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青の都で愛を語り、柄モノに飽きる【2022年ふつうの旅 #6ウズベキスタン】

観光も、仕事も、生活も、ふつうにやっていく  #2022年ふつうの旅

今回は、ウズベキスタン

カザフスタンに続いて、二カ国目の〜スタン。スタンとは、〜の国、という意味があるようで、カザフ人の国だから、カザフスタン。ウズベク人の国だからウズベキスタン、という仕組みになっている。どの国も、もともとはソ連の一部であったが、90年あたりにソ連が崩壊した時に、「民族ごとに独立して国にしよう」という気運が高まり、たくさんの〜スタンができた、というわけ。

そんなウズベキスタンは、中央アジア最大の人口(3423万人)であり、国民の半分が若者で、ガンガン経済発展中。スタン系あるあるである、大統領や首相が独立時から変わらずに何十年も同じ人なんだけど、ウズベキスタンは2016年に新しい人にバトンタッチされている。

着いてみてびっくりしたのは、街がキレイすぎる、ということ。首都であるタシケントを避けて、一大観光地であるサマルカンドに来たのもその理由かもしれないが、とにかく、水と緑が多い。街全体が公園のようだ。噴水やベンチもそこら中にあって、安心して街歩きができる。楽しい。木陰はとても涼しく、街路樹って意味あるんだな〜と実感した。常に街を掃除する人がおり、常に警察が視界に入る。治安もめちゃくちゃいい。治安よすぎて職質されました。こりゃあいかんと、ネパール入院以来伸ばしっぱなしだった髭を剃りました。スッキリ。

サマルカンドは青の都と呼ばれている。モスクが青いから。それにデカい。ダーマ神殿かな?というくらいドデカいモスクが3つ、凹型に並んでいる広場が、レギスタン広場。中央アジア一の観光地と呼んでもいいと思う。観光地名物の青く光るLED竹とんぼを子どもたちが売っていた。まさか東南アジアでよく見るこの青とんぼを、シルクロードの中継地点であるここサマルカンドで見ることになるとは。このままヨーロッパまで運ばれていくのだろうか。

青とんぼが情緒を台無しにしつつ、夜のレギスタン広場は熱気が高まっていく。ライトアップされるのだ。それも、歌舞伎町ばりに。もちろん音楽もかかる。重低音が鳴り響き、ださくてかわいい「サマ〜るカ〜んど〜なんちゃら〜♪」の歌詞がループされる。ほっこりする。みんなLEDが大好きだ。

というわけで、ゆっくり観光できたのは、次の日の朝。神聖な気持ちでお金を払い(イスラムのモスクでお金きっちりとるのはめずらしい)、荘厳なモスクの門を通過、中に入ると、美しい庭園があり、鳥がさえずり、商人たちがおみやげを売っていた。というか、おみやげメイン。お金はらって中入って、またお金使わせるのか・・・と笑った。

よくも悪くも、観光地としての完成度が高く、広場の周りは電気バスや電気タクシーみたいなのがずっと走っているし、露店もたくさん出ている。ただ、しっかりと管理されているので、スリやひったくりは見ないし、何かを騙して売りつけてくる感じもない。

あまりに平和で、なんでこれが成り立っているんだろう、と文献にあたったが、よくわからなかった。わかったのは、昔から、サマルカンドは美しい都市としての知名度があり、そのことにみんな誇りを持って暮らしている。ということだ。サマルカンドのプロフ(ピラフっぽいやつ)がNO.1だ!とも聞いた。

ある日、宿の主人と、その友達たちとの飲み会に混ぜてもらった。みんな子だくさんでびっくりした。こいつは7人!こいつは5人!こいつはまだ4人なんだ!という。これが未来のある国の姿か・・・。みんな、子どもたちはもっとよい未来に暮らせると信じていて、教育にも積極的だ。ちなみに高校までは無償で通える。言語は、国語(ウズベク語)、ロシア語、英語を基本的に学んでいる。多様性と勢いがすごい。

宿の長女と少し話した。世界一答えにくい質問「いくつに見える?」をくらったので、「イッツモーストディフィカルトクエスチョンインザワールド」と誤魔化したが、「カモーン」となったので、なんとなく若めの「22?」って答えたらドンピシャで、とってもデンジャラスだった。「なんでわかったの?」というまたしても答え方を間違うと大炎上しそうな質問がきたので「インスピレーション」とごまかした。

来月からイタリアに修士をとりに留学するんだという。専攻は言語学。この国は、家族を大切にする。親戚を大切にする。結婚式は500人以上が来る。結婚相手を親同士で決めることもまだあるという。そんな中、40歳で独身で旅してる自分が不思議らしい。「あなたにとって、愛とはなんですか?」という難問をぶつけられた。「ともに歩くことですかね」と答えると「シンプルね」と言われて、なんか恥ずかしい感じになった。逆に聞き返すと「それはパーソナルな質問よ」と言われる。なんだこいつ。

サマルカンドは、というか、ウズベキスタンは、青もきれいだが、そもそも民族衣装の紋様や、陶器の柄などが、女性に人気である。Twitterを覗いていると、自分と同じように世界を巡っている人たちがたくさんいて、ここサマルカンドでも出会うことができた。カナさんという日本人女性は、仕事をやめ、旦那の理解を得て、3ヶ月の駆け足で世界を巡っているという。Twitter経由での待ち合わせ。束の間の情報交換。ATMの場所、延長コードの必要性、タクシーアプリあれこれ、などなど、具体的かつ直接的なお役立ち情報を交換し、お茶を飲み、ちょっと撮影したりして別れた。こういう現代的なテクノロジーのおかげで享受できる、人と人のやりとりがありがたい。久しぶりの日本語にもほっとする。

ここウズベキスタンのモスクや、衣装や、陶器の柄は、とても繊細で、綿密で、神秘的で、そして、カメラの容量を喰う。情報量が多すぎるのだ。ふだんの2~3倍のメガバイト。そして弱いWi-Fiの宿。PC作業はあまり捗らなかった。テレカンは映像をOFFにしてなんとかこなす。美しい街で愛を語り合っている場合ではない。

そして、柄に飽きた

すべてのモスクが同じに見える。これは、カンボジアのアンコールワットと、その周りの遺跡群を見た時と同じである。すべての衣装が、陶器が、柄と柄が、ぐるぐるとからまって、迫ってくる。ちびまる子ちゃん映画版のようなサイケデリックな情報量に、ほとほとまいってくる。

というわけで、シルクロードを辿って、建築物や衣装や陶芸の交易を見届けるのはやめて、一気にトルコへ行くことに。

しかも、カッパドキアやパヌッカレに行くのではなくて、湖畔の地味な地方でのんびりしようかと。そう、旅づかれである。絶景、文化、遺跡、衣装に飽きて、ちょっとのんびりしたい・・・となってしまった。中央アジアは海のない場所が多い。だからといって、ビーチリゾートに行くと、それはそれで、人だらけである。そこで湖畔を選んだ。

ついにヨーロッパ編に突入するので、その前に英気を養い、サマーバカンスのシーズンど真ん中をちょっとずらす、みたいな狙いもある。とにかく居心地のよかったサマルカンドも滞在むきだが、ちょっと暑い。トルコの涼しさに期待している。

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