ノンアルバーをやることになり、色々楽しくなってきた話
2/4土にノンアルバーをやる。
渋谷の「完全紹介制」バーを間借りして、まずはイベント的な開催である。
世界旅行の報告も兼ねて、ミニ写真展も同時開催することにした。写真集の販売も行う。
どれくらい売れるか予想できないので、数冊を見本誌として設置し、受注販売方式にしようかなと思っている。
メニューは、世界旅行で出会ったノンアルコールドリンクからインスピレーションを受けて(まんまパクって)開発したもの。
インドの南、チェンナイで出会ったモロッカンスカッシュ。要はノンアルのモヒートである。真夏のインドで、いや、旅行中、いちばんおいしかったのがこれである。
そこで、バーの屋号(コピーライター業の屋号でもある)PAULの頭文字をとって、「ポ」ヒートと名付けた。
食べるものは焼きそばパンを採用した。これは、世界のどの国にもなかった日本独自のものとして再注目したからである。(本当は店にあったペヤングを活用できないかと考えたもの)
そして、やることが決まったら、意外と忙しくなった。メニュー開発、お皿、調理、写真、値づけ、スタッフ、写真、情報発信、おつりの用意、まるで文化祭的な楽しみだ。そういえば模擬店で焼き鳥屋をやったりして楽しかったな鳥人間で。
そして、もし、続けてやりたいのであれば、収益も考えた方がいいよ、とママにアドバイスされて、ノンアルで収益をあげるとは?と考えた。
ひとつは単価をあげること。昔、ゴールデン街でやったときはワンコインにしたので、まったく儲けが出ず、楽しかったけど、やるならまた1年後だな〜くらいの、まさにイベント・祭りとなった。そうではなくて、定期的にやるなら、「バー価格」にしないといけないのである。具体的には、原価30%だ。炭酸水88円を提供するだけで、293.333…円の売値にしないといけないのである。昔は400円で仕入れた土佐山ジンジャーエールを500円で売っていた。そりゃあ成立しない。
そして、もうひとつ、ノンアルコールには致命的な欠点がある。「何杯も飲めない」これである。お酒は、脳がバカになるのか、体がアホになるのか、何杯も頼んだりする。ノンアルは2〜3杯が限界である。
それに、お酒というものは、酔えば酔うほど意味がわからなくなって財布の紐が緩くなる、という、水商売特有のお祭り感、フェス的体験消費感があるが、ノンアルは冷静なお客に冷静に飲料を提供する。ノリでテキーラ頼んじゃおっかな〜お店の人もみんなで飲もうよ、的な、夜のスナック的お作法は通じないのである。
そこで開発したのが「アルコール免罪符」だ。どうしても飲みたい人のためにステッカーを発売して、それがあればお酒を頼める権利を買えるという、シンガポール政府も真っ青の暴利を貪るシステムである。(シンガポールでは車を買うための権利が数百万円する)
ノンアルバーの収益を確保するための手段が「お酒も売る」という本末転倒感にクラクラしながらも、禁酒法時代のスピークイージーのような背徳感にお金を払ってもらうのも悪くないかも?と思って導入してみることにした。
同時開催のミニ写真展は、壁にハーフサイズの写真を両面テープでペタペタ貼ろうと考えている。
本よりもプリントした写真の方がやはり見え方はキレイなので、展示も楽しみである。まっすぐ張るための紐と5円玉も用意した。後輩で写真展経験者かつバーでも働いているS氏にきいたやり方だ。
そして、このような情報を発信していると、思いがけず機会が巡ってくるもので、「出張ノンアルバー」の話をいただいた。友人のD氏が本の出版パーティーを開催するので、そこでノンアルを出さない?と誘ってもらったのである。
ゆくゆくは場所に縛られないノンアルのブランドとコミュニティにしていきたかったので、とてもいい話だ。ポヒート1本だけで、多くの人に感想をもらえるチャンスでもある。会費制パーティーなので、プロダクトが料金に見合うかどうかの意見はもらえないけれど、純粋な味についてのコメントがもらえるのだ。もちろん宣伝にもなるし。
そして何より、みんなでひとつのものをつくりあげていく感じが楽しい。お店に来てくれる人たちはもちろん「お客さん」なんだけど、それをきっかけに新しく何かをつくっていったり、仕事を生んでいったり、新しい遊びを発明したりしたい。コンテンツとコミュニティがぐちゃぐちゃになればいい。
その媒介として、ノンアルコールがあって、酒の席特有の「酒の席の話だから」とかじゃなくて、思いついたことや、約束したことは、ぜんぶやっちゃえばいい。
なんて思いました。ご来店&お手伝い、お待ちしてまーす。
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