ISMOS1 ただただ最高だった
【格闘技の良さを感じるこれまでにない興行】
筆者は北岡悟が好きだ。RIZINでのダロンクルックシャンク戦での1本勝ちから、そしてジョニーケース戦まですべての試合を見ている。
負けても名バウトと言われる多くの試合を演じているが、明確に意図しているスタイルを崩さずに攻めていて見ているこちらも興奮せざるをえない。
「俺はこれで勝つぞ。だめな展開など気にしないし、表現できずに逃げていては負け」といった雰囲気。
最近だと試合結果としてはブランダオン戦やケース戦のように衝撃的に負ける試合も目立つがそれでもレッグから狙う試合運びであきらめない、打たれても放さないその気持ちや根性は、ただそれだけで見ているこちらも何かを感じることができる。
ZSTライト級王者に見せたこだわりの塩漬けから同大会を最後恒例のセリフで締めた1時間半の興行を見るに、やはり北岡悟を愛さずにはいられないのだ。
シンプルな構成ながら無駄のない展開
ジム興行ということで、各団体を定期的に視聴している筆者にとってスケール感を見る前に懸念しているところがあったが、結果的に今回のスケールが最高だった。
通常のオクタゴンよりも一回り小さいケージ、簡易的な照明、アナウンス、煽り等であったがそれが「ありのままの格闘家、生きる格闘家」の投影に見事に成功していた。
コロナ下の影響で不安定な環境の中、ありがたくこれに臨む選手たちの葛藤や思いがみてとれたし、見ている視聴者も改めて感謝や敬意を持てた、そんな印象だ。
だらだらと終了後繋がずにスパッと終わったのも余韻としてよかったし、試合間のインターパルの尺もちょうどよかった。
そして実況解説お二人のコメントとテンポも最高に聞き心地が良かった。
矢澤選手、衝撃のアップセット!たまらず号泣
全試合ドラマがあったし、素晴らしい試合の連発だったが特に試合として魅せた矢澤選手は間違いなくファイトオブザナイトだろう。
北岡選手のSNSによく登場することで、それで認識して楽しみにしていた。
インタビューでも「逃げたかった。けどそんな中頑張った。お前のストレートは当たらないとディすったやつらに鼻くそなげつけてやりたい」と泣きながらのコメントも選手としての幅を見せつけたに違いない。
そんな等身大の格闘家をここでもうまく写していたように思う。
(入場曲がピストルだったのも渋かった。このISMOSの雰囲気にあっていた。
この点では餅選手のゾーンに入りながらの入場も同様によかった)
木村選手の気持ちも見れたし、近藤選手もさすがという試合だった。
こだわりの塩漬け、北岡VS小金2RIZINで?!
メインの展開は北岡によるポジションコントールで3R漬けつづけ終了。
判定があったとすると30-27ユナニマス北岡だったと思う。
→去年あたりまでの「ダメージ重視」ジャッジだった場合、少し変わっていたかも?
通常この展開は一般的には「スイングしていない」「面白くない」となりがちだが、記事冒頭のようなフリが筆者にはある分楽しめた。
「自分としてはよくやった。自分でほめてやりたいです」
という北岡のコメントは印象的。
周りがどう思おうが、自分のやりたいことに徹し(この場合終始コントロールしてなにもさせなかったという捉え方だったり)パフォーマンスを魅せてくれたのだ。
小金選手も感謝にあふれたコメントも最高だった。
こういった泥試合も、このスケール感に非常にあっていて見ていても飽きることはなかった。
本人はSNSで否定しているが是非他団体で再戦を見たい。
ISMOS2開催があるのなら必ず見ます
興行は圧倒的スイングしたはずなので第2回以降も期待したい。
最後「格闘技界を代表して感謝申し上げます」とした水垣氏のコメントに少し潤みながら笑顔でレスをしていた代表の顔で、あぁこういうことなんだなって感じた。
改めて開催に向け尽力くださった関係者様各位には私からも感謝申し上げたいといったところである。ありがとうございます。
この「当り前じゃないからな。この状況©極楽加藤」感を再認識させてくれた同興行に改めて感謝し、次週のRIZINに臨みたい。
「明日からまた、生きるぞ!」
追伸:画像はゆで太郎の薬味そばです。