【ライブレポ】PRSMINに会いに行ったら世界が広がった話 〜凱旋ツアー大阪公演〜

BGMにどうぞ


before

人生で初めて、遠征というものをしてみた。
アイドルのライブとか、音楽イベントとかに限らず、あらゆるイベントにおいて初めてのことだ。

朝早くに起きて新幹線に飛び乗り、4時間と少しかけて向かったのは、大阪。
新大阪駅にたどり着き、そのまま地下鉄に乗り換えて、心斎橋のライブハウスPangeaに向かった。

言うまでもないかもしれないけれど、PRSMINのライブを見に行くためだ。

各メンバーの出身地を巡る凱旋ツアーの3本目。
僕の推しであるNiRが生まれ育った、大阪公演だ。

前回行ったライブ(同ツアーのなつみ凱旋福岡公演)のレポでは、「PRSMINとは愛である」という話を書いた。

存分に語りつくせたので、もうあまり話すことも残ってないだろうなと、今回のライブでは感想を書くつもりはなかった。
けれど、あれほどのライブを見せられてしまっては、書かずにいることなんてできない。
NiRが考えたセトリと、PRSMINが見せてくれた景色を、書き留めずにはいられない。

そんなわけで、見ていこう。
これが「きらめけ!PRSMINを知ってもらおう凱旋ツアー!」
そのNiR編、大阪公演だ。


01.トリガーリフレイン

銃声と残響に 目を醒ませよ、希望
引き金ひいたあの日の僕らは 夢を誓って今日を迎えた
始めようか

満を持して始まった1曲目は、トリガーリフレイン。

アイドルらしさを前面に出した可愛い曲から、アーティストらしさを見せてくれるカッコいい曲まで、色々な曲を見せてくれるPRSMIN。
その中でも特にカッコよさに寄せた、ロックな重たいサウンドを聴かせてくれるのがトリガーリフレインだ。

この曲を1曲目にもってくるのは珍しい気がするのだけれど、改めて聴いてみて「なるほど」と唸らされた。
(にる生誕でも、トリガーリフレインが1曲目だったよう)

あの日、目を醒ました希望を抱え、夢を誓って今日のこのライブを迎えたPRSMIN。
「僕ら此処で全て懸けんだ」――と、最高のステージが始まりを告げる。

途中、オケが止まってしまうトラブルがありながらも、此処で全てを懸けるPRSMINがその程度で止まるはずはなかった。
音が無い中でも最高のダンスを披露してくれ、そして始まるアカペラでのパフォーマンス。
集ったファンも、PRSMINと声を合わせ、歌う。
彼女たちにとってそんなトラブルは、ブランコがより勢いをつけるために、後ろにも大きく揺れるという程度の話でしかなかったのかもしれない。
その想いは、僕たちファンの心にも深く刻まれた。

ちなみにオケが止まったのは、にるの声がデカすぎたせいらしいです(適当)


02.starlight

chain my story どこまでも走れるさ 綺麗な星空の下
希望抱いた日を忘れないで 強く描こう 夢色のstarlight

トリガーリフレインの「銃声と残響」によって目を醒ましたのは「希望」だった。
starlightで描かれるのは、その希望を胸に抱きながら走る続ける彼女たちの姿と、その決意だ。

1番Aメロでは「絆で繋ぐbrand new days」というフレーズが出てくる。
絆で繋がることで、僕たちは明日を迎え、希望を胸に走り続けることができる。
頭上に浮かぶのは、綺麗な星空だ。

ここでまた1番Aメロに戻ろう。この曲は「dear my star 煌めくi」という歌い出しで始まっている。
my starが、すなわち「煌めくi」であるというこの一節。
音を拾って「煌めく愛」と捉えることもできるし、英語として捉えて「煌めいている私」と捉えることもできる。
ダブルミーニングどころか、3つ4つ意味が込められていそうにも思える。

愛という星明りで照らされているからこそ、僕たちは希望を胸に走り続けることができるし、愛という絆によって繋がり、煌めく私でいられることができる。

starlight、シアンの「take you」がだいすき。


03.選手宣誓

窮鼠猫を噛み僕らは勝利を謳う
そんで今日から僕が最高のDreamer
ここに誓います

目覚めた希望と、それを抱き続ける決意によって駆動したライブは、宣誓へと続いた。

「ちょっとお耳を拝借、選手宣誓をします」という短いフレーズで始まるこの曲は、その後すかさずファンを巻き込んで声を合わせる間奏へと突入する。
シンガロングは響き合い、ライブハウスにこだまする。
ここでPRSMINが見せてくれるのは、ここまででした決意を宣誓する覚悟。
そして同時に「君たちだってそうでしょう?」という問いかけだ。

この曲のラスサビで歌われる=誓われるのは「僕が最高のDreamer」という一節。
ここにはもしかしたら、決意や覚悟と同時に、ある種の諦めも含まれているのかもしれない。
いや、諦めの味を知っているからこそ、決意を表明することができるのだ。
諦めを踏まえた上で覚悟を決めたからこそ、「僕が最高のDreamer」なのだと声高に宣誓することができる。

その宣誓を受け取った僕たちもまた、宣誓をすることができるはずだ。


04.rising

行き先が見えなくても 手を繋いで駆け抜けよう
光が走る速度を上げたって 君を置き去りにはしない

タイトルにもなっている通り、今回のツアーのテーマは「PRSMINを知ってもらおう」というもの。
そんなテーマに則って「もっと知ってもらいたいので、大阪で久しぶりにやるこの曲!」というMCから始まったのが、risingだ。

MC前の3曲で、希望が目を醒まし、それを抱え続ける決意と宣誓とを歌い上げ、PRSMINという物語が駆動した。
ここからは、さらにフロアを巻き込み、ライブの醍醐味を存分に見せつけてくれる時間だ。

ノリの良いビートに乗せたラップ調の音を響かせつつ、会場全体がさらに熱気に包まれていく。
それでいてやはり、この曲にもPRSMINというアイドルのテーマが色濃く反映されている。

抱いた希望が、先の見えぬ暗闇に飲み込まれそうになっても、手を繋いで駆け抜けていける。
泣いたり笑ったりしながら、それを肯定して、前を向き続けて、その先に待ち受ける景色にPRSMINが連れていってくれる。

「僕らが選ぶ僕らで生きるなら 最高にたどり着けるよ」

決意を宣誓した僕たちは、自ら選び取った僕たちであり続けることができて。
その先の景色がまだ見えなくても、走り続ける強さを手に入れることができたはずで。

そうしてrisingは、PRSMINのこの一言で締めくくられる。

「連れて行くよ!」


05.がーりんらぶ

今日のために可愛くなった
新しいお化粧も前髪も全部君のためなんだからね!

1曲目のトリガーリフレインがPRSMIN屈指のカッコいい曲とするならば、屈指の可愛い曲が、このがーりんらぶだ。

全オタクが漏れなくニコニコになって、致死量の可愛さを目の当たりにする。
ここまでの曲のように、かつての傷を抱えながら、それを肯定するというテーマを強く押し出した曲ではなく、とにかくかわいい。無事にぼくも死んだ。
YoutubeでPRSMIN公式がライブ動画とPVを公開しているので、まずは見て欲しい。可愛さが飽和している。
ラスサビ前では全オタクがノリノリで「バカ野郎ー!!!」と叫んでいる。かわいい。

さて、そんなわけでめちゃくちゃ可愛い曲なんだけれど、やっぱりこの曲も、PRSMINというグループの文脈にしっかり位置している。
ここまで純粋で、混じりっけのない純度100%の可愛さを、どうしてこうまでも説得力を持って歌い上げられるのか。どうしてファンの皆が、それをストレートに受け取ることが出来るのか。
それはやっぱり、ここまでの曲で語ってきたストーリーがあるからだ。

愛とか、恋とか、憧れとか、希望とか。
そういう感情は純粋であるからこそ厄介で、生々しくて、ひどく脆い。
だから真っ向から語るためにはやっぱり、覚悟や、強さが必要で。

がーりんらぶは、ただめちゃくちゃかわいい曲というだけではない。
この曲もまた、PRSMINにしか歌えない。


ところで、僕のPRSMINへの愛を周りに語りまくっていたら、アイドルにほとんど触れたことがなく、もちろんライブにも行ったことがない友達が、今回のライブに同行してくれた。
彼女はがーりんらぶが特にお気に入りのようで、生でパフォーマンスを見られてすごく良かった。


06.プリズムヘヴン

ラブしちゃおう ピースしちゃおう それを一番君に伝えたい
信じて欲しいよこの場所を ずっときらきらに笑っててね
君と描いていくこの瞬間を 全身全霊できらめかせよう

引き続きPRSMINというアイドルの魅力と、ライブの楽しさと、愛をふんだんに詰め込んだ1曲。

このnoteの最初にも書いたけれど、PRSMINの本質とは愛だ。
そして、それこそが一番大事で、一番伝えたいことなのだと言い切れる覚悟だ。

中途半端じゃ足りない愛を、ここでもやはり、PRSMINは最高の楽しさと共に歌ってくれる。

歩いていれば必ず、いろんな障害とか、壁とかに突き当たる時はやって来て。
それを乗り越えて、進むための原動力を。
その先へと走り出させてくれる愛を、PRSMINは歌い続けてくれる。

PRSMINと共にいることで、その愛は相乗効果を得てさらにきらめていく。
いつまでだって、そのことを感じさせてくれる。


MC

今回の凱旋ライブの主役であるNiRがマイクを取り、MCが始まる。
PRSMINの一員になって、もう2年以上が経ったことを回想しながら、想いを吐き出していく。

かつて、一度はアイドルの夢を、諦めたこと。
まだNiRがPRSMINではなかった時、PRSMINのお披露目公演を見て、その夢を、希望をまた思い出したこと。
元々友だちだったまゆりに声をかけてもらい、PRSMINに入ったこと。

これまでのことを振り返りながら、MCは次の曲へと向かう。
NiRが大好きな曲であり、NiRとPRSMINとを繋ぐきっかけにもなってくれた曲。

それが、ネガイトラベラー。


07.ネガイトラベラー

眩しすぎる陽射しが奇跡を照らす そっと 悪戯のように

NiR考案セトリということで、ネガイトラベラーは確実にやるだろうと思ってはいた。
けれど、この流れでのネガイトラベラーはいくらなんでもずるい。泣かずにいられるはずがない。

これまでに幾度となく負ってきた傷や、後悔や、切なさ。
どうしようもない壁に突き当たって、いくら堪えようとしても零れる涙。
それでも僕たちは、どこか希望を捨てきれずにいて。
どうしようもないのだけれど、その願いを叫んでしまう。

切なさとか、やりきれなさとか、希望とか、そんなものがいくつも折り重なった、ネガイトラベラー。
皆の歌声から、表情から、色んな感情が溢れて、伝わってくる。

ギターソロ後は、NiRとまゆりが背を合わせて立ち、ユニゾンして歌う。
その儚さの中に、どうしようもないほどの希望がきらめていて。
間違いなく、今回のライブの一番の中心な曲だった。

にるよりも誰もよりも、あやのが一番泣いてたのあやのすぎでらぶでした。


8.eve

こんなに胸が苦しくて 孤独な酸素を吸えやしない
残酷なくらい晴れた空へ

ネガイトラベラーに続き、やはりどうしようもない切なさが詰まった、eve。

芽吹いてしまった散々な愛という夏は、行き場を失って、くすぶったままでやがて終わりを迎えてしまう。
そんな時に出来るのは、せめて綺麗に終わってくれはしないかと願うことくらいで。
結局、正解さえも見つけられずに、消化不良のまま、やり切れなさと、生温かさだけを残して、僕を置き去りにしていく。
そんな傷を、僕たちはいくつも抱えてきた。

Cm7の切なく、それでいてロックなサウンドに乗せて、夏を消化しきれないまま。
胸を掻きむしられるようなどうしようもなさを抱えながら、曲は終わりへと向かっていく。
そんなeveという曲の、最後のフレーズはこうだ。

残る温もりは 夏の終わりとプロローグ

そう。このどうしようもなさは、プロローグなのだ。
痛みを知っているからこそ、僕たちはその先に歩いていくことができる。


PRSMINの曲は全部好きなんだけれど、その中でもeveは特に好きな曲だ。
にるに「今回のセトリ好きな曲多かったんじゃない? eveとか!」と言ってもらったけど、完全に正解です。

ありがとうにるセトリ…………


09.恋の不確定code

光の理由を知りたいから 探すから
私は今をちゃんとがんばって
私だけのプログラム見つけるって約束するよ

夏の終わりと共に迎えたプロローグは、次の曲へと接続される。
芽生えた恋を、ロボットに、プログラムになぞらえて歌い上げる、PRSMINの可愛さや儚さや決意が、見事に同居した1曲が、恋の不確定codeだ。

単体の曲として聴いてもすごく良いし、PRSMINのストーリーを踏まえた聴き方をしてもすごく良い、最高の曲のひとつ。

いまひとつ正体が掴めない、不器用で等身大の恋を描きながら、その理由を探すために「今をちゃんとがんばって」と歌い上げて見せる。
このフレーズこそ、傷を知っているから歌える強さなのだと僕は思う。

コーディングしていないはずの、恋という未知の動作に出会っても、「それでもエラーじゃない」のだと、「未来のどこかでもっと大きな声で言うんだから!」と、言い切る。
愛とは、強さであり、決意だ。


10.unlimited sky

繋いだ手に笑い合って 希望で瞬間を染めていく
覚悟はもう決めてきたんだ Make up my future

これ以上にない形で「覚悟」を示したPRSMINは、愛という星の下で手を繋ぎ、愛できらめく世界を連れて共に歩いていく。

僕たちは、もう知っている。
眩しすぎる遠い青空でも、曇り空でも、いつだってそこには星がきらめいていることを。

それは僕たちひとりひとりの覚悟だったり、決意だったり、PRSMINと晒しあう愛だったりするだろう。

そのプリズムは無数の傷がついているからこそ、光をさらに乱反射させて、より眩しくきらめくことが出来る。
傷を知っているからこそ手に入れることが出来る、覚悟や、強さがある。

僕たちはもう、「空っぽなんかじゃない」のだ。


この曲のページめくりにる、すき。


11.PRSLIVE

さぁ巻き起こせよ アイドル事変を! ここに立って証明しよう
それぞれの光放って きっとでっかい希望になる

MCを挟み、いよいよライブもクライマックスを迎える。
そうして始まった曲は、PRSLIVEだった。

初期からあるこの曲は、PRSMINというグループの決意表明であると同時に、それを示す方法は歌うことであるという、彼女たちが「ライブアイドル」である所以を存分に感じさせてくれる。
愛の形も、その示し方も無数にあるけれど、PRSMINが選ぶのはライブという示し方。

サビではファンも一体となって手を振り回し、会場がひとつになっていく。
PRSMINが放つ光と、それを受け止めるファンが放つ光は、重なりあって希望へとその姿を変えていく。

愛って結局なんなのかとか、そんな話はここでは無粋で。
PRSMINがここに立ち、歌い、ファンと共にいまこの空間を作り上げていることこそが、すべての答えなのだ。


12.platina

君とまた明日逢えますように 君とまたここで逢えますように
二人の距離を引き寄せるエコー 響かせるよ 君に届きますように
今も明日も

ついに迎えた最後の曲は、platina。
PRSMINのライブの締めくくりといえば、やっぱりこの曲だろう。

platinaについては、もはやあまり話すこともないかもしれない。
PRSMINと僕たちとを、未来永劫の相思相愛で繋いでくれる曲だ。

僕がPRSMINと出会ったのが、2年前のこと。
当時アイドルにさして興味があったわけではない僕は、たまたま時間を持て余して、なんとなくアイドルのライブに足を運んでみた。
対バン形式で何組かが出演するライブで、そのうちの一組が、たまたま年に一度のタイミングで福岡にやって来たPRSMINだった。

昼の公演でPRSMINを見て、まさしく「アイドルという概念が変わる」ような衝撃を受けた。
夜にも同じ場所でライブがあることを知り、居ても立ってもいられずに当日券を購入して見に行った。

あの時もやはり、最後にやった曲がplatinaで。
そこで見た景色を、僕はいまでも鮮明に覚えている。

また逢えた喜びも、愛も、僕の心にずっと残り続けるだろう。



after

そんなわけで、PRSMIN凱旋ツアーNiR大阪公演の感想でした!

最初にも書いた通り、なつみ凱旋福岡公演で書きたいことを存分に書いたのであんまり書くことも残ってないだろうと思っていたのだけれど、気付いたら前回の倍近くになってる、おかしいな。

大阪に行くのも、イベントのために遠征するのも、初めてのことだった。
めちゃくちゃ最高だったし、大阪という街が好きになったし、PRSMINのこともこれまで以上にさらに好きになった。

「PRSMINがもっと好きになった」としょっちゅう言ってる気がするけど、事実、見るたびに更新してくるんだから仕方ないね。


ライブ後の夜~翌日にかけては、大阪という街を堪能した。
PRSMINを見るために来た大阪だったけれど、色んな出会いがあった。

ご飯を食べに行った喫茶店で、店員さんと話したり。
関西住みのネット友達に声をかけたら、思いのほかけっこうな人数が集まってくれたり。
飲みに繰り出したバーで、面白い人たちと知り合えたり。
僕が東京に住んでいた時以来、6年くらい会っていなかった友達と久しぶりに会えたり(まったく久しぶり感がなくて、帰りの新幹線まで半日飲み続けてた)。
きっとこれから行く場所でも、そういう素敵な出会いが僕を待ち受けているのだろう。
今回のライブと旅行は、そんなことを感じさせてくれた。

大阪、また行きたいな。
その時はもちろん、またPRSMINのライブがある日に。

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