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何でも真似するNPD

NPDは真似する・無断で使う・横取りする

身近になぜか自分の真似ばかりする人はいませんか?服装、持ち物、さらには意見や行動まで。
これは自己愛性パーソナリティ障害(以下NPD)の特徴のひとつです。NPDは自分と他人の境界線が曖昧で、めちゃくちゃになっています。それゆえに他人のものは自分のものだと本気で思い込んでいることがあります。平気で他人の持ち物や行動、意見、アイディアを真似したり、勝手に使ったり、横取りするのです。

NPDは基本的に自分の軸がありません。彼らは自分の意見や選ぶ物に自信がありません。評価の高い人や、センスのありそうな人をよく観察し、その人たちのありとあらゆるものを盗み取って、いかにも"自分が思いついたアイディアです"というように振る舞います。

さて、実際にどのような事例があるのか私が経験したナルミとのエピソードを紹介します。

他人の真似をするナルミ
ナルミと定期的に会うようになった当初、最初に感じた違和感がありました。

「先週私が着ていた服とそっくりなものを、ナルミが着ている…!」

あまりにも似ていたので驚きましたが、偶然である可能性も考え、たまたま似たような服を持っているだけかもしれないとその時は思いました。

しかし、違和感は次第に強くなっていきました。毎週のように、私が前回身に着けていた服やアクセサリーと酷似したものを、ナルミが身に着けてくるのです。ワンピース、スニーカー、スマホケースに至るまで...とはいえ、ナルミが「それ、どこで買ったの?」と尋ねてくることもないので、私は自意識過剰かもしれないと思い見て見ぬふりをしました。そんな違和感はあるものの、それ以外に関してナルミはとても良くしてくれて、気づけばプライベートでも会うくらいの仲になっていきました。互いの家を行き来するようになり、彼女の家を訪れた際、私は愕然としました。

「私が使っているシャンプーや化粧水、洗剤まで、全て同じものが揃っている…!」

使っているものが同じものばかりで、さすがに気味が悪くなりました。

「これ、大容量のもあるんですね!知らなかった〜」

私は試しに化粧水について軽く突っ込んでみました。

「そうそう、これ保湿力高くていいよね」

彼女は自然に返します。

偶然の範囲を超えていないか?と感じながらも、私はその場を深く追及はしませんでした。

しかし更なる不可解な出来事が起こります。私がナルミに話した出来事や行動、意見までも彼女が真似するようになったのです。たとえば、彼氏と猫カフェに行った話をした翌週、ナルミが「友達と猫カフェに行った」と写真を見せてきたり、普段本を読まないはずの彼女が、私のお気に入りのエッセイを読んでいることをSNSに投稿したり。

いったい彼女はどういうつもりなのだろう?と不思議で仕方ありませんでした。


人のものを無断で使う

ナルミは物を真似するだけではありませんでした。彼女が運営している教室には、生徒用の個人ロッカーが設置されており、私もそれを使っていました。ロッカーの中にはいつも予備の新品ストッキングを入れてあったのですが...ある日ロッカーを開けると、そのストッキングが無くなっていたのです。すると後ろからナルミがやって来て言います。

「あ!ドラコちゃん、急ぎで必要だったから借りたよ!同じのAmazonで注文してるから返すね!」

(え、勝手に私のロッカーを開けたの?しかも無断で使って事後報告か...)

と嫌な気持ちはしましたが、中高時代の先輩であり先生でもあるナルミに言い返す勇気はなく、笑顔で「わかりました〜」と言ってやり過ごしました。

横取りする

ある日、ナルミの希望で立ち寄った雑貨屋でのことです。彼女はお目当ての品があると言って店員さんと話し込んでいたので、私はその近くにあるポストカードを手に取って見ていました。その後ナルミはお目当ての品を決め、こちらにやって来ました。

私は3枚の候補を手に取って並べて迷っていました。どれも一点物です。

「それがいいの?」ナルミは聞いてきます。
「この3枚で迷ってて」と候補を見せると「そうなんだ」と言って彼女もポストカードを見始めました。そして私が候補の中から選ぼうとして1枚のカードに手を伸ばした瞬間、ナルミは横からサッと私が取ろうとしたポストカードを取りました。

「あ、これ欲しかった?」

ナルミは聞いてきます。

(え、欲しいも何も、私が選ぼうとした瞬間見てたよね...?)

何故彼女がそんなことをするのか理解できませんでした。しかし、ここでも強く出ることはできません。

「あ、ナルミさん欲しいならどうぞ」と言って譲ってしまいました。小学生の兄弟喧嘩じゃああるまいし、こんなあからさまに横取りする人なんて本当にいるのか?と目を疑いました。

こうした不可解な現象に悩まされ続けていた私は後にNPD(自己愛性パーソナリティ障害)について知り、すべてが腑に落ちました。持ち物や行動の真似も、無断使用も横取りもすべて最初に紹介したNPDの特徴だったのです。私にとって真似されるということは必ずしも嫌なことではありませんでした。しかし、どうしてもおかしいと感じるのは、ナルミが無断で真似することでした。

例えば、最近どんな化粧品使ってる?といった会話を友人同士ですることって日常的にあると思います。それで自分のおすすめを紹介したり、教えてもらったりする→友人のおすすめを使ってみたら次に会った時に感想を言い合う。

これが正常なやり取りだと私は思っていたのですが、NPDの傾向がある人はどうやら、こういうやり取りをあまりしないのかもしれません。これは私の推測ですが、NPDは、人におすすめされたり、教えてもらったものを後から買うのが嫌なのです。なぜなら常に自分が優位に立ちたいからです。なのでNPD側が、こんな良いもの知ってるの〜と紹介することはあるかもしれませんが、誰かのアドバイスで自分がそれを選んだということは認めたがりません。

周りを観察して、黙ってこっそり盗み取る。どんな時も自分が先だった、自分のアイディアだったと言わんばかりに振る舞う。こういうNPDの被害に遭わないためには、距離を置いて自分の情報をなるべく与えないことに限ります。距離を取れない環境にあり、どうしても真似されたら嫌なものがある場合は、自分が最初に考案したという証明ができるものをしっかり残して、できれば最初に提示しておくことが大切です。NPDはまともに話し合いができないので、後から主張しても話が通じません。泣き寝入りにならないよう自分の身を守りましょう🥹

さて、残念ながらNPDのナルミの異常なエピソードはまだまだたくさんありますが、今日はこのあたりで終わりにします。

次の記事でお会いしましょう


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