見出し画像

手作りデッキケースのレシピ公開!【MTG統率者向け】

マジック:ザ・ギャザリング(MTG)プレイヤーの私は、自分好みの見た目のデッキケースがほしいと思ったことをきっかけに、デッキケース制作に挑戦しました。

やってみると、もともとモノづくりが好きなこともあり楽しくて、今では自分の持っているほぼすべてのデッキのケースが手作りです。

先日は、「冷酷な者、アシュノッド」が統率者のEDHデッキ用のケースをつくりました。

デッキケースは、カルトナージュという手法でつくっています。
カルトナージュとは、厚紙でつくった箱に布や紙を張り付けるヨーロッパの伝統工芸です。

複数の手作りデッキケースとMTGカード
今までつくったデッキケースと統率者たち

今回は、自分のレシピの記録を兼ねて、このデッキケースのつくりかたを紹介します。

初めての人でも手軽に挑戦しやすく、実用できるデッキケースをつくれるレシピにしています。
レシピを参考に、ぜひデッキケース制作に挑戦してみてくださいね。


制作できるデッキケースについて

手作りデッキケース1つ
このレシピで制作できるデッキケースの例

【デッキケース内寸(カードが入るところ、ケース内側のサイズ)】
W80mm×D75mm×H105mm
【デッキケース外寸(ケース外側のサイズ)】
W83mm×D80mm×H108mm

このレシピでできるデッキケースは、MTGの統率者デッキ向けです。
MTGのシングルスリーブのカード100枚に加えて、厚紙の仕切り1枚、トークンなどのスリーブなしMTGカードを25枚くらいまで入れられます。
上にデッキケースを重ねて積んでも大丈夫です。

用意する布の大きさと、手順①で切り出す厚紙のパーツのサイズを変更すれば、他のサイズのケースも簡単につくれます。

準備するもの

・厚紙(方眼用紙) A4サイズ3枚
……厚さは0.5mm~1.0mmくらいのものが扱いやすいです。方眼用紙だとマスがあるので、長さを正確に測ってパーツを切り出しやすいです。100均でも買えます。

工作用紙と厚紙
100均で買った工作用紙と厚紙

・布
厚くない綿の布が扱いやすくておすすめです。ケースの以下の部分用に各1枚必要です。布を切って用意しましょう。すべて同じ柄の布を使用しても、別の布を使用しても構いません。どの布がケースのどの部分の柄になるのかは、以下の図や写真を参考にしてください。

【ケース側面(外側)】34cm×12.5cm
【ケース底(外側)】9.5cm×10cm
【ケースふた部分外側】10cm×16cm
【ケース内部】30cm×30cm以上あれば十分(のちにケース内部のパーツに合わせて切ります)

手作りデッキケースの外観と中が見える画像
このデッキケースの場合、
【ケース側面(外側)】と【ケース底(外側)】は黒地に赤や青や黄色の模様が入った布、
【ケースふた部分外側】に青い布、
【ケース内部】に黒い布
を使用。

・木工用ボンド 1本
……厚紙でつくった箱に布を張り付ける際に使います。そんなに量は使わないので、小さいサイズのボンドが1つあれば十分です。

・筆 1本
……ボンドを塗り広げるのに使用します。どのようなサイズのものでも構いませんが、細かい塗りは必要ないので8号以上のものがおすすめです。

・マスキングテープ 1本
…2cmくらいの幅のものがおすすめです。紙を組み立てて箱の形にしていくときに使います。カルトナージュでは水張テープを使用するのが最も一般的ですが、マスキングテープでも十分ですし、水張りテープより扱いやすいです。

マスキングテープ

・布裁ちばさみ
……布をカットする際に使用します。

・はさみ/カッター
……今回使用する0.5~1mm程度の厚さの紙なら、通常のはさみで切れるので、私ははさみを使用しています。

・ペンと定規
……厚紙を切るときに、長さを測って印をつけるのに使用します。

・マジックテープ
……ケースのふたを留めてくれます。私は以下の写真のような、直径22mm円形のアイロンで接着できるマジックテープを使用しています。今回のレシピはマジックテープの使用を前提に書いていますが、他にもケースの留め具として、マグネットやゴムなども使用できると思いますので、お好みにアレンジしてください。

アイロンでつけられるマジックテープ直径22mm丸形
アイロンでつけられるマジックテープ直径22mm丸形

・(ほしければ)飾り
……リボンやワッペンなど、デッキケースに付けたい飾りがあれば用意しましょう。

デッキケース制作手順

手順① 紙を切ってケースの土台となるパーツをつくる

厚紙を、デッキケースのパーツごとに切り分けていきます。以下のケース展開図にある合計7枚のパーツを切り出しましょう。厚紙を切る際は、なるべくまっすぐ切るように注意すると、デッキケースの仕上がりがきれいになります。

ケース展開図
切ったパーツの写真
切ったパーツにはペンで「表」「フタ」など
どこのパーツかわかるように書いておくと作業しやすいです

・表:縦10.5cm×横8.0cm。この長方形のままでもいいのですが、デッキを取り出しやすいように、上部に台形の切り込みを入れています。こうすると、カードによってはふたを開けた際に統率者の顔が見えるのも嬉しいところです。

表のパーツの図と、できあがったデッキケースのフタを開けたら統率者の顔が見えているところの写真
ふたを開けたらこんにちは!

・裏:縦10.5cm×横8cm。

・側面①と②(計2枚):縦10.5cm×横7.5cm。

・上と底(計2枚):縦7.5cm×横8.0cm。

・フタ:縦6.5cm×横8.0cm。このままの長方形でもいいのですが、よりおしゃれになると思い、私は下図のように角二か所を切り落としています。

フタの図と、できあがったデッキケースのフタの切り落としたところを図示
おしゃれ度がちょっとUPしてません?

手順② 紙を切ってケース内側と底に布を張るためのパーツをつくる

手順①と同じように厚紙を各パーツごとに切っていくのですが、大きさを①で切り出したパーツよりも周囲1~2mmほど小さく切ります。
各パーツ1枚に加えて、底のパーツはもう1枚つくってください。このもう1枚のパーツはデッキケース外側の底になります。

①で切り出したパーツを厚紙の上に置き、ペンで形をとって、ペンのやや内側をはさみで切るようにすると、やりやすいと思います。

切り出したパーツを①のパーツに重ね、周囲1~2mmほど小さくなっているか確認しましょう。うまくいっていない場合は切って調整してください。

ケース内側用のパーツにもペンで「内側 表」「内側 フタ」など
どこのパーツかわかるように書いておくと作業しやすいです

写真では、今回切り出したパーツを①のパーツにのせています。
今回切り出したパーツの下から、①の白いパーツが少し見えています。
このように、今回切り出したパーツを①のパーツにのせると、①のパーツのすべての辺ががわずかに見えるようになっているといい感じです!

手順③ パーツに合わせてケース内部用の布を切る

手順②で切り出した厚紙パーツに合わせて、ケース内部用の布を布裁ちばさみで切ります。底のパーツは2枚ありますが、1枚はケースの外側用なので、ここでは1枚分のみ布を切ります

パーツを布の上に置き、周囲1cmずつくらい大きく切りましょう。表のパーツとフタのパーツにある切り込みついては今は無視して、下の写真のように長方形の形に切りましょう。

パーツと布
布とパーツをそれぞれセットで置いておくと、後々作業しやすいです!

手順④ デッキケースの土台となる箱を組み立てる

手順①で切り出した「フタ」「上」以外の計5枚の厚紙パーツを、マスキングテープをつかって組み立て、箱の形にします。

5枚のパーツ
今回使う5枚のパーツ

まずは底を中心に、テープで張り合わせましょう。

底のパーツに他のパーツをテープで貼り合わせたところ

厚紙パーツを順に立てて、内側をテープで貼り合わせ、箱の形にします。

内側にテープを貼り、厚紙が箱の形になった
内側の辺にテープを貼りました!

外側にも各辺にテープを貼り、補強します。

箱の外側の各辺にテープを貼ったところ
外側の各辺にもしっかりテープを貼れば、デッキケースの原型のできあがり!

手順⑤ ケース側面(外側)に布を貼る

④でつくった箱の外側に、布を貼ります。

まず、ケース側面(外側)用の34cm×12.5cmの布を、裏面が見えるように広げて置きます。
そして、箱の裏のパーツの外側の面にボンドを筆を使って塗ります。
このボンドを塗った面を、布の右端と上下から1cmほどのところに置いて、箱と布を貼り合わせます。布と厚紙を貼るときは、厚紙の方にボンドを塗り、布がしわにならないように、気を付けて貼り合わせましょう

裏面を布と貼り合わせた箱の右と上下から、布が1cmほど見えるようにする

このあとは、箱の側面外側に順にボンドを塗っていき、箱を転がすようにして布を貼っていきます。

次に、長い布が見えている側の側面(上の写真の左側の側面)にボンドを塗りましょう。塗れたら、箱を右に傾け、布と貼り合わせます。このとき、上下から1cmほど布が箱から出ている状態を保つように、気を付けてください。
箱の表も、同様にボンドを塗り、布を貼り合わせます。

最後の側面は、布の端を処理するため、少し異なる手順になります。
まず、最初に残した布の右端1cm分を、面の右端部分にボンドを塗って貼り合わせます。

次に、残りの布を箱に重ねてみましょう。
そうすると、約1cmくらい布が箱の端から飛び出すと思います。
飛び出した部分の布を、指で内側に折ります。
そのあと、面全体にボンドを塗り、折ったところは内側に折りこんだまま隠すようにして、布を貼り合わせます。
このときも、上下から1cmほど布が箱から出ている状態になるように、気を付けてください。

こうすると布端が出なくてすっきりきれいな仕上がりに!

手順⑥ 箱の底の処理

ケースの底を整えます。ケース外側の底が見えるよう、ケースをひっくり返してください。

底が見える状態に

まずは、布の角の処理をします。
角のあたりで2つの辺から出ている布を押さえると、以下の写真のように三角形が浮かび上がります。

この三角形の下辺に布裁ちばさみを入れて、切り落としましょう。
他の角についても同様にします。
その後、底の厚紙にボンドを塗り、4辺から出ている布を貼ります。

この布の角を切った後に、出ている布を厚紙に貼る作業は、このあとも出てくるので、覚えておいてください

次に、手順②でつくった底のパーツ1枚と、ケース底(外側)用の9.5cm×10cmの布を貼り合わせます。

まずはパーツの片面全部にボンドを塗り、周囲から1cmほど布が出るようにパーツと布の裏面を貼り合わせます。
その後、先ほどと同様に布の角の処理をして、4辺から出ている布を貼ります。

では、この底のパーツの厚紙が見えている面を、箱の外側の底にボンドで張り付けましょう!

外側の底ができたよ!

手順⑦ 箱の上部の布の処理

次に、箱の上から出ている布の処理をします。

まずは箱の表上部の台形の切り込み部分を整えましょう。
下の写真のように、切り込み部分も箱から1cmほど布が出るように布を切り落とし、2本の赤い線のところに切り込みを入れてください。

では、これまでと同じように、箱の角のあたりの2から出ている布をつまんで三角形を切り落とす、布の角の処理をしていきます。
その後、箱の内側にボンドを塗り、出ている布を貼りますが、このとき箱の裏のパーツから出ている布だけは、貼らずにそのまま残しておいてください

手順⑧ ケースふた部分をつくる

手順①でつくったフタと上のパーツと、ケースふた部分外側用の10cm×16cmの布を使います。

布を裏向きで広げ、フタと上のパーツをボンドで貼り付けます。
下の写真のように、布がパーツの周囲から1cmほど出るようにパーツを張り付けましょう。また、フタのパーツの切り落とした角部分に合わせ、布をカットしましょう。

あとは、これまでと同様に布の角の処理をして、出ている布を貼ります。

ケースふた部分完成!

手順⑨ ケースふた部分を箱につける

手順⑦で貼り合わせず残した箱の裏の上から出ている布と、手順⑧でつくったケースふた部分をくっつけます。

まず、箱から出ている布を、写真のようにボンドでケースふた部分につけます。

この部分は箱を開閉するたびに負担がかかるので、より頑丈にするために、上からマスキングテープもしておきましょう。

このままだと箱を開けたときにマスキングテープが見えてしまうため、布で覆い隠します。
デッキの内側用の布の残りを切り、10cm×4cmほどの布を用意してください。
その布を、箱とケースふた部分をくっつけているマスキングテープ部分に合わせ、長く箱から出てしまう左右の部分を写真のように折りたたみます。

折りたたんでぴったり接合部に合うようになった布を、マスキングテープを覆い隠すようにボンドで貼ります。

手順⑩ ケース内部のパーツをつくり、箱につける

手順②でつくったケース内部用の厚紙と、手順③で用意したケース内部用の布を使って、ケース内部のパーツをつくり、箱につけていきます。

パーツと布
手順③で置いといたこの子たちの出番です!

まずはケース内部底からつくります。
底の厚紙パーツを箱の中に入れてみて、きちんと収まるか確認してください。途中で引っ掛かる場合は、はさみでパーツを切って微調整しましょう。

確認ができたら、底の厚紙を周囲1cmほど布がでるように布に張り付けます。その後、布の角の処理はしますが、この底のパーツのみ出ている布は貼り付けず、そのままにします。

角の処理はしてこの状態でストップ!布は貼り付けません。

箱内部の底と側面高さ1cmほどのところまでボンドを塗ります。
そして、内部底のパーツを下の写真のように貼り付けます。

その他のケース内部用パーツについても、出ている布をパーツに貼り付ける以外は、同じ流れで作業をします。
以下に流れをまとめたので、残りすべてのパーツについて作業してください。

① 厚紙パーツをケースの中に入れてみてサイズが合うか確認。合わなければカットして調整。
② 厚紙パーツと布を、布が周囲から1cmほど出るようにボンドで貼りつけ。
③ ②の布の角を処理し、出ている布を厚紙パーツに貼りつけ。
④ ③でできたパーツを箱に貼る。

残りすべてのパーツについて、この作業をする

手順⑪ マジックテープや飾りをつける

ふたを留めるマジックテープや、あればワッペンなどの飾りをケースにつけて、完成です!

アイロンを使う場合は、ケースの土台となっている厚紙を傷めたり、布と厚紙をくっつけているボンドが溶けだしてアイロンに付着しないように、低温で当て布をするようにしてください。

アイロンは低温。制作に使った布の残りでもいいので当て布をしましょう!
完成! ぱんぱかぱーん!! お疲れ様でした!!!

おわりに

レシピを書くって難しい……。思ったより大変で、めっちゃ時間かかりました……。
ですが、どうすればわかりやすくなるかなと私なりに試行錯誤するのはとても楽しかったです!

これまではちゃんとレシピをまとめておらず、デッキケースをつくるたびに「どうやってつくってたっけ?」と思い出すところから始まっていたので笑、次回からはスムーズに制作に取り掛かれそうな気がしています。

デッキケースを自分でつくるようになってから、デッキや統率者にもより愛着が持ているように思います。

複数の手作りデッキケースとMTGカード
みんな大好きやで!

これからも手作りデッキケースで、モノづくりもMTGもめいいっぱい楽しみます!


いいなと思ったら応援しよう!

ばんどらー
気が向いたらサポートいただけるととっても嬉しいです。いただいたサポートはより面白いnoteを書くための活動費に使わせていただきます!