コンカフェ小咄④僕達の世界のNPC
コンカフェに来るお客さんも十人十色。筆者がこれまでに見たオタク達を分類してみたので箇条書きしていきたいと思います。歪んだ偏見と独自の見解を添えて。あなたはどんなオタクですか?それではどうぞ御覧ください。
【全肯定オタクくん】
読んで字の如く、推しを構成するありとあらゆる事象を肯定するタイプのオタクを指します。彼等の辞書には“否定”という文字は存在しません。例えばもし推しが殺人を犯してしまったとしても、「大丈夫。○○ちゃんは悪くないよ。悪いのは相手に決まってるよ!」と言ってしまいそうな狂気がそこにはあります。究極の盲目。コンカフェキャスト嫌われないようにするには最も簡単な方法ですのでその生息数も多いです。推しが誰かと一緒に写った画像ツイートに対して「○○ちゃんが一番かわいいよ!」的な最悪のリプライを巻き込みリプで送ってしまう空気の読めなさなどが主な特徴です。
【ガチ恋オタクくん】
全肯定オタクの進化系亜種です。カフェ店員に恋をしてしまったばかりに、暗黒の未来を背負ってしまうオタク達を指します。まず中年の場合、娘ほど年の離れた女の子に行為を向けた時点で「倫理観の無い大人」として人権を失ってしまいます。次に若いオタクの場合、その若さ故に「これもしかしたらワンチャンあるで…いやこれはフルチャンや!」と根拠の無い謎の自信に満ち溢れてしまいがちですが、オタクの時点でノーチャンな場合が殆どです。そして同性の場合、いくら性的マイノリティに寛容な社会になりつつあるとは言え、思いが実る可能性は極めて低いと言えます。三者に共通するのは『推し被り敵視』『身の丈に合わない無謀な浪費』『病み散らかし』といった特徴です。
【友達感覚オタクくん】
比較的若い年齢層のオタク達によく見られる傾向のひとつとして挙げられるのがこちらです。キャストに対する呼称は呼び捨て(もしくはオマエ呼び)が基本で、距離感は無いに等しく、話す内容も隠す事なくプライベートな話題が基本です。その距離感の無さ故に些細な事で推しと喧嘩になったりと、推しをよく困惑させてしまうのが特徴です。中には一線を越えて本当の友達になろうとする繋がり目的の猛者も多く、この手の客になびいてしまう意識の低いキャストも多いのが実態としてあり、またそれが友達感覚オタクの増加に一役買っています。若者だけではなく中年層にも見られるタイプではありますが、若者に比べて繋がれる確率は圧倒的に低く、その馴れ馴れしさが原因で推し被りのオタクからよく思われていないパターンが多いです。繋がり、ダメ絶対。
【最前くん】
地下アイドル現場で見かけるお馴染みの『最前くんファッション』に身を包んだオタク達を指します。人気ストリートブランドのロゴがデカデカとデザインされたトップスにタイトなスキニーパンツとスニーカー。そしてマッシュヘアーで完成です。広義ではこれに近しいルックスのオタク達の総称であり、髪型やファッションを問わず『陽キャっぽい若者達』というニュアンスで使われています。特徴としては、ハイブランドに似つかわしくない抜けきれないオタク感と、自身の許容量を無視した飲酒スタイルです。その場のノリに流されるままに直缶やショットを搔き込み潰れるまでが彼等のライフスタイルであり美徳です。『財布orキーケースだけハイブランド』という【最前くん予備軍】も存在します。
【同業くん】
普段はバー店員として働きながら、出勤前などにコンカフェに出没するオタクを指します。職業柄コンカフェキャストの知り合いも多く、特徴としては「何で生計を立てているのかよく分からない地雷女さんを連れてコンカフェに来店する」「その地雷女とコンカフェキャストが互いにかわいいと言い合っている様子を眺めながらJJなどを飲む」「人間関係がミナミ近辺で完結している」などが挙げられ、ルックスの傾向としては「前髪が目にかかっている」「化粧や派手なネイル」「こだわりのないダサタトゥー」などが特徴が多いです。醸し出す『キャストとの知り合い感』のせいか一般客からはあまりよく思われていない場合が多いです。
【若作りオジサン】
顔はゴリゴリのオタク顔の中年であるにも関わらず、ファッションは奇抜で攻めたデザインのストリートブランドやハイブランドを好んで着用するオタクを指します。当然の事ながら誰が何を着ようが本人の自由なのですが、TPOを弁えた服装を心がけないとコンカフェキャストに後ろ指を差される事になりますので注意が必要です。バックヤードで「バレンシアガおじさん()」などと蔑称で呼ばれてしまう事になります。顔面込みのコーディネートで自分に合ったファッションを身に纏いコンカフェを訪れましょう。若者受けを狙い媚びてはいけません。
【反社オジサン】
浅黒く焼いた真っ黒な肌に白く煌めくセラミックの歯。白パンツにハイブランドのTシャツと貴金属を身に纏い、小脇に抱えるのはセカンドバッグ。普段はキャバクラなどで飲むと豪語する謎のオジサン達を指します。一見金払いは良さそうですが、コンカフェでは繋がれない事を知ると特に金を使わずに帰っていきます。似たようなオジサン達を引き連れてグループでやってきては安シャンパンを開け、全員でしょうもなストーリーを撮影し合うなどが特徴です。仲間には【マイルドヤンキーオジサン】【一人親方職人オジサン】などが居ます。
【オーナーくん】
コンカフェキャストとのハメ撮りを同じ店のコンカフェキャストに見せるなどの悪行で要注意人物としてオタク時代にその名を轟かすも、数年後に何事もなかったかのようにコンカフェを出店したオタクを指します。セクハラやパワハラの限りを尽くし自らの王国を築き上げるも、児童福祉法違反で逮捕され破滅。大阪コンカフェ界に深い傷痕を残す結果に。特徴としては「なんか飲んでください」「バックヤードでズボンを脱ぐ」「面接時にわいせつな行為に及ぶ」などが挙げられます。
【ソシャゲくん】
コンカフェに来たのに一生スマホでゲームに勤しむオタクを指します。女性を話をするのはあまり得意ではありませんが、かわいい女の子が居る空間が好きなので話しかけられれば喜びます。
【カメコくん】
主戦場は撮影会や地下アイドル現場でありながら、撮影が出来るコンカフェにも現れるオタクを指します。狭い店内で謎に望遠レンズを構える姿がよく見かけられます。チェキ撮影時にも持参のビデオライトを照らすなどの行為が特徴です。
【カラオケオジサン】
兎にも角にも歌が歌いたいオジサンを指します。ガールズバーやスナックでは飽き足らず、コンカフェに進出してきたオジサンですが、本人そのものは無害に近い反面、その歌唱により会話を遮られた他のオタク達からのヘイトは凄まじく、店内を変な空気にさせがちです。
【神オタクくん】
全肯定オタクの最上位互換である神オタクくんは、Twitterでは全リプ全いいねが基本で、SNSでも店舗でも何ひとつ文句を言う事なく、健気に推しの素晴らしさを発信し続けます。配信では惜しみなく投げ銭を投げ、イベントでは最も高価なシャンパンを開け、滞在はオープンラストでもちろん特典もコンプリート。生活の大半を押しに捧げます。見返りを求めない無償の愛を貫き通す事で、推しの卒業時には最大の感謝を受け取る事が出来ます。
【闇落ち悪魔オタクくん】
元々は神オタクだった人間が、その愛の大きさ故に歪みに気付かず些細なきっかけで足元を踏み外し、奈落の底へ落ちてしまったオタクの末路を指します。希望と絶望の相転位、大きな愛情は深い憎しみへと姿を変え、最悪のアンチへと変貌を遂げます。これはガチ恋の末路でもあり、恋心を拒絶されたオタクが逆上するというケースなのですが、神オタクのように膨大な課金を経験したオタクの場合に限り、はいそうですかと簡単には諦めきれないという心理が働き、終わりの見えない異常な執着を始めてしまうという背景があります。ガチ恋も程々に。
そろそろ飽きてきたのでこの辺で終わります。また思いついたら追記していきたいと思います!
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