見出し画像

ただ守りたい… 172話

元旦の初詣で、日々の感謝と共に、神様にお願いをした5人。



麻衣: よし、おみくじ引きに行こう。


蓮加: 蓮加は絶対、大吉!


美月: 私も大吉以外引かない…いや、大吉以外が出ないようになってるから。


さくら: どういうこと?


○○: 僕は……まぁ、大吉を引けることを願うよ。



そう話しながら、拝殿のすぐ隣にある、おみくじ所にすぐに移動し、それぞれがおみくじを引こうとする。

まぁ、美月による、蓮加は子供みくじじゃないの?といったイジりもあり、その2人が火花を散らしかけたのだが、再びさくらの一言で沈静化し、大人しく順番におみくじを引いた。



美月: じゃあ、みんな同時に見よう!せーのっ!



その合図で、5人は自分の手にあるおみくじを開く。



麻衣: お、大吉〜


蓮加: 蓮加も!



と、例年大吉を引くという麻衣と、宣言していた蓮加が大吉を引き、喜んでそのくじを皆に見せる。


そんな2人に対し…



さくら: 吉か……まぁ、そんなもんだよね。


美月: 末…吉………



なんとも言えない……いや、大声で大吉を叫んでいた美月は、よりショックを受けているようだが、そんな結果を引いた2人。


そして……



○○: っ……


蓮加: お兄ちゃんは、何を引いたの?


○○: ……


蓮加: 教えてよ!



おみくじの結果を見て、驚く○○は、蓮加にせがまれて、渋々といった感じで、おみくじを見せながら答えた。



○○: …大凶。


蓮加: えっ、あ、その……大丈夫だよ!蓮加の大吉の運勢を分けてあげるから!!


麻衣: 笑、所詮、おみくじなんだから、あんまり気にしなくても良いわよ。


さくら: そうだよ、お兄ちゃん。


美月: うんうん!みんなの言う通り、気にしない、気にしない!



自分の結果よりも、さらに悪かった○○の結果を聞き、落ち込んでいた美月を含め、全員がフォローに入る。



○○: …笑、ありがとう。でも、おみくじで大切なのは、大吉とか凶とかの運勢ももちろんだけど、その内容も大切だからさ。


美月: そ、そうだよね!


麻衣: あとは、あのおみくじがたくさん結んであるところに結べば良いからさ。


○○: うん。で、この内容的には……



気持ちを切り替えた○○は、おみくじの方に目を落とし、他の4人も同じく、おみくじの内容を読む。



麻衣: ふ〜ん……なんか、現状維持が多いわね。あ、でも、探し物は…近くに出づ。なんか探してるものってあったっけ?


さくら: ……あれじゃない?麻衣お姉ちゃんがこの前失くしたって言ってた、ストラップ。


麻衣: あぁ〜〜でも、そんなの見つかるのかな?


さくら: おみくじに書いてあるんだから、近くに見つかるんじゃないの?


麻衣: 笑、かもね。そう言うさくらはどんな感じ?



自分のおみくじを財布の中に入れ、さくらのおみくじの内容を尋ねる。



さくら: 私は……


美月: はっ!!!


さくら: っ……どうしたの?お姉ちゃん。


美月: い、いや、なんでもない……チラッ


○○: …



隣でおみくじを眺める○○に視線を向け、すぐにまたおみくじの方に戻す。



美月: …(恋愛、信じて進むべし……)……よし。



そして、瞳にさらなる炎を宿した。



さくら: ……(恋愛か縁談に、良いことが書かれてたのかな。美月お姉ちゃんは。)


麻衣: 笑(美月、頑張りなさい。)


○○: ……


蓮加: お兄ちゃんはどんな感じ?


○○: ん?まぁ、基本は地道に頑張ってけ、って感じかな。


蓮加: そっか〜


○○: 笑、蓮加こそどうだったの?特に、学業は。


蓮加: ギクッ!



その○○の言葉に、蓮加は大きく体をビクつかせ、瞬時におみくじを握りしめて、ポケットの中に突っ込む。



蓮加: そ、それはもちろん、楽勝で最高の結果が出るでしょう!だったよ!!


○○: ふっ笑、へぇ〜


美月: あらあら、蓮加ちゃん。書かれてあることが悪かったとしても、嘘はついちゃダメだよ〜


蓮加: う、嘘なんか……


麻衣: 蓮加。別に言わなくても良いし、さっきも言ったように、それはあくまでおみくじ。でも、どんなことが書いてあっても、勉強をしない言い訳にはなんないからね。



少しの圧を込めて、麻衣は蓮加に言う。



蓮加: っ……は〜い。


美月: それで、なんて?


蓮加: ………詰め込みを怠ることなし。


さくら: つまり、これから受験まで、勉強を頑張れ、ってことか。蓮加、頑張って。


美月: 頑張れ〜笑


蓮加: …うん。頑張って、お兄ちゃん、お姉ちゃん達と同じ、乃木高に受かる。


○○: 笑、楽しみにしてるよ。


麻衣: さ、おみくじを結ぶ人は結んで、次はお焚き上げだね。○○は結ぶでしょ?


○○: さすがにね笑


麻衣: 他は……美月は…


美月: 結ばない!持っとく!



自身の手にあるおみくじを、大事そうに握る美月。



麻衣: 笑、そう。


○○: なら、パッパと結んでくる。



そう言って○○は、まるで白い花が咲き誇っているかのような結び木に、自分が引いたおみくじ…




「争事、他を巻き込み……」




その先の印字が掠れて読めないような、おみくじを結ぶのだった。





麻衣: 新しい御守りも買うの大変そうだな…


さくら: たくさん並んでるもんね。


麻衣: うん…


美月: ○○は、何の御守りを買うの?


○○: う〜ん、まずは、学業と健康……あとは…


蓮加: 恋愛?笑


○○: 恋愛ね〜〜蓮加は学業は絶対だね笑


蓮加: 分かってるって!



と、授与所の人の多さを見ながら、5人が煙が上がっている焚き上げ所の方に向かっていると……



??1: あれ、まいやん?


麻衣: ん?……って、真夏じゃん!久しぶり!


真夏: 奇遇だね笑



そう仲良さそうに挨拶をした麻衣と、真夏と呼ばれた女性が手を合わせ、その女性の後ろから、もう1人、顔を出す。



??2: まいやん…というと……笑、やっぱりか。あけましておめでとうございます、○○君、白石さん。



そして、麻衣の後ろにいた○○とさくらを見て、挨拶をした。



○○: あ!冬馬先輩!


さくら: 委員長!…あけましておめでとうございます。


冬馬: 笑、今年もよろしくね。


○○: は、はい、お願いします。


さくら: お願いします。



2人は驚きながらも、頭を下げる。



美月: 委員長?


蓮加: お姉ちゃん。その人、誰?



男の方の正体に勘づいた美月と違い、全く2人のことが分からない蓮加はまず、女性と笑顔で向き合っている麻衣に尋ねる。



麻衣: あぁ、えっと、この人は……


真夏: まいやんと同級生で、乃木女子大の2年生。あと、まいやんが生徒会長の時に、庶務をやってた"秋元真夏"だよ〜


麻衣: だって笑


蓮加: お姉ちゃんのお友達?


麻衣: それは…


真夏: もちろん、大親友!!


蓮加: そ、そうですか笑…


美月: へぇ〜秋元真夏さん……それと、そっちの方は…


冬馬: そっか。話は聞く機会があったけど、実際に話すのは初めてだったね笑。学習委員長の秋元冬馬です。


美月: おぉ……あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。


冬馬: うん笑。こちらこそ、よろしくお願いします。


○○: なるほど……冬馬さんのお姉さんは、麻衣姉さんの友達で、元生徒会庶務だったんですね。


冬馬: そうなるね笑。何かしらの縁を感じるよ。姉同士は親友みたいで、僕と○○君も仲が良く、白石さん……いや、ここではさくらさんの方が良いか。さくらさんとは委員会でよく話す。


○○: 笑、ほんとですね。


さくら: 驚きです。


真夏: そりゃ縁ありまくりだよ!私とまいやんがこんなに仲良いんだから!


麻衣: ちょっ、真夏はテンション高すぎ笑



という会話をしているのを、じっと見ていた美月と蓮加。



美月: ねぇ、蓮加。お焚き上げの所に行こうか。


蓮加: だね笑。お姉ちゃん、古い御守りちょうだい!


麻衣: え?


美月: 私達がお焚き上げには行ってくるから、みんなは話しててよ。


麻衣: …笑、頼んだよ。


美月: 任せといて!さ、行くよ、蓮加。


蓮加: うん!



家で集めた古い御守りを入れた袋を、麻衣から受け取った2人は、炊き上げ所の方に向かった。



真夏: ありゃ…なんか、ごめんね。


麻衣: いや、別に良いのよ笑


○○: ま、美月がついてるなら……いや、逆か?蓮加がついてるなら…


さくら 流石に大丈夫だって笑


○○: だ、だよね笑


冬馬: 笑、シスコンだね、○○君は。


○○: え、そうですか?


冬馬: うん笑。少なくとも僕は、シスコンだと思うけど?



眼鏡を押し上げながら、さくらの方を見る。



さくら: 同感です。


○○: さくらまで……そうか…僕はシスコンなのか…


冬馬: 笑、とうとう自覚したって感じだね。


○○: はい……


冬馬: 直していく?


○○: …いえ、僕はこのままでいきます。別に直す必要もないと思うんで。


冬馬: そう笑


○○: ところで、冬馬先輩の方は、受験大丈夫そうですか?


冬馬: う〜ん、そうだね〜



肘を片手で支え、顎に手を当てる冬馬。



さくら: いや、お兄ちゃん。委員長なら何の問題もないでしょ。


○○: 笑、確かに。なんたって、学習委員長なんですもんね。しかも、聞くところによると、模試の成績では3年生のトップ3には入ってるみたいですし。



前に桜井から聞いていたことを思い出した○○は、そう言う。



冬馬: まぁ、ここは謙遜する必要もないし…○○君の言う通り、僕は直近の模試でも校内2位を取ってる。ちなみに、1位は山崎さんね。また勝てなかったよ。


○○: そうですか…


さくら: 放送委員長…だっけ?


○○: うん。山崎怜奈さん。でも、校内2位だなんて、やっぱ冬馬先輩、凄いですね。


冬馬: ほんとに思ってる?笑


○○: もちろん思ってますよ。それに全国順位だと…


冬馬: 2桁には入ってる…かな笑


○○: ほら笑


さくら: 全国で2桁……やばっ…



その冬馬の言葉に、○○は笑い、さくらは驚く。



冬馬: ありがと笑。で、僕が言いたいのはね。たとえ、こんな僕でも、受験が大丈夫、問題なしってことはないんだよ。本番で何が起こるか分からないし、試験の難易度も、年によって変わるからさ。



2人の目を見ながら続ける。



冬馬: だから、○○君は来年。さくらさんは2年後。中学、高校受験もそうだったと思うけど、大学受験も、最後まで気を抜かないようにね。完全に受験が終わるまでは、何事にも全力で取り組むこと。


○○: はい!


さくら: 分かりました。


冬馬: 笑、先輩からの大事なアドバイス。先取りにはなるけど、僕も受験とその後の大学生活も頑張るから、2人もこれからの乃木高生活を、楽しみながら頑張るんだよ。


さくら: 頑張ります。


冬馬: 笑、代替わりした後の学習委員会も、2年生になったさくらさんに支えて欲しいな〜なんて。


さくら: もちろんです。学習委員は楽しいし、やり甲斐があるので。


冬馬: それは良かった。委員長として、1年頑張った甲斐があったよ笑。あと、○○君は……


○○: ん?


冬馬: 笑、これからも色々と仕事を任されることがあると思うから…


○○: ちょっ、新年早々、そんなこと言わないでくださいよ笑


冬馬: 別に僕が言わなくても、そうなると思うけど笑。実際、もう既に何人かは…


○○: え?


冬馬: ま、頑張って。


ポン



笑顔で○○の肩に手を置く冬馬。



○○: こっわぁ……


さくら: 笑、お兄ちゃん、頑張って。


○○: ……はぁ………


冬馬: 笑



と、高校生の3年が話す一方で、大学生の2人も会話を弾ませていた…?



麻衣: 良いね。そのカフェ、今度一緒に行こ。


真夏: うん!……ってかさ、まいやん。


麻衣: ん?


真夏: …アイツのこと、なんか進展あった?



少し聞きづらそうにしながらも、真夏は麻衣にそう尋ねる。



麻衣: ……あるわけないじゃない。未だに連絡も取れないんだから。


真夏: だよね……ごめん。


麻衣: いや………前にも言ったと思うけど、アイツを見つけたら…


真夏: 分かってる。すぐに伝えるから。


麻衣: 頼んだよ………ほんとに…


真夏: っ!!


○○: えっ…


冬馬: っ!!!


さくら: な…に?



強烈なプレッシャーが麻衣から放たれ、近くにいた○○達は驚く。



麻衣: アイツだけは逃がさないから。


真夏: う、うん……分かったから、まいやん落ち着いて。みんなが驚いてる。


麻衣: あっ、ご、ごめん。



真夏が言葉をかけたことで、麻衣から発せられていたプレッシャーが霧散した。



○○: えっと……大丈夫なんだよね?


麻衣: うん。なんでもないよ。


○○: そう……


さくら: びっくりしたぁ……


冬馬: ね笑。正直、漏らすかと思った。


真夏: はぁ……相変わらず、アイツのこととなると、すぐに感情を抑えきれなくなるんだから。


麻衣: だね。気をつけないと…


真夏: そうだよ笑。まいやんの威圧は強すぎるんだからさ。


麻衣: 威圧って笑


真夏: 怒気って言った方が正しいかな?私としては、久しぶりに受けたから、すごい懐かしい感じがして、嬉しいんだけど笑


麻衣: 何それ笑



そう言って、麻衣と真夏に笑顔が戻ったところで…



美月: お焚き上げ終わったよ〜


蓮加: 燃えるの凄かった!



炊き上げ所で、古い御守りを燃やしてきた美月と蓮加が、皆の所に戻ってくる。



麻衣: あ、2人とも。お帰り。ありがとね。


美月: いえいえ笑


蓮加: お兄ちゃ〜ん!ちゃんとお焚き上げやってきたよ〜!


ギュッ


○○: おっと……いきなり、背中から抱き着くのは危ないでしょ笑


蓮加: ごめんごめん笑


美月: あ!蓮加ズルい!!○○〜!私も褒めて〜!!



それと同時に2人ともが、○○の所に行き、褒めの言葉を求めた。



冬馬: 笑、○○君だけがシスコンなわけじゃないんだ。


さくら: そうですね。


冬馬: さくらさんは?笑


さくら: 私は別に……


冬馬: ……笑、羨ましいって顔をしてるけどな〜〜まぁ、良いか。姉さん。



イチャイチャし始めた○○、美月、蓮加の3人を眺めるさくらから離れた冬馬は、真夏に声をかける。



真夏: うん?なに?


冬馬: そろそろ行こう。邪魔しちゃ悪いよ笑


真夏: え?……あぁ…そうだね笑



同じように、3人の様子を確認した真夏は、冬馬の言葉に賛成し、麻衣に背中を向ける。



真夏: ってことだから、私達はもう行くね。


麻衣: うん笑。久しぶりに会えて嬉しかったよ。またすぐにでも会おうね。


真夏: もちろん笑。みんなもバイバイ。


冬馬: じゃあね。


さくら: はい、さようなら。


○○: ちょっ、美月。頭を押し付けるなって。あ、また!冬馬先輩は受験、頑張ってください!


美月: 頑張ってください!…おりゃぁ〜褒めろぉ〜


蓮加: さようなら!!…お兄ちゃ〜ん!



そうして、美月と蓮加に甘えられる○○を、内心で応援しながら、秋元姉弟は去って行き、麻衣の一喝で大人しくなった2人と共に、御守りを買い、○○達5人は家へと帰るのであった。





○○の家



麻衣: 買った御守りは、できるだけ身につけるのよ〜



家に帰ってきて、リビングのテーブルの上に、買ってきた御守りが入った袋を置いた麻衣は、ソファの上でくつろぎ始めた美月と蓮加、そして椅子に座った○○とさくらそう言う。



美月: 分かってるって!1つはカバンにつけて、もう1つは……


蓮加: 蓮加もカバンかな。


○○: じゃあ、早速つけてきたら?


美月: それもそうだね。レッツゴー!!


蓮加:ゴー!!



ドタバタ



○○の言葉に従って、テーブルの上から自分の御守りを手に取った2人は、音を鳴らしながら自分の部屋に向かった。



麻衣: 笑、テンション高いな。


さくら: 初詣に行く時からだよ笑


麻衣: さくらは付けに行かないの?○○もだけど。


さくら: うん。後でで良い。


○○: 僕も。


麻衣: ふ〜ん。



と、残った御守りをそれぞれに分けながら、麻衣も椅子に座ったところで…


ピンポーン


インターホンが鳴る。



麻衣: ん?なんだろう。



不思議に思いながらも、麻衣はインターホンの所に向かう。


ピ



麻衣: はーい。


「宅配便です。」


麻衣: はーい。



ピ



麻衣: 宅配便……なんか頼んだっけ?


○○: ……あ、麻衣姉さん。僕が出るよ。


麻衣: え?別に良いけど……○○が頼んだやつ?


○○: う、うん。そうそう。僕が頼んだやつ。


麻衣: へぇ〜



慌ててそう言い出した○○は、麻衣の納得したような視線と、さくらの変に思っているような視線を受けながら、リビングの扉を開け、玄関に向かう。



ガチャ



○○: おはようございます。


森田: あ、おはようございます。


東口: おはようございまーす。


○○: ……外出ますね。



そう言って、○○は廊下をチラッと確認した後、玄関の扉を閉めた。



○○: 改めて、森田さん、東口さん。あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。


森田: はい、よろしくお願いします。


東口: お願いします!



○○は、配達員兼護衛である森田と東口に、新年の挨拶をする。



森田: いや〜今年もなんか、御家族と仲良い一年になりそうですね笑。初詣の様子を見てると。


○○: 笑、ですね。お2人も参拝したんですか?


森田: いやいや、我々はしないですよ。


東口: 神頼みなんかせずに、自分の力で行きたいっすから笑


○○: おぉ、カッコいいですね笑。それで、こんな元旦からどうされたんですか?



年が明けてすぐから、配達員の格好をしている2人を見て、○○は少し申し訳なく思いながらそう尋ねる。



森田: どうされたも何も、そりゃあ荷物のお届けですよ笑


○○: その箱ですか?


東口: はい、この箱のお届けです。



両手で大事そうに抱えている木箱を、東口は○○の方に差し出す。



○○: これって……


森田: 団長と奥様からのお届けものです。


○○: っ!マジですか…


森田: はい。家族みんなで食べるように、とのことです。


○○: 食べる……元旦にこの形状…ってことは…


森田: ま、後は家の中で笑。それでは、我々はこの辺で失礼しますね。


○○: はい、ありがとうございました。



こうして、森田と東口は一礼をして、庭の門から出て行き、○○は統とかおりからの届け物だという木の箱を抱えて、家の中に戻るのであった。




to be continued

いいなと思ったら応援しよう!