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2022年ふつうの旅 第1シーズン〜アジア・中東編〜

7月1日の恵比寿は暑かった。

その頃、世界のコロナ環境は「まだ収まってないけど、もう収まったことにして先に進もう」的な雰囲気。予定通り、世界一周の旅に出発した。

ベトナムのトランジットでMTGを飛ばし、カンボジアのトゥクトゥクは涼しいと知り、インドの歩きスマホで牛糞を踏み、ネパールでコロナ入院し、ドバイの砂漠で風になり、カザフスタンの大地に抱かれ、ウズベキスタンのモスクに安らぎを得た。

そして2ヶ月がたった。この旅は半年間の予定なので、1/3が経ったことになる。ドラマシリーズ的に言うと、第1シーズンが終わった、といったところ。

今現在は、ちょうどアジアとヨーロッパの間の国、トルコの湖畔で1週間、旅を休んでいる。慣れない環境による疲労、というより、計画疲れという方が正しいかもしれない。旅を続けながらの毎日は、予約と決断の連続だ。国、街、飛行機、宿、店、ツアー、博物館、景観、などなど、決めることの多さが、楽しい旅をこう感じさせる。

めんどくせえ。

こうなると、せっかくの旅が、もったいないじゃないですか。というわけで、旅をちょっと休んで、第2シーズン、ヨーロッパ編の計画をゆっくり練ったりしながら、のんびりしよう、と考えた。

特に観光する箇所もなく、湖畔のカフェとレストランと宿を往復しているうちに、今までのことについても振り返りたくなった。それぞれの国については既に記事を書いているので、旅を通じての細かな気づきや、共通する工夫、自分にとって心地のいいやり方などを書き記しておければと思う。

項目としては、

  1. ここが良かった

  2. これがストレス

  3. お金のあれこれ

  4. お役立ちアプリ

  5. 持っててよかった

  6. おすすめコンテンツ

  7. リモートワーク体験記

  8. ちょいコミュニケーション

  9. これがうまかった

  10. これが全荷物だ

である。項目が多くて自分でもびっくりした。飲み会で話すようなことなのかもしれないが、飲み会がないので、ここに書いているのかもしれない。リモート飲みしたい。

1.ここがよかった

大自然に言葉を失う!グレートジャーニー(カザフスタン)

果てしない大地に無言になる

とにかく、見たことのない大自然。渓谷や自然の運河、大草原、岩場に湖。地球!って感じである。観光地化され、観光バスが乗りつけ、いそいそと写真を撮って、おみやげを買って、帰っていくようなパッケージングされたツアーではなく、ガイドと4WDで開拓していく道は、揺れこそ激しかったが、未知の世界を覗きにいくようで、とても楽しかった。冒険心を満足させたいなら、カザフスタンの南の街、アルマティでガイドを探し、まだ名前のないグレートジャーニーへと旅立つことをオススメしたい。

↑AirB&Bのホストがそのままガイドをしてくれた。街から離れた一軒家の2階がゲストルーム。ジェイソン・ステイサム似の冒険野郎と三菱デリカがあなたを導いてくれる。宿代とは別に、一泊二日のグレートジャーニーに160,000テンゲ(当時48,000円)ほど支払ったが、最大6人まで乗れるので、人数で割れば、よりリーズナブルに大自然を味わえるはずだ。

サマルカンドで青の都に包まれる(ウズベキスタン)

凹型に3つの巨大モスクが並ぶ様は圧巻

民族衣装や青いモスクで有名なサマルカンド。実はめちゃくちゃ街がキレイで治安が良くて物価が安い。つまり、安心して訪れられる場所No. 1である。現にヨーロッパ、ロシア、アジアの至る所から旅人や家族連れが訪れる。日本人団体客ともレストランで出くわすくらいである。ここはぜひ、数日滞在してのんびり過ごしてみていただきたい。有名なレギスタン広場以外のモスクに足を伸ばしてもいいし、陶芸や紙すきで有名な村もある。それに、ごはんもとってもおいしい。オススメはプロフ(ピラフのような炒めご飯)とラグマン(スパイシーなうどん)。

↑多様な旅人が集まる宿。中庭に大きなテーブルとチャイハナがあるため、自然と会話が生まれ、交流できる。朝食にはこれでもか、というくらいフルーツが出る。一泊2,200円は格安。ただエアコンがないので、行く時期に注意。

まるでゼルダ!古代遺跡の元ネタ。サンボープレイクック(カンボジア)

現実とは思えない姿に息を飲む

ゲームにたまに出てくる古代遺跡。アユタヤやマチュピチュなど、色々な参照元があるが、カンボジアのサンボープレイクックは、遺跡と樹木が絡まりあって完全なる既視感に襲われる。このデジャブ感はなんだ?そう、90年代に青春を過ごした者ならばゼルダやRPGで見た古代遺跡そのものなのだ。その不思議な既視感と現実の迫力にクラクラするので、ぜひ訪ねてみて欲しい。ほとんど宿のない場所だが、まさかの日本人が運営する宿泊施設がある。教育を兼ねて子どもたちがスタッフとして働いている。ここに一泊して遺跡を見た後に、バスの予約など困ったことは相談しよう。

↑CWA(コミュニティワークアジア)という教育関係のNPOが運営している宿。子どもたちに勉強を教えるのを少し手伝ったり、面白い経験ができる。サンボープレイクックへの拠点として検討してみてほしい。トゥクトゥクやバスなどの手配も相談できる。子どもたちにつくってもらったごはんは絶品だった。

2.これがストレス

不衛生

牛と共に生きるとはうんこと共に生きること

シンプルに、やっぱり汚いものには慣れなかった。道に落ちてる動物のフンとそれにたかるハエ。湿度の高い国で道端で腐っている食物とその匂い。ヒンズーの教えにより、牛は聖なる生き物である。つまり、野良牛はゴミを食べ、道端に糞をし、誰も片付けない。歩きスマホはうんこ踏む。インドのことである。そして、スラムのようなガンジス川のほとりでコロナを宿す。強烈すぎて忘れられないインドの洗礼だ。他にない国なのでまたいつか訪れることもあるかもしれない。ただ、やっぱりキレイな場所がいい。

言い値を払わないとおろしてくれないラクダ

ボッタくり、詐欺、適当な店員、吹っかけてくるタクシー運転手、すべて、自分をナメている、ということである。俺はこういうのがどうしても許せない。話が違う。言ったことをしない。約束が守られない。時間が違う。あると聞いていたWi-Fiがない。こういうのも許せない。不具合、トラブル、そういうのは全然許せるんだけど、嘘ついて誤魔化してやろうみたいなのは絶対に見逃さない。とことん追い詰める。旅に出たら心をおおらかに、優しくしないとな〜などと思っていたが、ムカつくことはムカつくし、払う金の大小に関係なくこういうのはあるから気を抜けない。

弱いWi-Fi

よわいふぁい

現代社会において、Wi-Fiは故郷に近い。これがあれば、宿が予約できる、飛行機を抑えられる、地図が見れる、連絡できる、相談できる、ストレンジャーシングス4が見れる、ベターコールソウルが見れる、SNSに写真をあげて満足できる、タクシーを呼べる、ごはんをデリバリーしてもらえる、それに、出会った人と連絡先を交換できる。この社会における血液にも当たるWi-Fiがつながらないと絶望と怒りに打ち震える。人間の基本的な欲求の最下層である安全への欲求にも匹敵する必須要項である。

3.お金のあれこれ

VISAとMasterCard 4枚持ち

あてにならない表記

会社を辞める前に計画的につくった4枚のカードは、3ビザ、1マスター。このうち2枚のカードには海外旅行保険が付帯している。それぞれ3ヶ月の期間なので、3+3で6ヶ月カバーしてやろうという思惑である。それにしても4枚も持つのは何故か。ひとつは限度額の問題である。海外では両替の手数料よりキャッシングの方が安いことが多く、ほとんどの現金をキャッシングによって確保する。そのため限度額がオーバーしないように複数持つのだ。さらに、何故かATMによっては、こっちのVISAはだめだけど、もう一枚のVISAならOKみたいなことがある。きまぐれATMちゃんが存在するのだ。だから複数枚持っておくのが吉である。さらに、宿やエアーの予約で使うサイトやタクシーアプリなども、VISAはダメでMasterCardはOKだったり、3枚目のVISAでようやくOKみたいなことが頻発する。さらにさらに、防犯の意味でも、複数枚のカードを散らして持っておくのは有効である。ひったくられたり、スラれたりしても、残りのカードがあると最悪日本に帰れる。

楽天プレミアムカードとプライオリティパス

空港ラウンジの居心地は神

そんなカードの中の1枚に、楽天プレミアムカードを加えておくことをオススメしたい。なぜなら、年会費12,000円ほどのこのカードに加入すると無料でプライオリティパスがもらえるからである。ではプライオリティパスとは何か。簡単に言うと「各国の空港ラウンジにけっこう入れる券」である。さすがにファーストクラスやビジネスクラスの人専用ラウンジには入れないが、それなりに設備の充実したラウンジが使えることは、移動が多い旅人の心と体を癒してくれる。初めての国際空港では、だいたい余裕を持って3時間前に到着する。そうすると、大体搭乗時間まで1〜1.5hほど余ることが多い。また、トランジットや深夜出発の時も、あんがい空港で待ち時間を過ごすことは多いのだ。そんな時、硬いベンチで、多くの人が行き交う中、ずっと待つよりも、限られた人しか入れず、ソファがあり、ごはんと飲み物が食べ放題(!)、時にはシャワーまでついているラウンジは天国に近い。毎回ここでビタミンが補給され、元気を取り戻すのだ。ホテルのビュッフェを想像してもらうと分かりやすいが、あれが毎回タダであることを考えると、楽天プレミアムカードの年会費は破格の安さである。オススメだ。

何にお金を払いたいのか

ドバイのサファリツアーは¥8,000円くらい

価値観が出る瞬間だ。自分は、旅の時間は有限でありもっとも貴重である、と考えていて、時間を買いたい感覚があるため、移動にはお金を惜しまない。深夜バスより飛行機、満員電車よりタクシーを選ぶ。飛行機も、真ん中の席は嫌なので窓側か通路側を選ぶ追加料金は喜んで払う。荷物は7kgに抑えて服は3着を着回しているが、移動の快適性にはこだわりがあるのだ。

また、モノより思い出、じゃないが、体験がすべてだと考えているところがあり、アクティビティにも金を投じたい。できれば大人数のツアーではなく、少人数で秘境や極地へ行くような、なるべくエクストリームな体験に惹かれる。希少性が高まるほど高価になるのは資本主義である以上しょうがないのだ。

あとは寝る時はできるだけ個室でいたい。他人と寝るのが極端に嫌いなのだ。と言いつつ、そろそろドミトリー生活に入る。ヨーロッパ1番の心配はそこだ。さすがに全行程個室にすると予算がつきる心配がある。が、たまには個室を挟んで心の平穏を取り戻したい。

インターネット。これがスムーズにつながらないと、イライラが募る。結局、旅の中で平常心でいられるのは、ネットの世界というアナザースカイが常に手のひらに待っていてくれるからである。だからWi-Fiにもこだわるし、e-simを導入している。Airlaoというアプリを介して購入しておけば、物理的なsim交換なしでその国の電波がつながるのだ。これはいくらでも払える。唯一物理simを買うのは、その国の空港が全くWi-Fiがつながらず、そもそもe-simが起動しない時や、その国の電話番号がないと使えないタクシーアプリがある時だ。

逆に言うと、それ以外にはあまりこだわりがない。ごはんはその国で一回くらいいいレストランにいければ、あとはスーパーで買ったトマトとバナナでいい。リゾートホテルで水着でカクテル飲んで、みたいなイメージもまったく惹かれない。あんまり水につかりたくないし。疲れるし。サウナや温泉は大歓迎。お土産は何一つ買う気はないし興味もそんなにない。服を買い替えたりステッカーを買ったりくらいか。免税店にもブランドにも興味がない。民族楽器はちょっと持って帰りたくなるけど。

4.お役立ちアプリ

booking.comとAirB&B

手づくり看板

言わずと知れた宿泊施設予約サイトである。使い方はとてもシンプルで、とにかく街中で安い宿を探す時にはbooking.comを使い、郊外でアクティビティがある場合など、ホストと相談したり、人と交流したい時、暮らしを覗き見てみたい時など、クセのある宿ならAirB&Bだ。他にもいろんなサイトがあるが、基本的にはこの2つで運用している。

skyscanner

ネパールからのフライトでチラ見したヒマラヤ

飛行機の最安値を探すならこのサイト。決済ができるわけではなく、そこからさらに決済代行サービスや航空会社へとリンクされるため、好みのやり方で予約できる。旅の予定を立てるときは、日付と時間とルートをこのサイトを睨みながら立てていくことになる。直行便にこだわるか、乗り継ぎをよしとするか、深夜の空港泊をするなら、次の日はゆっくりできる宿にするか、など、未来の自分への優しさと想像力が試される。雑に抑えると明日の自分が苦労することになる。ちなみに航空会社によってはweb check-inしたe-ticketをiPhoneのWalletに同期してくれることがあり、カウンターに並ばず、紙のボーディングパスを持つこともなく、簡単にゲートに迎えて楽ちんである。全世界こうなって欲しい。

Airalo

この帽子はインドのタクシーに忘れてきた

先ほども触れたe-simアプリ。国別でも購入できるし、アジア、ヨーロッパなど、地域を指定することもできる。今はヨーロッパ地域で購入し、足りなくなったらチャージしていく目算だ。simロックフリーに続き、海外旅行を変えたイノベーションだと思う。

Google翻訳

英語でもコミュニケーションはできるが、ロシア語やトルコ語だとアプリに頼る

なんと、2つの言語を指定してマイクボタンを押せば、どちらが話しても翻訳してくれる機能をもっている。e-simとこの機能さえあれば、何かを買うなどの際にコミュニケーションができないということはない。

Uber、Grab、Pathao、YandexGo、BiTaksi

インド・カンボジアでは3人乗りが当たり前

つまりタクシーアプリである。基本的にはとても便利。しかし、これが曲者で、国によって、電話番号が必要だったり、クレカが登録できなかったりする。とにかく運転手との現金のやり取りはしたくないのだが、現金でないとダメな場合も多く、運転手との料金交渉が必要になることも。まだまだ発展途上のサービスである。あとトルコのタクシーはタバコ吸うからうんこ。

Foodpanda、Zomato、Walt

Foodpandaでなんらかの麺類をオーダー

いわゆるウーバーイーツ的サービス。Zomatoはインドという市場において、運転手の体温まで表示されており、とにかく安全性にこだわったサービスとなっている。その細やかな設計とUIに、IT大国の片鱗を感じた。ストリートフードの油が苦手なので、インドではデリバリーを多用していた。あと暑くて外に出たくない時とか。

Twitter、Facebook、instagram、note、BeReal

レギスタン広場は撮影スポット

SNSによって、旅をしながらでもアウトプットが残せて、やりがいのようなものを感じている。α7s2によって撮った写真はLightroomでレタッチし、Googleフォトに保存する。それを10枚に厳選したらInstagramにUP。storiesはよりドキュメンタルなiPhone写真中心にしている。これは家族・友人への生存報告と、アウトプットとして。その投稿はFacebookにも連携され、友人・知人とのやり取りに使える。質問と回答が盛り上がったりして楽しい。Twitterは同じ世界一周中の日本人旅人のフォローとやり取りに使い、たまに出会えたりして嬉しい。そして一か国ずつnoteにまとめることで、文章欲も満たせて、後に残る手記となる。BeRealは少数の繋がりの中で実験的にやってみている。つくづく現代を生きているし、それを謳歌しているなと思う。もうちょっと旅だけに集中するのかなと思ったらまったくそんなことなかった。それが自分にとってのふつうなんだろう。

5.持っててよかった

サングラス

ドバイの砂漠にて。スペインから来たそう

日本だとほぼ使わないサングラスだが、海外では思いのほか日光が強く、ないと目が疲れることがある。また、せっかくキレイな景色でも太陽が強すぎて、白飛びして見えないみたいなこともあるので、常にカバンに入れている。決してバカンス感リゾート感を出すために不必要にかけているわけではない。

カンボジアのマッサージ店にて

頭痛薬にバファリンロキソニン、胃腸用にビオフェルミン正露丸糖衣、オレンジ色のピルケースに入れて持ち歩いている。頭痛はそのさわりのような痛みを感じた瞬間に飲んで、何事もなかったことにしている。今まで3〜5回ほど飲んだ。またビオフェルミンはお腹がガスっぽくなった時に2回ほど。たぶん油が違って消化できず胃腸でガスを発生してしまう時があるんだと思う。中央アジア以西では使っていない。

耳かきと爪切り

吊り下げポーチにまとめると便利

これは想像以上に気持ちを落ち着かせてくれる。異国においても、自分のペースで身の回りを整えるのは気持ちがいいのだ。そして、耳垢で湿度が分かったりもする。

速乾・防臭Tシャツ

これはウズベキスタンの民族衣装

よすぎる。1枚だけにしたのが悔やまれる。あと2枚のシャツもこれにすべきだった。国によって湿度が違うが、ドライな国は清潔度も高いように思う。日本は、あれだけの湿度で、どの店でもハエもたからず、常に清潔を保っていてすごい。無印のやつです。

ハンガーピンチ

カンボジアの宿にて

ハンガーに取り付けて、洗濯バサミが6つ使えるやつ。パンツ2枚、靴下2セットがちょうど干せる。めっちゃ便利。

逆に、持って来ればよかった!しまった!というものは、延長コードドライヤーです。

6.おすすめコンテンツ

社会学の本

ガンジス川で沐浴する人たち

インドで泊まった家には普通にメイドがいて、朝晩2回掃除洗濯をする。月5,000円程度だと言う。人件費が安すぎる。どんな機械よりも。それはヒンズーによる格差の固定化と再生産だ。バラモンには顔の整った人が多い。それもまた、同じカーストでの婚姻と出産を繰り返した結果である。社会構造に違和感を持ち、好奇心が出て、はじめて、スポンジのように知識が染み渡った。各国の社会の成り立ちを身体で感じたら、その後に本で答え合わせしてみるのも面白い。勉強って本当はこういう順番でするべきなのかも。

コテンラジオ

イスタンブールのブルーモスク

中央アジアからトルコへと旅して来て、オスマン帝国の成り立ち回を聴き直す。理解の浸透度が違う。社会学の本と同じく、歴史について学ぶと、目の前で起こっている現象に補助線が引かれ、体系的な理解ができる。ここでもまた、勉強の面白さに気づくのだ。

ストレンジャーシングス

ドバイの水族館

はぐれもの達が活躍する世界的ヒットコンテンツ。これだけ多様性が叫ばれる中で、みんなが夢中になる物語は貴重だし、最後の夢のようにも見える。何より、旅をしてるとどこにいてもストレンジャーであるから、イレブンをはじめとした変わり者たちへの共感がすごいことになる。というか、ただ好きなだけなんだけど。

7.リモートワーク体験記

インドのアパートメントにて

旅立つ前に「いくつか仕事を持っていくといい気分転換になる。インプットばかりだと疲れるから」とアドバイスをもらった。まさに、旅はインプットの連続である。カメラがあってよかった。ささやかにアウトプットできるから。

たしかに、仕事のことを考え、集中するとかなりの気分転換になった。その作業は主に頭を使うので、身体は休まっているようにも思えた。

そして、テレカンで仕事仲間とつながる。近況報告し、日本語でたわいもない話ができるのが楽しい。今のところ時差もタイムラグもなく会話できている。Wi-Fiがんばれ。

そして、いくつかのローンチや納品ができ、新たな仕事も始まっている。なんとかなっている。というより、海外で受けることを許してくれるクライアントや仲間とだけ働いている。

納品した報酬をそのまんまツアーに突っ込んだりもした。こう考えるとスポンサードされた旅にもなる。その捉え方もまた新鮮で、いい感じがした。働いて、ちょっと贅沢に使う。やりがいがある。

ただ、その場にいるからできることも、もちろんあって、帰国したらそれをやりたいぞ!とも思った。具体的な場所の力というのがあるはずだ。仕事上のHOMEをつくろう、そんな気持ちになった。

リモートワークそのものは、国内外関係がない。だからこそ、会える時にしっかりとコミュニケーションをとって、会えない時に心がつながるように備えておくべきなのだ。ただ電波がつながっているだけでは、何かが足りない。

そのことに気づいた、海外リモートワーク体験でした。


8.ちょいコミュニケーション

南インドですれ違ってインスタを交換した大学生たち

すれ違う時、エレベーターで、宿のテーブルで、ほんのちょっとおしゃべりする。アメリカのドラマではよく見るけど、日本ではなかなかない光景。でもこれが、旅の中では大きな意味を持つ。

少し話したおかげで、困ってたことが解決する。ある場所への行き方が分かる。Wi-Fiのパスワードが分かる。おすすめの料理名が分かる。飛行機の遅れている理由が分かる。

その時に、カメラがとても役に立っている。

撮りましょうか?と言って、何回かシャッターを切り、WhatsAppやInstagramで連絡先を交換する。今もまだ交流が続いている。

この、少しのおしゃべりが、幸福度を上げる、という研究結果も出ている。お互いのことを少し気にかけ、少しずつ好意を交換するのはいいものだ。登山におけるあいさつとも似ているように思う。安全確認が必要な旅人同士だと特に。

9.これがうまかった

ビリヤニ(インド・ネパール)

ゆでたまごが至高

モロッカンスカッシュ(インド)

モヒートのノンアル版的さわやかさ

アモック(カンボジア)

魚のすり身を茶碗蒸しみたいに

茹でズッキーニとヨーグルトのサラダ(トルコ)

うますぎてパンに塗って食べ過ぎた

ケバブとピタ(トルコ)

メゼ(野菜)とピタで巻いて食べるともう

フルーツ盛り(ウズベキスタン)

メロン、ぶどう、すもも

10.これが全荷物だ

意外と袋類がかさばる
登山のウルトラライトのように、スプシでアイテムの重さを管理し7kg以下に

ポイントは、夏の旅行なので、Tシャツ、パンツ、靴下3セットが基本で軽量ということ。半ズボン、長ズボン、上から羽織るシャツ、薄手ウインドブレーカー、登山用クライムライト、このへんが服のすべてである。洗濯必須。

ここまで軽量化にこだわるのは、LCCの手荷物にすべて収めたいから。身軽に動きたいから。登山にハマってからウルトラライト思想に傾倒しているので、なるべく少なくしたいのかもしれない。ここに書いていないがヘッドライトも持っていったら、初日の宿が停電していきなり役に立った。

写真のレタッチや仕事もしたかったので、最も軽いmacbookを探し、2017年製の12インチをメルカリで4万円で購入した。十分役に立っているが、レタッチは時間がかかるので、カメラの設定は1枚の容量を2~4MBにしている。もともと1280万画素の機種なので、十分キレイにデータを残すことができる。印刷時はA4サイズまでなので、帰国後に写真集にまとめたりする時はむしろポケットサイズにするなど工夫してみたい。

それにしても、この中では比較的重いカメラを持ってきて本当によかったと思う。執拗に色々なものを撮影していて、もはやロケハン感すらあるが、一度旅することで、次はこれがしたい、など、いろいろ思い浮かぶので、その時の資料としてもいい。いちどベスト版を聴いてから、オリジナルアルバムを深掘りするように。

メインのザックについては、背中側がスーツケードのようにパカっと開くタイプ。宿ではこれが便利で、取り出しやすく、パッキングも10分で終わる。PC用のスリーブも背中側。防犯的にもかなりの安心感だ。これと財布スマホを入れたポシェットの前持ちが基本スタイルである。

旅のトラブルとしてよくある詐欺関係については、今の所大丈夫。むしろ人を疑いすぎている感じすらある。まあ日本でもほとんど客引きに声かけられないし、完全に他人に無関心であることがオーラとして出ているので、ずけずけ声かけてくる海外においてはちょうどいい。基本的に「マイフレンド〜」って言ってくるやつは大体無視してる。しつこい時は日本語で「わからへんわからへん、何言ってんねん」って言うと、だいたい消える。観光地においては「ノーガイド!」って3回唱えるといなくなる。

よりひとつひとつ細かく紹介するのは、また別の記事でやるかもしれない。(めんどくさすぎてやらないかもしれない)本当に興味があれば、上のスプシの項目からググってみるのもいいかもしれない。なるべくブランド名や固有名詞でメモしてあるので。

上に羽織るシャツは古着のもので、旅感があって気に入っている。サングラスは浮かれた感じの黄色いやつで、それもバカっぽくていい。機能的なものばかり揃えたので、ひとつふたつ単に好みで選んだお気に入りのものを持っていくとテンションがあがっていいと思う。



・・・長くなった。あと2シーズン。ヨーロッパ編とアフリカ・アメリカ編ではいったい何があるんだろうか。行き当たりばったり、かつ、計画的に、できる準備はしっかりしつつ、臨機応変に、慎重かつ適当に、このまま旅を続けようと思う。

いつかは想像を超える日が待っているのだろう
「HOW TO GO」くるり

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