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Knock! Knock! India
「DOOR to ASIA(以下DTA)」は、2015年に東北の三陸地方で始まった、国を超えた相互の信頼関係を大事にするデザイナーズ・イン・レジデンス。アジア各国のデザイナー達が一定期間、一つの地域に滞在し、その地域に眠っている可能性を一緒に見つけ、デザインを通じて事業者/コミュニティとの間に小さくても確かな、未来の「扉」を開くプログラムです。東北から日本各地、そしてアジアの地域での開催により、信頼の輪が少しずつ広がっています。
「コロナ禍におけるデザインの役割」をテーマに、アジア各国のドアをノックするオンラインイベントシリーズ「Knock! Knock! DOOR to ASIA Online」。
第5回目のKnock! Knock!は、インドからです。
過去DOOR to ASIAに合計2名のデザイナーが参加してくれました。
今回3名、デザイナーと映像作家の方からインドの状況とそれぞれのコロナ禍の取り組みについて話してもらいました。
デルタ株が広がっていた時は、1日の新規感染者数は40万人以上、国中が大変な状況。集団免疫・ワクチンも進み、感染者数も減り、今では(2021年11月)新規感染者数は1日あたり15,000人位。
通常に戻りつつあり、レストランなどもオープンしている。公共スペースはマスク着用義務、公園など距離が取れるところはマスクなしでOK。学校はずっとオンラインが続き、今はようやく分散登校になり週に一回の分散登校になったようです。
Sudeep Chaudhuri
“My working environment before and after the Pandemic"
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「パンデミック前と後の仕事環境」
Sudeepはデリー拠点。DTA2017に参加してくれた初のインド人デザイナー。我々のインドへのドアを開けてくれました。彼が提案してくれたデザインは、今も岩手県大船渡の事業者「三陸取れたて市場」さんが使ってくれています。
「パンデミック前は、全国規模の大きなアート・写真・歴史の展示会のデザインをメインに、手がけていました。
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パンデミック後に、Adobe(クリエイティブツールのソフトウェア)のデザイナーとなり、今ではほぼフルリモートで仕事をしている。
家族との時間が全く変わり、家でみんなで食事の準備をし、一緒に食べ、キャンドルを一緒に作って飾ったり、家族との大事な時間を過ごしている。今までは、子供の教育ばかり考えていたけど、それよりも家族で一緒に健康でいることの大切さに気づいた。」(Sudeep)
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Pallavi Arora
“Teaching and Learning during the Pandemic"
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ニューデリーを拠点とする映画製作者、デザイナー、教育者。 子供と大人のための遊び心のあるプロダクトを作るOHPAというブランドを運営。 また子供と若者達に、映画製作と写真撮影に焦点を当てたビジュアルアートの機会を与えるリトルピクチャープロジェクト(LPP)を運営しています。
「教育者として私が特に力を入れているのは、学ぶ環境が限られている子供達に、無限の想像の機会を作っていて、孤児院の子供達に映像製作を教えています。
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パンデミック前と後で変わった自分の家に対する想いの変化を、生徒達と一緒にHome & Awayというストップモーションのアニメーションで表現した。製作はもちろんzoomを通して、また一緒に作業ができない中で、『クリエイティブを止めてはいけない』と、家にあるものでセットを作りスマートフォンでコマ撮りで撮影してアニメーションを製作して行った。
『イマジネーションと道具があれば、きっと自分の境遇を乗り越えられる』、今スマートフォンと、自分の作品を世界に発信できる場所があるのだから。」(Pallavi)
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Samia Singh
“See the world differently, open more possibility”
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Samiaはインドのチャンディーガルを拠点とするグラフィックデザイナー兼アーティスト。
DTA2018、DTA東北の集大成の箱根山フェスティバル、DTAバンコクに参加。
「インド北部プリートナガルで、家族と運営しているアーティスト兼ライターのレジデンシー、プリートナガル・レジデンシーのクリエイティブディレクターにも携わっています。インドとパキスタンに分割されたパンジャブ州の、2つの文化的ハブであるアムリトサルとラホールの中間にあり、1930年代に私の曽祖父が設立したコミュニティレジデンシーです。
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『Hope in the time of Covid』と題した、まち中で見つけたコロナ禍での希望を描きました。
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より幸せな生活を送るために、私たちの周りにある感情的・社会的・政治的状況に対し、ポジティブな相互理解と反応を生み出すための有効な時間を作り出すよう努めてます。」(Samia)