ただ守りたい… 187話
翌日
高山: じゃ、これから2年生最後の委員会だから、みんな、楽しみつつも、最後の仕事を頑張るんだよ。
「はい!」
高山: では、学級委員、号令!
久保: 起立!礼!
「ありがとうございました!」
という皆の挨拶を聞き、高山は笑顔で返事をした後、教室を出て行った。
○○: よし、行くか。
日奈子: レッツゴー!!!
隣の日奈子と共に席を立ち、相方の方を見る。
美月: ○○〜行こ〜
すると、相方である美月も、席を立って、こちらの方に手を振っていた。
○○: 笑、うん。
理々杏: よいしょっと。最後の委員会かぁ。しかも新委員長が初の仕切りの。
○○: そうだね。毎年こうなるんだよ。2月の委員会が生徒総会の前にあるから。まぁ、その時の委員会の時点で、新委員長が発表される委員会もあるけど。
理々杏: ちなみに、文化委員会は生徒総会で初知りだったよ。
○○: 風紀委員会は、事前に知らされた。生活委員会は?
日奈子: 知らなかった!!
理々杏: やっぱりか笑。日奈子の性格からして、先に知ってたら、みんなに言いふらしてそうだし。
○○: 確かに笑
と、幼なじみ達が笑い合っていると…
美月: ねぇ!行こうって言ったじゃん!
ずっと、教室の扉の前で待機していた美月が、○○達の元へとやって来た。
○○: ごめんごめん笑。もう行くから。じゃ、2人とも委員会、頑張ってね。
日奈子: いってきます!!
理々杏: はーい笑
○○: あと、飛鳥は図書委員長として頑張れ!
美月に腕を引っ張られながら、教室の後方へと歩く途中で、ダルそうに席を立とうとしていた飛鳥に、エールを送る。
飛鳥: はぁ……はいはい。
○○: 笑、飛鳥が大変そうだし……史緒里、生徒会室に行く前に、祐希を起こしといて。これも、図書委員会の円滑な活動のためだよ!
教室の後方を歩き、爆睡している祐希の後ろを通った瞬間に、荷物をまとめ始めていた久保に、声をかける。
久保: 分かった。飛鳥のために、私が一肌脱ぐか笑
そして、久保が祐希の肩に手を置き、耳元で何かを囁いた瞬間に、祐希は目を覚ます。
危うく久保の顔に、勢いよく上がった祐希の後頭部が衝突しそうになるのを、春時が間に手を突っ込むことで防ぐのを確認してから、○○は美月と共に、教室を出て行った。
風紀委員室
ガラガラ
○○ 美月: 失礼します。
梅澤: ん。
美月: おっ、久しぶりに来たら、なんか様になってるじゃん!笑
部屋に入った2人を、前風紀委員長の若月と同じく、黒板の前の椅子に座って迎えた梅澤を見て、美月が笑いながら言う。
梅澤: いや久しぶりって、言うても1週間前とかだろ?
美月: 確かにそうだけど……うん、ちょっとだけ貫禄が増した。
梅澤: ……?
その言葉を疑う梅澤は、○○の方を見る。
○○: う〜ん……最初は、そこの席に座っていると、慣れないのかソワソワしてたけど、今はそれがなくなって、自然体で座っているから、美月はそう感じてるんじゃないかな?
美月: あ、なるほど。もう慣れちゃったんだね、風紀委員長という役職に笑
梅澤: 別にそういうわけじゃねぇよ。まだ慣れねぇこともあるし。ただ…
パッと、美月に目を合わせる。
梅澤: お前が生徒会で頑張ってる間も、私はここで、新しい風紀委員長として色々とやってたってことだ笑
美月: 笑、なるほどね。
梅澤: さ、早く座れ。あの毎度ギリギリで来る後輩達が、そろそろ、その扉を開けるだろうから笑
美月: あぁ笑
○○: ……笑、そんなこと言ってたら、ほんとに来たね。
扉の向こうから、2人分の足音を聞き取った○○がそう言ってから数秒後、扉が勢いよく開かれる。
ガラガラ!!
珠美: 失礼します!!
新里: 失礼します。
梅澤: おう。相変わらず、ギリギリの到着だな笑
新里: すみません、ほんと。別に遅く行こうとか思ってるわけじゃないんですけど、何故かこうギリギリの到着になってしまうんですよ。まるで、そういう運命にあるかのような…
美月: え?なに言ってるの?優太。
珠美: そうだぞ!
新里: …そうですね。単純に、珠美の動き出しが遅いからです。
すぐさま2人の言葉を認めると同時に、珠美を生け贄に差し出す新里。
珠美: うおっと!
梅澤: 笑、そうなのか?珠美。
珠美: はい!
○○: いや、そこは元気に笑顔で、じゃないのよ笑。まぁ、ギリギリ間に合ってるわけで、遅刻してるわけじゃないから、謝る必要はないだろうけど…
チラリと梅澤に視線を送る。
梅澤: まぁな笑
○○: でも、毎度毎度、珠美の動き出しが遅くて、ギリギリの到着になった結果、今みたいに美波と美月に優太君が詰められてたら、優太君が持たないでしょ?笑
新里: もう持ってないです、決壊してます、僕の心が。
美月: まだいけそうね笑
新里: ひぃっ!!
ニコリと笑った美月に目を見られて、新里は悲鳴をあげる。
珠美: ……優太が可哀想なので、次からは気をつけます!
○○: うん、そうしな笑。って、これで最後か。
珠美: はっ!確かに!じゃあ、来年も優太と一緒になったら気をつけます!
梅澤: いや、優太と一緒じゃなくても気をつけろよ笑。5分前着席は心がけとけ。
珠美: 分かりました!ってことで、優太、行こ。
新里: はぁ〜い……
後輩2人が自分達の席に向かうのを見て、○○と美月も自分の席へと座り、委員会が始まる。
梅澤: それでは、今年度最後の風紀委員会を始める。まずは、先月と今月の頭の活動報告だが、校内組は取り締まりがなく、校外組は3人の取り締まりがあった。内容としては、飲食店でバカ騒ぎしていたのを、偶然発見して、それを取り締まったと。
話すべきことをメモしているであろうプリントを見ながら、梅澤は話す。
梅澤: で、その先月と今月の頭の活動報告は以上なんだが、昨年度と比べて、今年度がどうだったのかと言うと……そうそう、校内組での取り締まりが減って、逆に校外組での取り締まりが増えた。校外に関しては、外的要因が絡んでいる件もあったため、置いておくとして…
○○: ?……
一瞬だけ自分の方に向けられた視線から、○○は、その梅澤が言ってる外的要因というのが、アンチのことだと考え、納得する。
梅澤: 校内での取り締まりが減ったというのは、風紀委員会の成果だと、私は思うんだが……みんなはどうだ?
と、笑いながら梅澤が聞くと、すぐに1年生の席から拍手が起こった。
林 松尾: ニコニコ
パチパチパチパチパチパチ
○○: 笑、美月。
美月: OK笑
そして、2年生の席からも拍手が起こり、全員が賛成の拍手を鳴らす。
梅澤: 笑、だよな。じゃあ、雑ではあるが、こんな大きな成果を残した私達は、今年度、凄く頑張った!おつかれ!!
さらに声を大きくして、最後の委員会の場を盛り上げようとする梅澤に、○○や美月を筆頭に、皆が乗っていく。
○○: お疲れ様!
美月: 美波もおつかれ!!
2年風紀委員1: よっ!不良撃退数No.1!!!
2年風紀委員2: さすが、みんなの新しいリーダー!!!
林: 梅澤先輩カッコいいですよ!!
珠美: カッコいい!!!
松尾: 最高の先輩です!!
新里: 男前〜!!!(咄嗟に出ちゃったけど、改めて考えると、これ……)
皆の声に合わせて、新里も声を出してみたが、その出てしまった言葉に不安を抱いていると…
梅澤: //うるさい!!あと、優太はあとで説教!
新里: やっぱり……ガクッ
少し顔を赤くしながらも、梅澤は場を収め、新里は説教宣告されて項垂れ、その一連の流れを見て、風紀委員室内にいた全員が笑った。
梅澤: 全く、みんなしてイジりやがるんだから……でだ。
真剣な表情に戻り、話を再開する。
梅澤: 昨日、薬物乱用防止教室が、2年も1年もあったと思うんだが、なんで昨日それがあったのかが分かった。
○○: えっ…
美月: ○○が昨日、疑問に思ってたことじゃん。
○○: うん…
その梅澤が掴んだ情報が何なのかと、○○はより集中して聞く。
梅澤: つい先程、警察の方から連絡があり、周辺地域で違法ドラッグ…つまり、薬が流通し、広まっているらしい。
○○: マジか……
昨日、アンチの構成員が乗ったシルバーの車を追いかけていた際、森田が言おうとしていたことは、これだったのかもしれない、と思いながら、その薬を流通させているのが、アンチではないかと疑う○○。
梅澤: だから、昨日の薬物乱用防止教室でも言われたように、全員、変な誘いには乗らないように。そして、周りにも警戒を促しとけ。
「はい!」
梅澤: よし。じゃあ次に、来年度からの、新たな風紀委員会のシステムについて話すぞ。
返事を聞き、梅澤は次の話題へと移る。
梅澤: 今年度までは、1、2年生が校内組と校外組に分かれて、当番制で見回りをし、3年生がそのサポートに入るシステムだったんだが、来年度からは、3年生も当番制の中に入る。そして新たに、風紀委員会内のグループとして戦闘部隊を組織する。
美月: 戦闘部隊?
梅澤: そうだ。これまで……特に、文化祭の時に、皆も感じたと思うが、もし相手が暴力を行使してきた場合に、対応できる風紀委員が、現状少ない。だから、戦闘部隊を組織し、定期的に戦闘訓練を積むことで、そういう場合にすぐに対応できるようにするべきだと、私は考えた。
前に座る風紀委員達の表情を見ながら、梅澤は言った。
梅澤: どう思う?……いや、ここでの発言はしずらいか。なら、全員が目を瞑った状態で、賛成のやつは手を挙げるようにしようか。
全員が頷くのを見て、続ける。
梅澤: 早速、目を瞑って。さっきの私の、来年度からは風紀委員会に戦闘部隊を作るべき、という考えに賛成の人は手を挙げろ。
そう梅澤が言うと、すぐに全員の手が挙がった。
これはおそらく、ここにいる全員が、文化祭の時に悔しい思いをしたからであろう。
それを確認して、梅澤は手を降ろさせ、目を開けさせる。
梅澤: 結果は、全員賛成。ということで、来年度からは風紀委員会に戦闘部隊を作るから、今のうちから、来年も風紀委員になって、戦闘部隊に所属したいって言うやつは、言ってくれ。あ、○○と美佑、瑠奈は強制参加な笑
3人を見て、梅澤は笑う。
○○: 分かってるよ笑
林: もちろんです!
松尾: 戦闘部隊に入ります。
梅澤: おう笑。で、次は春休みの見回りについてなんだが、これは来年度も風紀委員会に所属するっていう人だけでやるから、委員会が終わった後、ソイツらは残ってくれ。
「はい。」
梅澤: 笑、じゃ、これで風紀委員会を終わ…
美月: 美波、質問タイム。
梅澤: おっと、そうだった。
身を乗り出した美月の指摘で、梅澤は忘れていた質問タイムを取り、質問がないのを確認し…
梅澤: では、これで風紀委員会を終わる。解散。
「ありがとうございました!」
何気に、若月が言っていたのを見て、自分も言ってみたいと思っていた言葉を言って、委員会を終わらせた。
その後、来年度も風紀委員会に所属する、という人だけが、風紀委員室に残り…
美月: 笑
梅澤: いや、お前は生徒会所属だろうが!
美月: うぇ〜ん!
と、頭を掴まれた美月が、風紀委員室の外に追い出されるという一幕があったものの、委員会に引き続きの梅澤の仕切りで、春休み中の見回りの当番も決まったのだった。
翌日
三学期終業式の日
教室
高山: さてさて。終業式も大掃除も終わっちゃったわけだけど。
教卓に両手をついて、生徒達を見渡しながら、笑顔で話す、担任の高山。
高山: これが、2年生最後のホームルーム。つまり、このクラスメイト、担任の私でする、最後のホームルームです。
「え〜」
「もう最後かぁ…」
「先生、寂しいです!」
高山: 笑、うん。私も寂しいよ。みんなと過ごした1年間は、凄く楽しかったし、体育祭も優勝できたし、文化祭も売上は上から2番目だったわけだしさ。
その高山の言葉で、生徒達は去年の4月から今までの、クラスメイト達と共に過ごした日々を振り返る。
高山: みんなも楽しかったでしょ?笑
「もちろん!」
「最高でした!」
と、口々に明るい返事が返ってきて、高山は頷く。
高山: うんうん。来年度、同じクラスになる人も、同じクラスにならない人もいる。けど、この1年間、2年1組として、みんなで過ごした時間は絶対に消えないし、思い出として、経験として、みんなの心に残るから、それを忘れないようにね!
「はい!」
高山: そして、あと1か月後には、みんなは3年生…乃木高の最上級生であり、学校の顔になります。だから、この春休み中に、自分がどんな3年生になりたいのかを、ちゃんと考えた上で、4月から、各々がそれぞれの理想の3年生に向けて、頑張りましょう!
「はい!!」
より大きな返事が、教室に響く。
高山: 笑、じゃあ、これでホームルームはおしまい。この後は、教室を出てもらって、もう自由にしてというか、みんな昼食を食べると思うんだけど、知っている通り、1時間後から二者面談があって、そこで通知表を渡すから。決められた時間には、また教室に戻ってくるように。
「はい。」
高山: ごめんね、返事を連続でさせちゃって笑。質問がある人は?…………いないね。じゃあ、終わろう。学級委員、号令!
久保: 起立!
ガタガタガタ
この、久保の号令を聞くのも最後か、と思いつつ、皆が椅子から立ち上がる。
久保: 礼!
「ありがとうございました!!」
高山: 最後まで綺麗に揃って笑。ありが…
春時: そして!
高山の言葉を遮って、もう1人の学級委員である春時が、元気に笑顔で言葉を続け…
春時: 高山先生!1年間、ありがとうございました!!
「ありがとうございました!!!」
2年1組の生徒全員で、高山に感謝を伝えた。
高山: おっと笑、まさかの展開だったな。みんな、こちらこそありがとう!楽しかったよ!
それに、高山も笑顔で答えて、教室を去って行ったのだった。
○○: いや〜終わっちゃったね。
日奈子: ね。寂しいウルウル
理々杏: え、日奈子、泣いてんの?笑
日奈子: だって、寂しいんだもん!
隣の席の○○は、日奈子が高山の話の途中から、瞳に涙を溜めていたことを知っていたが、理々杏は今気づき、驚く。
理々杏: そういうものなのか……でも、別に転校するわけとかじゃないし、来年も普通に会えるんだよ?クラスが違っても。
日奈子: そういうんじゃないの!
理々杏: へぇ〜
○○: 笑、理々杏はこれまでに、あんまり学校に通えてないんでしょ?だったら、いまいち分からなくても、しょうがないよ。それこそ、日奈子がしっかり教えてあげたら?
日奈子: うん!教え込んでやる!!
涙を拭い、そう意気込む日奈子。
理々杏: 笑、お手柔らかに。
○○: よし、みんなと話しつつ、購買に向かうか。
日奈子: 理々杏ちゃん、お昼ご飯中にね!!
理々杏: はいはい笑
そうして、○○は日奈子と理々杏と共に、全ての荷物を持って席を立ち、途中で飛鳥と春時と合流。
教室の後方で、堀や星野、他の女子生徒達と、日奈子と飛鳥が話している間に、○○と春時は、杉浦と璃勇、さらに他の男子生徒達と話しつつ…
美月: 嫌っ!!私は○○達と一緒に、お昼ご飯を食べるのぉ〜!!!
久保: だから、仕事が残ってるでしょって。ちゃんと、○○の面談が終わる頃には、片付けられて、○○と一緒に帰れるぐらいの仕事しかないんだから、ここは我慢してって、一昨日から言ってるでしょ!!
美月: ○○〜!!!
久保: 祐希も寝るなら生徒会室で寝て!璃果が起こすからさ!
祐希: う〜ん……ムニャムニャ
いつも通りに騒がしい生徒会役員達が、教室から出て行くのを見送る。
春時: 地獄にでも連れて行かれるんか笑
○○: 3人とも、頑張れ。
皆と話を終えた○○、日奈子、理々杏、飛鳥、春時の5人は、購買に寄ってから、中庭に行き、同じく二者面談待ちの1年生達と一緒に、昼食を食べるのだった。
しばらくして…
教室の前
○○: ……
自分の二者面談の時間の5分前となり、皆と別れ、1人、戻ってきて、教室の前に置かれた椅子に座る○○。
ガラガラ
男子生徒: お、さすがに来てたか笑
前方の扉を開けて、中から出てきた、出席番号が○○の1つ前である男子生徒が、笑顔でそう言う。
○○: まぁね笑
「あ、もう深川君いるの?なら、入ってきて良いよ!」
扉を開けたままで、誰かと話している男子生徒の背中を見て、○○がいると判断したのであろう高山の声が聞こえる。
男子生徒: ってことみたいだから笑。3年生で同じクラスになっても、ならなくても、仲良くしてくれよ。
○○: もちろんだって笑。じゃあね。
男子生徒: おう笑、またな。
そして、別れを告げた男子生徒と入れ替わるように、高山が待つ教室の中に入る。
○○: 失礼します。
高山: うん。座って。
ガラガラ
変わらずの笑顔で迎えた高山。
○○は扉を閉めて、教室の中央で向かい合わされた2つの机の、高山が座っていない椅子に座る。
高山: さて。特に深川君には、学校生活や成績について、何も言うことはないんだけど……はい、これが通知表ね。
○○: ありがとうございます。
机の上に出された通知表を受け取る。
高山: 笑、別に今、見ても良いけど?
○○: いえ、帰ってから見ますよ。
高山: そう。見なくても、成績が良いって分かってるから?笑
意地の悪い笑みを浮かべて、高山が言う。
○○: そんなんじゃないですって笑
高山: だよね笑。じゃ、前々から言ってたように、進路についてを聞こうか。深川君は、どうするつもりなの?
○○: 僕は…
この終業式後にある二者面談で、高校卒業後の進路について聞かれることは分かっていた。
だから、○○は色々と考えた。
防衛団の次期団長である自分。
大学に行ってみたい自分。
まだみんなと学生を楽しみたい自分。
大学には行かず、防衛団員として仕事をする選択を取った七瀬。
まだ学生である次期団長を守るために、一日中護衛についてくれている森田と東口。
確実に動きが活発化してきているアンチ。
全てを考えて、悩んだ結果を、○○は高山に伝えた。
○○: 乃木大に行きます。姉も通っているので。
嘘で固めて。
高山: ……そう。まぁ、予想通りって感じかな笑
○○: そうでした?笑
高山: うん笑。じゃあ、こっちもそのつもりでサポートしていくから、少しずつ受験勉強もしていくんだよ。
○○: はい!
高山: じゃあ、これで面談は終了ね。帰って良いよ。
○○: ありがとうございました。
席を立った○○は、教室の扉の方に向かっていく。
高山: ……あと…
○○: ?
背中に言葉を受けて、パッと振り返る。
高山: 笑、無茶はしないように。
○○: 了解です笑
こうして、○○は2年1組の教室を出て、すぐ外で、出席番号が○○の1つ後である星野と話していた美月と共に、学校を出て、家に帰ったのだった。
to be continued