着床前診断をやってみた

着床前診断を受けるまで

私の通っているクリニックは当初着床前診断を行っていませんでした。
ですが、たまたま1回目の採卵で取れた受精卵がすべてなくなったぐらいのタイミングで診断が可能となり、超ラッキーだったとしか言いようがありませんでした。

着床前診断自体は知っていましたが、できる施設も少なく、きっと働きながら通えるところにはないだろうな、とあきらめていました。
なので、1回目採卵分の最後の胚移植の妊娠判定で、かすりもしなかった結果を説明してくれたドクターへ、今後治療を続けて妊娠の可能性があるのだろうかという不安をぶつけた際に、「着床前診断という新しい選択肢も増えたから、頑張ってみたら?」と言われたときには、びっくりしました。
「え?ここじゃできないですよね」ときょとんとする私に、「2か月前ぐらいからできるようになったよ~」と。

・・・しらんかったわー!!!!!(もっと宣伝してくれ)

実際に診断を受けるかどうかは遺伝カウンセリングを受けてからにしてねと言われましたが、2回の流産を経験し、結局不妊の理由がこれっぽっちもわからない私にとって、もうその話を聞いた時からやる気満々でした。笑

不妊の原因

人によって、不妊の原因ってほんと様々だと思います。
受精障害、着床障害、無精子症、その他諸々。。。
ただ、私たち夫婦はどの検査にもひっかからなかったのです。

採卵をすれば、年齢相応の受精卵が取れる(アラフォーで7~8個)。
受精率もすこぶるいい(2回目の採卵だけ1個だけ受精しないのがあった)。
胚盤胞になる確率もかなりいい(2回の採卵でどちらも脱落したのは1個のみ)。
グレードもそこそこよい(2回目の採卵では、全て着床前診断に耐えうるグレードで培養士さんが褒めてくれた笑)。
そして着床もする。
それ以外の諸々の検査、数値も悪いところはない。

・・・でも、結果がでない。

すごくもやもやしてました。
原因不明でこのまま同じ方法で採卵して胚移植して、結果は出るの?って。
胚移植しても結局流産繰り返して、心も体も疲弊して、お金だけなくなってくんじゃないの?って。

着床前診断は、賛否あるのは重々承知していますが、私にとっては本当に光ある治療法でした。

着床前診断を受ける基準

うちのクリニックでは、誰でも着床前診断を受けられる、というわけでなく、ある一定の条件が必要です。
流産の回数や、胚移植をしても妊娠が成立しないなど。

―ああ、この治療は、ある程度苦しんでからじゃないと受けれないやつなのか。

私は1回の採卵でそこそこ移植できる受精卵が取れ、更に流産なども経験したことから、1回の採卵でとった胚移植がすべて完了するまでに1年半かかりました。
それからでないと、受けられない治療なのか。

流産は本当に辛いものです。
導入に慎重にならざるを得ないのもわかりますが、もう少し診断を受けれる幅を広げてくれてもいいのに・・・と思ってしまいます。

着床前診断の結果 ~数打ちゃ当たる方式の治療に一石~

私のように不妊の原因が不明の方は多くいらっしゃいます。
現代医療をもってしてもわからない。
原因がわからない場合どうするか、というと、ひたすら採卵と胚移植を繰り返す、これだけです。

もちろん、病院はできる限りの原因を探ってくれるとは思います。
でもそれでも原因がわからなければ、上記が繰り返される、ということが日本中どこの病院でも多く行われていると思います。
お金が尽きるか、気力が尽きるか、はたまた年齢によりギブアップをするか、それまでひたすら「よい受精卵」に当たるための高額ガチャを引き続ける。

そこに一石を投じてくれる(可能性がある)のが、着床前診断かと。
特に、私はそうでした。
何故かというと、私は7個あった胚盤胞のうち、正二倍体の(つまり正常な数の染色体数だった)胚盤胞は、たった1個でした。
これは年齢的にいっても少ないんだそうです。

つまり前回も同じ程度胚盤胞ができたけど、全て異常胚だった可能性があります。
そりゃ流産するわ、と。

着床前診断をしていなければ、この7つともぜーんぶ戻すわけですから、妊娠が成立しないだけでなく、流産を繰り返す可能性も高かったわけです。

着床前診断は目玉が出るぐらいお値段がはったのですが、7個の胚移植代、7個すべて移植していた場合の時間、流産した場合のダメージを考えれば、安いもんです(いや、でも高かったな・・・笑)

着床前診断をしてよかったこと

もちろん、不要な胚移植、流産を防げたこともありますが、それ以上に、何だかとても、すんっと納得がいったのです。
だから、今まで結果がでなかったのか、と。

元々、正常な胚が少なかったんだと思います。
その理由まではわかりませんが、それでも、すごく納得感があったというか、自分の不妊に対して一区切りつけられたような、(結果は悪かったくせに)妙にすっきりした感がありました。

なるほど、それでか~~~と。
理由もなく、やみくもに走っている感じが、なんとも言えず気持ち悪かったのです。

ただ、これが正常胚が1個もなかったら、ただの絶望だったかもしれません。
少なくても1個はあった。希望はあった。
それだけで、十分でした。

着床前診断を取り入れれば、どこかのタイミングで正常胚で妊娠ができるかも、という希望が見えてきました。
ですが、それとともに、あの目玉が飛び出るほどの高額の治療をそれほど長くは続けられないし、その時が治療の止め時でもあるのだろうとも考えました。

着床前診断の結果は、これからの未来が少しクリアに想像しうるものになった、ということが、私にとっては大きな収穫でした。

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