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ただ守りたい… 123話

第5体育館

裏手



○○: ふぅ…



とにかく、学校の中心から離れたところに来たけど…


ここら辺で隠れとけば、残り40分ぐらいやり過ごせるかな?

…いや、無理か。


この赤の宝石をどれだけの人が狙ってるのかは、分からないけど、たくさんの人が虱潰しに探し始めると考えると、同じ場所に隠れ続けるのは、ダメだ。

同じ場所に隠れる時間を決めて、周りを警戒しつつ、移動していかないと。


よし、まずは、ここで10分ぐらい隠れて、その間に、次の隠れ場所を考えよう。

まぁ、周りが騒がしくなってきたら、早めに動くことも検討して…



○○: お、ここ良さそう。



こうして、○○は1時間逃げ切るための作戦を立て、実行に移していくのだった。





教室校舎2階



新里: ○○先輩は……カフェにはいなさそうだね。


珠美: うん。どこに行ったんだろう……あ、堀先輩!



力を貸してもらうためにと、○○を探しに執事&メイド喫茶にやってきた新里と珠美は、廊下に立っていた堀に話しかける。



堀: あれ、確か…珠美ちゃん。また来たの?


珠美: あ、いえ。今は…


堀: 笑、赤い宝石を探してるんでしょ。


珠美: はい!


堀: でも、それでなんでここに?


珠美: ○○先輩なら、なにか知ってるかもってことで、○○先輩を探してるんです!


堀: なるほど。残念ながら、今日はもう、○○君はオフだから、ここにいないよ。


珠美: そうですか…ありがとうございます!別の所を探してみます!


堀: 頑張って……って、紗耶ちゃんも来てるじゃん笑


珠美: え?


紗耶: たまちゃん?!


新里: あ、さ、さぁちゃん…


掛橋: っ!…お、優太じゃん。やっほ〜



3人で話していたところに、紗耶と掛橋も来た。



堀: もしかして、紗耶ちゃん達も、○○君を探しにここに?


紗耶: はい…って、紗耶も?


珠美: 珠美も○○先輩を探しに、ここに来たの!


紗耶: そうだったんだ。


掛橋: みんな、考えることは同じだったんだね笑


新里: ふぅ……うん。そうみたいだね。


堀: さっき、珠美ちゃんにも言ったけど、ここには○○君はいないよ。


紗耶: そうですか。じゃあ、○○先輩は一体どこに…


珠美: とにかく探し回るしかないのかな?



と、2人がお店の前で立ち止まり、考えていると…



春時: …未央奈、ちょっと。



店の入口から、春時が堀を呼ぶ。



堀: ん?どうしたの?春時。


春時: …2人へ、赤の宝石の在処についての大ヒントボソッ


堀: …あぁ、そういう事ね笑


紗耶: え?



2人が来ている理由に勘づいた春時は、執事として仕事をしている自分が、2人と普通に話すわけにはいかないということで、プロデューサーとして知れ渡っている堀を通して、ヒントを伝えようとする。



春時: ○○を捕まえればいいボソッ


堀: ○○君を?ボソッ


春時: あぁ。史緒里が言うには、○○が赤の宝石を持ってるみたいだからボソッ


堀: 史緒里が言うなら、間違いないね。分かった、伝えとくボソッ


春時: じゃ…アドバイス、ありがとうございます。



そう言って、一礼して、春時は仕事に戻って行った。



紗耶: 兄貴が、何かやらかしたんですか?


堀: 笑、いや、2人へのヒントだって。


珠美: ヒント?!


堀: 赤の宝石は、○○君が持ってるんだって。だから、そのまま○○君を探せば良いのよ笑


紗耶: ○○先輩が赤の宝石を持ってるんですか?!


珠美: なんと?!


堀: すごいわね、2人とも笑。偶然とはいえ、答えに迫ってたんだから。


紗耶: いえ……でも、どっちにしろ、どこに○○先輩がいるのか…


珠美: そこだよね〜う〜ん…



と、再び、紗耶と珠美が頭を悩ませていると、掛橋が口を開く。



掛橋: ○○先輩が、赤の宝石持ってるってことなら、○○先輩は今頃、その宝石を奪われないように、逃げてるわけじゃん。


堀: うん、そうなるね。


紗耶: それで?


掛橋: だったら、できるだけ人に見つかりにくい場所、人がいない場所に隠れると思う。少なくとも、私が○○先輩の立場なら、そうするよ。


紗耶: 確かに…


珠美: 人が少ない場所か…


新里: 人が少ない場所と言えば、昨日も今日も見回りした感じ、第5付近は、人がほとんどいなかったよね。


珠美: あ!ほんとだ!いなかった!


紗耶: ってことは、今、○○先輩は、第5体育館と第5グラウンドの近くに隠れてるってこと?


掛橋: まぁ、その可能性が高いってだけだけど。


新里: とりあえず、行ってみる価値はあるんじゃないかな。


珠美: 珠美!いってきます!!堀先輩、ありがとうございました!!


紗耶: さ、紗耶も行く!!堀先輩、ありがとうございました!!



そう叫び、2人は大急ぎで、走っていった。



掛橋: あ、置いて行かれた。


新里: 笑、僕達も行こう。


掛橋: うん。


堀: あの子達には、2人がついてれば問題なさそうね。


新里: え?


堀: 沙耶香ちゃんは、紗耶ちゃん派。君は、珠美ちゃん派なんでしょ?


掛橋: …あぁ、○○先輩を狙ってる女の子を、応援してる人ってことですか。


堀: そうそう。


掛橋: だったら、そうですね。私はやんちゃんを応援してます。


堀: 春時と同じか笑


新里: 僕は……珠美を。


堀: へぇ〜笑(この顔はもしかしたら……面白い)


掛橋: 堀先輩は、誰派なんですか?


堀: 私は飛鳥派。だから、一応、敵同士なのよ笑


掛橋: でも、先輩とは仲良くしたいです!


堀: そんなの、私も一緒よ。ま、それぞれのポジションはあるけど、仲良くしていきましょ。


掛橋: はい!


新里: はい。


堀: じゃ、早くあの2人を追わないと。


掛橋: そうですね。


堀: またね。


掛橋: はい!また!


新里: ありがとうございました。



堀に見送られ、掛橋と新里の2人も、紗耶と珠美を追って、第5体育館と第5グラウンドの方に向かうのだった。





第5体育館

裏手



○○: …



そろそろ10分経つし、移動しようかな。


次は、木を隠すなら森の中、人を隠すなら人混みの中理論で、1番人が多そうな、第3グラウンドに行くことに決めたけど…

実際に、僕が紹介されてるってやつも見ときたいし。


でも、これは、ほぼ賭けに近いんだよな。

どれぐらいの人が、赤の宝石を持ってるのが僕だって気づいてるのかが分からないから、もしかしたら、人が多いとこに行った瞬間、追いかけられることになるかもしれない。


まぁ、悩むけど、一旦行ってみて、危なそうだったら逃げれば良いし、その次の隠れ場所も決めてるから、どうにかなるでしょ。


じゃあ、早速、周りを警戒しながら…



と、隠れている木の影から、○○が顔を出そうとしたところで…



ガサガサ



○○: っ!!!



物音が聞こえ、○○は出そうとした顔をすぐに引き戻す。



「こっちにいるかな?」


「やんちゃん、さすがにそっちにはいないんじゃないの?!」



○○: …



この声は、紗耶ちゃんとさぁちゃんだ。


誰かを探してる?

まさか、僕を…



紗耶: でも、本気で逃げてる○○先輩なら、隠れるかもじゃん!こういうところにも!


掛橋: じゃあ、一応確認してみて!


紗耶: うん!……よいしょっ…



ガサガサ



草を掻き分けながら、○○が隠れている所に、段々と近づいてくる紗耶。



マズい!

このままじゃ、見つかる!


どうすれば……あ、良い枝発見。



足元にある、良い感じの木の枝を拾い上げた○○は、真横に向かって、その枝を投げた。



カツン…ガサ



紗耶: ん?○○先輩!いるんですか?!



その枝が音を鳴らした方向に、紗耶が移動し始める。



○○: …



よし、今のうちに、静かにゆっくりと移動を…



掛橋: どうしたの?やんちゃん!


紗耶: いや、あっちから音が聞こえてさ!


掛橋: 音?…それって、足音っぽかった?


紗耶: いや、なにかが木に当たった音みたいだった!


掛橋: 木に当たる……ねぇ、その音が鳴った方向と逆の方に行ってみて。私も行くから!


○○: …



さぁちゃんの勘が鋭すぎるぞ!


…仕方ない、全速力で逃げる!!



ガサッ!!



落ち葉を踏み地面を蹴った○○は、木の影を飛び出し、木の間を駆け抜ける。



紗耶: あ!○○先輩!!


掛橋: やっぱり!!やんちゃん!捕まえるよ!


紗耶: うん!!



その○○の動きに反応した2人も、走り出す。



○○: ちょっとは、手加減して欲しいな!紗耶ちゃん、足速いから!!


紗耶: 先輩の方が速いんですから、紗耶のためにも止まってください!!


○○: ごめんだけど、無理!!


紗耶: ○○先輩が赤の宝石を持ってるんですか?!


○○: それはどうかな!!


掛橋: 絶対に持ってますね!!


○○: 持ってない!!


紗耶: 嘘です!!


○○: 嘘じゃない!!


掛橋: あ、ちょっと待って、もう無理かも!


紗耶: え?!早いよ!


掛橋: やんちゃん、頑張れ!!…ハァハァ



喋りながらだったせいか、掛橋は早い段階で息が切れ立ち止まり、紗耶1人で、走る○○を追いかけることになった。



紗耶: 待ってください!!(やっぱり○○先輩速い…それに、まだこのぐらいだと、全速力じゃないはずだから……紗耶1人じゃキツいよ〜)


○○: ふぅ…



そろそろペースを上げて引き離さないと、次の目的地がバレるな…



珠美: あ!○○先輩!!


○○: っ!!


新里: ほんとにいた!



紗耶を引き離しにかかったところで、真正面に珠美と新里が飛び込んで来て、○○は驚きつつも、なんとか2人を避ける。



○○: あっぶな…2人も来てたのか…


紗耶: たまちゃん!優太!止めて!


珠美: 分かってる!○○先輩!珠美に捕まってください!


新里: 逃がしません!


○○: 笑、じゃあね!



先程の考え通り、○○は全速力に近いペースまで速度を上げ、追ってきている3人を引きちぎった。



紗耶: ハァハァ…○○先輩…


珠美: …ハァハァ…ぴえん…


新里: きっつ……やっぱ、単純な追いかけっこで、○○先輩に適うわけないよ。


珠美: 優太!…そんな弱気になっちゃ…ダメでしょ!…ハァハァ…


紗耶: で、でも…優太の言う通り、さっきみたいな感じじゃ、勝ち目ない…


珠美: …どうする?


紗耶: とりあえず追いかけて…


掛橋: みんな〜



○○の姿が見えなくなり、立ち止まって息を整えていた3人に、掛橋が追いつく。



掛橋: ○○先輩は…ダメだったか。


紗耶: うん…


新里: ○○先輩、めっちゃ速い。


掛橋: だろうね。でもこれで、○○先輩がいる場所を制限できたじゃん。


紗耶: え?


新里: 確かに。


掛橋: こっちの第4、第5側に続く道は、ここ1つしかないんだから、私がここに立っとけば、○○先輩がこっちに入ってくることはないでしょ。


珠美: あぁ!そういうことか!


紗耶: なるほど。でも、さぁちゃんはそれで良いの?


掛橋: うん、任せて。


紗耶: …じゃあ、よろしく。


掛橋: ってことで、早く○○先輩を捕まえてきな。


紗耶: はい!


珠美: いってきます!!



そうして、2人は○○を探すために、再び走って行った。



新里: …


掛橋: 優太はいかないの?


新里: ……ほんとは走りたくないだけなんじゃ…


掛橋: ん?笑、なんか言った?


新里: …い、いや、いってきます。


掛橋: うん!頑張って〜



そのすぐ後に、少し引き攣った顔をした新里も、走り出したのだった。





第3グラウンド付近



○○: さぁ、どうかな…



念の為に、色んな所を経由して、第3グラウンドまでやって来た○○。



今のところ、視線は感じないけど、珠美と優太君みたいな感じで突然来る可能性もあるから、しっかりと警戒しとかなければ…



「ヒントが全く分からん!」


「難し過ぎだろ…」


「もしかしたら、景品を渡すつもりがないのかもね。」


「でも、あの生徒会がそんなことするかな?」


「確かに……よし、頭良さげな人を捕まえて、手伝ってもらおうぜ!」


「うん!」



○○: 笑



さすが生徒会。

信頼が厚いな〜


まぁ、この企画は生徒会への信頼が前提にないと、成立しないものだから、そりゃそうなんだけど。

改めて実感する。



と、○○が周りの声を聞き、怪しまれない程度に警戒しながら、第3グラウンドに向かって歩いている一方で、その○○を探している人達は…




少し前


教室校舎付近



梅澤: こんなだだっ広い場所の中で、人1人を無闇矢鱈に探しても、見つけられねぇんじゃねぇのか?


美月: いや、こっちの方から、○○の気配を感じる…


梅澤: とか言いつつ、さっきと向かってる方向が違うじゃん。


美月: ついさっきまでは、第5の方だったんだけど、今は、第3グラウンドの方に気配を感じるの!


梅澤: ほんとか?……まぁ、美月の勘だから信じるけど…走った方が良いんじゃね?


美月: そりゃ、美波の言う通り、走った方が早く○○を見つけられるかもしれないけど…


梅澤: けど?


美月: 肝心なところで、私の体力が切れたら、おしまいでしょ!!


梅澤: お前の体力の問題かい!笑





第2グラウンド付近



ダダダダダ


日奈子: ○○〜!!!…どこ〜!!!!


飛鳥: キョロキョロ(○○が逃げているのであれば、自分の足の速さを存分に活かすことができない建物の中には入らないと思うんだけど…)


ダダダダダ


日奈子: ○○〜!!…出ておいで〜!!!


飛鳥: (第1グラウンドの方から回ってきて、ここまで○○の姿はない…ってことは、第3、第4、第5の方にいる…いやでも、逆に校舎の中にいる可能性も…)



叫びながら日奈子が周りを走り回っている中、飛鳥はひたすらに頭を回す。



日奈子: あっしゅん!○○いないみたい!!


飛鳥: そっか…第2グラウンドにもいないか…


日奈子: 次は第3グラウンドに行く?


飛鳥: いや、一旦、校舎の中を…


日奈子: う〜ん、私は第3グラウンドに行った方が良いと思う!


飛鳥: なんで?


日奈子: だって、あっしゅん言ってたじゃん。校舎の中には○○はいないだろうから、グラウンドを順番に回った方が良いって!


飛鳥: …日奈子はそれで良いの?


日奈子: あったりまえよ!私はあっしゅんの言ったことは信じるし、あっしゅんの言ったことは合ってると思うから!


飛鳥: 笑、後悔しても知んないぞ。よし、第3グラウンドに行こう。


日奈子: うん!





実習校舎1階



理々杏: ふ〜ん…○○、どこにいるんだろうな〜



プルルル



理々杏: ん…



ピ



理々杏 T: もしもし?どうしたの、純奈。


純奈 T: 今ちょうど、こっちの仕事が終わったので、○○を探し始めようとしたところなんですが、早速、第3グラウンドの近くで、○○の目撃情報を入手しました。


理々杏 T: それ、ほんと?


純奈 T: はい。見回りをしている風紀委員からの情報です。


理々杏 T: 大手柄だよ笑、純奈。


純奈 T: ありがとうございます。では、私もそちらに合流して、一緒に第3グラウンドに行きましょう。


理々杏 T: うん、そうした方が良い…





ビリッ





理々杏: …


純奈 T: どうかされましたか?


理々杏 T: 笑、いや、チャンスが巡ってきたみたい。


純奈 T: ?えっと…


理々杏 T: 私は実習校舎にいるから、よろしく。


純奈 T: はい!



ピ



理々杏: よし、早速、窓を開けて、準備準備…




そして…


第3グラウンド付近



○○: …


美月: あ!!


日奈子: あ!!!!


○○: え?


美月 日奈子: ○○発見!!!


○○: なに?!!


梅澤: ほんとにいた!!!


美月: ここが走りどころだぞ!私!!


日奈子: あっしゅん!!○○いたよ!!


飛鳥: すぐに捕まえて!!!


○○: やっば!!



自分の名前を呼ぶ、聞き馴染みのある声が聞こえた瞬間に、○○は走り出す。



美月: こら〜!!待て〜!!!


梅澤: いや、美月遅すぎ!


美月: それでも捕まえるの!!


梅澤: 笑、あぁ。


日奈子: あっしゅん!普通にやっても追いつけないよ!!


飛鳥: 分かってる!第3グラウンドの中に向かって、○○を追い詰めて!


日奈子: 了解!!



飛鳥の指示で、日奈子が○○の進路を塞ぐように動き、○○は第3グラウンドの入口の方に誘導されていく。



飛鳥: 美月、梅!日奈子と逆の方向から、○○を!


美月: うぅ…仕方ない!!美波、行くよ!


梅澤: おう!


○○: おっと、マジか…



このまま第3グラウンドに入っても良いけど、第3グラウンドの中には、たくさん人がいて、思うように逃げれない可能性が高い。


ってことは、第3グラウンドの中に入らず、どうにか、みんなを振り切って逃げないと…



○○: …



追ってくる日奈子達3人に対し、ずっと背中を見せていた○○が突然振り向き、3人と目を合わせる。



日奈子: おっ!観念したか!!


美月: ねぇ○○!!私とテーマパークに行こうよ!!だから、赤い宝石を渡して!!


○○: あっ…


梅澤: ちょっと美月!


美月: え?…あ…



「赤い宝石?」


「いつもの追いかけっこかと思ったけど、深川君が赤い宝石を持ってるの?」


「まじかよ!○○!!」


「あの男の子が宝石を持ってるんだって!」


「捕まえようぜ!」



○○: 余計ヤバいな……もう行くしかない!



周りの人々も、○○が赤の宝石を持っていると分かり、自分に狙いを定めるのを感じた○○は、日奈子と美月達の間を見て、地面を蹴る。



ビュンッ!!



そして、日奈子達が伸ばしている手の間を、ギリギリですり抜けた。



日奈子: あ!!間抜かれた!!


美月: ま、待ってよ!


梅澤: このままじゃ振り切られる!


○○: …



よし、なんとか抜けれた、後は、全速力で別の場所に…



飛鳥: ニヤッ


○○: なっ…


飛鳥: 作戦通り!



先程の珠美達と同じように、全速力で走ろうとした○○の前に飛鳥が飛び出して…



飛鳥: あっ…


○○: あぶなっ!


ギュッ



来る前に、何も無いところで躓き、転けそうになった飛鳥を、○○がなんとか抱き抱える。



美月: あ!!!!


梅澤: 笑


日奈子: あっしゅん!!


飛鳥: ////


○○: ごめんだけど、行くね笑



そう言って、地面に飛鳥を下ろし、○○は再び走り出した。



飛鳥: ///…


美月: ちょっと飛鳥!!


梅澤: 今は、○○を追いかけるのが先決なんじゃないのか?笑


美月: 確かに…待て〜!!!


日奈子: ほら、あっしゅん!!行くよ!!


飛鳥: う、うん…



「あっちに行ったぞ!!」


「俺が捕まえる!!」


「あの子、お姫様抱っこされてたわよ笑」


「顔真っ赤にしちゃって…かわいい!」


「ってか、あの追いかけてる女の子、あのメイド喫茶のメイドちゃんじゃない?」


「宝石持ってるって男の子、執事の子じゃん!」


「もしかして、デートに行ける?」


「追いかけるよ!!」



○○: 思った以上にヤバい展開!!



日奈子と飛鳥、美月、梅澤を先頭とした数十人の集団に、追いかけられる○○。


さて、残り時間20分。



○○の運命はいかに!




to be continued

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