ただ守りたい... 135話
教室を出た春時と祐希は、○○を探していた美月、飛鳥、理々杏、紗耶、珠美、そして日奈子に、すぐ囲まれた。
春時: おぉ、日奈子も探してたんだ。
日奈子: うん!楽しそうだったから!
春時: そうか笑
美月: で、どういうことなの?
春時: どういうことって?
美月: ○○が七瀬先輩と一緒にいるってこと!
春時: 別にそのままの意味だけど…
飛鳥: それは、どっちの意味で言ってんの?って聞いてんの。
春時: 笑、七瀬先輩の仕事を、○○が手伝ってるって方の意味。
日奈子: なんだ、そうだったのか!!
祐希: モグモグ
飛鳥: ……じゃあ、今はどこに?七瀬先輩がいそうな、生徒会室や3年2組の教室、イラスト部の展示があった教室とかには、いなかったけど。
春時: そういえば、今回の文化祭に協力してくれたところに、お礼を言いに行くって、ちょろっと言ってたかも、七瀬先輩。
美月: え〜〜!!
珠美: 外に…ですか…
紗耶: 兄貴!それ本当なの?!
春時: 多分、そう言ってたと思う。
珠美: ○○先輩と花火見たかった…
美月: 私の計画が〜!!
祐希: モグモグ
飛鳥: …春時、嘘ついてないよね?
春時の目を覗き込んで、そう尋ねる飛鳥。
春時: もちろん。ほんとの話。
飛鳥: …う〜ん…
祐希: モグモグ…チラッ
春時: チラッ
祐希: …あ、あと、今日、○○はうちに泊まるらしいから。モグモグ
飛鳥: っ!!!!
美月: え…
紗耶: は?
珠美: うそ!
理々杏: …
突然投下された爆弾に、5人は驚き固まった。
日奈子: へぇ〜久しぶりじゃない?!○○が祐希ちゃんのお家に泊まるの。
祐希: うん。小3の時ぶりとかかな。モグモグ
日奈子: 私もそのぐらいだ!また私も泊まりに行っていい?!
祐希: 良いよ〜モグモグ
日奈子: ねぇ、1つちょうだい!それ!
祐希: はい。モグモグ
日奈子: ありがとう!モグモグ…うん!美味い!!
祐希: でしょ?笑
春時: …うん、みんな、そろそろ意識を取り戻せ〜
美月: はっ!今なんか、ヤバいことを聞いたような…
珠美: 祐希先輩!本当ですか!!
祐希: うん。さっき聞いた。
飛鳥: …(七瀬先輩の家に○○が……)
美月: なんて…ことだ……
紗耶: じゃ、じゃあ、今日祐希先輩は、○○先輩と1つ屋根の下で寝るってことですよね?
祐希: まぁ、そうなるかな、モグモグ
美月: っ!!!…ちょっと祐希…独占はダメだよ。
春時: 笑、少なくともそのセリフは、毎日同じ家で暮らしてる美月が言うことではない。
紗耶: ほんとですよ!!
珠美: 美月先輩、欲張りです!!
美月: なっ!…で、でも、いつもいる○○がいないってことに、耐えられないの!!
春時: 笑、修学旅行でそれは経験済みでしょ。
美月: クッ…と、とにかく、祐希と…いや、七瀬先輩が1番ズルい!!今も、○○を独占してるんだから!!
春時: じゃ、そう言うことだから。美月は、○○が祐希の家に泊まることを、家族に伝えとくんだよ。
美月: いやだ〜○○〜!!
祐希: 日奈子、向こうにもっと美味しいのがあったよ。モグモグ
日奈子: ほんと?!食べる!!
紗耶: はぁ…紗耶は自分の教室に戻ります。
珠美: 珠美も…
理々杏: …私は、もうちょっと○○を探してみようかな。
飛鳥: うん…
美月: どこなの〜○○〜!!
こうして、1組教室前の廊下には、悲しげな表情を浮かべる飛鳥と、駄々をこねる美月が残った。
飛鳥: はぁ……上手くいかないもんだね、美月。
美月: う〜〜はぁ……そうだね。おかげで私の、後夜祭の花火でドキドキ作戦もパーだよ。
飛鳥: 笑、何その作戦名。ダサ。
美月: ひっど笑……じゃあ、飛鳥の作戦はどんな感じだったの?
飛鳥: 教えないよ笑
美月: え〜せっかく、私の作戦も教えようと思ってたのに〜
飛鳥: 別に教えてもらわなくて良いよ。美月の作戦は参考にしないから笑
美月: なんで?笑
飛鳥: だって、私と美月は真反対に近いじゃん。だから、美月の作戦と似たようなヤツを、私がやっても変なんだよ。
美月: ふ〜ん…私はそう思わないけど。
飛鳥: 絶対に変だって。○○も戸惑うだろうし。
美月: あっそ笑
そして時は過ぎ、本来であれば、みんなが待ち望んでいた瞬間がやってくる。
「3!2!1!」
ヒュー
ドン!!
パパパ!!
たくさんの花火が、雲一つない夜空に打ち上がり始めた。
教室校舎2階
2年1組教室
春時: おぉ、去年よりもすごくないか?
杉浦: それな笑。いくらぐらいかかったんだろ。
璃勇: そんな無粋なことを、今考えるなよ笑
祐希: モグモグ
日奈子: うわぁ〜!!
久保: 綺麗だね〜
堀: こんな近くで見れる花火はないね。
星野: うん!モグモグ
教室校舎1階
廊下
紗耶: はぁ…○○先輩と見たかったな〜
珠美: だね〜
掛橋: まぁまぁ、まだ来年があるんだから。
新里: そうだよ。せっかくの花火なんだから、落ち込んでないで楽しんで見ないと。
掛橋: お、良いこと言うじゃん、優太。
新里: そう?笑
珠美: うん、だね!花火は笑顔で見よう!!
紗耶: たまちゃん…
賀喜: あ、みんないるじゃん。そこからなら、綺麗に花火見れるの?
掛橋: うん、見れるよ。2人もこっちにおいで。
賀喜: ありがと。ほら、さくちゃんも。
さくら: うん。どうも。
賀喜: いや〜教室だと人が集まってて、中々見えなくてさ笑
掛橋: なるほどね笑
さくら: 綺麗…
紗耶: そうだね!さくちゃん!
珠美: お!今上がって行ってるの、大きそうじゃない?!
賀喜: どれどれ?
新里: 笑(みんな、楽しそうだな〜)
掛橋: なに優太は後ろで笑ってんの、前に来なよ。
新里: え?
珠美: そうだぞ!ほら、こっちこっち!
新里: …ありがと笑
賀喜: ニヤッ笑
特別教室校舎
3階
生徒会室
中田: おぉ〜良い感じ、良い感じ。
田村: 綺麗だな〜!!
大園: うわぁ…
桜井: 笑、あの盛り上がり方だと、みんな楽しんでくれてるみたいだね。
灰崎: ですね笑
桜井: ま、○○と一緒に見たがってた子達は残念だけど。
灰崎: …しょうがないですよ。来年はこうならないように努めますから。
桜井: うん。頼んだよ、3人とも。
灰崎: はい。
大園: 任せてください。
田村: はーい!
中田: ほんと、頼もしいね〜笑
2年6組のお化け屋敷が行われていた教室
美月: …
飛鳥: …
梅澤: ……うん、なんでここ?
美月: だって、人いなさそうだったし。
飛鳥: 案の定、梅だけいたし。
梅澤: はぁ…せっかくの特等席だったのにな笑
美月: 独り占めはダメなんだぞ〜
飛鳥: そうだそうだ〜
梅澤: だから、今一緒に見てんだろうが。
美月: 笑、いや〜綺麗だね。
飛鳥: うん。
梅澤: …やっぱ、○○と見たかったか?
美月: …うぅぅ…
飛鳥: ちょっと梅。せっかく忘れようとしてたのに。
梅澤: あ、ごめん。
美月: ○○〜!!!!
実習校舎4階
理々杏: 綺麗だな〜
純奈: ですね。
万理華: …
理々杏: ○○の場所は?
万理華: …乃木坂病院です。
理々杏: やっぱりか。
純奈: 今は西野七瀬がそばについているはずです。
理々杏: うん。
純奈: ですので、安心してお嬢様はご帰宅を。
理々杏: お見舞いに行くな、ってこと?
純奈: …はい。
理々杏: まぁ、分かったよ。
純奈: どうか、よろしくお願いします。
理々杏: …万理華。
万理華: なんでしょうか?
理々杏: いるんでしょ?裏切り者が。
万理華: …はい。
理々杏: なら、ソイツの排除は早めにね。
万理華: かしこまりました。
理々杏: ちなみに、誰が裏切り者かの予想はついてるの?
万理華: はい。今、証拠集めをしています。
理々杏: そう。じゃ、私は教室に戻る。
純奈: お気をつけて。
万理華: …
1人で歩いていく理々杏の背中を見送る2人。
純奈: …まさか、直也がアンチと繋がってるとはな。
万理華: うん、予想外だったよ。
純奈: いつぐらいになりそう?
万理華: ついさっき、直也の鞄から、灰崎君のタブレットに使われたと思われるUSBメモリを発見したって、連絡が来たから…
純奈: その中身を解析して、他の証拠を集めてってすると…
万理華: 来週の頭にはいけそう。
純奈: そうか…しばらくは荒れそうだな。
万理華: うん。そうだね。
乃木坂病院
七瀬: お、ここからもギリギリ見えるやん。ほら、早く目覚まし、○○。花火綺麗やで。
病院のベッドの上で、未だに意識を取り戻さない○○のそばで、そう呼びかける七瀬。
七瀬: ふぅ……もう限界やろうな。○○、ごめん。
そう言いながら、○○の顔を優しく撫でる。
○○: う…ううん……
七瀬: お、○○〜一旦、起きて〜
○○: ……な、なぁちゃん?
七瀬: そやで。七瀬や。
○○: あれ?ここは…
七瀬: 病院。
○○: ……あぁ、そうか…
混濁していた頭が、段々と整理され、なぜ自分がこういう状況になっているのかを、理解し始める。
○○: 僕は…
七瀬: …
○○: 負けたんだ…
静寂な病室に、○○の言葉が響く。
しかし…
七瀬: 笑、何言うてんねん。
○○: え?
その言葉を、七瀬は笑って否定した。
七瀬: ○○はあのコンピュータを、なな達の文化祭を、乃木高への信頼を、1人で守り切ったんやで。
○○: …
七瀬: それのどこが負けなんや。いわゆる、試合に負けて、勝負に勝ったっちゅうやつやろ。なら、勝負に勝てたことを誇れ、喜べ。そして、笑うんや。
○○: ……でも、悔しいんだよ…
七瀬: うん。その気持ちは大事。絶対に忘れたらアカンで。やり返すまではな笑
○○: …うん。
七瀬: 笑、さぁ、まだギリギリ花火やってるから、一緒に見よ。
○○: え?ここから見えるの?
七瀬: ほら、あそこ。
○○: どこ…っ!イテテ…
七瀬: 無理せんと、ゆっくり体を動かしや笑
○○: だね笑……ほんとだ、綺麗。
七瀬: …あれも、○○が頑張ったから見れるものなんよ。
○○: そっか…
七瀬: 今頃、学校では全校生徒が、楽しんでると思うで。
○○: …なら、良かったかな笑
七瀬: 笑
こうして、○○と七瀬は遠くの方に見える花火を、2人で眺めるのだった。
10分後…
七瀬: さ、改めて、○○が倒れた後のことを説明しよか。
○○: うん、お願い。
ベッドに戻った○○に、隣の椅子に座った七瀬は、これまでの経緯と今の状況を説明し始める。
七瀬: ○○が倒れとるのを、なな達が見つけてすぐ、救急車を呼んで、○○と後ろに倒れとった先生2人を、ここ乃木坂病院に搬送。先生2人はもう学校に戻って、今頃は他の先生に報告しとるんちゃうかな。
○○: 良かった。改造したスタンガンとか言ってたから、心配してたんだけど、大丈夫だったんだね。
七瀬: まぁ、普通に手に入るスタンガンじゃ、人は気絶させられへんから。
○○: そうなんだ。
七瀬: うん。で、多分、○○が相手しとったヤツが逃げるのに合わせて、校内各所でトラブルを起こしてた奴らも逃げ始めて、結果として捕まえられたのは、28人やった。
○○: いや、逆にそんなに捕まえたんだ。
七瀬: みんなが頑張ったおかげやな。ちなみに、梅ちゃんと、梅ちゃんの舎弟コンビが、10人ぐらいは捕まえたんやで。
○○: おぉ…大手柄じゃん。
七瀬: そして、トラブルが完全に治まったっちゃうことで、みんな笑顔で最後まで突っ走って、文化祭終了。1時間後に、後夜祭開始って感じや。あの、後夜祭が始まった瞬間の、みんなの歓声は凄かったで笑
○○: へぇ〜
七瀬: 歴代最高レベルで盛り上がってたんとちゃうかな?
○○: 校舎揺れた?笑
七瀬: もう揺れに揺れたよ笑
○○: そっか笑
七瀬: 笑…あと○○に言うこととしたら…あ、今のこの○○の状況なんやけど。
○○: うん。
七瀬: 知ってるのは、生徒会役員と各委員長、それから祐希と春時と梅ちゃんだけやから。
○○: え?なんで?
七瀬: だって、さすがに入院したってことは言えへんよ。入院した理由が理由やし。それとも、あの美月や、白石先輩に説明できるんか?○○が隠したいことを隠したままで。
○○: …確かに。
七瀬: ってことで、今さっき言った子達以外には、ななと一緒に外仕事をして、そのまま、ななの家に泊まるってことで通してあるから。携帯でのやり取りと、退院後の口裏合わせはよろしくな。
○○: 僕、なぁちゃんの家に泊まることになってんの?笑
七瀬: うん。なんか問題あるか?
○○: 別にないけど。
七瀬: ならええやんな笑
○○: 笑、お世話になります。
七瀬: こりゃご丁寧に笑。ごゆっくりどうぞ。
○○: さすがに返しが早いね笑
七瀬: 伊達に11年も幼なじみやっとらんわ笑
○○: …ありがとう。
七瀬: 笑、いいえ。さ、ななはそろそろ家に帰るから。学校に戻るわけにいかんし。○○は、ゆっくり病室で過ごしとくんやで。あのレベルのダメージやと、完全回復までにしばらく時間かかるやろうからな!
○○: 笑、自分の体のことは、自分が1番分かってるよ。
七瀬: ほんまか?笑。じゃ、また。
○○: またね。
ガラガラ
笑顔の七瀬が病室を出て行き、1人となった○○は七瀬が出て行った扉を見ながら考える。
○○: …やっぱり、そうなのかな…
僕の意識が途切れる寸前に聞いた、なぁちゃんの声。
それに、今さっきの話。
もう、そうじゃないと説明がつかないよな…
○○: はぁ……次会った時に、聞いてみよう。でも、その前に…
あの男が言っていた、明日の19時に〜〜〜〜〜。
ここは、おそらく…
○○は携帯で、黒峰に言われた住所を、マップに入力する。
うん、町外れの工場跡地。
道理で覚えがある住所なわけだ。
美月が連れ去られた場所の近くなんだから。
どうするべきか…
いや、僕が行かなければ、また学校が襲われるんだから、僕は絶対に行くんだけど…
確実に罠だし、もし、アイツ以外のアンチもいたら、勝ち目ないし、たとえ、アイツ1人だったとしても、勝てない。
だから、何かしらの作戦を練るべきだ、防衛団と一緒に。
でも、それがアンチ側にバレれば…
アイツを倒せたとしても、他の奴らが学校を襲うに違いないだろうし…
ここは、僕1人で行くべきか。
そして、なんとしてでもアイツを倒すんだ、僕1人で。
そのためには、防御重視の戦い方を変えるか、武器を持って行くか、それとも「解放」の段階を上げられるようにするか…
一番手っ取り早いのは、武器を持っていくことだけど、拳銃ならまだしも、刃物ぐらいなら、アイツすぐに対応してきそうだし、僕も武器を持って戦ったことなんかないんだから、無しだな。
あと、「解放」の段階を上げる……これに関しては、父さんも使っていけばコツを掴めるようになるって言ってたから、そのコツが分かればいけると思うんだけど…
今のところ、まだよく分からないんだよね。
だから、これもまだ無理だろう。
ってことで、残るは防御重視の戦い方を変えること。
今日、アイツと戦った時は、防御8の攻撃2で、間合いを取るためか、牽制のためにしか攻撃は出さなかった。
その結果、僕がボロボロになっていくだけで、アイツに全くダメージを与えられなかったんだよな、牽制の攻撃も当たらなかったし。
まぁ、これは、アイツを倒す必要はなくて、ただアイツを後ろに通さなければ良いっていう目的があったから、今日は問題なかったんだけど。
明日は違う。
アイツを倒さないといけないんだ。
じゃあ、攻撃の意識をもうちょっと大きくするか?
攻撃を…5…いや、4だな。
元々、僕は攻撃が下手で、カウンターをもらいやすいんだから、攻撃が多すぎると、逆に僕がやられる。
よし、明日は防御6攻撃4で、アイツの攻撃をできるだけ捌いたり、流したりすることで防御して、体勢が少し崩れたところに、強めの攻撃を加えていこう。
そうすれば、こっちのダメージを抑えつつ、向こうにダメージを与えられるはずだ。
しかも、あのアイツが電話してた時の表情から見て、向こうは僕が攻撃してくるとは、思ってないだろうから、最初の方は上手くいくと思う。
うん、こうしよう。
ま、頭で考える分には、いくらでも自分有利に進められるからな。
今考えたことを頭に残しつつ、実際に戦い始めてから、戦い方を組み直していかないと。
と、○○が明日の決戦に向けて、頭を回していると…
プルルル
○○: ん?……あ…美月からだ。
うわぁ…どうしよう、出るか?
いや、出ないと後々、めんどくさいか。
僕が寝てる間も、めちゃくちゃ電話してきてたみたいだし…笑
携帯に残っているメッセージや不在着信の量に、もはや、笑ってしまう○○。
よし、出よう。
僕は今、なぁちゃんの家にいるはず…
ピ
○○ T: もしも…
美月 T: あ!!!!やっと出た!!!!○○!!!!
これを予測していた○○が、耳との距離を離していた携帯から、美月の咆哮が轟く。
美月 T: 今まで何してたの!!!!
○○ T: ご、ごめんね、連絡できなくて。
美月 T: ほんと、心配したんだよ!!!!
○○ T: ごめんって笑
美月 T: で、今何してるの?!!!
○○ T: えっと今は、手伝ってた七瀬さんの仕事が終わって、七瀬さんの家にお邪魔してるとこ。
美月 T: やっぱり本当だったんだ……
○○ T: う、うん…
美月 T: いつぐらいに帰ってくるの?
○○ T: そうだな……明後日?
明日は黒峰との戦いで、帰れないだろうと考えた○○は、美月の質問にそう答えた。
美月 T: あ、明後日?!!
○○ T: ごめんだけど、そうなるかな。だから、麻衣姉さん達にも…
美月 T: うぇ〜ん、美月ちゃん寂しいよ〜!!
○○ T: ほんとごめんって、でも今回だけは我慢して。
美月 T: 今回だけ?
○○ T: 多分、今回だけだから…うん、おそらく。
美月 T: ダメ!!今回だけにして!!ほんとは今回も嫌だけど!!
○○ T: もう、分かったから笑
美月 T: よし、じゃあ今回は許す。
○○ T: 笑、ありがと。
美月 T: …ってかさ、それってつまり、明日も七瀬先輩の家に泊まるってことだよね?
○○ T: うん。そうなるね。
美月 T: …クッ
○○ T: でも、昔はよく七瀬さんの家に泊まってたから、懐かしいよ笑
美月 T: へ、へぇ〜………ちなみにさ、小さい頃に七瀬先輩と一緒にお風呂に入ったこととかは?
○○ T: 一緒にお風呂?笑、いやさすがに…………あ。
美月 T: ん?
○○ T: い、いや、なんでもないよ。
美月 T: いや!!絶対に今のおかしかった!!絶対に一緒に入ったことあるんでしょ!!
○○ T: そ、そんなことないって…
美月 T: 嘘つき!!!
○○ T: で、でも小さい頃だから…
美月 T: やっぱり、一緒にお風呂に入ってんじゃん!!!ズルい!!!私は1回も一緒に入ったことないのに!!!
○○ T: だから、小さい頃だったからさ…
美月 T: そんなの関係ないもん!!!って、一緒にお風呂に入ったこともあるんなら、七瀬先輩は、他にも羨ましいことを○○としてるんじゃ…
○○ T: …あ、そろそろ時間もアレだし、電話を切ろうかな…
美月 T: そんなことしたら、今この場で泣き叫びつつ、夜も鬼電しまくるからね!!!
○○ T: クッ…
美月 T: さぁ、全部吐いてもらおうか!!七瀬先輩との………ん?七瀬先輩となら、その妹である祐希とも…
○○ T: …
美月 T: ねぇ○○。祐希とも一緒にお風呂に入ったことある?
○○ T: …ノーコメントで。
美月 T: ○○!!!!!!
その後、駆けつけた梅澤に美月がアイアンクローされるまで、○○の携帯から放たれた美月のバカでかい声が、病室に響き続けたのだった。
to be continued