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まるで映画村?現代の中世ヨーロッパ・タリン【2022年ふつうの旅 #9エストニア】

ラグジュアリーでも、バックパッカーでもなく、
ふつうに観光も仕事も生活もする #2022年ふつうの旅

9カ国目、といっても、フィンランドから日帰りで尋ねられる国エストニア。パスポートはフェリーのチェックインで見せるだけ。2時間バルト海を縦断すれば着いてしまう。ちなみに陸路で行こうとすると、東のロシア国境を超えて、サンクトペテルブルグを経由し、南下してエストニアに入ることになる。ロシアにここまで近いのは初めてだ。

首都タリンは、オールドタウンと呼ばれる一帯があって、まるで中世ヨーロッパがそのまま残ったかのような城下町だ。観光のためにあるようなこの地域には各国の大使館が集まっている。ロシア大使館の周りは、まるでデモが毎晩あるかのような立て看板とメッセージだらけであった。ロシアとの近さを肌で感じる瞬間だ。

街並みは、赤い屋根と石造りの建物と石畳がかわいらしく、旅マダムがたくさん来ていた。おみやげものも、かわいい雑貨が多い。当時のマントやローブを着たガイドが案内しており、日本で言う日光江戸村、または、映画村みたいだな、と思った。余談だが、映画村がある太秦(うづまさ)に生まれた筆者は、映画村はチェーン店だと思っており、各県にそれぞれの映画村があるんだろうな、などと思っていた。余談おわり。

「太っちょマルゲレータ」という名前の建物
コスプレっぽいガイド

ある程度オールドタウンをブラついたら、一瞬で飽きた。あまり興味のない海洋博物館に行ってみたが、これもすぐに飽きた。飽きのスピードが加速していて不安になる。このまま光速を超えてしまったら、行く前に飽きる。それがインターネットの罪だ。とか思ったり思わなかったり。

こんな顔で見てた

古いものに飽きたので、現代的な地域はないかと探してみる。どうやら行政主導で、古い倉庫をおしゃれにリノベしたいけすかない一画があるというので、そこに行くことに。そうして、横浜や台湾や表参道でも見たことのある、倉庫街にアートとファッションとフリーマーケットと屋台が一体となった若者ゾーンがそこにはあった。Telliskivi Creative Cityである。自分でCreativeとか言うな。

エストニアは物価が安い。そして、電子大国だ。

このような噂を聞いて訪れたが、物価は日本と同じくらいであった。ということは日本が安いのかもしれない。かなしい。おなかがすいた。円安ダイエット。ぶらついていたらラーメン店を発見したので、900円支払って食べてみる。恵比寿で阿夫利を食べるのと同じくらいの価格帯である。

きぬさやはなくてもよかったかも

麺がやわい。スープがぬるい。ただ、味はおいしいOriginal Tonkotsuは少し甘みのある味わいでクセになる。これが欧州でのスタンダードなのだろうか。硬い麺をズズズとすすりたい。しかし、こちらの方々においては、麺はフォークでつまみあげるものであるから、やわい方がいいのかもしれない。寒い中、熱いスープをふーふーいいながらいくのが粋なのだが、こちらでは音は立てないほうがいいのかもしれない。

郷に入りては郷に従え。うるさい。音たてて食わせろ。と思いながらも久々のラーメンに満足。帰国したらズズズしたい。ふーふーしたい。はふはふしたい。

青空バザーで、ロシアの軍モノを売ってるロシア人おじいちゃんの胆力の強さに感心しながら、映画をスクリーンで流しているカフェでクランベリージュースを飲みながら休憩する。ビートルズの「GET BACK」が流れている。一度見たが、また見る。すべてを手に入れた4人が、どういうモチベーションで、ひとつの音楽をつくるのか、大変気まずくて、しんどいドキュメンタリーだ。オノ・ヨーコが奇声を発し始めたタイミングで店を出た。

暇すぎて、電動キックボードに初挑戦する。日本では原付免許が必要というアホみたいな規制がかかっているが、こちらではフリーである。アクセルの場所がわからずあたふたするが、慣れると快適。特に、だいたいの場所に乗り捨てていいというしくみが秀逸である。Googleマップでいきたい場所を調べて、最寄りまで電車やバスで行き、あとはキックボード、というのはとても楽だ。Googleマップには近くのキックボードがある場所と残りの充電残量まで表示される。めちゃくりゃ便利で感動する。

フィンランドでも感じたが、移動周りのイノベーションや電子化はすごく進んでいて、改札のない電車や、アプリで乗りこなすキックボードは街並みに馴染んでいた。

余談の余談だが、今季初のマフラーしまい髪は、ここエストニアのタリンで観測いたしました。9/3(土)16:30でした。サマータイムで。

帰りのフェリーは、ビールを箱で爆買いし、キャリーに積んで帰る若者がいっぱいいた。国との間の物価の違いが、こういう行動を生む。ユーロの導入はどう考えても通貨の弱い国の産業を空洞化させるんだなあ、と読んだばかりのエマニュエル・トッドに影響されて思ったりした。大量のビールを手に入れた若者は満足そうな顔をしていた。

RETURN TO ▶︎ FINLAND

Woltと、あと緑色の会社もあった


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