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ただ守りたい… 114話
翌週
文化祭まで残り2日
放課後
堀: よし!みんな気合い入れて、準備に入るよ!!
「はい!!」
教卓の前で、指揮を取る堀。
堀: 改めて説明します!明日は丸一日、文化祭の準備に充てられるということで、今から、ここの教室と、出し物が劇だから文化祭中は使用されない、隣の2組の教室を、我々の執事&メイド喫茶のお店に改造します!!
「いぇーーーい!!!」
○○: 笑、盛り上がってる。
理々杏: これぞ、未央奈の力だよね。
○○: うん。
理々杏: この一週間は、バイトはないんだっけ?
○○: そうだよ。先月から言われてたんだ。文化祭があるこの一週間は、準備も忙しいだろうし、お店を閉めるって。
理々杏: へぇ〜店長さんに感謝しないと。
○○: だね笑
理々杏: ○○もだけど、私もだよ。
○○: え?
理々杏: だって、店長さんのおかげで、こうやって今、○○と一緒に文化祭に向けて、準備ができるんだから。
○○: 理々杏…
と、2人で話していると…
堀: はい、そこ!!2人でコソコソ話さない!!ほら、周り見てみ?!みんな準備に取り掛かってるよ!!
美月: ちょっと○○!理々杏!!
飛鳥: 早くしなさい。
日奈子: サボりは、ダメなんだぞ!!
祐希: そうだそうだ!!
プロデューサーの堀に続いて、他の面々からも言葉が飛ぶ。
○○: あ、ごめん笑
理々杏: ○○との会話に夢中になってた笑チラッ
美月: あ?
飛鳥: 今こっち見たな。
春時: 笑、まぁまぁ、気のせいだろ。
堀: ○○君は、机の運び出し、理々杏は装飾の方をよろしく!
○○: 了解。
春時: ○○!この辺を外に出すぞ。
○○: 分かった。
美月: さぁ、理々杏。こっちにおいで。
飛鳥: ちょっとお喋りしながら、楽しく準備をしましょう。
理々杏: はーい笑
祐希: ふわっ…なんか、祐希。あの2人の後ろに鬼が見えるんだけど…
日奈子: え?!鬼!!どこどこ!!
久保: はぁ……良いから、私達はあっちに行くよ。みなみちゃんも行こう。
星野: うん!未央奈プロデューサー!頑張って!!
堀: 任せとけ!!!っておいそこ!!サボるな!!
視界に入った、教室の隅で固まっている男子2人に言う。
3班男子1: あ、すみません…
3班男子2: お前、ちょっと齋藤さん達を見過ぎだろ笑
3班男子1: だって、気にならないか?その後が。
3班男子2: にしてもだよ笑……っていうか、いつまでこの表記なんだろうね。
3班男子1: え、表記?……確かに、俺らはもう3班じゃないわけだし……お願いします!名前を公表してください!!
3班男子2: 僕からもお願いします!!
…
3班男子1: え?なになに?名前を言えば、勝手に変わるって?…そんなこと、先に言ってくれよ!!
3班男子2: じゃあ試しに…僕の名前は"佐藤璃勇"です。
3班男子1: どうだ?
璃勇: おぉ!変わった!
3班男子1: マジか!じゃあ、俺も…"杉浦雅史"だ!
璃勇: さぁ、どうなる?
杉浦: やった!変わった!…って、なんで俺は苗字なんだ?
璃勇: さぁ?
杉浦: もしかして、お前に姉と妹がいるからじゃね?
璃勇: 確かに、そうかもね笑
と、2人で喜びを分かちあっていると…
堀: 雅史君と璃勇君。早く、仕事しないかな?
杉浦: す、すみませんでした!すぐ行きます!
璃勇: テーブルを運んできます!!
2人は、すぐに教室を出て行った。
堀: ふぅ、全く……あ、そこには壁ができるから…
こんな感じで、文化祭の準備は進んで行った。
翌日
高山: さっ!もう明日は文化祭初日だから、今日でしっかり準備を仕上げて、良い喫茶店にするぞ!!
「おー!!!」
ガヤガヤ
堀: はい、注目!今日は丸々、リハに時間を費やすから。各自、自分の仕事を責任もってこなすように。リハは初日の分しかやらないけど、シフト表を確認しながら、自分が仕事入ってなかったら、積極的にお客さん役になって。では、午前のシフトから始めます!
「はい!」
堀: あと言い忘れてたんだけど…
「ゴクン」
教室にいた生徒、特に男子生徒達の、唾を飲む音が重なる。
堀: 昨日までは、制服で接客やっていたのを、今日は本番さながらに、執事服とメイド服でやるので、そこのところ、よろしく!
「…」
堀: え?
「やった!!!!!!!!」
「メイド服最高!!!!」
「俺はこの瞬間を楽しみにしてたんだ!!!!」
一気に部屋が沸く。
堀: おぉっと笑。予想はしてたけど、すごいね。
高山: みんな、欲望に忠実だね〜
堀: あ、高山先生。お願いなんですけど、お客さん役をやってくれませんか?
高山: 笑、もちろんOK。
堀: お願いします。
高山: はい、任せといて。みんなの料理に期待してる。
そう言って、高山は教室を出て行った。
堀: 笑。はいはい!みんな、いつまでも騒いでないで、準備して!!
○○: えっと僕は、2組の方のキッチンだね。
理々杏: 私は2組のホール。
○○: お、メイド服じゃん。
理々杏: 楽しみだった?笑
○○: もちろん。
理々杏: 笑、着たらすぐに見せに行くよ。
○○: 分かった、待ってる。
日奈子: おーい!○○!!
○○: ん?
日奈子: メイド服着てくる!!
○○: 了解!
飛鳥: 史緒里もホールでしょ?
久保: うん…
美月: 何、恥ずかしいの?笑
久保: 当たり前じゃん///
飛鳥: もう何回も着てはいるんだからさ。
久保: でも、人前に出るのは初なんだもん。
美月: 大丈夫。絶対に可愛いんだから、堂々としてな。
久保: …分かった。
星野: しーちゃん、行こ!
久保: うん。
星野に連れられ、久保は更衣室へと向かった。
飛鳥: 史緒里のメイド姿、どんな感じなんだろう。
美月: 絶対可愛いよね。
飛鳥: よし、客として見に行こう。
美月: 史緒里は、2組だよ。
飛鳥: なら、理々杏も見れるし、○○の料理も食べられる。
美月: あ、でも、先に1組で、日奈子のメイド姿と春時の執事姿だけ見て、2組の方に行こう。
飛鳥: それが良いね。あと、祐希も起こして連れて行こうか。
美月: 笑、どうせ午後の前半のシフトは、みんな一緒だし。
飛鳥: うん。
杉浦: おい、春時行こうぜ。
春時: あぁ。
璃勇: 笑、楽しみにしてるよ。
杉浦: え、お前メイドさんじゃなくて、俺ら執事を選択すんの?物好きだな。
璃勇: 何言ってんの。もちろん選択するのは、メイドで、お前らがただホールで動き回ってるのを見るだけだよ。
春時: ま、だよな笑
杉浦: なんだ、そういう事か。
璃勇: 当たり前でしょ。ほら、さっさと行った行った笑
杉浦: おう!
春時: はいはい笑
そして、男子達待望のその時がやってくる。
堀: あ、みんな用意できた?
ザワザワ
堀: それじゃあ、入ってきて!!
その言葉で、2つの教室に、執事とメイド達が入って来た。
日奈子: みんなどう?!
理々杏: …(○○どこかな〜)
久保: ///
星野: ニコニコ笑
春時: ちょっと恥ずいな笑
杉浦: 堂々としてろ笑
「うぉぉぉおおお!!!!」
「マジ可愛ええ!!マジでメイド喫茶をゴリ押して正解だったわ!!!」
「あの太陽のような笑顔を持つ元気っ子キャラのメイド姿はたまらん!!!」
「あれに明るく話しかけらたら、死んじまうよ…」
「いやいや、あのツインテールかつドール顔のメイド姿は、ガチのお人形さんだろ…」
「え、あれは似合いすぎて、チート過ぎない?」
「優等生がメイド姿になるというギャップでしか得られない栄養素があるよな。」
「し、史緒里ちゃん、顔赤くしてる…可愛すぎ!!!」
「相変わらず可愛いの天才はヤバいな〜」
「何、本来持ってる可愛さプラスメイド服プラスあのニコニコ笑顔は、私達を殺しに来てるの?」
「おぉい!!笑、中々似合ってんじゃねえか!」
「春時君の執事姿……ブフッ……は、鼻血が…」
「様になってるぞ!杉浦!!」
「執事服着てると、良い男に見えちゃう現象ない?ほら、杉浦を見てみてよ。」
堀: うんうん。みんな、良い感じね。
美月: いや〜あれはズルだよね。
飛鳥: うん。
美月: 女の私でも、可愛すぎるって感情に飲み込まれそうだもん笑
祐希: ふわぁ〜メイドさんがいっぱいだ〜
飛鳥: 祐希はまだ眠たいのか……よし、メイドの史緒里に、それっぽく起こしてもらうか。
美月: なら、2組の方の列に並ぼう。
飛鳥: そうだね…って…
美月: 行列じゃん…
執事とメイド達の姿が公開されてから、僅か3分後には、2つの教室の前に、シフトが入っていない人達による待機列が作り上げられていた。
飛鳥: はぁ……並ぶか。
美月: うん。ほら、祐希。もうちょっとで、○○のご飯食べられるよ。
祐希: え、○○の?!食べる!
飛鳥: 笑、この言葉だけで良かったみたいね。
美月: ○○の料理強し笑
と、2組の方の列に飛鳥達が並んでいる時、1組の列には…
璃勇: さぁ、誰を選ぶかだけど…
高山: 笑、佐藤君は、どの子を選ぶかで迷ってるの?
璃勇: あ、高山先生。
堀に客役を頼まれた高山と、その前に、璃勇が並んでいた。
璃勇: はい、そうです。お客さんのためにって、お店に入る時に、担当の執事とメイドは選べるようにしましたけど、逆に困らせちゃいそうですよね笑。ここまで強い人材が揃ってると。
高山: 確かに。でもさ、途中で最初に決めた担当は変えられないんだから、もし、あの子に担当になってもらいたいって思った場合は、今の会計を終わらせて、もう一回入店しないとじゃん。
璃勇: そうなってますね。
高山: ならさ、それだけリピーターが増えて、お金もたくさん入ってきそうじゃない?
璃勇: なるほど。これを提案した堀さんには、そんな意図が…
高山: う〜ん、もしかしたら、堀さんのアイデアかもしれないけど、多分、齋藤さんのアイデアじゃないかな?
璃勇: え?
高山: この喫茶店のシステムに関して、堀さんは齋藤さんとよく話し合ってたみたいだし。
璃勇: へぇ…よく見てますね。
高山: だって、みんなの担任の先生だし笑。あ、ほら、佐藤君の番だよ。
璃勇: はい、じゃ、お先に行きます笑
高山: うん。楽しんで笑
笑顔の高山に見送られて、璃勇は教室の入口に設置された受付から、中に入る。
執事(受付): いらっしゃいませ。おひとり様ですか?
璃勇: はい。
執事(受付): では、担当の執事もしくはメイドを、1人お選びください。
そう言って、入口に立つ店員は、タブレットの画面を璃勇に見せる。
璃勇: えーっと…(確か、この右下にある数字が担当している席の数なんだよな…お、なんだ春時笑。もうMAXの三席いってんじゃん。雅史は……あ、北野さんは二席か…じゃあ…)
執事(受付): お決まりになりましたか?
璃勇: はい、北野日奈子さんでお願いします。
執事(受付): かしこまりました。それでは、少々お待ちください。
璃勇: はい。
するとすぐに…
日奈子: ただいま到着しました!!!
元気よく日奈子が現れる。
執事(受付): 違う、お帰りなさいませ、ご主人様、な。
日奈子: あ、そうだった!!お帰りなさいませ、ご主人様!!
璃勇: 笑
執事(受付): うん。2番へお願いします。
日奈子: 了解です!!じゃあ、ご主人様!こっちに来てください!
璃勇: 笑、うん。
そうして、璃勇はキッチン側にある一人席に案内される。
日奈子: ご注文が決まったら、このボタンを押してください!
ポケットから犬の模様が描かれたボタンを、手渡す。
日奈子: これを押したら、すぐに駆けつけるんで!
璃勇: 笑、ありがとうございます。
日奈子: いえいえ笑。失礼します!ご主人様!!
綺麗なお辞儀をして、日奈子は、その場から離れて行った。
璃勇: やっぱ、元気だな〜北野さんは。さぁ、春時と雅史の様子を見るか。
教室の中を見渡し、友達の働きぶりを確認する。
春時: ご注文ですね、お嬢様方。
テーブル席に座る、3人組の女子生徒の対応を、難なくこなす春時に対し…
杉浦: え、俺、選ばれたの?
執事: 良いから、早く行け!
杉浦: お、おう……お帰りなさいませ………お嬢様。
女子生徒: 笑、はい。
執事(受付): 4番席にお願いします。
杉浦: で、では、ご案内します、お嬢様。
女子生徒: よろしくお願いします。
璃勇: 笑、堂々としろとか言っときながら、実際の仕事では、雅史はオロオロしてるじゃん笑。それに比べて、春時はなんか、経験でもあるんじゃないかってぐらい、決まってんな。
杉浦: ご、ご注文がお決まりになりましたら、こちらのボタンを押して、お呼びください……あ、おっと…すみません。
女子生徒: いえいえ、良いのよ笑(たどたどしい杉浦君…良いわ笑)
杉浦: では、失礼します、お嬢様。
璃勇: チラッ笑(頑張れ〜)
杉浦: …(こんの、ニヤニヤ笑ってんじゃねぇ!)
璃勇: って、早く注文しないと…
机の上に立て掛けてあったメニュー表をとり、注文を決める。
璃勇: やっぱ、ここは定番で行きたいよな。よし…
日奈子から受け取ったボタンを押す。
ワン!!
璃勇: え?犬の鳴き声?…あ、上のモニターにもここの席のところに、犬のマークが出てる。
日奈子: ご注文ですね!!ご主人様!!
音とモニターの表示を確認した日奈子が、すぐさま隣に来る。
璃勇: 笑、このオムライスをお願いします。
日奈子: おぉ、ド定番ですか!意外とこれまで一度も頼まれなかったので、サンキューです!!
璃勇: そうなんだ笑
日奈子: あ、これ言っちゃダメなやつ?
璃勇: ま、そうだね。
日奈子: そっか〜よし!気を取り直して、かしこまりました!!ご主人様!!少々お待ちください!!
璃勇: はーい笑
10分後
日奈子: お待たせしました!オムライスです!
璃勇: ありがとうございます。
日奈子: それでは、まず魔法の文字を書かせていただきます!
璃勇: 笑、お願いします。
日奈子: では、なんて書いて欲しいですか?!
璃勇: う〜ん、じゃあ………っ!!
突然、真後ろから強烈な視線を感じる。
堀: …
璃勇: ほ、堀さん…
堀: オムライスを頼んだ第1号のご主人様である、璃勇君。君には、ある言葉をお願いする義務があります。
璃勇: ぎ、義務……それは一体…
堀: 「好きだよ」です。
璃勇: …分かりました。では、好きだよ、でお願いします。
日奈子: はーい!!…す〜き〜だ〜よ!
璃勇: っ!!(こ、これは…)
堀: 笑、これの破壊力が分かった?
璃勇: は、はい…文字を書くために、至近距離でその言葉を発せられることによる効果…侮ってました。
堀: でしょ?ほら、見てみな?後ろの男子達を。
「や、やべぇ…」
「次は俺もオムライスを!!」
「もう一回来るから、その時は日奈子ちゃんを!!」
堀: ふっ笑、残念ながら午前のシフトは、今入ってるお客さんまでだから、お客さん入れるのも、既に注文を完了している人の追加注文も受け付けません!!材料費も時間ももったいないからね。
「う、うそだろ…」
「こ、この、鬼プロデューサー!!」
「佐藤よ…お前だけズルいぞ。」
堀: ってことで、あと楽しんで。
璃勇: はい笑
日奈子: ねぇねぇ、そろそろ魔法の言葉をかけても良い?!ご主人様!!
璃勇: じゃあ、お願いします笑
日奈子: やった!それでは行きますよ!
そう言いながら、日奈子は構え…
日奈子: 美味しくなーれ!萌え萌えキュン!!!
「グハッ!!!」
「メイドさんの伝家の宝刀が抜かれた瞬間…」
「この店は、全部の料理に同じことしてくれるけど、ケチャップ文字書きからの、魔法の言葉コンボは、また全然違うよな。」
「おい、佐藤……お前、どれだけ前世で徳を積んだら、そんな神イベに……」
璃勇: ありがとうございます笑
日奈子: いえいえ笑。それでは、ごゆっくりどうぞ!!ご主人様!!
堀: 笑、ナイスよ。日奈子。
日奈子: わぁ〜ありがとう!未央奈!!
ワン!!
日奈子: あ!A席のご主人様達だ!!
堀: ふむふむ…1組の方は見てる感じ問題なしか。次は2組の方に行こう。
璃勇: あぁ…美味い。やはり魔法の力なのか…
高山: うんうん、料理もクオリティが高いね。
その一方で、2組の教室のキッチンでは…
○○: また来たオムライス。なんか一気に注文が増えたな。
キッチンの方に流れてきた、注文の書かれた紙を見る○○。
○○: そろそろ堀さんが止めると思うけど……よし、作るか。
料理女子1: オムライスやってもらっていい?
○○: うん。任せて。
料理女子1: この中じゃ、○○君が一番、料理得意なんだから、安心だよ。ちょっと悔しいけど笑
○○: そんなことないって笑
料理女子2: それ以上の否定は、もはや嫌味だよ。深川君。
○○: え、あ、ごめんなさい。
料理女子2: 笑、冗談冗談。さ、パパッと作ろう。私がパフェ行くから。
料理女子1: なら私はパンケーキ行くね!
○○: 了解笑
そして、オムライスを完成させ…
○○: これは…お、理々杏担当じゃん。なら、このボタンだな。
ピカッ
うん、この音っておそらく…あの黄色いネズミの鳴き声だよな。
そういえば、理々杏はあのモンスター好きだったっけ。
小さい頃も、部屋にぬいぐるみが置いてあったような…
理々杏: 何番さん?
○○: あ、2番さんだよ。
理々杏: 笑、ありがと。じゃ、行ってくるね。
○○: うん。魔法の言葉は全力でやるんだよ笑
理々杏: 分かってるって笑。ってか、まだ感想聞けてないから、後からちゃんと言ってね。
オムライスを持った理々杏は、そう言ってキッチンから出て行く。
○○: え?
料理女子1: 笑、メイド服の感想よ、っと。
ハッ!!
料理女子1: え、癖強!笑
料理女子2: そのボタン、押したの初めてだったんだ笑
料理女子1: うん。誰の?
料理女子2: その内、分かるでしょ。受け取りに来るんだから…
ピンポーン
料理女子2: 笑、ザ、王道だね。さすが優秀な真面目ちゃん。
料理女子1: これは私でも分かるよ。史緒里でしょ?
料理女子2: 正解。
料理女子3: はい、私も押す〜
ピョンピョン
料理女子3: 誰だろう…
料理女子2: 笑、分からない?
料理女子1: え、これも押したことあるの?
料理女子2: うん。だって、私ドリンクばっかり作ってたから、ここにあるボタンは、ほとんど押しちゃったんだもん笑
料理女子1: へぇ…
料理女子3: ○○君は、誰だか分かる?
○○: う〜ん……なんとなく、星野さんかな笑
料理女子3: 分かった。その解答が当たったかは、あとから教えてあげる。
○○: 笑、お願いします。お、次のやつだ。
こうして、再び、新たな紙が届けられ、○○は料理に取り掛かるのだった。
to be continued