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ただ守りたい… 4話
翌朝
麻衣: ふぁ〜あ…
早めに起きて、自室から出た麻衣は、目を擦りながら、リビングに向かう。
麻衣: おはよ〜…って私が1番か。昨日は○○が晩ご飯を作ってくれたし、朝ご飯は私が作ろうかな。
そう言って、キッチンに立った麻衣が、朝食を作っていると…
ガチャ
さくら: おはよ〜
扉を開けたさくらが、小さな声で挨拶をする。
麻衣: さくらおはよ。もうすぐで朝ご飯できるから、先に顔洗っておいで。
さくら: はーい…
まだ眠そうなさくらは、トボトボと、洗面台の方に歩いていった。
麻衣: さくらが2番乗りだったか。相変わらず美月と蓮加は朝に弱いみたいね笑。まだ降りてこない○○も、朝には弱いのかしら。
少しして、麻衣が朝食を作り終わったのと同じぐらいのタイミングで、さくらがリビングに戻ってきた。
麻衣: ナイスタイミングね、さくら。朝ご飯できたから、先食べてよっか。まだ学校行く時間まで余裕あるし、美月達と○○はまだ寝かせてあげましょ。
さくら: 分かった、食べる。
麻衣: どう?1日ここで暮らしてみて。○○と仲良くなれそう?
さくら: う~ん、○○君と話すと緊張しちゃうんだよね、まだ。
麻衣: そっか……学校でも、ちゃんと友達作るんだよ。さくらは人見知りだから、大変かもだけど。
さくら: うん。さく頑張る。
麻衣: 笑
そうして、朝食を食べつつ、2人が談笑していると…
家が揺れた。
日奈子: ○○ー!!!!!私が来たぞー!!!!!!学校行こーーー!!!!!!!!
麻衣: キャッ!!なに?
さくら: !!!
いきなりの声に2人は驚き、耳を塞ぐ。
美月: う、うん?…
蓮加: なに?朝から…
○○: …
家中に響いた声に、美月と蓮加は目を覚ましたが、○○は朝からの大声に慣れているせいか、目を覚まさない。
日奈子: うーん、まだ起きてないのか。しょうがないな〜部屋に起こしに行こう!!
そう言って、日奈子は玄関の鍵を開ける。
ガチャ
麻衣: え、嘘でしょ.…鍵は閉まってたはずなのに…
さくら: お姉ちゃん…怖い……
麻衣: 大丈夫だからね。
家族を守ろうと、麻衣は玄関の方に向かう。
日奈子: ん?靴が1つ2つ…5つ?誰か来てるのかな。でも○○の家に来るような友達は、私達だけのはずなんだけど……まさか泥棒?
お馬鹿な日奈子は、泥棒が人の家に入る時にわざわざ靴を脱ぎ揃えないだろうことや、どう見ても女物の靴であることに、気づかない。
日奈子は勘違いしたまま、拳を握り、リビングの方へと向かい…
扉から出てきた麻衣と目が合う。
麻衣 日奈子: 誰!!!
日奈子: ○○の家を狙うなんて!この泥棒め!!!
麻衣: な、なにを言ってるの?!あなたこそ誰よ!!
対面した2人は、そう言い合う。
美月: ちょっと朝から何事?
蓮加: うるさいんだけど…
ちょうどその時、美月と蓮加がリビングに降りてきた。
さくら: なんか知らない人が大声あげて、家に入ってきたの…
美月: え?
蓮加: …
美月: で、それは誰なの?
さくら: ほら、あそこにいる女の子!…女の子?
麻衣: …女の子?
日奈子: ○○は私が守る!!!グルルルル
麻衣達が、玄関から入ってきた人物が、制服を着た女の子であることに、戸惑いと安心を感じている一方で、日奈子は威嚇する。
美月: ちょ、ちょっと待ってよ。一旦落ち着いて。
慌てて、美月も日奈子に駆け寄る。
麻衣: そうだね、なんか私の勘違いっぽいし。
日奈子: グルルルル
さくら: あの子怖い…
麻衣: 多分○○の知り合いみたいだから……さくら、○○を起こしてきて!
さくら: うん…急ぐね。
日奈子: 1人だけじゃないとは……全員まとめて、警察に突き出してやる!!
麻衣: いや、私達は別に泥棒じゃないからね!○○の新しい家族よ!
日奈子: 新しい家族だ?泥棒な上に、嘘つきとは!!困ったものだ!!!
その後、麻衣が何を言っても日奈子は信じず、威嚇を続けるのだった。
○○の部屋の前
さくら: ふぅ…緊張するな……
扉の前で、深呼吸をするさくら。
さくら: よし!行こう!!
コンコン
さくら: あの〜○○君、起きてる?
……
さくら: 寝てるのかな…
部屋に入って起こすしかないか…
鍵も付いてないから入れるし…
男の子の部屋、入るの初めてだ…
そう思いながら、さくらは扉を開ける。
さくら: 失礼します…
ガチャ
部屋の中に入り、見回すと、○○はベッドの上でスヤスヤと眠っていた。
さくら: あの〜○○君、起きて〜
離れた位置から、○○に呼びかける。
○○: ん、ん〜……
さくら: …しょうがない……
ここから呼んでも意味がないと感じたさくらは、○○のそばに近づく。
そして、そこには幸せそうに眠る○○の寝顔があった。
さくら: 可愛い…
無意識のうちに、○○の寝顔を見つめていると……
!!!!!!!!
下の階から、大声が響く。
さくら: あっ!そうだった。早く○○君を起こさないと。
目的を思い出し、片手を○○の肩に添える。
さくら: 起きて〜○○君〜
○○の肩を揺らしながら声をかける。
○○: う、う~ん………さくらさん?
さくら: そうだよ、さく…あ、私だよ。早く起きて〜
○○: …え、あ……起こしてくれてありがとう笑
さくら: ///いや…うん。
!!!!!!!!!
○○: っ!!
さくら: はっ!!そうだった。○○君、早く下に!女の子が鍵を開けて家に入ってきたの!!
○○: ん?………あ〜日奈子か笑
さくら: 日奈子?
○○: まぁとにかく、下に行かないとだね。
そうして、2人は皆の集まる所に向かった。
日奈子: そろそろ片付けようかな…
麻衣: もう信じてよ〜私達は○○の新しい家族なんだって!!
日奈子: ○○を盗られてたまるかー!!!
そう言って、日奈子は麻衣に飛びかかる。
麻衣: キャッ!!
○○: 日奈子やめろーー!!!
ギュッ!!
2人が接触する寸前に、その間に○○が入り、日奈子を受け止める。
日奈子:あ!○○!!
○○: 日奈子、落ち着いて。
日奈子: この人達、○○の家に侵入した泥棒だよ!!早く捕まえないと!!
○○: 何言ってるの日奈子。この人達は僕の新しい家族だよ。
日奈子: え!そうなの?
○○: うん。昨日からなんだけどね。
日奈子: へぇ〜そうなんだ〜笑
幼なじみの言葉で、ようやく日奈子は威嚇を止めて、大人しくなる。
麻衣: やっと信じてくれたか…
○○: よし、日奈子もリビングに行こう。
日奈子: うん!!
麻衣: (○○の言うことは簡単に聞くのね……まるで○○の犬みたい笑)
○○: 僕は日奈子に事情を話しとくから、みんなは先に準備しといて。
そして○○は、昨日学校を出てからのことを、日奈子に話した。
もちろん防衛団関係のことは省いて。
日奈子: へぇ〜昨日お父さんに会ったんだ!!そこで再婚の話を聞いたんだね。で、みんなで暮らすことになったと。
○○: そういうこと。分かった?日奈子。
日奈子: うん!じゃあ私も○○の新しい家族と仲良くする!!!
○○: 笑、よろしく!
麻衣: お話は終わった?
○○: 終わったよ。そういえば、まだ紹介してなかったね、こいつは北野日奈子。僕の幼なじみで同じクラスなんだ。
日奈子: 麻衣さんですね。さっきはごめんなさい!
麻衣: 良いのよ笑、私も勘違いしてたし。
日奈子: ○○をよろしくお願いします!!
麻衣: うん!日奈子ちゃんも、これからよろしくね。
と、麻衣と挨拶を交わしたところで、他の3人がリビングに入ってくる。
日奈子: 美月ちゃんに、さくらちゃんに、蓮加ちゃんだね。よろしく!!!私のことは日奈子ちゃんって呼んでね!!
美月: ○○君と同じクラスでしょ。なら、私も同じクラスだから。よろしくね。
さくら: よろしくお願いします。
蓮加: よろしくお願いします…
日奈子: よろしく〜!!!
麻衣: 笑…よし!挨拶も済んだところで、さくら以外は朝ご飯、済ませちゃって!
○○ 美月 蓮加: はーい。
麻衣: 日奈子ちゃんは私とお話しましょう!
日奈子: わっかりましたー!!!
麻衣: さくらもこっちで話そ!
さくら: うん。
こうして、麻衣達はリビングのソファに座り、○○達はダイニングで朝食を食べ始めた。
○○: ねぇ美月さん。
美月: なに?
○○: 学校一緒に行く?道分からないだろうし。
美月: …いや私は1人で行くよ。昨日、道は調べたし。ちょっと早めに来てって、先生からも言われてるからね。あと、学校では家族だってことは内緒にして。
○○: うん、分かった。蓮加さんは1人で行ける?
蓮加: 大丈夫です。子供扱いしないでください。
○○: う、うん。ごめんね…
蓮加: …(もう…あの人達とは違うって分かってるのに…)
美月: …
と、○○達の方は暗くなった一方で、麻衣達の方は、会話が弾み明るい雰囲気だった。
そして、朝食を食べ終え、○○が学校に行く準備を終えようとした頃…
美月: じゃあ、私、先に行くね。
麻衣: うん。いってらっしゃい。
美月は先に家を出て行った。
日奈子: 美月ちゃんは、私達と一緒に学校行きたくなかったのかな…
○○: いや、なんか先生に呼ばれたって言ってたよ。
日奈子: そっか!転校生だしね。
○○: さくらさんはどうする?一緒に学校行く?
さくら: え、あの、その〜
麻衣: ほら、さくら。
日奈子: さくらちゃん一緒に行こうよ!!!
さくら: ……一緒に行きます。
○○: 分かった。じゃあそろそろ出ようか笑
さくら: //はい。
日奈子: (やっぱ良い笑顔だな。もうあんまり私には向けてくれないけど……ブー)
○○: 日奈子は何膨れっ面してんの笑
日奈子: なんにもないも〜ん!
麻衣: (あら、日奈子ちゃんはやっぱり…)
○○: じゃ、いってきます。
日奈子: いってきま~す!!!
さくら: いってきます。
麻衣: はい、いってらっしゃい。
家に残る2人に挨拶をして、3人は家を出ていった。
麻衣: …蓮加、いつ出るの?
蓮加: う~ん…と、そうだな……あと10分ぐらいしたら、行こうかな…
麻衣: 蓮加は今日始業式で、昼までだったよね。
蓮加: うん。
麻衣: 私はまだ春休みで、家にいるからね。
蓮加: …はーい。
通学路
家を出た3人は、学校までの道のりを進む。
日奈子: ねぇねぇ、さくらちゃんは食べ物何が好きなの?
さくら: さくは…あ、私はみたらし団子が好きです。
日奈子: さくらちゃんって一人称さくなんだね。可愛い!!わざわざ直さなくて良いよ〜可愛いんだから、ね、○○!!
○○: うん、可愛いから、さくのままでいいんじゃない?
さくら: ///そ、そうかな〜。ならそうしよっかな。
日奈子: っていうか、みたらし団子が好きなんだ。じゃあ、今度カフェにさくちゃんを連れてこうよ!!
さくら: さくちゃん?
日奈子: さくらちゃんより、さくちゃんの方が可愛いかなって思って。ってか、○○。さすがに、さん付けはないでしょ。
○○: え、そうかな?
日奈子: せめて、ちゃん付けじゃない?ね、さくちゃん!
さくら: えっ…あ……はい…
○○: そっか。じゃあ、今度からは、さくらちゃんって呼んで良い?
さくら: っ//…はい!
日奈子: 笑、あと、さくちゃんは、○○に敬語使っちゃダメ!家族なんだから。なんなら、私にもタメ語で〜
○○: いや、さくらちゃんのペースで良いからね。
さくら: …………うん、分かった。
日奈子: へへっ笑
と、適当に話しながら歩いていると、昨日と同じように、道の先に1人で本を読みながら、とぼとぼ歩く小さな背中が見える。
日奈子: あれ、あっしゅんじゃない?
○○: そうみたいだね。
さくら: あっしゅん?
日奈子: おーい!あっしゅーーーーん!!!!
そう、日奈子が叫びながら手を振ると、飛鳥がいきなり走り出した。
○○: 笑
日奈子: お!かけっこか!!よーし、ハンデがあるけど負けないぞ!!!
ダッ!
随分先の方で、飛鳥が走り出すのを見て、日奈子も走り出した。
○○: 行っちゃったな笑
さくら: あの〜あっしゅんって誰なの?
○○: あ、僕達の幼なじみの齋藤飛鳥だよ。
さくら: 齋藤飛鳥さん…
○○: 日奈子とは違って、クールな感じかな。
さくら: へぇ〜話してみたいな…
○○: じゃあ、今日僕達とお昼ご飯一緒に食べる?
さくら: え、良いの?
○○: うん。大丈夫だと思うよ。日奈子も飛鳥も問題ないって言うだろうし。あ、でも春時っていうヤツも一緒に来ると思うんだけど…
さくら: その春時さんは良い人?
○○: うん。とっても良い奴だよ。そういえば春時の妹にね、"金川紗耶"ちゃんって子がいるんだけど、さくらちゃんと同じ新入生だから。
さくら: そうなんだ……仲良くできると良いな。
○○: 僕からも紗耶ちゃんに言っとくよ。
さくら: ありがとう。それにしても○○君と、日奈子ちゃんは仲良しなんだね。
○○: うん、日奈子とは3歳ぐらいの時から一緒だから。ちなみに、飛鳥や春時は小学校からの友達。
さくら: へぇ〜
○○: さくらちゃんと同じ中学校で、乃木高に行く友達はいないの?
さくら: 友達はいないんだけど、知ってる人は1人いるかな。
○○: そっか。ならその子と仲良くなれるかもね。
さくら: …うん、さく頑張る。
と、さくらが、そう意気込んでいるうちに、2人は学校に到着する。
○○: 学校に着いたね。さくらちゃんのクラスがどこか見に行こうか。
さくら: うん。
○○: どこにあるんだろうな〜…って、やっぱあそこか。
正門を通り抜け、○○が辺りを見渡すと、昨日と同じ場所に人集りができていた。
さくら: 人が多い…
○○: じゃあ、僕が代わりに見に行ってくるから、ここで待ってて。
さくら: う、うん。ありがとう。
そうして、再び○○は集団の中に飛び込む。
○○: よいしょっ……と、やっと前に来れた……さて、さくらちゃんは何組かな?
1番前に来た○○は、1組の方から目を向けていく。
○○: お!紗耶ちゃん発見。それに、さくらちゃんも同じ1組だな。
幼なじみの妹と、自分の妹の名前を確認した○○は、さくらの待つ場所に向かう。
さくら: ○○君、まだかな〜(○○君のことお兄ちゃんって呼んでも…)
○○: さくらちゃん!
さくら: あ、○○君!
○○: さくらちゃんは1組だったよ。あとさっき話してた紗耶ちゃんも、1組だったから。
さくら: そうなんだ。
○○: じゃあ早速、教室に行こうか。付いてきてね。
さくら: うん。
昇降口を通り、校舎の中に入った2人は、1階の教室の前へ。
○○: よし、さくらちゃん着いたよ。ここが1年1組の教室だよ。
さくら: ありがとう…
○○: 不安?
さくら: …うん、ちょっと。
○○: 大丈夫だよ。さくらちゃん優しいから、きっと友達できるよ!
さくら: ///う、うん。さく頑張るね。
○○: じゃ、僕は行くから。またね。
さくら: うん!
そう言って、○○は階段の方に去っていった。
ふぅ…緊張するな。
クラスに馴染めると良いけど…
よし入ろう。
ガラガラ
さくら: …キョロキョロ
教室に入ったさくらは、中を見渡す。
結構、席、埋まっちゃってるな…
これは自由席なのかな?
あ、後ろの席空いてる……あそこに座っとこ。
さくらは、その空いている席に向かって進む。
??: あれ?白石さん?
さくら: !!賀喜さん?
その途中で、さくらに声をかけてきたのは、同じ乃木坂中学校出身である"賀喜遥香"だった。
賀喜: あれ白石さんって、乃木高志望だったっけ?
さくら: いや、そうじゃなかったんだけど……引っ越しの関係で、ここを受けることになったんだ。
賀喜: そうなんだ。それにしても良かった〜私1人で心細かったんだ。白石さんも一緒で心強いよ。
さくら: こっちこそ、賀喜さんと一緒で良かった。
賀喜: ねぇねぇ、隣に座らない?
さくら: うん!
そして2人は、入学式までずっと、楽しく喋っていた。
教室
ガラガラ
扉を開けて、○○が自分の教室に入ると…
日奈子: あ!○○!やっと来た!!!
飛鳥: 離せぇ〜
笑顔の日奈子が、飛鳥に抱きついていた。
飛鳥: ちょ、ちょっと○○、助けて!!
○○: 笑、ほら日奈子、離してやりな。
日奈子: うん!!
飼い主の言うことを聞き、日奈子は飛鳥の体に回していた腕を引っ込める。
飛鳥: はぁ……やっと離してくれた。
○○: にしても、日奈子はなんで飛鳥に抱きついてたの?笑
日奈子: それは、あっしゅんが逃げるからだよ笑
飛鳥: …だって、いきなり日奈子が追いかけて来たから!
○○: いやいや、飛鳥。嘘はダメでしょ。
飛鳥: え?
○○: だって、飛鳥。日奈子が追いかける前に、走り出してたじゃん。
飛鳥: チッ
日奈子: ねぇ、あっしゅんなんで?
飛鳥: そ、それは……ギロッ
回答に困った飛鳥は、その元凶である○○を睨む。
怖っ、フォローしとくか。
目を開いて尋ねつつ、日奈子がまた飛鳥に抱きつこうと手を広げる。
○○: 飛鳥は日奈子と競走したかったんだよな。昨日の僕と日奈子のやつ見てて、やりたくなったんでしょ。
飛鳥: そ、そうだよ。日奈子。
日奈子: そっか!ならいいや。
慌てて○○の話に乗った飛鳥は、日奈子の抱き着きの刑から逃れ、日奈子は笑顔に戻った。
そんな3人のやり取りを、離れたところから見ていた、堀と星野は…
堀: 日奈子は単純だよね笑ボソッ
星野: だね笑ボソッ
と、小さな声で微笑んでいたのだった。
ガラガラ
春時: みんなおはよう!
○○: あ、春時。おはよう。
日奈子: おはよ!!
飛鳥: おはよう。
春時: 紗耶を教室に案内してたら、遅くなったぜ。
飛鳥: そっか、紗耶は今日入学式か。
日奈子: そうだったね。じゃあさくちゃんと同じだ。
飛鳥: さくちゃんって?
日奈子: さくちゃんはね〜○○のウグッ
と日奈子が言いかけたところで、○○が素早く日奈子の口を塞ぎ、飛鳥と春時に背を向ける。
日奈子: っ!!!
○○: …
ここで、言っちゃってもいいのか?
美月さんは僕と家族だって言うことは内緒にして欲しいって言ってたから…
さくらちゃんも、もしかしたら…
春時: 笑、○○よ。日奈子の口を塞いで何やってんだよ。
飛鳥: …
日奈子:んっん、んんんんんー(ちょっと、はなしてよー)
いや、でも結局今日の昼一緒に食べるから、どっちにしろ、新しい妹だってことは言わないとだもんな。
なら、大丈夫か…
飛鳥: ねぇ、いつまで、そんなことやってんのよ。
○○: …うん。
結論に行き着いた○○が、日奈子の口から手を離し…
○○: 続きをどうぞ!日奈子!!!
日奈子: ンハッ、もう何するの急に!○○!!!
○○: まぁまぁいいから。ほら日奈子、さっきの続き、言っていいよ。
日奈子: もーー!!!さくちゃんっていうのは、○○の新しい妹だよ!!!
さっきの言葉に続いて、日奈子は大声で叫んだ。
飛鳥: は?!
春時: 新しい妹?どういうことだよ○○。
その日奈子の声でもたらされた情報に、2人は驚く。
○○: 親が再婚してね。新しい家族ができたんだ。
春時: え?マジかよ。
飛鳥: そりゃびっくりだ。
○○: ってことで、その僕の新しい妹であるさくらちゃんが、春時の妹の紗耶ちゃんと同学年で、それに同じクラスなんだ。
春時: へぇ〜そうなのか。仲良くなれると良いな!
○○: うん笑
日奈子: もう、さくちゃん、めちゃくちゃ可愛いんだよ!!
飛鳥: どんな子だろう。
○○: さくらちゃんも飛鳥の話したら、会ってみたいって言ってたよ。
飛鳥: 笑、なんか嬉しいな。
○○:それで、今日の昼はさくらちゃんも一緒に食べようかなって思ってるんだけど……どうかな?
日奈子: 私はもちろんOK!!
飛鳥: 私も大丈夫だよ。
春時: 俺も問題ない。あとそれなら、紗耶も誘うか。
○○: お!それはありがたい。さくらちゃんには友達を作って欲しいからね。
飛鳥: さっそくブラコン発動かよ笑
○○: なんだと飛鳥笑
キンコンカンコーン
○○: おっと、もう座らないと。
日奈子: だね。
○○: あ、そういえば日奈子。
日奈子: なに?
○○: 美月さんは僕と家族だってことを内緒にして欲しいらしいから、頼んだよ。
日奈子: うん、分かった。
○○: じゃあよろしく!
そう言って○○達は、自分の席に座ったのだった。
to be continued