【エッセイ】友達の意味
……友達って、何なんだろうな?
……友達って、みんなあんな感じなのかな?
そう疑問を抱き、下校している。
しかし、これから看護師さんと面談だ。
いつもの喫茶店に行こう。
喫茶店の前で、看護師の外崎さんを待っている。
少しして、外崎さんが車に乗ってきた。
「ごめんなさい。遅くなって」
「大丈夫です。中に入りましょうか」
僕と外崎さんは、中に入った。
注文を済ませ、面談を始めた。
「最近は、何か困り事あった?」
「……外崎さん、友達ってどうあるべきだと思います?」
「どうあるべきかぁ……何で?」
「実は、僕の友達で1人、良い人なんだけど、毒がある子が居て……」
「毒?」
「その友達は結構特殊で、自分を貫きすぎるっていうか、自分と違う考えを持つ人を悪と判断するっていうか」
「例えば、どんなところが?」
「その子は、人が恋愛をすることをあまりよく思ってなくて、
『恋愛してる人は性欲に脳を支配された人』
って言ってて、
実際僕が、前の彼女と付き合ってた時に、『お前、騙されてるんじゃないかな?』って言われて、彼女と別れた後、『やっぱり、騙されてたじゃん!』って言われたんです。
でも実際は、お互いに話し合った上で、友達に戻った方がいいっていう形の別れ方だったんで、ちょっとムカついたんです」
「そうやって、言い返さなかったの?」
「喧嘩になりたくなかったんです。でも、今思えば言えば良かったなと思ってます」
「なるほどね」
「同じことになりたくないから、今、彼女が居ることは、黙ってます」
「その友達は、きっと彼女が居る多賀さんが羨ましいから、そういうこと言うんじゃないかな?」
「いや、そんな風に見えないです」
「そっか……」
「まぁ、良いところもあるんですけどね。ちゃんと感謝をするところとか、挨拶をするところとか」
すると、外崎さんはラテを少し飲んで、
「まぁ、人間って100%会う人なんていないからね。それに、利点と欠点は付きものだよ。多賀さんは多賀さんらしくで、良いんだよ。今まで通り、彼女さんとも、その友達とも、仲良くして」
……やっぱり、そうだよね。
「そうですね。僕はあいつのために生きてるんじゃないから、自分を保ちます!」
僕は強気で言う。
「うふふっ!」
外崎さんは笑う。
「そうだ! 明日、彼女と水族館デートします」
「良いね。楽しんできな。わたしも、明日旦那さんとお出かけするから」
「おっ、じゃあお互い楽しく過ごせますように」
僕はそう願った。
飲んでいるコーヒーは、少し甘く感じた。