適切なレンジベットを許さない


レンジベットは正しいのか

昨今ではレンジ30%CBがお手軽で強い戦略として流行しています。特に、IPvsBB のSRPにおけるK highボードなどはその典型と言えるでしょう。

ではさっそく、本当に使える戦略なのか実際に検証してみましょう。今回はモデルケースとして、K♦7♦2♠のボードを採用しました。

プリフロップのレンジはGTOWizard 100bb 50nl General 2.5xop
を使用しています。 

さて、こちらの画像が、GTO戦略とレンジ30%のEVを比較したものです。

レンジ30%に変更したことで0.12bb期待値は減りましたが、たった3.3%にすぎないため、まあ許容でしょう。やっぱりレンジ30%って優秀ですね!






と、この結論になるなら私はこのノートを書いていないわけで、これから本題に入っていこうと思います。



EVが保証される条件


今回レンジ30%CBいうノードロックを行ったわけですが、それに対してBB側はアグレッシブに対応します。それに対してまたCO側もアグレッシブに対応することで0.12bbという減少幅で済んでいるわけです。

では、CO側がそれをせず、BBのレイズに対しGTO戦略しかできない場合はどうでしょうか?


さて、結果はこちら。なんと1.1BBも期待値が落ちています

ちなみにBBはほぼエニハンレイズをしています。

驚きですね!

カウンター戦略


さて最後に、相手がエニハンレイズをしてきていることがわかってきたぞという段階になった時の話をしましょう。その場合、COは非常にアグレッシブな戦略に変更します。

こうなると、GTOよりも4.7bbも追加で利益を得ることができます。投げ銭もらってるようなもんですね。


最後に


今回の検証では、レンジベットはエクスプロイトができることが分かりました。実践では特にBB側の戦略がわからないこともありCO側は正しく対処できていないことが多いのではないでしょうか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


追記

ここからは厳密な話になり、かなり読みにくくなるので興味のある方のみよろしくお願いいたします。

まず、今回使用したGTO+の設定を載せておきます。

COのベットサイズは33,50,125%を選択し、BBのレイズサイズは100,150%を選択しました。
BBのレイズサイズが大きいもののみになっているのは、COの30%CBに対するwizardのレイズサイズがこの2サイズであったためです。

さて、今回の議論で引っ掛かりそうだなと個人的に思ったのが、

  1. レンジCBにより生じた0.12bb というEVロスの評価

  2. 4bet以降のノードロックに関して言及がないこと

だと考えています。

①について

これはいろいろな方の意見をぜひ伺ってみたいです。私が昔読んだ記事で5%が基準になっていたのでそれが基準になっているのですが、1%を基準としている鉄強の方も存じ上げています。

結局実践では相手の戦略は頻度ベースで組み立てられていないことが多く、誤差が大きいためあまり気にしなくてよい気もしています。

➁について


4bet以降のノードロックについてはイメージがしずらく話がややこしくなるためここでは述べていません。再現性を持たせるために今回使用したGTO+の設定を張っておいたので、気になる方は回してみてください。

なんならここが気になる!というのを伝えていただければそんなに手間ではないので写真や動画で伝えることも全然可能です。

とりあえず私がこの記事を読んでいて気になりそうな部分の補足はしておきました。考え違いや考え漏れも多々あるかと存じますので、文句や批判を特にお待ちしております。
できるだけストレートに伝えていただけるとお互い効率的なのでとてもありがたいですね。ぼろくそに言っちゃって大丈夫です。喜びます。


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