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ただ守りたい… 131話

実習校舎4階

○○: ふぅ…

黒峰: お前、さっきも聞いたが、風紀委員か?

○○: …あぁ。

黒峰: ふ〜ん、やっぱりか。

○○: 腕章はつけてないが、よく分かったな。

黒峰: まぁ、偶然かもしれないが、俺の動きを嗅ぎつけてここまでやって来たんだから、普通の生徒ってよりは、風紀委員の方が可能性は高いんじゃないかな、って思って。

○○: じゃあ、逆にお前は誰だ?

睨み合いながら会話を続ける2人。

○○としては、誰かが気づいて手助けに来てくれるまでの時間稼ぎをしたくて、会話を試みているのだが、なぜ○○がそうする必要があると考えたのか。

それは…

コイツ、ヤバすぎる。

京都で会った、あの紫雲和麒と同等の雰囲気を感じる。

おそらく、今の俺では1人で、コイツに勝つことはできない。

いや、確実に無理だ。

だから、誰か助っ人を呼びたいんだが、携帯を触れるような余裕はない。

取り出した携帯に意識を向けた瞬間に倒されて、コンピュータを破壊されるだろう。

つまり、今ここで、俺がすべきことは、誰かがこの異常に気づいて来てくれるまで、この男を後ろに通さないってことだ。

だが、あの監視カメラの映像をリアルタイムで監視している灰崎君が、行動を起こしていないということは、向こうでも何か起こっている可能性が高い。

しかもコイツらの作戦通り、各所のトラブルに意識を取られて、上層部がこっちの異常に気づくことは、ほとんどありえないか…

どれぐらいの時間、持ちこたえ続けられるだろう…

笑、違うな。

絶対に持ちこたえて、みんなを守るんだ!

○○: 何だ、答えてくれないのか?

黒峰: うん、お前が時間稼ぎをしたいのは分かった。だから、わざわざ俺がお前の作戦に乗ってやる必要はないんだが、まぁ良いだろう。教えてやるよ。

○○: へぇ…

黒峰: 俺…いや、俺らはアンチって組織だ。もうすぐ一般層にも広まると思うがな。

○○: っ!アンチ…ねぇ。

初日に来た生ちゃんの推測通りか。

嵐の前の静けさのよう…

この、嵐っていうのは、この乃木高への襲撃のこと。

○○: この襲撃は、前々から計画してたわけ?

黒峰: wwあぁ。ちょっとお前らに、俺らの仕事を邪魔されたもんでね。その仕返しだよ。

○○: …白仮面の件か。

黒峰: おぉ、そうだそうだ。白仮面だよw。あの薬ばらまいたヤツ。

○○: あれもお前らが…

黒峰: もしかして、初っ端に白仮面を見つけた風紀委員って、お前だったりする?w

○○: どうだろうな笑。そうかもしれないぞ。

黒峰: w、良い度胸だ。さぁ、そろそろお喋りは止めにして、やろうぜ。

○○: …来い。

黒峰: 行くぞw

瞬時に構えた黒峰は、一歩で○○の懐に入り込み、左拳を顔目掛けて伸ばす。

バシッ!

○○: …

その拳を、右に重心を寄せつつ右手で下に弾くが、弾かれたと分かった瞬間に、黒峰が腰を回転させ、右のフックを放つ。

○○: フッ!

それに対し、○○は下がることなく、少し体を左に傾けて拳を避けつつ、素早く左手を黒峰の顔目掛けて突き出す。

黒峰: おっと…

左足を下げて、一歩分後退することで、○○の拳を喰らうことなく次の動作に入ろうとした黒峰だったが…

○○: ハッ!

その動作を見た○○が、すぐに右の横蹴りを出したことで、さらに後ろに下がる羽目となった。

黒峰: まだまだ!w

再び、一気に距離を詰め、拳や蹴りを○○に向かって放ったが、全て小さな動作で弾かれるか、避けられるかして中々、その場から○○を動かすことができない。

黒峰: オラッ!

○○: フンッ!

黒峰の蹴り込みを両手で弾き、床に着弾させ、○○はそのまま押し込む。

黒峰: そんなんで良いのかよっ!

押し込まれて、後ろに仰け反りつつも、後退はしなかった黒峰が、○○の顔を、守る腕の隙間から狙う。

ビュンッ!

しかし、それを瞬時に察知した○○は、その拳の軌道から顔を離しつつ、押し込みから掌底に体勢を変える。

黒峰: ほぉw…

その掌底も、結局は後ろに跳んだ黒峰には避けられてしまうが、当初の目的通り、○○は黒峰を後ろに通すことはしなかった。

黒峰: …随分と見切りが上手いな。

○○: そりゃどうも。


およそ1週間前

金川道場

一: よし、一時休憩じゃ。

○○ 春時: はい!

一: あ、○○。改めて、お前の強みと弱点をきちんと教えとかんとな。

○○: え、いきなりどうしたんですか?

一: いきなりと言っても、儂はこの2週間、じっくりとお前を分析しておったんじゃ。最初にお前に言ったことが正しいかどうかも含めてな。

○○: なるほど…その分析が終わったということですね。

一: まぁ、そんなところじゃ。

○○: では、お願いします。

春時: それって俺も聞いて良いわけ?○○の弱点とか。

一: 笑、○○とお前が闘うことなんかないじゃろうから、問題ないと思うが?

○○: うん、構わないよ春時。むしろ、一緒に聞いてもらって、僕の弱点を知ってもらってた方がありがたいかも笑

春時: 了解。

一: それに、○○の力は春時相手に使えんみたいじゃからな。たとえ闘うことになっても、弱点もクソもなく○○がボコボコにされて終わりじゃ笑

春時: いやいや笑、それは分からないって。

○○: いや、師範の言う通りだよ。素の状態じゃ、僕は春時に攻撃できないし、あの武術を使った春時の攻撃は、かなり効くからさ。

一: ま、春時は武炎の扱いに関しては、まだまだじゃが笑

春時: これからだよ笑

一: さ、本題に入るぞい。

○○: はい。

一: まず、初めにお前に言った、スピードは中々で、パワーは一級品、反応速度も良いが、攻撃がド下手。この言葉は変わらん。要するに基礎能力値は高いが、攻撃の技術が拙すぎるんじゃ。

○○: 攻撃の技術ですか…

一: それは、半分お前の、最速で敵を倒したいという考え方のせいなんじゃがな。

○○: では、その考え方を改善すれば、多少は良くなるんですか?

一: まぁな。しかし、初めは中々難しいじゃろう。じゃから、フェイントや重心移動といった技術を身につけつつ、同時に意識改善を少しずつやっていくべきじゃ。

○○: 分かりました。

一: ちなみに、お前自身も分かっていることだとは思うが、攻撃がド下手なのは、お前が長い間、敵の攻撃を受け続けるだけで、攻撃を全くしなかったせいじゃ。

春時: ま、それはしょうがないな笑

○○: うん…

一: だが、その代わりにお前は、防御に関してはかなり上手い。

○○: それが、僕の強みってことですか?

一: そうじゃ。というか自分で途中で気づきそうなものじゃがの笑

○○: いや、気づかないですよ。ただ必死に、敵の攻撃を受け続けていたんですから。

一: 笑、そこじゃ。それがおかしいと思わんか?

○○: え?

一: いくら敵の攻撃が弱いと言っても、普通、数分間も複数から攻撃を受け続ければ、人は立っておられん。漫画の世界じゃあるまいし。お前のその頑強さは、別に人間離れしとるわけでもないからの。

春時: まぁ、言われてみれば確かに。

○○: ほんとだ…

一: つまり、お前は単純に攻撃を受け続けていたわけではなかったということじゃ。

春時: えーっと?

一: 敵の攻撃を見切った上で、急所に入りそうな攻撃は、急所を外して受けつつ、勢いのある攻撃は、その勢いを抑えるような形で受けていたんじゃよ。

春時: おぉ、お前、そんな高度なことを…

○○: いやいや、そんなことは別に考えてなかったけど…

一: ふむ。それこそ、長い間、敵の攻撃を受け続けた経験から、無意識的に体が動いていたんじゃろ。

春時: なら、防御においては、めちゃくちゃ強くね?

一: まぁ、防御だけに意識を向けた○○を倒し切るのは、儂でもちとキツい。

春時: だって。すげぇじゃん、○○。

○○: 笑、ありがとうございます。

一: ただ、上には上がおるからな。それに、強い相手に対して、防御だけしておれば、逆にそれを利用される可能性もあるから、あまり調子に乗らんことじゃ笑

○○: はい!

一: 肝心なのは、攻撃と防御の意識の比率。慣れてくれば、そんなこと考えんでも戦えるが、今のお前は考えるべきじゃろう。そうじゃな…防御に8割で、牽制と間合いを取るための攻撃に2割ほど、意識を回せば、自分より強い相手に対しても戦えるはずじゃ。

○○: 分かりました。頑張ります!

一: 笑、よし、稽古を再開するぞい!

○○ 春時: はい!!


黒峰: ww、こりゃ崩すのに、少し時間がかかりそうだ。

○○: ふぅ…

防御に8割、攻撃に2割。

牽制や間合いを取るのに、攻撃を仕掛けるだけで、あくまで今回は、敵を倒すための攻撃は使わない。

ここを守りつつ、時間を稼ぐんだ!

そう考えながら、○○は格上との戦闘に全神経を集中させるのだった。


風紀委員室

若月: 改めて、今の状況を報告しろ。

風紀委員1: はい。現在、校舎とグラウンド含め、校内の各所でトラブルが相次いでおり、その件数は報告を受けたところで17件。そのうち、13件に風紀委員が対処に当たっており、その他4件はそこの店員や、その場に居合わせた方が対処をしているようです。

若月: まだ対処に動いていない風紀委員の数は?

風委1: 風紀委員室にいる我々を除き、8人です。

桜井: 全然余裕がないか…

若月: ソイツらと連絡は取れているのか?

風委1: えっと…

風委2: 4人とは取れています。命令を受ければ、すぐに動けるようにしておくとの事です。

若月: 他4人は?

風委2: 連絡が取れないです。

若月: う〜む…

桜井: もしかしたら、トラブルに巻き込まれて、携帯を触れない状況なのかもよ。

若月: うちのがサボっているとは考えにくいが…まぁいい。連絡が取れ次第、すぐに現場に向かえるよう準備をさせておけ。

風委2: はい。

風委3: あ、今、特別教室校舎2階、このフロアのアイドル研究部の展示の前で起きたトラブルが解決したそうです。

若月: そうか…確かそこは…

風委3: 男の風紀委員が行ったら追い返されて、代わり女性の風紀委員を向かわせたところです。

若月: 笑、たまたま引退した部長がいたか。

桜井: あぁ笑。あの子、強いもんね。

若月: じゃあ、そこにいた風紀委員を…

風委4: またトラブル発生です!場所は、第4区域に続く道の途中です!

若月: …そこに向かわせろ。

風委3: はい!

風委5: さらに、第2グラウンドの展示エリアでトラブル発生です!

若月: すぐに、待機させている風紀委員を向かわせろ!

風委3: 頼む。

風委2: 了解です!

風委6: 教室校舎3階の粉物ランドのトラブルで増援を求めています。どうやら、暴力的な相手らしく、風紀委員も含め、止めに入った生徒数名が殴られたとの報告です!

桜井: っ!!

若月: …純奈とみり愛は?!

風委2: 現在、第1グラウンド前のトラブルの対応に当たっています。

若月: どちらか1人だけでも、そっちに行けないか確認してくれ!

風委2: はい!

桜井: 体育委員と格闘技系の部員を増援に向かわせる。桃子。

大園: はい……体育委員は10名は出せるそうです。他は第3グラウンドで波状的に起こっているトラブルの対応に追われているようで。

若月: 波状的にって、そんなことになっていたのか。全く、ちゃんと報告をしやがれ、大我。

大園: 空手部、柔道部、レスリング部など、格闘技系の部活動は、部員の招集に時間はかかりますが、部長の近くにいた数名はすぐに動ける状態だそうです。

桜井: なら……そのうちガタイのいい子達だけ、トラブルの対処に当たらせるように言って。そして、手を出すのはダメだとも。

大園: 分かりました。トラブルが発生している場所の情報も含めて、メッセージを送ります。

桜井: よろしく。

若月: さすがに、風紀委員以外に手を出させるわけにもいかないからな。戦闘行為を行った結果、やられてしまっても、逆に正当防衛以上の行為と取られるような怪我を相手にさせてしまっても、問題が生じる。

桜井: うん。風紀委員には本当に申し訳ないんだけどね。

若月: 何を言ってるんだ。それが、風紀委員の役割だ笑

桜井: ありがとう。

風委2: 純奈先輩とみり愛先輩の件ですが、みり愛先輩が教室校舎3階に向かうそうです。

若月: OK…って、美佑と瑠奈はトラブルの対処に当たっていると聞いたが、○○と梅はどうしているんだ?

風委2: その2人こそ、連絡が取れない4人のうちの……あ、今1人から、用を足していたとの連絡が来たので…

若月: そこは要らん。とにかく連絡が取れたんだな。ってことは…

風委2: はい。○○君と梅澤ちゃん、あと美月ちゃんだけ、未だに連絡が取れていないです。

若月: その3人か…重要な戦力なのに…

桜井: それこそ、その3人は報告に上がっていないトラブルの対処に当たっているんじゃないの?

若月: …かもな。

風委4: おっ、教室校舎1階の東階段前で起こっていたトラブルが解決したそうです!しかも、トラブルを起こしていたヤツらを捕獲したと!

若月: 確かそこは…優太と珠美が行ったところだよな?

風委4: はい。特別教室校舎の1階でトラブルを起こしていたヤツらを捕らえた松尾、林ペアが合流して、そこでも敵を捕らえたみたいです。

若月: ってことは……怪我人はいないか?

風委4: そういう報告は受けていません。

若月: ふぅ、良かった。美佑と瑠奈がいないと解決できなかったということは、実力行使で来る敵だったみたいだからな。

桜井: その2人は、夏休みに風紀委員に移った子達だよね?

若月: あぁ。鍛えといて正解だった。

風委5: 正門受付でもトラブル発生です!

若月: クッ、とうとう受付でもトラブルが…

桜井: じゃあ、その2人に行かせたら?ちょうど捕まえたヤツらを外に出さないとだろうし。

若月: そうだな。美佑と瑠奈には、正門受付でのトラブルへの対応ついでに、捕まえたヤツらの追放をするように言って、優太と珠美には、裏門に向かうように言ってくれ。

風委3: はい!

風委2: っと、今、新里君からの情報で、捕らえた人達が顔見知りだったみたいです。

若月: 顔見知りだと?

風委2: はい。新里君が対応していた人達と、松尾ちゃん達が捕まえていた人達が顔を合わせた時に、顔見知りのような反応を取ったとのことです。

若月: …

桜井: 偶然って可能性も考えられるけど、もしそうじゃないとしたら…

若月: …考えたくないな。

桜井: ちゃんと確認するためにも、捕らえることができたヤツらは一度、集めた方が良さそうだね。

若月: あぁ。さっきの美佑と瑠奈、優太と珠美に出した命令は撤回で、美佑は優太と正門のトラブル対処に向かい、瑠奈と珠美は……ここの隣で良いか。ここの隣の部屋に捕まえたヤツらを連れてくるように言ってくれ。

風委3: すぐに連絡します!

若月: うん、頼んだ。

桜井: 裏門はどうする?

若月: 今、待機は何人残ってる?

風委2: 連絡を取れない3人を除き、0です。

若月: そうか…

大園: 空手部、柔道部合わせて15人、追加で動けるそうです。

若月: よし、ソイツらに裏門を任せよう。

桜井: うん。道着を着て立っとけば、威圧感が出て、トラブルを起こそうとする人は出ないでしょ。その分、入ってくる人は減っちゃいそうだけど。

若月: まぁ、それはしょうがない。今は、この大量のトラブルへの対処が最優先だ。

桜井: 分かってるよ。桃子。

大園: はい。すぐに。

若月: さぁ、みんな集中して、乗り越えるよ!

「はい!!」


教室校舎1階

松尾: …じゃ、行こうぜ。

新里: うん。

松尾: さっさと終わらせよう。

新里: そうだね。

林: 新里、美佑のことよろしく!

松尾: 笑、私の方がよろしくする側だろ。

新里: え、そう?

珠美: 優太、頑張って!

新里: そっちもね。

松尾: 瑠奈、私がいない間にヘマするんじゃないよ。

林: 舐めんな笑

松尾: 笑…同士、またね。

蓮加: はい!また!

そうして、松尾は歩き始め、それに気づいた新里も続く。

筒井: あ、もう行っちゃうんだ。

清宮: みんな!…ありがとうございました!

「ありがとうございました!!」

中3組の感謝の言葉を聞き、松尾は後ろ手で手を振り、新里は笑顔でそれに応えながら、正門へ歩いて行った。

清宮: いや〜カッコ良かったな〜悪い奴らも、こうビュンッ!バンッ!って、すぐに倒しちゃったし。

筒井: あっという間だったよね笑

清宮: レイもあんな風になりたいな〜

筒井: 笑、頑張って。

林: お、一緒に訓練してみる?笑

清宮: 訓練があるんですか?!

林: うん。めちゃくちゃキツいけど、強くなれる。

清宮: う〜ん、お願いしたいですけど、まだ受験とか控えてるし…

林: 笑、もちろん乃木高に入ってからの話だからね。

清宮: あぁ!それだったら、申し込みだけしときたいです!絶対に乃木高に入学するので!

林: おっけ〜笑

清宮: あやめんもやる?

筒井: いや、私はいいや。

清宮: そっか〜じゃあ、私が強くなって、あやめんを守る!!

筒井: 笑、ならお願い。

林: (笑、良いコンビじゃん。)

珠美: 蓮加ちゃん、怖かったでしょ。よく頑張ったね。

蓮加: いえ…2人が守ってくれたので、大丈夫でした。

そばにいた鴨田と元気を見ながらそう言う。

珠美: へぇ〜

鴨田: いや、僕は何も…ただ元気の後ろで、眺めることしかできなかったので…

蓮加: でも、良介が蓮加の手を握ってくれて、すごく安心したんだよ。

元気: え、お前、そんなことしてたの?笑

鴨田: あ、あの時は咄嗟に…蓮加さんの手が震えてたから…

元気: ふ〜ん笑

珠美: ほぉ〜

蓮加: 笑、ありがと。助かったよ。

上目遣いでそう言う蓮加。

鴨田: ///ど、どうも…

元気: キョドりすぎ笑

蓮加: ま、今回一番頼もしかったのは、元気だけどね。

清宮: え?そうだったの?

蓮加: うん!

筒井: 私達の前に出て、ビビらずあの男達と面と向かって話してて、凄かったんだ。

鴨田: さすが、元気だ。

清宮: そうだったんだ!元気、すごいね!!

元気: 笑、たまたまだよ。

林: 良い関係性だね〜笑。よし、珠美ちゃん、私達も行こう。

珠美: うん!みんな、気をつけて楽しんで!

清宮: はい!

蓮加: ありがとうございました!珠美さんも、瑠奈さんも、また今度遊びましょう!

珠美: 笑、OK!じゃあね〜

林: もちろん!みんな、バイバイ。

そう言って、珠美と林も捕まえたヤツらを連れて去って行き、中3組だけが残った。

筒井: ってかさ、気になったんだけど、あの先輩方と、蓮加は知り合いなの?

蓮加: うん。男の先輩は初めましてだったけど、他の3人の先輩は、全員お兄ちゃんとお姉ちゃんのお友達なんだ。

筒井: そうだったんだ。

蓮加: それこそ、お化け屋敷行った後に、蓮加が会いたいって言ってた先輩2人は、男達をボコボコにしてた2人だよ。

元気: あぁ、そういえば、そんなこと言ってたね。良かったじゃん、会いたかった先輩に会えて。

蓮加: うん。めっちゃ嬉しかった。

清宮: また会いたいな〜!

元気: 笑、さ、次どうする?

筒井: う〜ん、正直また同じ目に遭いそうで、怖いんだよね。

清宮: だよね〜

鴨田: しばらく、どこかのお店に入っとかない?

蓮加: あ、それ良いかも。

元気: うん、じゃあそうしよう。(なんか周りも騒がしいし…)

清宮: レッツゴー!!

こうして、風紀委員の助けで危機を乗り越えた中3組5人は、再び笑顔で歩き始めたのだった。


to be continued



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