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ただ守りたい… 115話
午前にシフトが入っている面々で、リハーサルを初めて30分が経過し…
堀: はい!!2クラスとも、お客さんがいなくなったところで、終了!!みんなお疲れ様!30分後から、午後の前半にシフトが入ってる人達でやるから、準備しといて!
「はい!」
○○: ふぅ……一旦休憩だ…
料理女子1: おつかれ笑
料理女子2: やっぱ、深川君がいると安心だわ。
○○: いやいや、みんなの方こそだよ。お疲れ様。
料理女子1: ふふ笑(これが○○君クオリティだよね〜)
料理女子2: (さすが、2年の美女達が群がる男だ笑)
○○: よし、一旦出よう。
料理女子1: うん。
料理女子2: 深川君は、次もここなんだよね?
○○: そうだよ。だから、休憩終わったら、また戻ってくる。
料理女子1: そっか。頑張ってね。
料理女子2: 任せたよ笑
○○: 笑、うん。
軽く道具を片付けて、○○達はキッチンを出た。
理々杏: あ、○○!
すると、すぐに理々杏に声をかけられる。
○○: ん、どうした?ってまだメイド服なの?
理々杏: さっき言ったじゃん、感想聞かせてって。
料理女子1: 笑、私達は退散しよう。
料理女子2: うん笑
○○: あぁ、そう言えばそうだった。
理々杏: で、どう?
メイド服を見せるように、くるりとその場で回る。
○○: 笑、めちゃくちゃ可愛いよ。ツインテールも似合ってて、まさに本場のメイドさんって感じ。
理々杏: 笑、ありがと。すごく嬉しい。
○○: そう笑
理々杏: ○○の執事姿も楽しみにしてる!初日は、午後の後半だよね?
○○: うん。
理々杏: 初日は私もシフト入ってるから、お客さんにはなれないけど、文化祭中のどこかのタイミングで、絶対にお客さんとして、接してもらうから!
○○: なんか恥ずかしいな笑
理々杏: とか言って、始まったらプロみたいな動きをするんでしょ?笑
○○: いやいや笑。ってか、プロって本物の執事さんってこと?
理々杏: まぁ、そうなるね。
と話していると…
日奈子: あ!いた!!○○!!
2組の教室に、日奈子が駆け込んでくる。
○○: こら、日奈子。飲食店で走るのは厳禁だぞ。それにメイド服も汚れるし。
日奈子: ごめんなさい!
○○: うん、分かればよろしい。それで、なんの用?日奈子は、初日はもう、仕事は終わりのはずだけど。
日奈子: いや〜○○にメイドさんの姿を見せたくてさ〜
○○: 笑、なんだそれか。うん、ものすごく可愛いよ。この前の浴衣姿も良かったけど、メイド服もかなり良い。
日奈子: え〜なら、次の夏祭りはメイド服で行っちゃおうかな〜
○○: それは違うよ。
理々杏: 隣で聞いてた私もそう思う。
日奈子: 理々杏ちゃんまで……なら着ない!!
○○: うん。はい、じゃあ2人とも着替えておいで。
日奈子: はーい!
理々杏: 日奈子、行こ。
○○: 笑
2人が更衣室に向かうのを見送り、○○は一旦、教室の外へ。
璃勇: ○○。
○○: あ、璃勇君。1組の方に行ってたんだ。
璃勇: うん。(なんか初めて名前を呼ばれたような気が…)
○○: 初日の午前だと…春時も雅史君も1組のホールだったよね?
璃勇: そうだよ。2人とも良い働きっぷりだった笑
○○: そうなんだ笑。僕もどこかで見に行かないと…って、璃勇君は誰を選んだの?
璃勇: 北野さんにしたよ。
○○: へぇ〜どうだった?ちゃんとやってた?
璃勇: 笑、親の心配の仕方じゃん。
○○: だって、心配なんだもん。
璃勇: 大丈夫。北野さんはバッチリだったよ。あの感じだったら、本番もたくさんご主人様が来るんじゃないかな笑
○○: そっか。なら良かった。
璃勇: ○○は次は?
○○: そのまま2組のキッチン。
璃勇: じゃあ、次は2組の方に行くね。
○○: 笑、美味しい料理を提供するよ。
璃勇: うわぁ〜○○の料理は絶品って噂だからな〜楽しみで仕方ない笑
○○: めちゃくちゃハードルあげるじゃん笑
璃勇: 笑……あ、僕はそろそろ行くから、○○は後ろの対応をしな。
そう言って、璃勇はその場から去る。
○○: え?
璃勇が言い残した通りに、○○が後ろを向くと…
美月: ご主人様〜美月ちゃんのメイド姿、似合ってますか〜?♡
あざとオーラ全開かつ、上目遣いの美月と…
飛鳥: ご、ご主人様…ど、どうですか…///
少し、たどたどしく、顔を赤らめている飛鳥と…
祐希: ○○…あ、ご主人様だった……ふぁ〜あ…祐希の服どう?
眠たそうに欠伸をしながら、自身の姿を確認している祐希。
この3人が立っていた。
○○: おぉ…
「やっば…あのキャラのメイドはまた別の破壊力がある…」
「あんなのを直接至近距離で喰らって、よく普通にしてられるな、○○。俺だったら、普通に気絶する…」
「普段ツンデレクール系の齋藤さんが、顔を赤らめながらメイド服を着ている……これが僕の人生のピークかもしれない…」
「きゃ〜飛鳥ちゃん可愛い!!」
「あのちっこいメイド、仕事サボりそう……だがそれも良い!」
「え、働いていいの?……いや、あれはどう見ても、3歳児じゃん。」
美月: 私のメイド姿が可愛すぎて、声も出ないの?♡
○○: そうだね。想像以上に可愛いくて、すぐに言葉が出なかったよ。
美月: っ!!///…んもう、こっちの妄想以上の言葉で返さないで!!
○○: え?妄想?
飛鳥: 美月のターンは終わり!○○、私は?
美月: え〜
○○: 飛鳥はクール系な服が似合うと思ってたけど、こういうのもすごく似合うね。可愛い。
飛鳥: ///あ、ありがとうゴザイマス…
美月: あ、飛鳥照れてる〜笑
飛鳥: 美月もさっき照れてただろ!
○○: はいはい、2人とも喧嘩しない……って…
祐希: zzzz
○○: 祐希、寝てんの?!
祐希: …ふぇ?
○○: 今からリハだよ!起きないと!
祐希: だって、眠いんだもん…結局、途中で注文できなくなって、○○のオムライス食べれなかったし…
○○: あぁ、堀さんが、あまりに増えすぎたオムライスの注文を止めちゃったせいか……よし、分かった。今度、家に来て。オムライスを作ってあげるから。
祐希: え?!!!!良いの?!!!!
眠たそうだった目が、くわっと開き、テンションが上がる祐希。
○○: うん。
祐希: やった!!!!なら祐希、頑張る!!!
○○: 笑、頑張って。
祐希: よっしゃ行くぞ!!
そう意気込んで、祐希は1組の教室に入って行った。
○○: ふぅ……元気になってくれて良かった。美月と飛鳥も教室に…
美月: ねぇ、○○?♡
飛鳥: 分かってると思うけど…
○○: え?
美月: 私にも、オムライス、ちょ〜だい?♡
飛鳥: もちろん、私にも。
○○: 笑、了解。
美月: よし!私も元気出てきた!!!
飛鳥: 笑、キャラ崩れてるんだけど。
美月: あ…美月ちゃん、頑張っちゃうぞ〜♡
○○: 笑
堀: そろそろ開始するから、みんな位置について!!
○○: おっと、堀プロデューサーが動き出した。早く行かないと。
飛鳥: うん。
美月: ○○、できるだけ美月ちゃんが担当の料理を、お願いね♡
飛鳥: は?
○○: う〜ん、頑張ってはみるけど、期待はしないで笑
美月: やった!♡
飛鳥: え、頑張ってはみるの?…だったら、私のも!
美月: 笑(積極的じゃん。)
○○: 分かった。
堀: はい、そこ3人!!いつまでもイチャイチャしないよ!!
○○: イチャイチャって…
美月: ごめんなさ〜い!すぐ行きます!♡
飛鳥: ほら、○○も行くよ。
○○: うん。
そして、○○はキッチンに、飛鳥と美月は入口付近の待機場所に立つ。
堀: よし。じゃあ、午後の前半のリハーサルを開始します!!
プロデューサーである堀の言葉で、リハーサルが再開した。
美月: お帰りなさい、ご主人様♡
男子生徒1: は、はい!(か、可愛すぎる…)
美月: じゃあ、魔法の言葉をかけちゃうぞ。美味しくな〜れ、萌え萌えキュン!♡
男子生徒1: ふぇぇ…
美月: いってらっしゃい、ご主人様♡
男子生徒1: う、うん…(今、この世界で一番幸せなのは、俺に違いない…)
と、持ち前の演技力と可愛さで、メイド喫茶のメイドを完全にこなす美月。
飛鳥: お、お帰りなさい…ご主人様。
男子生徒2: おう。(齋藤のこんな姿は貴重だな笑)
飛鳥: 魔法の言葉をかけます……はぁ…おいしくなーれ、萌え萌えキュン……はぁ……さっさと食え!
男子生徒2: お、おう…(え、キャラ変?)
飛鳥: もう来んな、ご主人様。
男子生徒2: …(案外…悪くない。)
最初こそ照れていたが、次第に本来のクールな性格が出て、ドSメイドという新たなキャラを確立した飛鳥。
祐希: え〜っと…お帰りなさいませ、お嬢様。
女子生徒1: うん!(やっぱ、ちっちゃくて可愛い〜)
祐希: 魔法の言葉をかけます!おいしくな〜れ、萌え萌えキュン!…こうで合ってる?…ジュルリ…
女子生徒1: うん、あってるよ!最高だよ!(お腹すいてるのかな?私の分で良かったら、全然食べて良いんだけど!)
祐希: また来てください!…あ、いってらっしゃいませ、お嬢様。
女子生徒1: 絶対また来る!(こりゃ一日に100は通うな。)
子供のような素直な反応に、男性ファンももちろんのこと、意外と女性ファンをつけた祐希。
この3人は、それぞれ別のキャラで、リハーサルの段階から確固たる人気を築いたのであった。
その頃、キッチンでも…
○○: よし、チョコレートパフェできた。えっと、美月だから、これ。
ニャンニャン
○○: 笑
料理男子: ○○、こっちのパンケーキ手伝ってくれ。
○○: 了解。
美月: はーい、どれですか?
○○: そのチョコパフェ。よろしく!
美月: うん!
料理女子3: 飛鳥ちゃんだから…
ピヨピヨ
飛鳥: これね。
料理女子3: うん。ちゃんと笑顔で…いや、飛鳥ちゃんのキャラなら、魔法の言葉の後に、ちょっと罵ってみるのもアリかも笑
飛鳥: 罵る?
料理女子3: そんなニヤニヤすんな!とか。
飛鳥: …頑張ってみる。
料理女子3: 笑、頑張れ〜
料理男子: 俺はそのまま、もう1つ仕上げるから、○○はこれ持ってけ。
○○: 分かった。
午前のリハと変わらず、○○がクラスメイトと共に、熱心に仕事に取り組んでいたのだった。
30分後
堀: はい!午後の前半も終了!30分後に午後の後半。今日最後のリハをやるから、それまでに反省をするなり、感想を言い合うなりしながら、準備してね!!
午後の前半のリハーサルが終わる。
○○: ふぅ…終わった。
料理男子: おつかれ。
○○: お疲れ様。
料理男子: やっぱ大変だな笑
○○: ね笑。明日からどれだけお客さんが来てくれるかは、分からないけど、リハよりは忙しくなるだろうからさ。
料理男子: いや、お客さんはたくさん来るよ。うん、絶対に…(だってメイドが強すぎるもん。マジでアイドルクラスだし。)
○○: 笑、そう?それなら嬉しいな。大変にはなるけど。
料理男子: 笑、頑張ろうぜ。
美月: あ、○○!
キッチンの入口から、美月が顔を出す。
料理男子: おっと、俺はもう行くよ。
○○: うん、頑張ろう。
美月: ねぇ、○○ってば!
○○: どうしたの?
美月: どうしたのって、次執事でしょ!早く着替えに行かないと!
○○: 30分もあるんだから、そんな焦んなくても大丈夫だって笑
美月: 確かにそうだけどさ…(だって早く、○○の執事姿を見たいんだもん!!)
○○: 美月のメイド、めちゃくちゃ好評だったみたいじゃん笑
美月: え?
○○: さっき、堀さんが見に来た時に、言ってたよ。美月はうちのエースだって。
美月: へぇ〜嬉しいな〜
○○: 笑、僕もそのなんて言うの、美月のメイドさんをちゃんと見てみたい。
美月: ……分かった笑
○○: よし、美月が早く行った方が良いって言ってることだし、もう行こうかな。
美月: うん!
そうして、○○と美月は教室を出て、それぞれの更衣室へと向かった。
ガラガラ
扉を開けて、更衣室の中に入る。
○○: えっと…
璃勇: そこに○○の分、掛かってるよ。
○○: ありがとう。
更衣室に設置してあるハンガーラックに掛かる、自分用の執事服を手に取る。
璃勇: ボタンと靴、あと手袋は、自分のロッカーの中に入ってる。
○○: 笑、いつの間にこんなものを。
璃勇: ○○が文化委員の手伝いに行ってる間にだよ笑
○○: 執事服は色々とやったけど、靴はどうやって用意したの?
璃勇: あぁ、○○の革靴のサイズを測ってた。
○○: なるほど笑
璃勇: あ、それと、ロッカーの中にワックスが入ってる場合は、髪をセットしろってことらしい笑
○○: え?……入ってんじゃん。
璃勇: 笑、できる?
○○: う〜ん、やったことないから、多分できない。
璃勇: じゃあ、僕がやってあげるよ。着替え終わったら、こっちに来て。
○○: ほんと、ありがとう。
璃勇: いえいえ笑
そして、○○は執事服に着替え終わり、璃勇に髪もセットしてもらって…
璃勇: おぉ笑…すごいね。
完成系を更衣室にいる男子達に見せる。
○○: 何が?
璃勇: やっぱ、元が良いから、出来上がりが段違い……ね?みんな。
執事1: おう!カッコ良いぞ○○!
執事2: 笑、なんか自信無くすんだけど。
執事3: こりゃあ、気絶するヤツが出てくるかも笑
執事4: 男でも担当に選びたくなるな笑
○○: いやいや、言い過ぎだって。
璃勇: 笑、自信持って○○。おそらく、男子のエースは○○になるから。
○○: そう?
璃勇: うん。執事の動きはマスターしたんだよね?
○○: それはちゃんと仕込まれたよ。美月に。
璃勇: 笑、なら安心だ。よし、行こう。
○○: うん。
執事1: 俺らも行くか。
執事2: え、○○と璃勇の後ろについて行くの嫌なんだけど…
執事3: あんなこと言ってるけど、璃勇もイケメンだからな笑
執事4: 大丈夫だって、胸張っていこうぜ。逆に自信なさげだと目立つだろうし。
ガラガラ
更衣室にいた執事達が外に出て、廊下を歩き、教室へ向かう。
その道中では…
「え、誰あれ?カッコよすぎなんですけど…」
「深川君でしょ…ブフッ…やばっ……」
「璃勇君もカッコいい…」
「くっ…家でも一緒にいれる、美月とあの子が羨ましい…」
○○: なんか目立ってない?
璃勇: そりゃそうだよ笑。執事の集団が歩いてるんだから。
○○: そっか、そうだよね笑
そんな○○が先頭の執事の集団が、とうとう美月達の待つ教室にたどり着く。
堀: おぉ、執事が到着だね笑
○○: これ、大丈夫そうかな?堀さん。
堀: うん…いや、色んな意味で大丈夫じゃないかも笑
○○: え?
堀: ほら、そこ。
そう言って、堀が手で指した方には…
美月: …
大きな目を見開いている美月と…
飛鳥: うわぁ…
メイド姿のまま、口をポカーンと開けている飛鳥と…
理々杏: これは笑
再びメイド服に着替え、笑みを浮かべつつ目を輝かせる理々杏がいた。
理々杏: 想像以上の完成度だよ笑
○○: そう?それなら良かったけど…
美月: …
飛鳥: …
○○: なんで固まってるの?この2人は。
理々杏: 笑、ねぇ○○。一回さ、執事っぽく振舞ってみて。
○○: 執事っぽく?
堀: 最初の挨拶で良いんじゃない?笑
○○: 分かった……お帰りなさいませ、お嬢様。ニコッ
美月: ////やば…
飛鳥: ////ま、○○…
堀: 笑(美月も飛鳥も顔が真っ赤なんだけど。)
理々杏: 最高だね笑
○○: 理々杏のお墨付きがあるなら安心だ。こんな感じでやってみる。
理々杏: うん。一緒に頑張ろう。
女子生徒2: あ、あの、○○君、私にも…
「私も!」
「どうかお願いします!!」
美月達にやったのをきっかけに、廊下の女子達が○○の元へ駆け寄って来たが…
○○: え?あ、いや…
堀: はいはいはいはい。後はリハか本番でね。
すぐさま堀が間に入り、その場を収める。
堀: ごめんだけど、○○君は先に教室に入って、収拾がつかなくなるから。
○○: わ、分かった。
璃勇: 笑、お互いに頑張ろう。
○○: うん!
飛鳥: あ…
美月: ○○〜
理々杏: 私も行こっと……///(うわぁ…本当にカッコ良すぎだった…)
○○は1組の教室に入り、○○がいなくなり顔が赤くなった理々杏と、置いていかれた飛鳥は2組の教室に、美月は1組の方の、既に出来上がっている列の後ろに並ぶ。
○○: 待機場所は…
日奈子: あ!○○!
○○: 笑、日奈子早かったな。
日奈子: うん!って、○○カッコいいじゃん!!
○○: ありがと。日奈子も可愛いよ。
日奈子: いぇーい!!
執事1: 笑(相変わらず仲の良い幼なじみだな)
メイド: (この感じで、2人は付き合ってないんだもんね……早く、くっ付けば良いのに……って飛鳥にも美月にも、最近じゃ理々杏や祐希にも、同じことを思ったんだけど笑)
久保: 2人とも、頑張ろうね。
○○: うん。史緒里もキッチン頑張って。
日奈子: 美味しいの頼んだよ!
久保: 笑、任せといて。
待機場所の前を通って、久保がキッチンに入り…
堀: よし、最後のリハを開始します!!
初日午後の後半のシフトで、リハーサルが再開する。
するとすぐに…
ピロロロ
○○: お…行かないと。
日奈子: いきなり○○じゃん笑
○○: 頑張ってくる。
少し緊張を残しながらも、○○はお店の入口へ。
○○: お帰りなさいませ、お嬢様。
女子生徒3: は、はい…
○○: お荷物をお持ちいたします。
女子生徒3: ///ありがとうございます。
執事(受付): 1番へお願いします。(白石さんに相当仕込まれたんだな笑……よし、執事達にはこれをやらせよう。)
○○: かしこまりました。
女子生徒3を一人席に案内し、椅子を引いた後、荷物として預かった文化祭のしおりを、女子生徒3が椅子に座ったのを見計らって返す。
○○: では、お嬢様。ご注文がお決まりになりましたら、このボタンを押して、お呼びください。では、失礼します。ニコッ
女子生徒3: ///はひ…(えげつなさ過ぎる…私も○○君に惚れちゃうかも…)
と思った瞬間…
女子生徒3: ビクッ!
どこからか…おそらく壁の向こうの廊下から、強いプレッシャーを感じる。
女子生徒3: (危ない危ない…軽い気持ちで、あんな争奪戦に加わったら、私なんかは無事ではいられない……落ち着け、私。)
結果、ついさっきまでの考えを叩き切り、メニュー表を開いた。
その頃、壁の向こうの廊下では…
美月: …
男子生徒4: …
女子生徒4: …
女子生徒5: …
列に並ぶお客さん役の生徒達、特に美月の前に並ぶ生徒達は、同じことを心に誓っていた。
「(絶対に○○君は選ばない!)」
5分後
執事(受付): いらっしゃいませ。おひとり様ですか?
美月: はい。
執事(受付): では、担当の執事もしくはメイドをお選びください。(まぁ、聞く必要なんてないけど笑)
美月: 深川○○でお願いします。
執事(受付): 笑、かしこまりました。少々お待ちください。
美月: はい。
○○: あ…お帰りなさいませ、お嬢様。ニコッ
美月: ///はい。
執事(受付): (表情の変わり様よ笑)
○○: お荷物はございませんか?
美月: …私が荷物です♡
○○: は?…いや、ご冗談はお止めくださいませ、お嬢様。
美月: 笑、ごめんなさい。(さすがに通じなかったか。私を席まで運んでもらいたかったんだけど。)
執事(受付): 4番にお願いします。(これぞ難しい客だな。注意喚起しとこう。)
女子生徒3: (なんという高等テクニック……やっぱり私のは判断間違っていなかった。)
○○: かしこまりました。ご案内いたします。
美月: お願いします。
そして、席に着き…
○○: では、ご注文がお決まりになりましたら、このボタンを押してお呼びくだ…
ピロロロ
○○: え?
美月: ○○の愛情たっぷりのオムライスをお願いします。
○○: はい、かしこまりました。では、少々お待ちください。ニコッ
美月: //はい。
再び5分後
ピロロロ
あ、キッチンからだ。
時間的に美月のオムライスかな。
モニターを確認した○○は、キッチンへ。
久保: ○○、これ3番に。
○○: 分かった。
久保からオムライスを受け取り、美月の元へ向かう。
○○: お待たせいたしました。オムライスです。
美月: ありがとうございます。
○○: それでは、ケチャップで文字を書かせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?
美月: もちろんです。
○○: なんと書けばよろしいでしょうか?
美月: 「大好き美月」でお願いします。
○○: かしこまりました。大・好・き・美・月…
美月: ありがとうございます。
○○: では、ごゆっくり、お食事の時間をお楽しみください。
美月: 笑、待ってください。
○○: どうかされましたか?
美月: 何かメイドさんで言う魔法の言葉的なのを、やってもらえません?
○○: 魔法の言葉的なの…ですか……お嬢様のリクエストはありますか?
美月: じゃあ、一口目を食べさせてください。
○○: 笑、かしこまりました。それでは失礼いたします。
そう言って、○○はスプーンでオムライスをすくい取り…
○○: お口を開けてください。
美月: はい。あ〜
○○: どうぞ。
開いた口の中に、スプーンを入れる。
美月: パクッ…モグモグ
○○: 笑、味の方は大丈夫でしょうか。
美月: はい。とても美味しいです。ありがとうございます。
○○: それは良かったです。では、失礼します…おっと。
お辞儀をし、美月の席から離れようと振り返ると、真後ろに堀が腕組みをして立っていた。
堀: ○○君、美月。
○○: あ、堀さん。
美月: 笑、どうしたの?未央奈。
堀: 今さっきのサービスだけど…
美月: あ〜んのこと?笑
○○: ごめん、僕の判断で勝手にやっちゃって。
堀: 笑、別に良いのよ。それに、メイドの方には魔法の言葉があるのに、執事には同じようなものが無いことが、ちょっと引っかかってたから。
美月: ってことは?
堀: それ、採用。ってことで、外の看板にサービスを追記しとくから、お客さんからあ〜んを要求されたら、執事は、一口食べさせてあげるように。分かった?!
「はい!」
○○: マジか…僕はいつもの感じで行けたけど、結構キツいんじゃ…
堀: 仕事って思えばいけるって笑。じゃあ、私は2組の方にも知らせて来るから。
美月: はーい。○○、良い感じだから引き続き、頑張って。
○○: 了解笑
初めこそ、○○のカッコ良さに面食らっていたが、段々と、執事の○○を鍛えた指導者としての顔が出てきて、様々な試練を○○に課した美月であった。
20分後
堀: はい!終了!!みんな、お疲れ様!!キッチン担当は食材の確認、ホール担当は着替え、衣装担当は、メイド服と執事服の確認。その他はキッチンとホールの清掃をやって!!終わったら1組前の廊下に集合。反省会をするよ!!
という堀の言葉で、リハーサルが終わり、みんなで協力して片付けをした後、○○達は明日からの文化祭本番に向けて、喫茶店を仕上げていくのであった。
to be continued