RIZIN 8月9日、10日を振り返る part2
【窮地のKRAZY BEE レジェンドからの卒業が必要か】
神興行となったRIZIN22、23。その中で3名がKRAZY BEEから戦った(アーセンは元所属)ものの結果は全敗。厳しいものとなった。
しかも彼らは今回だけでなく、直近の成績も既報の通り芳しくなくそれぞれが岐路に立たされている。
KRAZYBEEといえば、一昨年の9月に亡くなった格闘界のレジェンド、山本KIDが立ち上げたジムであるが、この成績に天国のKIDも泣いているだろう。
筆者ももちろん学生時代、彼のパフォーマンスに一喜一憂した青春時代を過ごしたわけで
それを踏襲した戦いを魅せる使命のある彼らの戦いは、理想とはあまりにもかけはなれている。
素人目で恐縮ではあるが原因を考察するとともに、試合も振り返ることとしたい。
KIDの成果は圧倒的センスによるもの
彼の成果が天性、センス、身体能力によるものであることが大きい原因であるように思う。
それを引き継ごう、まねようとしても難しいところがあるのにも関わらずそれに傾向しすぎているのではないか。
通常のジムであれば最近では科学的な思考も取り入れトレーニングメニューが構成されているはずだ。
そういった基礎や反復を軽視してセンスぶったメニューとなっていないか。
矢地、朴らの戦前やSNSの内容を見ていても、特にしゃべり方が全員KIDを彷彿とさせるようで、違和感を感じる(朴はそんなしゃべり方じゃなかったでしょ)。
「KRAZYBEE所属」という部分にバリューを感じ、ノリでそこそこやれていたのかもしれないが、変革が必要と感じる。
現状では悪い意味のほうで山本KIDという存在が選手にのしかかっている。
そのプレッシャーを開放し、大部分を彼から卒業し各々のやり方で勝利への道を模索するべきではないだろうか。
(皮肉にも入場曲やパフォーマンスは圧倒的にセンスありで、結果を残している。朴の入場は2日通して1番かっこよかった。中国的な曲?だろうか。矢地のカンフーっぽい曲とのミックスもおしゃれ。SOULSCREAMの蜂と蝶も相当かっこいいし、筆者もよく聞かせてもらっている。「豊橋が生んだ・・・」とかなりださいアレンジのAKの曲で入場しているのが朝倉海という事実は、この皮肉の程度をより大きいものにしている。きっと海に入場曲にこだわりがあるわけでなく、「AKさんが作ってくれたし、これでいこう」くらいにしか思っていない。
もしかすると入場曲を平たくしてセンスへの意識からの脱皮が矢地や朴らのまずするべきことなのかもしれない)
試合について 矢地祐介VSホベルトサトシソウザ
ここまで差の出る試合だとは思わなかった。マウントコントロールからのパウンドは圧巻だった。テイクダウンに対する危機感が矢地に少なかったように感じる。
「対処にふんわりしてしまった」は矢地の試合後談話だが、もっと徹底的にやってほしかった。ジークンドーによる蹴りもでていたようだが、それが結果不用意でとられてしまった。
パンチ主体でタックルはすべて切るくらいのこだわりがあれば、結果は変わっていたかもしれない。
まだまだこれから、KRAZY BEE最強時代に向けて
ただ、ここまで語るのは筆者の大きい期待の裏返しだ。RIZIN初期を支えたのは、間違いなく矢地であるし、「やっちくん」というお祭り男の復活を期待したい。こういった負けは通過点として、是非スターへ駆けあがってほしいし、全力で応援し続けたい。
リングを駆け回り翻弄し、強烈なカウンターストレートで敵を倒す日がまた来ることを、筆者は願ってやまない。
「蝶のように舞い ゆらりゆら 蜂のように刺す ブンブンバァ©SOUL SCREAM」