観劇記録。がらんどうの骨

なんだか、暗い、でもぼーっと明かりが薄く見えている場所で、ゆらゆら揺れながら物語の始まりを見ている気がした。


私は、田崎小春が好きだ。(突然の告白。)彼女は何にでもなる。ねこにだって、風天のおじさんにだって、語り部のおじいさんにだって、ギャルにだって、少年にだって。
観る度にどんどん変わっていく彼女を、私はとても楽しみにしている。
憧れのような、でも仲間のような、なんとも言えないような感情とともに。


そんな彼女が、これまた私が好きだと思っている友達がかいた物語を伝えるのだから、
それはそれは楽しみに会場へ向かった。

RBL CAFE。そこはなんとも素敵な空間だった。両面の壁に本。柔らかなソファ。
心が高ぶったのと対称的に、物語が始まると、そこは、誰も知らない、でもそこにある、奥深くにある本棚に変わった。

3つのお話は、別々の人がかいたのだけれども、なんとなくつながっていて(ひとりの人が語ったからかもしれないけれど)
私は暗い、でもぼーっと灯った光の中を漂い、
世界の始まりに思いを馳せた。

それから、紡いで紡いでいく言葉の波にのまれて(いや、始めは自分の身体に染み込ませようと目も耳も心も全集中してたのだけれども、あまりもの情報量に、これは身を委ねた方が良いなと思った。)

ぶわっと漂着して、地に足をつけたと思ったら、今度は二人称のだれかのお話と自分が入れ替わって話を聞いていた。
自分に話しかけられていて、誰かからも話しかけられて、思案していたら、ふっと現実にもどっていた。



………
これは感想と言えるのかどうか。
ただただ自分が感じたことをつらつらドバドバ垂れ流しただけだけれども。

 語り、役者、
こはのようでこはではないその人が、私に見せてくれた世界は、
きっと他の人が見る世界とはちがって、
見た人それぞれが、それぞれに、思いを馳せたんじゃないかなあと思った。


心地よかった。またみたい。

…………………………


melomys/がらんどうシリーズ #1
『がらんどうの骨』
@RBL CAFE (東京・下北沢)
2022.3.19(土) 17:00-観劇

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