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【下川町】循環型の森林経営で未来に続く森づくりSDGs

下川町は、北海道北部の内陸に位置する人口約3,000人の町で、64,420haの町の面積の88%が森林で覆われており、林業と農業が主要産業です。
面積の約9割が森に囲まれた下川町は、森とともに生きる「循環型の森林づくり」をいち早く確立し、森の恵みを無駄なく使って暮らしています。

循環型森林経営を基盤に、道内初となる FSC 森林認証取得、公共施設への木質バイオマスボイラーの導入など森林バイオマスの総合的利活用に向けた様々な取組みが展開されています。

過疎化を止め、持続可能な森林未来都市を目指すためのSDGs活用

かつて下川町は、農業、林業・林産業とともに鉱業を基幹産業として栄えましたが、休山などの影響で人口が減少、急速な過疎化が進んでいきました。そのような状況を変えようと多岐にわたる地域活性化運動に取り組み、2000年代からは、「持続可能な地域社会(森林未来都市)の実現」に向けた取り組みが始まったのです。

具体的には、地域資源である森林資源を余すことなく活用し、利用価値のない林地残材は木質バイオマスボイラーの原料として活用、木質バイオマスボイラーから、各公共施設の熱エネルギーとして供給しています。

化石燃料と比較した削減効果分として、毎年1,600万円を基金に積み立て、半分はボイラーの更新費用として確保し、残り半分を中学生までの医療費無償化、子育て世帯への経済支援、不妊治療の助成などの子育て支援策の財源に活用しています。

また、下川町が取り組んできた「経済、社会、環境の調和による持続可能な地域社会づくり」は、SDGsが掲げる目標とも合致することから、下川町では、SDGsを基準に自分たちの活動を改めてチェックし、民間から10名、行政から10名が参加する会議で半年間議論を重ね、「2030年における下川町のありたい姿」として7つのゴールを生み出しました。

官民一体となって考える町づくり

2017年、下川町総合計画策定審議会SDGs未来都市部会が組織されました。
町民10名からなるSDGs未来都市部会に、行政の中堅職10名が加わり、「こうなったらいいな」「こうなったら嫌だな」というイメージのブレストから、個別具体的な課題の洗い出しまで、半年間かけて話し合い、下川町の7つのゴールの設定に至りました。

そしてその7つのゴールを達成するために、まずは定めたゴールがなぜ必要なのかを地域で共有することからはじめました。
町内でより多くの人に知ってもらうために、町内では様々な切り口の取り組みが行われています。

◆ 映画『TOMORROW 〜パーマネントライフを探して〜』上映会

取り上げられる各国の取り組みやエピソードで、ぜひ下川町でも取り入れたいことや学べることをワークショップ形式で話しました。

◆ SDGsのスタンプラリーと認知度調査

下川町で毎年8月末に開催される「うどん祭り」。
2019年の祭りでは、SDGsのスタンプラリーと認知度調査を実施。

スタンプラリーは「未来へトレジャーハンティング~2030年の下川に宝の地図を遺そう~」と題して、ヒントをもとに町内のSDGs的な施設(バリアフリーだったり地域の木材を使っていたりする施設)を巡ってスタンプを集めるというもの。
認知度調査は、会場にホワイトボードを置き、SDGsについて「よく知っている」、「知っている」などのシールを貼っていくというものです。

◆しもかわ森喜劇

吉本興業のエンタメ力で地域を盛り上げることを目的に、下川町と吉本興業が連携協定を締結。

コラボ企画として、ガバメントクラウドファンディングで資金集めを行い、2019年10月に下川町民の手作りによる「しもかわ森喜劇」を実施しました。「しもかわ森喜劇」を通じて、今まで下川町のことを知らなかった人にも注目をしてもらえました。

誰一人取り残されない未来に続く森づくりSDGs

こうして、地域みんなで作り上げた目標を掲げ、ひとりひとりが自分ごと化している、下川町の町づくり。
未就学児童から高校生を対象とした森林環境教育を行い、学校との連携により、教育カリキュラムを実施。植樹活動、林業施設や町内関連施設の見学などを通じ学年に応じた環境学習をしています。

また、NPO法人森の生活が実施する森林セルフケアやトドマツ精油抽出体験など、町の資源である森林を有効活用する森のツーリズムを行っています。あなたも森とともに暮らす仕組みを、ちょっとのぞいてみませんか?


事業主体

下川町

所在地

北海道上川郡下川町幸町63番地

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