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遺跡に飽きてテクノロジーにハマる【2022年ふつうの旅 #1カンボジア】

仕事も、観光も、ふつうの生活リズムで旅していく #2022年ふつうの旅

1カ国目は、カンボジア

と言っても、トランジットでベトナムに入国し、出国してから来たので、厳密には2カ国目なのかもしれない。ベトナムの入国は1.5hかかった。タイやベトナム、ヨーロッパなど、観光産業がさかんな国ほど、今は混んでいるようだ。

ちなみに、飛行機も1hほど遅れ、入国でも1.5h遅れたので、トランジット中に予定していたMTGには出られなかった。Iさんごめんなさい。

教訓:移動日にMTG入れるべからず
#2022年ふつうの旅


プノンペンに降り立って、まず感じたのは「こわい」「あぶない」という感情。事前に防犯意識をカリカリに高めていたので、道ゆく人全員が泥棒に見えている。完全に自意識過剰である。

スマホにはストラップをつけ、ザックには南京錠をつけ、トゥクトゥクの客引きは窃盗犯またはボッタクリに見えている。こんなに緊張感を持って訪れる国ではないのだカンボジアは。少なくともプノンペンやシェムリアップは。

とりあえず空港そばのバーガーキングで夕食を食べてなんとか落ち着く。

浮き足だっているのが分かる。そういえば一人で海外に来たのは初めてに近い。厳密には友人と合流したことはあるが、ここまで一人なのは初めてなのだ。何を恐れているのだろうか。

で、チーズワッパーセット的なものを食べて落ち着いたところで、grabをダウンロードした。タイやベトナムでも使ったことがある配車アプリだ。ここカンボジアでも使うことができる。

grabを使えば、クレカでの支払いもできる。それに、あらかじめ道を指定しているので、言語が通じなくても大丈夫。しかも、料金も最初から決まっているので、交渉しなくてもいい。考えようによってはコミュニケーションのチャンスを逃すようでもあり、余計なストレスなく快適な旅ができるともいえる。

無事タクシーを捕まえて、最初のホテルへ。booking.comでとった宿は立地は最高だが設備はB級の安宿。日本でいうとアパホテルをもう一段階汚くしたようなビジネスホテルだと思ってもらえればいい。アパホテルすまん。他にたとえが思いつかなかった。

ふつうに過ごしていると急に電気がとまる。停電だ。カンボジアは電気をタイやベトナム、ラオスから買っており、自国での安定供給が難しいという。そのせいか、たまに停電が起こる。などと書いたが、夜の停電にヘッドライトをつけて(使わないと思っていた登山用ヘッドライトが早速役にたった)、街をぶらぶら散歩して戻ってきたら直っていた。

スタッフも慣れたものなのか、余裕の笑顔である。

プノンペン観光は主に、博物館を回った。写真撮影NGだと言われるが、NO CAMERA,PHONE OKとのことで、iPhoneは許された。なぜ。

ATMでクレカを使ってお金をキャッシングしてみる。両替するよりも金利のほうが手数料が安いのだ。しかし、4枚あるカードのうち、最初のVISAカードはダメで、2枚目で成功。ちなみにgrabの登録はVISAがダメでMasterCardだと登録できた。理由はよくわからないが、会社を辞める前に駆け込みでカードをつくっておいてよかった。

e-SIMの登録もうまくできた。Airaloという会社のアプリを使っている。SIMカードをいちいち買って交換しなくても、1GB 7 4.5$など細かい単位で買うことができる。アクティベートの手順がややこしいが、すぐに使うことができて安心感がすごかった。

クメール料理の名店と言われているKravanh(クラバン)へ行き、アモックという魚のすり身を茶碗蒸しのように固めたものを食す。うまし。知らない文化の知らない味がうまいとうれしくなる。だんだんこの国とチューニングがあってきたような、緊張が解けてきたような気持ちになってくる。

長距離バスに乗って、コンポントムへ。サンボープレイクック遺跡という木の枝に包まれた遺跡を見に行った。まるでゼルダ、というか、その元ネタのような遺跡の迫力にびっくりする。今までやってきたゲームのすべての元ネタがここにあるような感覚。バーチャルをリアルで追体験するような不思議な感覚になった。

また、AirB&Bでとった宿がすごく変わっていて、CWA(コミュニティ・ワーク・アジア)という教育プログラムの一環で、中高生たちが暮らしながら、学びながら、宿の従業員としても働いている。そして、伝統的な踊りの練習や小さな博物館の管理などをしている。そこに一泊させてもらった。学生につくってもらった朝・昼・晩のごはんは、正直、プノンペンのどこの料理よりもおいしかった。

英語の授業に参加したり、いっしょに写真を撮ったりして、期せずして交流ができたのがうれしかった。日本人スタッフの方もいて、次の目的地であるシェムリアップへの長距離バスの手配など、いろいろスムーズでとても助かった。宿は蚊帳が張ってあって、窓をあけると風が通って涼しい小屋だった。ここにいる間は、防犯意識はかなり適度にチューニングされていて、スマホからストラップを外し、ポケットに入れていた。大切なのは、TPOに応じて気をつけることなのだ。

そして、風と緑を感じながら、俺にはやることがあった。ストレンジャー・シングス シーズン4の最終話を見ることである。めちゃくちゃ感動して、この感動を分かち合うことができないもどかしさを胸に、カンボジアの夜は更けていった・・・(日本にいてもストレンジャー・シングスの話をできる人は少ないのだけど)

子どもたちとスタッフさんに別れを告げて、シェムリアップへ。バスを降りてすぐに声をかけてきたトゥクトゥクの兄ちゃんにこれまたAirB&Bで取った宿に送ってもらう。明日アンコール・ワットにいくならツアーしてやると言われ、なぜか言う通りにしてみよう、という気になった。

これまでのgrabもいいが、この兄ちゃんとコミュニケーションがとりたくなった。ツアーの相場は15$だが、20$欲しいという。ウクライナ危機でガソリンが高騰しているからだという。真偽は定かではないが、プノンペンでのキリングフィールド往復や、宿で手配してもらったコンポントムでのサンボープレイクック往復、すべて20$であったので、本当のような気がする。

そして、アンコールワットの朝日が見たいなら4:20に迎えに来るよ!と言われ、寝て起きたら、はたして兄ちゃんはそこにいた。事前に教えてもらっていたネットでのアンコールワットパスを買った画面を見せる。よし!となって、WhatsAppの番号を交換した。これからいろいろな遺跡をめぐるので、途中ではぐれた時にこれで連絡しあおうぜ、ということだ。

アンコールワットや、バイヨン遺跡は確かに素晴らしかった。が、ザ・観光地、といった趣きでもあった。観光客の皆さんと、観光地価格のまずい昼食などを味わいながら、なんか、自分で考える力が失われていく気がするな、こういうツアー形式のものは、などと考えた。そして、

そして、遺跡に飽きた

多すぎるのである。次はタケオ寺院だ、次はなんとか遺跡だ、どうだ、よかったか、これはアンコールトムの門だ。わかった。もうわかったよ兄ちゃん。いや、Thoeun(トォーンという兄ちゃんの名前)、俺はもう、遺跡にはうんざりなんだ。暑いし。登るのもしんどいし。

そして、遺跡には飽きたが、夕日が見たい。朝10時には宿に戻り、また17時に迎えに来ると言われた。それまで暇である。そう思った時、カンボジアに来る予定のある友人から連絡が入る。よかったら会おうと。

こういうのがあるから旅は楽しいんや!と思いながら、金曜にカンボジアを発つから、週末にシェムリアップに来るならお茶かランチくらいならできるね〜なんて言って、飛行機のe-チケットを確認したら木曜発だった。

こんなことある?と焦る。というのも、次の目的地はインド。RT-PCRが必要なのだ。2022年7月現在の世界は、ワクチン接種証明書でほとんどの国が旅行できるようになったが、インドは別である。夕方までの間に、事前に調べてあったPCR会場に行ってみた。そうしたら、今日はもうやってないけど、明日の朝来れば、フライトに間に合うよ、という。

いろいろあって結果オーライになった。あぶねえ・・・。

友人には会えなくなったことを伝えながら、心の中で感謝していた。連絡がなかったら飛行機を乗り過ごして、こうやってシンガポールの空港でのんびりnoteなんて書いてられなかったかもしれない。

カンボジア特有のスコールが降り続いた日は、フードのデリバリーも試してみた。foodpandaである。最近日本でもよく見る。パンダなので中国かと思いきやドイツ企業。またしてもVISAは登録が無理で、MasterCardがOKだった。

こうやって、クレカとアプリを紐づけて、e-SIMで国内とほぼ変わらないようなネット環境の中、いろいろなサービスを使い倒して、Wi-FiがあればPCを開いて仕事をしたりしていると、日本と何が違うんだろう、と思う。

もちろんリアルには、気候も文化も言語も宗教も人種も通貨も違って、いろいろ刺激的なんだけど、いったんアプリに目を落とすと、そこにはいつものバーチャル空間がひろがっていて、それはメタバースなんていう前からもう、ひとつの国であり、ふるさとなんじゃないかってことを思った。

奇しくも遺跡というレガシーに飽きて、テクノロジーによる日常にむしろ感動した形になっていた。

そんな中でも、人との心の交流や、肌で感じた熱や、目で直接みた刺激や、匂いや、音は、その時に、その場所にいないと味わえないことでもあって、とてもすべてを書き記すことはできないんだなあ、と、一カ国目にして思っている。

カンボジアの人たちは、少ないながらも接した印象だと、少し控えめで照れ屋で親切だった。シェムリアップという世界的観光地であっても、この2年間は閑古鳥が鳴いており、久しぶりに日本人を見たよ、などと言われた。そういえば一度も日本人とすれ違ってはいない。観光地において、そのことは、なんだか心地よかった。別に、日本人と会いたくない!しゃべりたくない!なんてことは思ってないんだけど。

そして次の国は、もっと濃密なコミュニケーションがあり、そもそも体調が心配なインドである。

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