ただ守りたい… 144話
日曜日の朝
この日、とある即席の会場で、1人の男を奪い合う女達の熾烈な争いが繰り広げられる。
第1回
"○○の胃袋をガッシリと掴む最高の料理上手決定戦"
(美月が考案、珠美は賛成、紗耶は苦笑い、飛鳥は嘲笑、理々杏は知らない)
この戦いに参加する者達は、およそ1週間の準備期間を経て、この日の朝を迎えた。
それぞれで、やってきた準備や当日の朝の行動は違っていたが、ずっと強く持ち続けていた意思は、一致していた。
○○に一番美味しいと言ってもらえる料理を作る。
春時の家
紗耶: よし…
春時: 準備は万端か?笑
紗耶: うん。
春時: 行きに、足りない材料を買っていくんだろ?
紗耶: 昨日、買いに行けなかったからね。
春時: 笑、荷物持ちは任せろ。
紗耶: 頼んだ、兄貴。
春時: おう笑
飛鳥の家
ピンポーン
??: スゥ~…おはよ…
ガチャ!!
??: ムグッ!!
飛鳥: あぶな……朝から叫ぶな、日奈子。
玄関から、ものすごい勢いで出てきた飛鳥が、日奈子の口を手で防ぎ、近所迷惑になる元気な大声を未然に防いだ。
日奈子: ぷは〜…ごめんごめん笑
飛鳥: 今回は、ちょうど玄関に私がいたから良かったけどさ。マジでやめてよ。
日奈子: はーい!
飛鳥: ったく、本当に分かってるのやら。
日奈子: 分かってるって!
飛鳥: はぁ……じゃ、行くよ。
日奈子: うん!って、その手に持ってるのが、今日作るやつの材料?
飛鳥: うん。
日奈子: ほうほう……あっしゅんは何を作るんだろうな〜
そう言いながら、飛鳥が持つ袋の中身を見ようと、手を伸ばすが…
グイッ
日奈子: あっ!
飛鳥: 笑、まだ秘密。
日奈子: え〜良いじゃん!袋の中身を見るぐらい!
飛鳥: 中身を見て損するのは日奈子だよ。だって、私が作るものが分かったら、1つ楽しみが減るわけじゃん。
日奈子: あ、確かに!
飛鳥: ってことで、行くよ。
日奈子: うん!!
近所のスーパー
紗耶: あ、あった。これこれ〜
春時: ここに入れて。
紗耶: 分かってるって。
○○の家に比較的近いスーパーにやってきた紗耶は、買わないといけないものを、春時が持つカゴに入れていく。
春時: あとは、何を買わないとなんだ?
紗耶: え〜っと、あとはね〜
??: お、発見、発見!
春時: ん、なんかこの声…
紗耶: どうしたの?兄貴……って、え?
??: あれ?
紗耶: たまちゃん!
珠美: やんちゃん!…と、春時先輩!
春時: 笑、ついでかよ。
紗耶: たまちゃんも、ここに買い物に来てたんだ。
珠美: うん!足りない材料があってね。やんちゃんも?
紗耶: うん。紗耶も今日使うヤツを買いに来たの。
珠美: いや〜にしても偶然だ!
紗耶: だね!
春時: 笑(偶然っていうか、途中で材料を買っていくんなら、○○の家に1番近くて安いここに寄ろうって、みんな考えると思うぞ。)
紗耶: たまちゃんが買うつもりのヤツは、それだけ?
珠美: ううん。あと1つだけ、買わないといけないものがある。
紗耶: へぇ〜
珠美: それだけは絶対に、朝早くにここに来て、新鮮なものを買いたかったからさ!
春時: 新鮮なものね〜笑。じゃあ、珠美。スーパーの外で待ち合わせして、一緒に行くか?
紗耶: え?わざわざ待ち合わせする必要ある?
春時: だって、お互いが買うものを見たら、何を作るか予想できるでしょ。何より、昨日送られてきたメールを見るに、審査員の俺が、紗耶のはまだしも珠美のを見るのはマズいと思わないか?
紗耶: なるほど…確かにそうだ。
珠美: 分かりました!では、出口のとこで待ち合わせっていうことで!
春時: おう笑。良い感じのが見つかると良いな。
珠美: はい!では!
春時: じゃ、紗耶。俺達もパパッと終わらせよう。
紗耶: うん。
20分後…
ウィーン
珠美: お待たせしました〜!すみません、良いのを見つけるのに時間がかかっちゃって。
紗耶: 全然大丈夫!
春時: で、どうだったんだ?納得いくものは、手に入れられたのか?笑
珠美: いや〜結局、珠美では選びきれなかったので、店員さんのおすすめを買ってきました!
春時: ま、それが1番だろうな。
珠美: はい!
紗耶: よし、そろそろ、○○先輩の家に向かおう!
珠美: うん!
春時: あ、珠美も荷物貸せ。
珠美: え?
春時: 荷物持って、今のうちから疲れるわけにはいかないだろ?
珠美: でも…
紗耶: 大丈夫だって、たまちゃん。兄貴は頭がない分、力はあるから。
春時: 一言余計だぞ、紗耶。
珠美: う〜ん……じゃあ、お願いします!
春時: おう笑。任せろ。
紗耶: それでは、改めて…
珠美: レッツゴー!!!
紗耶: え、そこだけセリフとるの?
春時: 笑、まぁ珠美らしいじゃないか。
こうして、買い物を終わらせた紗耶と珠美は、2人分の買い物袋を持った春時と共に、○○の家に向かった。
さらに20分後…
紗耶: 先輩達はどんな料理を作るのかな〜
珠美: なんか、飛鳥先輩はオシャレな料理を作りそう!
紗耶: 確かに。飛鳥先輩は要注意だ。
春時: 要注意って笑。ほんとバチバチだな。
珠美: 春時先輩は、先輩方で誰が料理できるとか知らないんですか?
春時: まぁ、この1周間で練習はできただろうから、今の実力は分からないけど、前のことなら、ある程度分かるかな。
珠美: 教えてください!
春時: 飛鳥は2人も言ってた通り、かなり料理ができるぞ。中学の頃から自分で弁当を作ってきてたからな。俺らに見せてはくれなかったが笑
紗耶: え、なんか隠して食べてたのは知ってたけど、あれって手作りのお弁当だったの?
春時: あぁ。俺らも何を隠して食べてんのか気になったから、○○に聞かせてみたら、渋々答えてくれたよ。
珠美: そりゃあ、料理できますわ。
春時: 笑、次は美月だが……おそらく、美月は料理を全くしてこなかったタイプだと思う。
紗耶: やっぱり、あの時の反応からしてそうだよね。
珠美: 珠美的には意外です。美月先輩は、なんでもできるイメージだったので。
紗耶: 紗耶も!
春時: ただな、アイツはかなり器用だから、料理も少し練習すれば、ある程度できるようになると思うんだよ。
珠美: ほうほう…
春時: しかも、美月に料理を教えたのは、料理が上手な○○が自分よりも上手いって言ってた、麻衣さんと梅だ。もしかしたら…
紗耶: びっくりするぐらいに成長してるかも…
珠美: ふぁ〜〜要警戒です!
紗耶: じゃあ、1番気になる理々杏先輩はどうなの?
春時: う〜ん、正直なところ、理々杏の料理スキル含めて、パーソナルなことが、あんまり分かってないから、ただの俺の勘になるんだけど…
と、○○の家までの道を歩く中、自分の考えを春時が話そうとしたところで…
日奈子: あ!!春時にやんちゃんにたまちゃん!!
飛鳥: ほんとだ笑
後ろから、日奈子と飛鳥が追いついてきた。
紗耶: 日奈子先輩、飛鳥先輩、おはようございます!
珠美: おはようございます!!
日奈子: おはよう!!今日も元気いっぱいだね!
紗耶: 日奈子先輩には負けますけどね笑
飛鳥: 笑、荷物持ちさせられてんの?春時。
春時: いや、自主的にやってる。今のうちから、この2人に体力を使わせるわけにはいかないだろ笑
飛鳥: へぇ〜〜〜
目の前の春時を見ながら、自分が手に持つ袋を、フラフラと揺らす。
春時: …はいはい笑。持ちますよ。
飛鳥: ありがと笑
日奈子: ねぇ、今楽しそうに話してたけど、何の話をしてたの?!
珠美: それはですね、先輩方が料理できるかどうかについて、春時先輩から話を聞いていたんです!
飛鳥: ほぉ〜〜春時は、私達の情報を勝手に流してたのか。
春時: あ、いや、そういうわけじゃなくてだな…
飛鳥: 審査員のくせして、後輩に加担するんですか?笑
春時: …すまん。
飛鳥: 笑、冗談。別にそんぐらいなら良いよ。
日奈子: はぁ〜良かった〜あっしゅんが怒ったかと思って、ヒヤッてしたね!
珠美: はい!もうゾワゾワって!
紗耶: もう〜飛鳥先輩やめてくださいよ!
飛鳥: 笑、嘘って見破れない方が悪い。で、どこまで話してたの?
春時: あぁ、ちょうど理々杏の話をしようとしてたところだ。
飛鳥: え?アンタ、理々杏が料理できるかどうかを知ってんの?
春時: いや、文化祭の準備で、未央奈がキッチンに入れる人を探してた時に、1回だけその話が理々杏のところにいってさ。
飛鳥: 私がバイトで早めに抜けてた時か。
春時: そうそう。それで……ここからはオフレコでお願いしたいんだが……理々杏が包丁を触ったことがないって言ってて。
日奈子 珠美: (オフレコ?)
紗耶: 包丁を触ったことがない?
飛鳥: マジか…
珠美: ってことは、料理経験はほとんどないって考えて良いんですかね?
春時: 笑いながらそう言ってたし、冗談の可能性もあるが……俺の勘としては、本当だと思う。
飛鳥: 17年も生きてきて、1度も包丁を触ったことがないってことが?
春時: あぁ。だってよ…
ブーン
再び、春時の話が中断される。
今回の原因は、一行の真横に止まった黒い車。
そして、その車の扉が開いた。
ガチャ
??: みんな、おはよ〜
日奈子: あ!理々杏ちゃん!!
理々杏: やっほ〜日奈子。それとみんな、久しぶり。
飛鳥: いやほんとそれな笑
春時: 本人登場かい笑ボソッ……久しぶり!
飛鳥: 家族旅行は楽しかった?
理々杏: うん。ちゃんとお土産もあるから、楽しみにしてて。
日奈子: やった!!お土産!!
純奈: じゃ、理々杏。頑張ってこいよ〜
車の助手席に座っている純奈が、笑顔でそう言う。
理々杏: はい笑
日奈子: わっ!純奈だ!!
純奈: よ、日奈子。じゃあ、みんなもまたな。
日奈子: え?
ブーン
紗耶: もう行っちゃいましたね。
珠美: あっという間の出来事でした…
理々杏: 純奈先輩は、この後に用事があるみたいだから。でも、帰りも迎えに来てくれる予定だよ。
飛鳥: へぇ〜純奈先輩が。
理々杏: 今日の料理対決の結果を、直接聞きたいんだって笑
飛鳥: ふ〜ん笑
春時: …よし、偶然にも全員が揃ったところで、早く○○の家に行こうぜ。
珠美: え?さっきの話の続きを聞かせてくださいよ〜
春時: なっ…
理々杏: さっきの話の続き?何を話してたの?
春時: え〜っと、それはだな〜チラッ
飛鳥: ニヤッ(受け入れろ、春時。)
春時: クッ…
理々杏: なに?笑
珠美: 理々杏先輩が、包丁を触ったことがないって話です!
紗耶: (紗耶も気になってたけどさ……さすが、たまちゃんって言ったところか…)
理々杏: 笑、誰から聞いたの?
珠美: それはですね〜
日奈子: 春時!!
春時: ガクッ…
飛鳥: 笑
理々杏: 春時か……笑、みんなはどうだと思う?
珠美: どうって、本当かどうかってことですか?
理々杏: うん。本当だと思う?
珠美: 珠美は……本当だと思います!
理々杏: やんちゃんは?
紗耶: えっと……さすがに冗談だと思います。
日奈子: 私は本当に賭ける!!
理々杏: ん?笑
飛鳥: 笑、私は……本当。
理々杏: 最後に……喋ってくれた春時君は、どう思ってるのかな?
春時: …う、嘘だと思います。
日奈子: あれ?今さっき…
春時: あーーー!!!
日奈子: え?急にどうしたの?大声出して!
理々杏: ねぇ日奈子、今なんて言おうとしたの?
日奈子: だから、今さっきは…
春時: あーーー!!!
日奈子: ……うぉぉおお!!!!
飛鳥: いや、大声対決じゃないから。
日奈子: え?そうなの?
飛鳥: 全く…○○の家の近くで良かった。
春時: ふぅ…危機一髪。
紗耶: 兄貴、醜い抵抗。
春時: …しょうがないだろ。
理々杏: 笑、まぁいいや。
珠美: それで、答えはなんなんですか?!
理々杏: 答えはね……秘密!
珠美: え〜〜気になります!
理々杏: 前のことは置いといて、今の私を見てよ。ちゃんと、私の料理を見せてあげるから笑
飛鳥: 笑、だね。さ、早く行こう。○○達が待ちくたびれる前に。
紗耶: ですね。
珠美: 分かりました!
春時: そうだな!早く行こう!!理々杏、荷物持つよ。
理々杏: え?良いの?じゃあ、お言葉に甘えて。
飛鳥: 笑
○○の家
ピンポーン
日奈子: スゥ~…チラッ
飛鳥: 笑、ここなら問題ない。
ガチャ!!
日奈子: ま…ムグッ!!
○○: いや、問題あるわ。
飛鳥: 聞こえてたの?笑
○○: そろそろ来ると思ってね。みんな、おはよう。
春時: おう、おはよう。
理々杏: おはよ!○○!
紗耶: おはようございます、○○先輩。
珠美: おはようございます!
日奈子: ほろほろはらしへよ!(そろそろ離してよ!)
○○: 笑、ごめん。
日奈子: ぷは〜〜今日2回目なんだけど!!
○○: そうだったんだ笑。そりゃあ災難なことで。
日奈子: ほんとみんな、私の口をなんだと思ってるの?!
飛鳥: 壊れた拡声器。
○○: 音がデカい目覚まし時計。
日奈子: なっ!なんだと〜!!!
この日奈子の声が、○○が玄関の扉を開けっ放しにしていたことで、家の中に響く。
すると…
麻衣: ちょっと、○○?みんな来てるんなら、早く入れてあげな!
○○: あ、そうだね。みんな、どうぞ。
飛鳥: 笑、お邪魔します。
理々杏: 初めましてだな〜
春時: そっか。理々杏が来るのは初めてか。
理々杏: うん。
日奈子: んもう!
紗耶: まぁまぁ、日奈子先輩。とにかく入りましょ。
珠美: そうですよ!
日奈子: …は〜い。お邪魔します!!
そうして、料理対決の会場に、参加者全員が揃った。
麻衣: みんな、おはよう〜
飛鳥: おはようございます。
蓮加: 皆さん、おはようございます!
珠美: わぁ〜蓮加ちゃん、おはよう!
紗耶: さくちゃんも、おはよう。
さくら: おはよ〜
春時: おはよう!
○○: 春時。その持ってる袋の中に、冷蔵庫に入れとかないといけないものがあるでしょ?
春時: 多分な。珠美、どうだ?
珠美: あります!
○○: なら、早めに冷蔵庫に入れよう。
春時: おう。
紗耶: 兄貴、紗耶も。
春時: いや、これは俺がやっとく。紗耶はさくちゃんと話しときな笑
紗耶: 分かった!
さくら: 笑
理々杏: あ、えっと、旅行のお土産です。どうぞ。
そう言って、理々杏は持ってきていたお土産(車の中で、純奈に渡されたもの)を、麻衣に手渡す。
麻衣: おぉ、わざわざありがとね。理々杏ちゃん…だよね?
理々杏: はい。伊藤理々杏です。
麻衣: ○○達から話は聞いてたけど、本当にお人形さんみたいに可愛いわね笑
理々杏: そんな笑…ありがとうございます。
日奈子: あ!賄賂ってやつだ!!
理々杏: え?笑
飛鳥: 賄賂……笑、確かに、そう見えなくもないね。
理々杏: 賄賂じゃないよ。ただのお土産だって笑
飛鳥: どうせ、最近見たドラマかアニメの中で、そういうやり取りがあったんでしょ?日奈子。
日奈子: うん!昨日見たドラマの中でね、なんかそういう箱を渡して、自分の考えを通しやすくすることを、賄賂を渡すってことだって、言ってたんだ〜
麻衣: はは笑、なるほど。日奈子ちゃんっぽい。
飛鳥: で、いつもなら、こういうことにすぐ噛み付いてくるアイツは……いや、本当に何をしてるの?
もう1人の騒がしい要員であり、ここの家にいるはずの友達を、ソファの上に見つける。
しかし、その人…美月は、ソファの上で坐禅を組んでいた。
美月: ふぅ…
蓮加: 集中力を高めているそうです。
飛鳥: へぇ〜笑
紗耶: あれ、ずっとやってるの?
さくら: いや、大幅に寝坊したせいで、ほんの10分前ぐらいに、色々と準備が終わってあそこに座ったばっかりだよ。
紗耶: 笑、そうなんだ。
飛鳥: じゃ、そろそろ止めてもらわないとね。日奈子、行っておいで。
日奈子: おっしゃ!美月ちゃ〜ん!!
飛鳥の合図で、日奈子が美月の元へと向かう。
日奈子: 美月ちゃん!みんな来たよ!!
美月: …
日奈子: 美月ちゃん?!!
今日も飛鳥と○○が手を焼いた日奈子の大声が、近くで発せられているにも関わらず、美月は目を開けることなく坐禅を組み続ける。
日奈子: あっしゅん!美月ちゃん、起きないよ〜
飛鳥: 日奈子の大声で目を開けないってことは、寝てるってことはなそうだけど。さて、どうしてあげようかな〜笑
蓮加: 飛鳥さん、なんか企んでますね笑
飛鳥: なぜか起きるつもりがないみたいだし、ここで色々と試しとこうと思って笑
日奈子: じゃあ、次は何を試してみる?!こちょこちょしてみる?!
飛鳥: いや、そうだな笑…
ここで、黒い布で覆われ、リビングからは中の様子が見えなくなっているキッチンで、買ってきたものを冷蔵庫
に入れていた○○、春時、珠美がリビングに戻ってくる。
春時: 紗耶、適当に入れといたから。
紗耶: うん、ありがと。
さくら: やんちゃんの料理も楽しみだな〜
紗耶: 笑、頑張る。
○○: 笑、バカでかい声だけは、はっきりと聞こえてたけど、日奈子は何をしてたんだ?
日奈子: なんかね、美月ちゃんが全然起きないから、こちょこちょして起こそうとしてたの!
○○: あぁ笑、そういうことか。ま、時間もアレだし…
ソファの上に座る美月に、今度は○○が近づく。
○○: ほら、美月。みんなももう準備……できてるよね?
飛鳥: うん。
紗耶: いけます!
珠美: もちろんです!
理々杏: すぐにでも始めたいよ笑
○○: 笑、準備できてるみたいだから、美月も……
美月: ニヤッ…
ペシッ
美月: なっ!
飛鳥: させるかっての。アンタの企みなんか、読めてたわ笑
○○が視線を外した瞬間に、美月は目を開き、○○に抱きつこうと飛びかかったが、いつの間にか近くに移動していた飛鳥が、美月の頭を叩き、それを止めた。
美月: クッ…さすが飛鳥と言ったところか。
飛鳥: 笑、これからは、私の前でそういうことができるとは、思わないことね。
美月: じゃあ、料理対決でボコボコにしてあげるよ笑
飛鳥: へぇ〜返り討ちにしてあげる。
○○: …バチバチだ。
紗耶: おぉ……先輩方の目の間に火花が散ってる…
さくら: やんちゃんは加わらないの?
紗耶: う〜ん、紗耶は…
珠美: 珠美だって負けません!バチバチしに行きます!
理々杏: いや、バチバチしに行くって笑。でも、あの言い合いに参加しないってのは、ちょっとアレだよね。
紗耶: え、珠美に理々杏先輩まで……な、なら紗耶も行きます!
珠美: 美月先輩!飛鳥先輩!勝つのは珠美です!
理々杏: なんか2人だけで盛り上がってるけど、ごめんね。私の勝ちかな笑
紗耶: 紗耶も負けません!
美月: かかってきなさい!
飛鳥: 笑、楽しくなってきた。
春時: みんな気合い入ってるな〜
麻衣: その分、出てくる料理も美味しそうで、今からお腹が減ってくるよ笑
蓮加: 蓮加も楽しみ!
さくら: 後から、さくにも分けてよね。
麻衣: 分かってるよ、さくら。
日奈子: うぉぉおお!なんか私もワクワクしてきた!!
○○: じゃ、始めようか笑
こうして、○○の家で、熱き料理対決が始まる。
to be continued