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ただ守りたい… 154話
16時25分
生徒会室前の廊下
宮瀬: ……
いや、話を聞くだけな。
さすがに、生徒会長からの話を無視するとかは、アレだから、話を聞くだけ聞きに行ってやるってだけだ。
という屁理屈を心の中で並べながら、灰崎に煽られて、行くと宣言した以上、行かなければならないと考えている宮瀬は、しっかりと5分前に、生徒会室の前に到着した。
??1: あれ、君も呼ばれたの?って、どこかで見た覚えが……
??2: 先輩。この人は、生徒会長に立候補してた人です。
??1: あぁ〜道理で、見覚えがあるわけだ。
宮瀬: ……
と、到着するや否や、扉の前に立っていた女子生徒2人に話しかけられ、宮瀬はその2人を若干睨みつけながら、考える。
この背高い方は、見たことあるな……同じ1年か。
で、そいつに先輩って呼ばれてたってことは、この小さいたぬき顔の人は、2年か3年。
そして、たぬき顔の先輩は、俺に対して、君も呼ばれたの?って聞いてきたことから、この2人も灰崎…いや、生徒会役員の誰かにここに来るように呼ばれたに違いない。
うん、絶対にそうだろう。
ってか、ここまで考えつく俺って、やっぱ天才だ。
宮瀬: 笑
??1: え、なんで急に笑顔に?
??2: なんででしょうね。
??1: …ねぇねぇ、君。なんで笑ったの?
宮瀬: っ……特に理由はないです。
??1: ふ〜ん。
??2: 笑……あ、先輩。30分になったので、入りましょ。
??1: え、ほんとだ。じゃ、一緒に入ろう。君もね。
宮瀬: ……
おそらく、この先輩よりも優秀に違いない俺が、この先輩の言うことに従うのは癪だが、仕方ない。
この先輩の方が扉に近いし、何より先輩は立ててやらなければならないからな。
そう考えた宮瀬は、先輩であろう人の後ろ、同級生であろう人の斜め前に入り込む。
??2: ん?
??1: さ、行くよ〜
コンコンコン
「どうぞ。」
??1: ………よし。
扉の向こうから返事が聞こえ、??1は後ろに立つ2人に、準備は良いか?というような視線を送り、2人ともが問題ないような表情をしているのを確認して、扉を開いた。
ガチャ
??1: 失礼しま〜す。
??2: 失礼します。
宮瀬: ……失礼します。
それぞれ違う心持ちで、部屋に入った3人を、新生徒会役員7人が、自分の席に座って迎えた。
その役員達の表情は、貫禄の中に適度な余裕を感じられるようなものであった。
宮瀬: っ!……
な、なんていう仕事ができる大人って感じのオーラ……
信じたくないが、この人達は全員、俺よりも優秀…かも……
と、内心でビビっている宮瀬と、その隣に並ぶ2人の顔を見た後に、中央の、唯一文字が見える状態で、生徒会長という席札が置かれた席に座る、久保が笑みを残したまま、口を開く。
久保: …来てくれてありがとう、3人とも。早速なんだけど、自己紹介をしてもらっていいかな?
宮瀬: ……
は、はぁ?
そっちから呼び出しておいて、自己紹介を俺にさせるだと?
ふざけんな!
??1: じゃあ、私から。2年4組、ロボット研究部部長の"佐藤璃果"。
え、ロボ研の部長だと?
この先輩が?
うちのロボ研といえば、全国大会でも好成績を残す強豪中の強豪って聞いた……まさか、その部長だなんて……
久保: 部活で忙しいだろうに、来てもらってごめんね。
璃果: いや、文化祭も終わって、大会も終わって、そんなに急ぎでやることはないから、大丈夫だよ。
久保: ありがと。次は……
宮瀬: ……
??2: チラッ……私ですね笑。私は、1年1組の賀喜遥香です!部活はイラスト部です!
賀喜遥香?
聞いたことないな。
ってことは、普通の生徒と変わりないか。
久保: こうやって、話すのは1ヶ月ぶりぐらいかな?
賀喜: ですね。久保先輩…いや、会長って言った方が良いですか笑。会長が、選挙活動で忙しくなってからは、一緒に昼食を食べてませんから。
久保: いや、久保先輩で呼んでよ笑。なんなら、下の名前でも良いよ。
賀喜: え〜どうしましょうかね〜
久保: 笑、いつか呼んでくれる日を待っとくね。じゃ、最後に……
笑顔の賀喜から、真顔を保っているものの、少し不機嫌な様子を隠しきれていない宮瀬に、久保は視線を移す。
宮瀬: …1年2組、宮瀬利空。部活は入ってないです。
表情を変えることなく、宮瀬は前の2人に習って、名前と部活だけを淡々と答えた。
久保: 宮瀬君は、選挙活動の時に、何回か隣になったことがあるよね?
宮瀬: ……覚えてないです。
んなわけないだろ。
めちゃくちゃ覚えてるよ。
通る人みんなが、俺の演説よりもアンタの演説に意識を傾けてんだもん。
ったく、今思い出しても、悔しい。
久保: そっか。あの時は、みんな自分の活動に集中してたもんね。
宮瀬: ……はい。
久保: …笑、よし、自己紹介も終わったことだし、本題に入ろうかな。
そう言って、久保は席を立ち上がり…
久保: 今日、私達があなた達をここに呼び出したのは、あなた達に、生徒会役員になってもらいたいからなの。
3人の目を順々にしっかりと見ながら、言葉を伝える。
璃果: え、マジ?
賀喜: ほんとですか?!
宮瀬: は?
すると、3人はそれぞれの反応を見せた。
璃果は、驚いた後すぐに何かを考えるような表情となり、賀喜は嬉しそうに驚く。
そして宮瀬は、驚きと共に苛立ちの雰囲気が強まった。
マジで舐めんのも大概にしろよ。
自分が選挙で勝ったからって、負けた俺に情けをかけてるつもりか?!
誰が役員になってやるかっての。
久保: …詳しく言っていくと、佐藤璃果ちゃんには、この横で寝て…寝て?!美月、起こして!
美月: 笑、うん。ほら、祐希、起きて。
ユサユサ
祐希: ん、う〜ん……起きた、起きたから〜
宮瀬: …
うん、俺は絶対にこの人よりは優秀だわ。
これは確実に言える。
久保: ほんとごめんね。その、佐藤璃果ちゃんには、この西野祐希と一緒に、会計をやってもらいたいの。
祐希: やっほ〜
璃果: 笑、やっほ〜
久保: 部活との兼ね合いもあると思うから、返事は後日で良いよ。
璃果: OK。部員達と話し合ってから……多分、明日の朝には返事ができると思う。
久保: よろしく。そして、かっきーには、こっちの、元生徒会書記の田村真佑と一緒に、書記をやってもらいたいんだ。
田村: 田村真佑です!!
賀喜: 笑、よろしくお願いします!
久保: ん?それは、書記をやってくれるってこと?
賀喜: はい!やりたいです!
久保: そ、そっか、ありがとう。これからよろしくね。
賀喜: はい!(ここにいるってことは、美月先輩も生徒会役員になったんだろうから、やらない手はない!)
田村: やった〜!!
美月: 笑
宮瀬: …
この賀喜遥香ってやつ、この誘いに即答とか、頭お花畑かよ。
役員になるってことは、責任も生じるし、時間の束縛もあるんだから、せめてもう少し考えてから答えろよ。
あと、この田村っていう先輩は、バカそうだな。
あの西野っていう先輩と、この先輩より、俺は優秀に違いない。
こう思いながら、前にいる生徒会役員を眺めていた宮瀬を、笑みを浮かべながら久保は見る。
久保: 宮瀬利空君には、元生徒会庶務の大園桃子と一緒に、庶務をやって欲しいんだ。
大園: 大園桃子です。
宮瀬: ……
さて、どう断ってやろうか。
理想としては、俺の方が優秀だということを示しながら、確実に断ってやりたい。
となると、まずは……
宮瀬: なぜ、俺なんですか?
頭の中で、これからの流れを思い描きながら、宮瀬は質問を投げかける。
久保: あ、えっと……それは、宮瀬君を庶務に推薦した、議長の灰崎謙心に答えてもらうね。謙心君、お願い。
灰崎: はい。
宮瀬: っ…
え、灰崎先輩が俺を?
余計、なんでだ?
灰崎: 宮瀬君を庶務に推薦した理由はね、君のその優秀さと強い向上心が、生徒会に欲しいと思ったからだよ。
宮瀬: …ニヤッ……っ!!……
優秀さという言葉に、宮瀬は思わず口角が上がってしまったが、それに気づいた瞬間に急いで無表情に戻す。
灰崎: 笑、それに、君は1番優秀でないといけないって思ってるんだよね?
宮瀬: …はい。
灰崎: でも、君の考えとしては、この学校で1番優秀なのは、生徒会長…つまり、ここにいる久保史緒里生徒会長なわけだ。
宮瀬: ……
灰崎: なら、もうこの時点で、少なくとも君は、1番優秀ではない。そして、何を基準にして考えるかにもよるけど、総合力として、1年生だけで見れば、確かに君はかなり優秀なのかもしれないけど、学校全体で見れば……トップ20にも入ってないね笑
宮瀬: なっ……
久保: ちょっ、謙心君?
灰崎: ニコッ
思ってもみない、宮瀬を煽るような灰崎の言葉に、久保や、大園以外の他の役員も、驚いた表情を浮かべて、灰崎を見るが、灰崎はそれを表情で黙らせ、言葉を続ける。
灰崎: まぁ、これはあくまで現時点での話で、今の君のように、これからも学力を伸ばしていけば……トップ3には食い込めるかな。あ、このトップ3っていうのは、君達1年生が、3年生になった時の話ね。
宮瀬: ふ、ふざけんなよ。
灰崎: いや、全然ふざけてない。僕は真面目に言ってる。たとえ、君が学校で1番の成績を取り続けて、いつか全国模試で1番を取ったとしても、総合力という点で見れば、隣に立ってる賀喜さんには劣ってるはずだ。
宮瀬: はぁ?
賀喜: え、わ、私?!
宮瀬: んなわけないだろ、コイツなんかに俺が劣ってるわけがない。今も、未来でも。
灰崎: 笑、今もギリギリ賀喜さんの方が優秀なんじゃないかな。
宮瀬: それはない!
灰崎: ま、今、その議論は必要ないから置いておくけど、どちらにしろ、今のままでは、君はこの学校で1番優秀にはなれない。
宮瀬: …なんでそんなことが断言できるんだ?ただのアンタの推測……いや、妄想でしかないだろ!
灰崎: 笑、妄想ね。君自身がそう言っているようなものなのに?
宮瀬: は?
灰崎: だって、君は、この学校で1番優秀だからって理由で、生徒会長を目指したんだろう?ってことは、君が自身のことを1番優秀だと思うため、周りに証明するためには、来年、再び生徒会選挙に出て、生徒会長にならないといけないわけじゃん。でも、このままで勝ち目があると思ってるの?
宮瀬: っ!!…そ、それは!
灰崎: 来年、誰が他に立候補してくるかは、分からないけど、このまま行ったら、君は確実に今年のような惨敗に終わるよ。得票数…
大園: 謙心君、それはダメです。
灰崎: あ、ごめん。得票数は当選者以外の立候補者に、言っちゃダメな決まりだったね笑
宮瀬: ……
クソっ、惨敗って…
そんなに得票数が少なかったのかよ!
灰崎: とにかく、君は絶対に生徒会長にはなれず、名実共に、この学校で1番優秀にはなれない。君もここまで丁寧に説明されたら分かったでしょ?このままじゃダメだって。
宮瀬: …何が言いたいんだよ……アンタは何が言いたいんだ!
心の奥底で思っていたことを突かれ、宮瀬は怒りのままに、灰崎に言葉をぶつける。
灰崎: ……
それを受けて、灰崎は真顔でこう言った。
灰崎: 生徒会役員になって仕事をしろ。その中で、1番の優秀さを、生徒会長を、目指す自分に何が足りないのか。そして、生徒達が、生徒会長に求めているものを探せ。
宮瀬: っ……
灰崎: 笑、何気に臆病な君には無理かな?
様々な感情や言葉、考えが入り交じると共に、怒りで半興奮状態にあった宮瀬は、灰崎の最後のひと押しとも言える煽りを受けて、再び口を開き…
宮瀬: …やってやるよボソッ……
灰崎: ん?聞こえないな笑
宮瀬: やってやるって言ってんだ!俺が生徒会の庶務をやってやる!!
と、生徒会役員全員の前で、そう宣言した。
灰崎: おぉ、それは良かった。じゃあ、また明日の朝に、ここに来てね。業務の説明はそこでするから。ってことで、今日は帰っていいよ。
宣言を聞き、笑顔になった灰崎は、未だに冷静さを取り戻していない宮瀬に、早口で説明を終え、退室を促す。
宮瀬: …
灰崎: 返事は?
宮瀬: …はい!!
ガチャ!!
灰崎: なんて言うの?
宮瀬: っ…失礼しました!!
バタンッ!!
こうして、宮瀬は生徒会庶務となって、生徒会室を力強く出て行った。
久保: ……
美月: ……
璃果: ……
賀喜: ……
灰崎: ふぅ……あ、ごめんね。さ、史緒里さん、続けて笑
久保: いや、続けられるか!
何事も無かったかのように、話を続けるように言う灰崎に、久保は全身からツッコミを入れる。
早川: さすがの私も、もう我慢できひんわ!なんでやねん!!
そして、関西人である早川も、続いてツッコミを入れた。
田村: はっ!!私も!なんでやねん!!
さらに、面白がった田村と……
祐希: …なんでやねん……zzzz
寝ている祐希も寝言でツッコんだ。
灰崎: え、そんなに?
久保: こんな空気感の中で、続けられるわけないじゃん。
灰崎: いや、それこそ、会長の腕の見せ所ってものじゃない?笑
久保: うっわ、そんなこと言うんだ。
早川: かぁ〜謙心君は、優男やと思ってたけど、意外とSなんやな。
田村: ?……あ!磁石、磁石…
大園: まゆちゃん。別に、磁石のN極を謙心君に近づけても、くっつきませんよ。
田村: え!そうなの?!
美月: 笑、やっぱ、謙心君も中々に変人なんだね。
灰崎: そうかな〜
祐希: ……ズレてる…zzzz
灰崎: ほんと?笑
久保: 全く……
と、生徒会役員達が盛り上がっていると、前に立っていた璃果と賀喜も吹き出して、笑い始めた。
璃果: プフッ、みんな面白いね笑
賀喜: 皆さんで、コントでもやってるんですか?笑
美月: お、私達、コントの才能ありそう?
賀喜: はい!あります!!
美月: そっか〜、かっきーのお墨付きなら、コントの路線で頑張っちゃおうかな笑
賀喜: 応援します!!
久保: いや、応援しないで。美月はコントの前に、副会長としての仕事を全うして。
賀喜: え?!美月先輩、副会長になったんですか?!!
美月: フフフフフ笑、バレてしまっては仕方がないな〜〜そう、私は、この度、生徒会副会長になったのだ!!
賀喜: おぉ〜!おめでとうございます!!!美月先輩!
美月: ありがとう、かっきー。
賀喜: ほんと、さすがです!美月先輩!
早川: よっ!美人さん!
田村: はっ!…よっ!天才!
賀喜: よっ!大好きです!!
美月: はーはっはっはっは!笑
久保: ちょっ、みんなして美月をおだてないで!あと、賀喜ちゃんは、途中で愛を伝えない!!って、謙心君もツッコミ手伝ってよ!
灰崎: いや、なんか僕はそっちの役回りじゃなくなったみたいだし笑
久保: くっ……じゃあ、桃ちゃん!
助けを求める目で、大園がいる方向を見ると…
大園: えっと、できれば、今のうちに部員の皆さんと連絡をとっていただきたいんですが…
璃果: 分かった。って、敬語はやめてよ。友達じゃん。
大園: ともっ……うん。
璃果: 笑、よし。
周りを気にせず、仕事をしつつ、新たな友達を作っていた。
久保: おぉ……さすが仕事人……
美月: さぁ、みんな!もっともっと、私を褒めて!!
賀喜: よっ!女神様!
早川: よっ!天狗!
田村: よっ!…えっと……あ、ユニコーン!!
久保: いや、最後のは絶対に違うだろ!あと、聖来ちゃんのはギリ悪口!!
早川: 笑、史緒里ちゃん、ツッコミ役として完璧やな!
久保: マジでキツいんですけど……
璃果: あ、大丈夫だって。
大園: ほんと?
璃果: うん。ただ、大会の準備期間とか、ロボ研の方が忙しくなる時は、あんまり仕事ができなくなるけど、それでも良い?
大園: うん。そこは、他の役員がサポートすれば良いし、それにもう1人、会計はいるから。
璃果: もう1人の会計ね〜チラッ
祐希: ムニャムニヤ…zzz
璃果: 笑、可愛い相棒だこと。
大園: あの、仕事中に祐希ちゃんが寝てたら、叩き起すっていうのも、できればやって欲しいかな。
璃果: OK、任せといて。お尻を叩いて起こしてあげるから!
大園: お、お尻?!
璃果: うん!
大園: へ、へぇ……って、史緒里ちゃん。
久保: はい、美月!天狗とピノキオがごっちゃになってる!かっきーはおだて過ぎ!聖来ちゃんはまゆたんに嘘を吹き込まない!まゆたんは……ツチノコは机の下にはいない!
大園: …ふぅ……
トントン
大園: しお…
久保: 豚じゃない!
大園: え?
久保: あ、桃ちゃん、ごめん。
大園: いや、良いんだけどさ。あの、佐藤璃果ちゃんが、会計やってくれるって。
久保: え、ほんと?
璃果: うん!やるよ!
久保: っ!はい!!みんな聞いて!!
瞬時に、プレッシャーを周囲に放ち、荒れていた場を整える。
美月: 笑、はーい。
賀喜: うわっ、なんだこれ!
早川: おぉ笑
田村: ひいっ!まだツチノコ、見つけられてないのに〜
灰崎: 笑、いないから。
祐希: zzzz
久保: ただ今、この佐藤璃果ちゃんも、生徒会役員に入ることになりました!みんな拍手!
美月: お〜
早川: マジか!笑
田村: やった〜!!
パチパチパチパチパチ
璃果: 笑、みんな、よろしくね〜
久保: ということで、改めて、新生徒会始動!みたいな挨拶は明日するので、今日は解散!お疲れ様!!
という慌ただしい感じで、新生徒会役員10人が決定し、久保の最強の生徒会に向けて、また1つ駒が進められたのだった。
その日の夜
○○の家
麻衣: どうしたの?いきなり話って。
さくら: ……もしかして、何かやらかした?
蓮加: え、そうなの?お姉ちゃん!!
○○: 笑、何したの?
美月: ちょっと、そんなんじゃないから笑。さくら、悪いよ。
さくら: 笑、ごめん。
麻衣: それで、何?
美月: フッフッフ笑、なんとですね。この度、私……
蓮加: 私?
美月: 乃木坂高校生徒会副会長に就任いたしました!!
麻衣: おぉ!おめでとう!
蓮加: え?ほんと?!
美月: うん、ほんと!
蓮加: すごいじゃん!!おめでとう!
さくら: おめでと〜
美月: いえいえ、それほどでも〜
○○: 笑、おめでと。しっかりと、史緒里を支えてあげてね。
美月: うん、もちろん。って、なんでそこで史緒里なの?!
○○: え?
蓮加: うわぁ…
さくら: …めんどくさ。
麻衣: まぁまぁ笑
美月: 私が目の前にいるのに!私のおめでたい発表なのに!他の女の名前を出すなんて〜
ポコスカポコスカ
○○: ちょっ、ごめんって。やめてよ笑
美月: この〜
ポコスカポコスカ
と、美月の副会長就任で、いつも通りの楽しい時間が流れていた一方で……
宮瀬の家の自室
宮瀬: いや、なんで俺はあそこで宣言してしまったんだぁぁああ!!!!
自分の過去の発言に、宮瀬は1人、布団にくるまって嘆いていたのだった。
to be continued