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ただ守りたい… 142話

乃木坂病院



○○: こんばんは。


幸村: あら、深川君。お見舞いですか?


○○: はい。お願いします。


幸村: かしこまりました。では、こちらをどうぞ。


○○: ありがとうございます。



生徒会の助っ人となり、一緒に仕事をし始めたその日のバイト終わり、○○の姿は乃木坂病院にあった。



幸村: 今日も呼ばれたんですね笑


○○: なんか、寂しいらしくて笑。日中の様子はどうですか?


幸村: 日中はすごく静かに過ごされてますよ。ずっと携帯でアニメを見ているみたいです。


○○: そうなんですか笑。僕が会ってる間からは、想像できないです。


幸村: それだけ、深川君といると楽しいんですよ。


○○: 笑、そうだと嬉しいです。



チーン



幸村: それでは、また。


○○: はい。帰りもよろしくお願いします笑



エレベーター前の幸村に見送られて、○○は一昨日も昨日も今日も呼び出しを受けた、理々杏の病室へと向かう。



相変わらず、人がいないな〜

不思議な病棟だ。


何より地下にあるし。



コンコン



「どうぞ〜」



ガラガラ



○○: 今日も呼ばれて来ましたよ〜


理々杏: あ、○○。やっと来た!


○○: やっとって笑。ずっと待ってたわけ?


理々杏: そりゃもちろんだよ。私がお見舞いに来てって呼んだんだから。


○○: それもそうだね笑


理々杏: バイト終わりなんでしょ?


○○: うん。バイト終わって、奈々未さんと珠美を送り届けてから、そのまま来た。


理々杏: なんかごめん。


○○: いやいや、理々杏がここに入院してるのを知ってるのは、僕と純奈さんと、七瀬さん、祐希の4人ぐらいなんだから、僕が来ないと寂しいでしょ?笑


理々杏: う〜ん…ちょっとだけ、寂しいかな笑


○○: 笑、ま、今日とか、平日のバイト終わりは、そんなに長くはいれないんだけどね。9時近いし。


理々杏: 全然良い!○○の顔を見れるだけで、治る速度が早くなるから笑


○○: 何それ笑


理々杏: ってかさ、美月が鬼電してきて大変なんじゃないの?笑。こんな遅くまで帰らないと。


○○: 美月?いや、別にそんなことないよ。今日はむしろ、遅くなることを伝えたら、笑顔でOKって言ってくれた。


理々杏: へぇ、珍しいこともあるもんだ。


○○: 多分だけど、料理の練習をするためかな笑


理々杏: 料理の練習?


○○: うん。僕に料理を作ってくれるんだって。


理々杏: え、なんで?


○○: えっとね、まず、今日の昼休みに、なんかありがたいことに、紗耶ちゃんと飛鳥と美月が、お弁当を作ってくれることになって、でも僕が生徒会の手伝いをするってことで、昼休みに時間が取れなくなるから、1回断ったんだ。


理々杏: うんうん。


○○: そしたら、飛鳥が、今週末に僕の家で料理対決をしようって言い出して…


理々杏: ほうほう、飛鳥が…


○○: それで、その対決に参加するけど、おそらく料理をあまりしたことがない美月は、麻衣姉さんに料理を教えてもらってるんじゃないかな?今頃。


理々杏: なるほどね〜〜結局、誰がその週末の料理対決に参加するの?


○○: 言い出しっぺの飛鳥に、最初の会話にいた美月と紗耶ちゃん。それから、僕がバイト中に話して、めちゃくちゃ乗り気になった珠美の4人が参加することになってる。ちなみに、春時と日奈子も審査員として来るよ。


理々杏: ………よし、私も参加する。


○○: え?無理でしょ。入院してるのに。


理々杏: 笑、○○がお見舞いに来てくれてたおかげか、私の怪我は、もうほとんど治ってるんだよ。ってか、怪我したのは腕なんだから、歩けるし。



そう言って、ベッドから降りて、○○の横に立ち、ニッコリと笑顔を見せる。



○○: あ、確かに……ん?じゃあなんで入院してるの?理々杏は。


理々杏: ま、まぁ、そこに関しては色々とあるんだよ。腕はまだ上手く動かせないからね〜


○○: 怪我したのは左肩辺りだから、利き腕は動くのか……なら、大丈夫なの…か?


理々杏: うん!だから、私も参加する!


○○: その入院しないといけない色々については?


理々杏: お父さんを説得する!


○○: じゃあまずは、おじさんの説得を成功させないとだね。


理々杏: 頑張る!


○○: 笑、理々杏の手料理も初めてだから、楽しみにしておくよ。さ、ベッドに戻って。


理々杏: うん。ヨイショ


○○: ちなみにさ、理々杏は料理できるの?


理々杏: もちろん笑


○○: お、優勝候補か?笑


理々杏: 絶対にみんなに勝てるような、美味しい料理を作るからね。そういえば、料理のテーマとかはあるの?


○○: えっと、確か……白米に合う料理だったと思う。


理々杏: なるほど……ってことは、一品対決って感じかな。まぁ、そこは後で、飛鳥に詳しく聞いとくとして、今から何の料理を作るか考えなきゃ!笑


○○: そっか。じゃあ、僕はその邪魔をしないように、そろそろ帰ろうかな笑


理々杏: え〜邪魔どころか、○○に作る料理なんだから、その○○がいた方が、色々聞けて良いに決まってるし、もうちょっといて!


○○: 笑、また甘えん坊モードの理々杏が出てきたな。


理々杏: 甘えん坊モードって…変な名前をつけないで!


○○: だって、なんか普段の理々杏からすれば新鮮だし、何より可愛いし笑


理々杏: ///もう!気軽にそんなこと言わないの!


○○: 何を?


理々杏: はぁ……やっぱ○○だな……


○○: じゃ、時間もあれだし、帰るね。


理々杏: あ、待って待って、最後にギューってして!


○○: え、マジで言ってる?


理々杏: うん!昔はよくやってたじゃん。


○○: 昔の話じゃん…


理々杏: ○○は嫌なの?


○○: い、嫌っていうか、恥ずかしいっていうか…


理々杏: 別に誰も見てないし、それに美月とはやってるんでしょ?たまに。


○○: それは不可抗力だよ。突然コアラみたいに引っ付いてくるんだから。


理々杏: 結果的には抱きついてるじゃん。美月は良いのに、僕じゃダメ?


○○: ……なんかその感じだと、やるまで帰してもらえなさそうだ。それに今逃げたら、鬼電してきそうだし…


理々杏: さすが○○。僕のこと分かってるね!


○○: ……ちょっとだけだよ。


理々杏: やった〜


ギュッ



見事、理々杏の企みは成功し、○○はベッドの上の理々杏を抱きしめる。



理々杏: (強気で攻めて良かった〜〜学校に行けてない分、ここで取り返しとかないとだからね。はぁ〜〜やっぱ、○○といると安心するな〜)


○○: …はい、終わり。


理々杏: 笑、ありがと。これでさらに回復が進むよ。


○○: どういう原理よ笑


理々杏: じゃあ、またね。


○○: うん。バイバイ。



そうして、○○は椅子から立ち上がり、理々杏に手を振られながら、病室から出て行く。



えっと今は…9時半か。

家に着くのは10時ぐらいかな。


となると……何か甘いものを買って帰るべきだ。

遅くなった理由を誤魔化すためにも。



○○: じゃあ、どこに寄ろうかな……って……



理々杏の病室から、エレベーターの前までの廊下の途中の病室の前で、○○は立ち止まった。



○○: ここ、誰の病室…



無性に、この病室を使っている人物が気になり、扉をノックする。


コンコン



○○: …ん?誰もいないのか?でも…



部屋の中に、何かしらの気配を感じ取っている○○は、不思議に思い、マナー違反ということも分かってはいるが、中を見たいという衝動を抑えきれずに、少し扉を開き、その隙間から部屋の中を覗く。



○○: …ベッドが1つあるだけ?他に人もいなさそうだし……



そして、扉に手をかける。


ガラガラ



○○: 失礼します……



恐る恐る部屋の中に入り、中央にあるベッド上で眠る女性を視界に入れる。

すると、その瞬間に…



○○: あ、あれ…なんで……



眠っている女性から目が離せなくなり、視界が滲み始める。



○○: なんで僕は……泣いてるんだ……涙が止まらない……



一生懸命に、溢れ出てくる涙を腕で拭うが、それが追いつかないほどに、流れ続ける。



○○: 一体、誰なんだ…この人は……初めて会ったはずなのに……おかしいだろ……



と、目の前の女性は何者なのか、そして、なぜ自分が泣いているのか、ということを考えつつ、涙を拭いながら、ベッドの前に立っていると…



幸村: なんで扉が……って、深川君?



開いているはずのない扉が開いていることに気づいた幸村が、病室の前にやってくる。



○○: っ!!あ、看護師さん。すみません、勝手に入っちゃって…


幸村: い、いえ、それは構わないんですが……大丈夫ですか?



振り向いた○○が泣いているのを見て、幸村は衝撃を受ける。



○○: す、すみません…なんか、僕もよく分かってなくて……でも、大丈夫ですから…上に戻りましょう。


幸村: えっと……


○○: 先に行ってますね…



泣いている○○に、どう声をかければ良いのか分からず、動けなかった幸村を残して、○○は急いで病室を出て、エレベーターの方に向かうのだった。





幸村: 深川君……


理々杏: …泣いてましたね、○○。


幸村: え、理々杏さん。


理々杏: ○○のお見送りをしたいって思って出てきたら、看護師さんがここに入っていくのが見えて。


幸村: なるほど…


理々杏: ○○が待ってますから、看護師さんはエレベーターの方に行ってください。


幸村: …そうですね。



そう言われて、幸村も病室を出て行き、深川麻衣が眠る部屋には、理々杏1人だけが残る。



理々杏: …



○○、泣いてたな…


「暗示」は、あくまでも人の意識にのみ作用するものだけど、お姉さんについての記憶が封じられているのにも関わらず、あんなふうに……○○の体が自然と涙を流すとは…


それだけ、○○にとって、お姉さんが大事な存在で、記憶が封印されている今でも、体は覚えているからなんだろうな。

そして何より、3年前のあの出来事が、○○の体にとっても強いトラウマになっているんだ。


あの感じだと、記憶を完全に思い出した時に、○○はどうなっちゃうんだろう。

「解放」を使いこなせるようになるぐらいに、戦いの経験を積んで、自分と向き合って、心が強くなれば、トラウマを克服できるって思ってたけど…

正直、あの反応を見ると、不安だ。


僕の判断は間違ってたのかな……


いや、今の時点で、○○が記憶をどこまで取り戻せているかは分からないけど、まだ完全に記憶が戻るまでには時間があるだろうから、そこに期待しよう。

それに、今の○○には頼れる家族も友達もたくさんいるし。


大丈夫、○○ならきっと大丈夫。



理々杏: よし…



退院のこともだけど、○○にかけた暗示についても、改めて、お父さんと話し合わなきゃ。

できれば、○○のお父さんとも一緒に。


それと……美月かな。

美月に、○○の記憶がどこまで戻ってるかも確認しないとな〜


あ、何よりも、料理対決で作る料理をどうするか考えなければ!



理々杏: 笑、やることがいっぱいだ。さようなら、まいまいお姉さん。



そう言って理々杏は、ベッドで眠る深川麻衣に手を振った後、自分の病室に戻った。



翌日

放課後


2年6組教室



美月: よろしくお願いいたします!!


ブンッ!!



空気を切る音が聞こえるような勢いで、美月は腰を曲げて、頭を下げる。


すると、もちろんのこと…



ザワザワ



6組の教室にいた生徒達がざわめき始める。


しかしながら、それは困惑というより、喜びのざわめきであった。


なぜなら、美月が頭を下げた相手が相手だったからだ。



梅澤: ばっ!こんなところでやめろよ!


美月: 嫌だ!美波がOK出してくれるまで、頭を下げ続ける!


梅澤: いや、メールでも断っただろ。


美月: お願いだから!お姉ちゃんも学祭近くて、付き合えないって言われたから、もう私には美波しかいないの!!


梅澤: そ、そんなこと言ったってな…



あまりの美月の熱量と、周りから注目を浴びているという今の状況に戸惑いを隠せない梅澤。


そして、そんな梅澤が珍しく、困っている表情の梅澤が可愛いと内心で思っている女子生徒達と、単純に梅澤と美月のことが気になっている男子生徒達の注目が、さらに強くなっていく。



美月: もう土下座でもなんでもする覚悟だからね!私は!!


梅澤: …チッ、しょうがねぇ、面倒見てやるよ!だから早く頭を上げろ。そして、さっさとここを出るぞ!


美月: っ!やった!!!ありがとう!美波!!ほんと最高!美人!!救いの女神!!


梅澤: なっ!///やめろ!



ザワザワ



梅澤: あ〜もう!早く動け!!


美月: はーい!!



クラス中の視線に耐えきれなくなった梅澤は、歓喜の声を上げる美月を、強引に押し出しつつ、教室を出た。



梅澤: はぁ……ほんと迷惑だぜ。


美月: でも、放課後すぐに教室に行かないと、逃げるつもりだったでしょ?


梅澤: ……まぁな。昨日からしつこかったし。


美月: ってことで、美月ちゃんの作戦は大成功ってことですよ!


梅澤: 腹立つドヤ顔だな……やっぱやめ…


ガシッ


美月: どうかお助けを〜


梅澤: …調子の良いやつ。で、どうすんだ?どこで料理の練習をするつもりなんだ?お前の家?


美月: え?私は美波の家でやるつもりだったんだけど。


梅澤: は?


美月: だって、うちは○○がいるし、何よりお姉ちゃんが来たら、美波が使い物にならなくなるじゃん。


梅澤: ……他の場所は?


美月: ない!逆に美波は、どこか良い場所に心当たりあるの?


梅澤: …ねぇよ。


美月: じゃあ、美波の家で決定だね!


梅澤: ……



どうしても美月に家バレをしたくない梅澤は、他に良い案がないかを考え続ける。

ちなみに、梅澤が美月に家バレしたくない理由は、もし、美月に家を知られてしまった場合、なんかめんどくさいことになりそう、というただの梅澤の勘である。



美月: それに、○○と蓮加は美波の家を知ってるのに、一番の大親友であるこの私が知らないっていうのに、納得がいかないの!


梅澤: 大親友ね………はぁ……行くぞ。


美月: どこに?


梅澤: 来ねぇんなら別にいいんだが……笑、私の家。


美月: 行く!!!


梅澤: でも、ちゃんと事前に連絡してから家には来るんだぞ。


美月: 笑、フリにしか聞こえないんだけど。まさか、突撃訪問して欲しいの?


梅澤: あ〜やっぱり、1人で帰ろっかな。走れば撒けるし。


美月: お願いします!お願いします!お願いします!お願いします!お願いします!


梅澤: 態度の変わり様がすげぇな笑


美月: さぁレッツゴー!!



こうして、梅澤はルンルンの美月を連れて、自宅までの道を歩く。



美月: え、裏門からなの?


梅澤: あぁ、一番近いからな。



美月: ここの住宅地、見回りで来たような…


梅澤: お、よく覚えてんじゃねぇか。



美月: ねぇ、この先にさ、駄菓子屋さんあったよね?


梅澤: あるぞ。あのお前が大量の駄菓子を買ってた駄菓子屋がな。



美月: …


梅澤: ほら、もうそろそろ…


美月: めちゃくちゃ来たことあるじゃん!ここ!!


梅澤: 笑、夏休みの見回りでだろ?


美月: なんで教えてくれなかったの?!


梅澤: いや、家バレしたくなかったし。


美月: グヌヌ……


梅澤: ちなみに、あの時にはもう、○○も知ってたから笑


美月: なっ…まさかの仲間外れは私だけ……


梅澤: 笑、まぁ、今日で仲間になれるんだから良いだろ?(なんか、こうやって悔しがってる美月を見るのも楽しいな。)


美月: くぅ……


梅澤: ってか、言うの忘れてたんだが、○○はもう、私の手料理を食べたことがあるぞ笑


美月: え……


梅澤: 私もそんなつもりはなかったんだが、流れでな。○○と蓮加に料理を振る舞うことになっちまって。美味いって言って食べてくれたぜ笑


美月: そ、それさえも先を越されていたとは……まさかの美波も敵?!


梅澤: 笑、いやいや。私はその戦いには参加しねぇよ。どこの戦場よりも危険だし。それに…


美月: それに?


梅澤: 大親友の美月の願いが叶うことを、私は望んでるからな笑


美月: 美波………私、頑張る!!


梅澤: おう。みっちり教えこんでやるよ。


美月: よろしくお願いします!師匠!


梅澤: 笑、あ、ついたぞ。


美月: ほぉ〜やっと、ずっと謎だった美波の家が見れる…の……か…………え?ほんとにここ?



○○と蓮加も初めて見た時は、口をあんぐりと開けた大きいマンションを見上げて、美月も同じように口をあんぐりと開ける。



梅澤: あぁ。正真正銘、私の家があるマンションだ。


美月: 嘘でしょ…


梅澤: さ、入るぞ………って、ん?



マンションの中に入る自動ドアの向こう側に、見覚えしかない女子2人の後ろ姿が見える。



梅澤: あれはまさか…


美月: ほぇ……


梅澤: 美月、駆け抜けるぞ。


美月: ん?え?


ガシッ


梅澤: 行くぞ!!


美月: ちょっ、なに?!



ウィーン


ポケットからカードキーを取りだし、美月の腕を掴んだ梅澤は、自動ドアが開いた瞬間に走り出す。



??1: あ!梅澤先輩!!と…


??2: 美月先輩?


美月: あれ、瑠奈ちゃんと美佑ちゃんじゃん、って美波、引っ張らないで〜


梅澤: 急げって、コイツらも入ってくる前に…


美月: っ!そういうことなら笑……おりゃー!!


キキーー!!



自分の腕を掴んでいる梅澤の手を掴み返し、美月は梅澤のダッシュを引き止めるように、足で思いっきりブレーキをかける。



梅澤: なっ!やめろ!美月!


美月: 別に良いじゃん!この2人も入れてあげなよ!


林: はっ!!私達も入れてください!!今日も遊びたいです!!


松尾: お願いします!梅澤先輩!


梅澤: 嫌だよ、うるさいし。


美月: そもそも私もいるんだから、2人が増えたところで一緒でしょ!


梅澤: お前、それ自分で言うのか…


林: お願いしますよ〜梅澤先輩〜私達、お腹ぺこぺこなんですよ〜


松尾: お腹と背中がくっつきそうです。


美月: ほら、後輩がこんなにひもじい思いをしてるんだしさ!それに、試食役にちょうど良いし!


林 松尾: キラキラキラキラキラ


梅澤: クッ…………しょうがねぇ。


林 松尾: やった!!!


梅澤: ただな、お前らにはお使いに行ってもらう。


林: お使いですか?


梅澤: あぁ。それをちゃんとやってきたら、家に入れてやるよ。


松尾: 任せてください。


林: でもそんなこと言って、帰ってきた私達を家に入れないつもりじゃ…


美月: そこは安心して!私が開けるから。


梅澤: なんでお邪魔してる方のお前がやるんだよ…


林: なら大丈夫ですね!じゃあ、早速行ってきます!


松尾: 全速力で。


梅澤: 買ってきて欲しいのは、後でメールで送るから、さっさとスーパーに行け。


林 松尾: はい!


バタバタ


梅澤: ったく、何日目だよ。


美月: 笑、良いじゃん。可愛い後輩で。


梅澤: 毎日のように来られると、さすがにうざいっての。


美月: 笑、にしては、心底嫌そうな顔はしてないような〜


梅澤: …うるせぇよ。ほら、行くぞ。


美月: はーい笑



こうして、林と松尾をお使いに行かせつつ、梅澤は美月を連れて、自分の部屋へと向かった。

そして、この時から、梅澤による、美月の料理特訓が始まったのだった。



to be continued







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