純奈が付くから。しっかりと先輩の言うことを聞くように。


「はい。」


若月: じゃ、純奈、みり愛、よろしくね。


純奈: おう!任せとけ!


みり愛: OK!


○○: 純奈さん、よろしくお願いします!


美月: お願いします。


純奈: いいよ、そんな固くなくて。早速行こう。



意気揚々と教室を出て行く純奈の後に続いて、○○と美月は初めての風紀委員としての活動に向かった。





校外


○○と美月は、純奈の話を聞きつつ、その後について行く。



純奈: ○○と美月の班は、水曜日と金曜日の放課後に珠美の班と手分けして、校外を見回ってもらうんだけど、大体の見回りルートは決まってるから、そこを通って貰えればいいよ。


○○: 分かりました。


美月: あの、見回りっていうのは、具体的に何をすればいいんですか?


純奈: 基本、学校外で生徒を縛るようなことはしたくないから、そんな厳しく校則違反を取り締まらなくても良いんだけど…


○○: 度が過ぎてる人を取り締まるというか、注意すれば良いんですね。


純奈: そういうこと。あとは若月も言ってたように、風紀委員の仕事には、生徒を取り締まるだけじゃなくて、生徒を守ることも入ってる。


美月: なるほど…


純奈: なんか、生徒が危険なことに巻き込まれそうになってたりしたら、助けてあげて。ただ、その時に自分達を犠牲にすることはしないように。


美月: 他の風紀委員に、応援を頼むんですよね?


純奈: そうそう。場合によっては警察とかにもね。まぁ人数を集めれば、大抵のヤツらは逃げてくれるから。基本3年は風紀委員が見回りをしてる間は学校にいるから、なんかあったら連絡して。


○○: 校外の見回りをするのは、1年と2年なんですね。


純奈: なに?笑、3年だけズルいって思った?


○○: いやいや、そんなことはないですけど。


純奈: まぁ、3年は3年でやることがあんのよ。


美月: そうですか。


○○: ところで、若月さんが言ってた暴力事件っていうのは?



先程の委員会での若月の発言を思い出し、○○は尋ねる。



純奈: あれ?○○ニュース見てないの?笑


○○: いや、その事件のことは知ってるんですけど、改めてお話を聞いておきたいなって。


純奈: そう?笑、まぁニュースで報道されてることは、実際に起こってる事件の一部だけだからね。


美月: 確か、ニュースでは、この辺りで殴り合いをしている人達がいるから、巻き込まれないように気をつけて。みたいなことを言ってました。


純奈: 笑、まとめるとそんな感じ。でもこの事件はちょっと変なんだよ。


○○: 変って?


純奈: その殴り合いをしている現場を見たって人はいるんだけど、警察が来る頃には、殴り合いをしていた当人達がいなくなるんだ。


○○: へぇ…


美月: じゃあ、結局のところ、誰も捕まってないと…


純奈: だから気をつけてね。いつどこで、そんな事件がまた起こるか、分からないから。


○○: はい。


美月: 見つけたら、すぐ風紀委員と警察に連絡ですね。


純奈: そういうこと!



とら話をしながら歩き、再び学校に戻ってくる。



純奈: はい!これで見回り終了!コースは覚えられた?


○○: はい!


美月: 何とか…


純奈: ちなみに歩いてみて分かったと思うけど、あのコースは商店街通りを通るから、仕事に支障が出ない程度になら、食べ歩きしても良いからね。


○○: そうですか笑



純奈さんとかみり愛さんとかは、めちゃくちゃやってたんだろうな笑



純奈: よし、で、見回りが終わったら風紀委員室に行って、若月に報告ね。


美月: 分かりました。


純奈: じゃあ風紀委員室に行こっか。






風紀委員室



ガラガラ



純奈: たっだいま〜


○○ 美月: 失礼します。


若月: お、3人共戻ったか。見回りの報告をしてくれ。


○○: はい、特に何も無かったです。


若月: そうか。まぁ初日から、なんかあっても困るしな笑


純奈: 純から見ても、今日はなんもなかったよ。


若月: 分かった。もう、みり愛の方も戻ってきたから、今日はこれで終了だ。帰っていいぞ。


○○: 了解しました。


美月: はい。


若月: ○○、これから色々と頼んだぞ。ニヤッ


○○: は、はい。



なに、その笑顔……

一体、僕は何を任されるんだ…



若月: あ、あと玲香となぁちゃんにも顔を見せてやってな。


○○: 機会があればですね。


若月: まぁうちに所属してるなら、今度の体育祭で一緒に活動することになるだろう。


○○: そうですね。


若月: あいつらはお前のことを、かなり頼りにしてるから。私もだけど。


○○: ありがとうございます。


若月: じゃ、またな。


○○: はい。



ガラガラ



笑顔で手を振る純奈と、同じく笑顔の若月に見送られ、○○と美月は風紀委員室を後にした。



○○: ふぅ〜やっと終わった。


美月: やっぱ時間かかるね。


○○: だね。


美月: (風紀委員か……目立つかな。)


○○: で、どうする?一緒に帰る?


美月: いや、別々で帰ろ。


○○: OK。じゃあ、先に美月さんが学校を出て。


美月: うん。



そうして、2人は離れて帰った。






ガチャ



○○: ただいま。


蓮加: あ、お兄ちゃんおかえりー!!!


ドスッ


○○: うわっ!



家に帰ってきた○○が、玄関に入ると、元気よく蓮加が飛び込んできた。



蓮加: おかえりお兄ちゃんニコッ



○○に抱きついた蓮加は上目遣いで笑いかける。



え、やばっ、可愛すぎるんだが、我が妹。



○○: うん。ただいま蓮加ちゃん。


蓮加: このままリビング行こ!


ギュッ


○○: 分かったよ。



笑、僕は随分と妹に弱いようだ。



ガチャ



麻衣: ○○おかえり。って蓮加は何やってるの?


蓮加: え、お兄ちゃんに抱きついてるだけだよ。


麻衣: 抱きついてるだけって……まぁ、仲良くなった証拠か!


さくら: …


○○: さくらちゃんどうしたの?


さくら: え、いやなんでもないよ。おかえり、○○君。


○○: うん、ただいま。


麻衣: じゃあ、○○君も帰ってきたところで、晩ご飯にしよっか。さくらは美月を呼んできて。


さくら: はーい。


○○: 晩ご飯までありがとう。麻衣姉さん。


麻衣: いえいえ、良いのよ。私暇だし。


○○: でも麻衣姉さんの大学が始まったら…


麻衣: いや、あんまり一限と午後には、講義入れないようにするから、大丈夫だよ。でも、たまに頼っちゃう時があるかもだから、その時はよろしくね。


○○: もちろん!


麻衣: うん。


○○: あ、明日は僕の晩ご飯は作らなくて良いよ。


麻衣: え、どうして?


○○: バイトがあるんだ。そこで賄いをもらうことになってるから。


麻衣: なるほどね、分かった。


蓮加: お兄ちゃん、どこでバイトしてるの?


○○: カフェ。


蓮加: いいな〜蓮加もバイトしたい!


麻衣: ふふ笑、蓮加はまだ早いよ。


○○: そうだね。高校生になったらやってみてもいいかも。


蓮加: え〜〜分かったよぉ。蓮加が高校生になったら、お兄ちゃんと同じところでバイトする!


○○: 笑、店長に伝えとくね。


麻衣: さ、○○も蓮加もお皿運ぶの手伝って。


○○ 蓮加: はーい。



そして夕食を食べ終わり、○○がお風呂に入っている頃…



麻衣: それにしても、蓮加は随分と○○に懐いたわね笑


蓮加: だってお兄ちゃんなんだもん!


麻衣: 蓮加が元気になってくれて、良かった。これでみんな大丈夫そうだね。


美月: うん。


さくら: …


麻衣: え、何?さくらはまだなんかあるの?



麻衣、美月、蓮加がさくらを見つめる。



さくら: ゴニョゴニョゴニョ


蓮加: さくらお姉ちゃん聞こえないよ!


さくら: だから!私もゴニョゴニョゴニョ


麻衣: 後半が聞き取れないよ。


美月: 笑、そういうことね。


蓮加: え、美月お姉ちゃん聞き取れたの?


美月: うん笑


麻衣: もう、さくらはっきり言って!


さくら: だから、私も○○君のこと、お兄ちゃんって呼びたい!!


麻衣 蓮加: …


美月: 笑


麻衣 蓮加: あっはっはっはっは笑



リビングに2人の笑い声が響いた。



さくら: ///なんでみんな笑うの!!!


蓮加: だって、ねぇ笑


麻衣: あら笑、さくらも○○に甘えたかったのね。


さくら: そ、そそそ、そんなんじゃ。


蓮加: ほんと、さくらお姉ちゃんは可愛いな〜


さくら: 蓮加ばっかりズルいじゃん!


麻衣: ほんと、さくらは照れ屋さんなんだから。


美月: 笑


さくら: ///っもう…


麻衣: ○○も、さくらからお兄ちゃんって呼ばれたら、喜ぶと思うよ。


蓮加: そうだよ!蓮加からお兄ちゃんって初めて呼ばれた時も、お兄ちゃん、笑ってたから。


さくら: そう…かな…


麻衣: さくらも頑張って○○に甘えなさい。


さくら: …うん、さく頑張る!



と、さくらが意気込んだところで、お風呂から上がった○○がリビングに戻ってくる。


ガチャ



○○: お風呂上がったよ〜


蓮加: ほら、さくらお姉ちゃんボソッ


麻衣: がんはれボソッ


さくら: う、うん。


○○: ?


さくら: ///あ、あ、あの、お、お、お兄ちゃん一緒にみたらし団子食べませんか?


○○: ?!


麻衣: (みたらし団子一緒に食べませんかって笑)


蓮加: (ダメだ笑いが堪えきれない笑)


美月: (さくら笑)


○○: え、えーっと…


麻衣: (○○も急な展開に戸惑ってる笑)


蓮加: (多分お兄ちゃん、さくらお姉ちゃんに、お兄ちゃんって呼ばれたことは、頭に入ってないかも笑)


さくら: ///いや、その……なんでもない…



○○の戸惑う様子を見て、さくらは無かったことにしようとするが…



○○: 分かった。みたらし団子ね、一緒に食べようか。


さくら: え……うん。食べよ!



笑顔で○○が了承したことにより、話は良い方向に転がった。



麻衣 美月 蓮加: ぷふっあっはっはっはっは笑


○○: え、何、みんな突然笑い出してどうしたの?


麻衣: いや笑、なんでもないのよ。


蓮加: そうだよ、お兄ちゃん笑。さくらお姉ちゃんと、みたらし団子一緒に食べてあげて。


美月: そう、さくらの大好物のみたらし団子を笑


さくら: ///


○○: う、うん。



その後、○○は、麻衣達の笑いを含んだ視線を受けながら、さくらとみたらし団子を食べた。


そして、○○達が寝静まった後…



麻衣: 美月、まだ起きてたの?



電気がついているのに気づき、麻衣がリビングに降りると、美月がソファに座っていた。


美月: うん。でも、もう部屋に戻ろうかなって思ってたとこ。


麻衣: ふーん……で、大丈夫そう?


美月: 何が?


麻衣: いや…


美月: うん、大丈夫だよ。まだ目立ってないし。


麻衣: そう……○○とは仲良くなれた?


美月: もちろん。


麻衣: …美月がそう言うなら良いけど。もし何かあったら、ちゃんと相談してね。


美月: うん。


麻衣: 前みたいには絶対にさせないから。


美月: …ありがとう。


麻衣: …


美月: じゃあ私、もう部屋に戻るね。


麻衣: うん。


美月: おやすみ。


麻衣: おやすみ、美月。



暗い夜の中、月が厚い雲に隠れていた。





翌日


教室



ガラガラ



日奈子: おはよう!!


○○: おはよう。


春時: 2人とも、おはよう!


飛鳥: おはよう。


○○: 春時、今日は早いんだな。


春時: おう、紗耶が先に出ていっちゃったからな。俺も早めに来たんだよ。


○○: なんだ、入学早々、紗耶ちゃんに嫌われたのか笑


飛鳥: 春時、何しちゃったの?笑


春時: いやいや、別に紗耶と喧嘩したわけじゃないよ!


日奈子: じゃあなんで?!


春時: あいつ、バスケの練習をしに、朝から出ていったんだよね。


○○: へぇ〜熱心だな。


飛鳥: 紗耶ちゃんは、バスケ部に入るんだよね?


春時: そう言ってた。


○○: 良かったな、日奈子。熱心で有望な後輩が入ってくるぞ。


日奈子: やったね!


春時: うちのじいちゃんも紗耶に甘くてね笑。この前、紗耶におねだりされて、バスケのゴールを買って、庭に設置してた。


飛鳥: あのおじいちゃんがね…


春時: 俺にはめちゃくちゃ厳しいのに、紗耶にはデレデレだから。


○○: まぁでもそのおかげで、春時は強くなれたんだから。


日奈子: そうだよ!○○とは違って強いんだから!!


春時: まぁな、○○は弱いもんな。


飛鳥: ○○は弱虫だから笑


○○: 僕の話はいいだろ!


日奈子: でも○○は小学生の時に少しだけ、春時の道場で稽古してたよね?


春時: うん、俺が○○を誘って一緒にやってたけど…


飛鳥: そうそう。で、なんでこんな弱いのよ笑


○○: いや〜なんか、僕にこういうのは合ってないみたいでね。師範にも向いてないって言われちゃったよ。


日奈子: そうだったんだ。


飛鳥: 向いてないなら、しょうがないね。


日奈子: 大丈夫!○○は私が守ってあげるから!


春時: 確かに笑。日奈子は、そこら辺のヤンキーよりは強いもんな。


日奈子: エッヘン!!


飛鳥: まぁ馬鹿力だから笑


○○: 頼りにしてるよ!



そして時間が過ぎ…


放課後



日奈子: じゃあみんな、また明日ね、グッバイ!!!



元気な日奈子は学校が終わると、すぐに部室に走って行った。



春時: 相変わらずだな。


飛鳥: そうだね。


○○: じゃ、今日バイトだから、帰るね。


春時: おう!頑張れよ!


○○: うん笑


春時: じゃあな。


○○: また明日ね。


飛鳥: またね。



こうして、○○はバイトへと向かうのだった。




to be continued

いいなと思ったら応援しよう!