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C102備忘録 頒布物準備編

この記事は、8/12(土)~8/13(日)に開催されたコミックマーケット102(以下C102)にサークル参加をした人間の「頒布物準備」に関わる備忘録です。
コミケ当日の、持ち物やサークル入場時刻に遅刻した場合の動きについて記した【C102備忘録 サークル参加当日編】もあります。どちらの記事も単体で完結しています。
記載内容は、全て 2023/08/19 時点の情報です。

この記事の内容はざっくり下記のとおりです。
・コミケ申し込み時の一部項目の考え方
・薄い本の原稿作成中、意識した点
・ペイントソフト「Procreate」での原稿作成 備忘録

この記事には、下記内容は記載されていません。
・新刊の印刷数、持込数、頒布数

※この記事を投稿した目的は、「こういう考え方・やり方もあるよ!」といった知見を頂きたいことが主なので、コメントいただけると嬉しいです!



申し込み

申し込み時の項目のうち、検討に時間がかかった箇所を抜粋します。

サークル名

ペンネームと全く同じ名前に設定しました。
ペンネームで検索してサークル名がヒットせず、作品が分からない という可能性を払拭することが目的です。

発行誌名(1冊)(タイトル)

入力必須項目ではないため、未記入でも問題ありませんが、タイトルが決まっていない場合でも「◯◯と△△する本」といったように暫定的なタイトルを入力しておくのもアリと考えています。
いわゆる「◯◯(コンテンツ名)島」周辺及び、題材キャラクターが固まっているスペース配置の判断材料になると考えているためです。

頒布物概要

どのコンテンツの、誰を題材とし、どんな頒布物(漫画?小説?グッズ?成人向け?)を用意するのかを記載することを意識しています。
記載理由は、前述同様、スペース配置の判断材料になる可能性があるためです。

サークルカット

サークルカットを作る際に、下記のようなことを確認しました。
①性別に関わらず、性器や乳首、乳輪が描写されていない画像を使っていないことを確認
②X(旧 :Twitter)(以下、Twitter)に投稿されている、他の人のサークルカットを見て、サークル名の位置やレイアウトを確認

①について。「Webカタログ用サークルカット登録の注意点」には、「成人向け画像をアップロードしないでください。」と名言されていることと、
サークルカットが「コミックマーケット カタログ冊子版」に掲載されるため、18歳未満の方の目に入る可能性があること。
「サークルカット」欄の申し込み時の注意事項には明示されていませんが、以上2点から①の事項について改めて確認が必要と考えています。

②について、レイアウトを真似るという意味で確認をおすすめします。
文字は太く!フチも太く!分かりやすい概要はこれでOKです。

また、投稿しているアカウントが、いわゆる壁サークル、シャッター前かどうかも考慮が必要です。大手のサークルカットには、概要が画像内に記載されていないことがあるためです。

Twitterで検索する場合は、「検索フィルター」→「フォローしているアカウント」にチェックを入れると、押し絵師のサークルカットが確認できるため、お得です。。
検索ワードは「C◯◯(ナンバリング)」、「申し込み」、「申込」等。

画像左:私がC102申し込みに使用したサークルカット
画面右:私がC103申し込みに使用したサークルカット

申し込み全体を通して役に立った資料

▼サークルカットのレイアウトについて
基本的には、過去に申し込みをした人のサークルカットを参考にしていましたが、下記ツイートも参考にさせていただきました。
本の表紙や、お品書きを作る際にもとても約に立ちました。

▼伊東ライフ先生のコミケ話
動画ですが、ラジオ感覚で情報を集められます。私のサークル名の決め手もこちらの動画がきっかけです。(該当時間:00:42:07)

コミケって何?【イベントの説明から絵描き視点のお金の話まで】 #伊東ライフ


印刷について

印刷所の選定理由や大まかなご対応いただいたこと

今回の製本に向けての印刷会社は「緑陽社」様にお世話になりました。
私が使っているペイントアプリ「Procreate」を利用しての入稿方法を詳細に記載いただいていた点が選定理由です。
入稿を経て、PSDファイルでの入稿が可能な印刷会社であれば問題がないことも確認できました。

ご担当者様とメールで会話が可能で、下記のようなやり取りをしました。(本当にお世話になりました)
・製造余部と余部サービスの違いについて
・納品先指定の仕組みについて
・その他、入稿周りの相談
※製造余部:製本の際、印刷所都合により指定より多く(1,2冊とか)印刷されたもの
※余部サービス:緑陽社様独自のサービスで、指定よりも数十冊印刷してくれて、かつお値段もそのまま!

原稿着手から入稿までのタイムライン

2023/08/03 12:00:通常入稿〆切

2023/04:プロット完了
07/05:本文ラフ完了(この日から毎日作業)←スケジュール破綻中
07/14:本文下書き完了(この日から毎日に加えて深夜も作業)
07/25:本文線画完了
07/30:本文色塗り完了
08/01:表紙完了
08/01-08/02:見直し
08/02 05:45:入稿
08/02 17:45-08/03 12:12:本文修正内容についてのやり取りを経て承認(脱稿)
※スケジュールを立てたらその通りに動こう!

  • スケジュールを軽視しない。

  • ラフと下書きを混同して作業をしない。スケジュールの全貌が見えなくなるため。

  • ラフの時点で、描き文字を除くテキスト入力を済ませるとよい。(下書きでフキダシの大きさをほぼ決めることができ、フキダシで隠せる範囲の確定を早くできた)

  • 下書きの描き込みは細かいほどよい。可能な限り脳を動かさずに線画を進められるため。


原稿作成全体をとおしての備忘録

C102に向け、ブルーアーカイブの槌永ヒヨリというキャラクターを題材に、薄い本を作成を予定しました。
製本仕様は、成人向け/B5サイズ/モノクロ/本文16〜20程度。
以降の内容については、上記仕様であることを前提に備忘録を記します。

プロット作成について

メモアプリ「Google Keep」を利用して、プロットを作成しました。
動作が軽く、オンラインで即保存され、出先でも編集可能な点が便利です。

プロット以外にも、本文で使用する台詞、描き文字、誰がどこにいるか等をメモしていました。
これにより、下書きや線画中にテキストについて考慮しなくてよく、左脳を動かしながらストロークを引く必要がなくなるため、ストレスフリーでよかったです。

「ノド」の考慮について

ノドとは、冊子を開いた状態の真ん中、ページの境目のことを指します。
無線綴じ仕様の紙の本を読む際のノド箇所は、基本的に目線が向かないと見てよいです。
※冊子が中綴じの場合、ノドにあたる箇所までバッチリ見える

情報が見えなくなる箇所のため、ノドはどこに位置されるかを常に意識しました。
なので、下記の図を常に見れるような場所に配置しながら作業をしました。

手描きで雑だが情報が分かればOK

黒の不透明度と、実物の違いについて

黒の不透明度75%以上は、ほぼベタ(真っ黒)です。
下記、画面左の帽子や服、リュックは、不透明度75%黒と、100%の黒い影で構成されています。
※黒の不透明度100%に近いほど黒色

画面左:iPadで表示した電子原稿
画面右:実際に製本した同ページ

その他、原稿作成時に参考にした資料

▼線画の組み立て方
下記ツイートを常に見える位置に置き、迷ったら見るようにしました。

▼エロ漫画で常用される擬音・喘ぎ声の参考
上記同様、一資料として常駐させ、描き文字を配置しました。


Procreateでの原稿作成備忘録

Procreateで漫画を作成するには多少の工夫が必要になるため、その内容を下記に記します。(クリスタを使えるようになろう!!!)

使用したブラシの種類、太さ

下記画像を見えるところに置いて作業することで、ブラシ・フォントサイズについて考える時間をなるたけ減らすことができました。

手描きで雑だが、何を使ったか明示できていればOK

①線画、フキダシ(Procreate用ブラシ「魔王鉛筆pc」)
使いやすいです。(一枚絵でもお世話になっております)

②コマ(たのしい2値ペン(procreate))
アンチエイリアスがほぼ無いブラシが欲しかったので採用しています。

③エフェクト、描き文字、漫符
▼白フチドリペン(Procreateで使える ふちどりペンDX 書き文字漫画ブラシセット)
ストロークが重なってもフチが維持されるのが嬉しいポイントです。

▼鋭いインクペン(Procreateで使える「イラスト基本ブラシセット」2.0)
描き文字適正が高く、なにかと便利です。

④蒸気のエフェクト
Procreate デフォルトで実装されているブラシです。

「レトロ」から「ハニーイーター」を選択

⑤その他、漫画っぽいブラシ(【無料DLあり】漫画っぽいProcreate用ブラシ)
特に「カケアミらしきパターン」ブラシを多様させていただきました。

⑥フォント(源暎フォント)
「GenEi Antique v5」は、Procreate上で表示されるフォント名です。

キレイな線で構成されたコマの作り方

コマは、基本的にキャンバスと平行なキレイな線にしたいため、
Procreateの「描画アシスト」機能を利用していました。

描画アシスト 有効化手順

①画面左上のスパナマークから「描画ガイド」があることを確認
②「描画ガイド」のトグルボタンをタップし、有効化(青色で適用される)
③右上のレイヤーボタンをタップ
④レイヤー一覧からコマを引きたいレイヤーをタップ(レイヤーオプションリストが表示される)
⑤「描画アシスト」を選択(もう一度レイヤーをタップし、「描画アシスト」にチェックマークが入っていれば適用されている)

ナナメに線が入ったコマを引きたいときは、Procreateの「QuickShape」機能を用います。
常に「QuickShape」機能を使わない理由は、キャンバスと平行な直線を引くのが難しいためです。
※「QuickShape」とは、フリーハンドでストロークを引いて、そのまま画面からペンを離さずに待機すると、ストロークに応じた直線や、きれいな円弧を作ってくれる機能。

フチ付きのテキスト挿入について

▼概要と挿入方法
表紙の文字や目立たせたい文字には、フチを付けると効果的です。
しかし、Procreateのテキスト挿入機能では、挿入するテキストに対応したフチの太さが変更できず、若干不便です。
そこで、好みの太さのフチ取りを実現するため、無料のペイントアプリ「アイビスペイント」を利用していました。

①アイビスペイントでキャンバスを作成
②テキストを挿入(テキスト編集にて、フチの太さ/フォントの大きさ/フチ色等が設定可能)
③透過PNGで保存
④Procreateに戻り、保存した画像を呼び出す

▼問題点と解消方法、結論
アイビスペイントでテキストを入力する際、フォントサイズの単位が「pt」でなく、単位が存在しません。そのため、Procreateでいうところのサイズ感が不明瞭でした。

結論としては、下記の確認方法でProcreateのフォントサイズとほぼ同等のテキストを出力することができます。

▽結論
Procreate 1pt = アイビスペイント 約4.89 サイズであることを確認

Procreate フォント24pt相当のフォントをアイビスペイントでしたい場合
24 × 4.89 =117.36 ≒ 118 に、フォントサイズを合わせて出力する。
※「約」と記しているのは、検証方法が目視であるため

▼検証方法(読まなくても大丈夫です)
▽条件(双方のアプリで適用)
・キャンバスサイズ:B5原稿 表紙プロファイル
 (188mm×263mm/350dpi/CMYK)
・仕様フォント:「F910-新コミック体」
 →アイビスペイントはプリインストールされている
  ProcreateはWebサイトからダウンロードする必要がある

▽確認方法
①アイビスペイントで、サイズを記した適当なサイズのテキストを出力
②Procreateで呼び出す
③Procreate側でテキスト入力 フォントサイズを調整
④「フォントサイズ」という文字の大きさが一致することを、
 アイビスペイントで出力したフォントに重ねながら 目視 で確認
 ※目視のため、完全に一致しているとは限らない
⑤一致していた場合、その時のフォントサイズを記入して並べる

検証結果

iPadの性能によるレイヤー数の違い

iPadの性能が高い程、レイヤー数の上限も多くなります。
下記のプロファイルのキャンバスを、それぞれ性能が異なるiPadで表示した際の総レイヤー数は下記画像のとおりです。

▼キャンバスのプロファイル
大きさ:188mm×263mm(B5サイズ 塗り足し有)
DPI:600
カラープロファイル:CMYK「Generic CMYK Profile」

▼各iPadの性能
①iPad Pro 12.9インチ(第5世代)
 ストレージ:1TB(RAM(メモリ):16GB)
②iPad Pro 11インチ(2018年モデル)
 ストレージ:256GB(RAM(メモリ):4GB)

上限レイヤー数64
🙄


あとがき

私が作った本の内容は、8/26前後にpixivで投稿予定です。
投稿しました。
成人済みで、pixivのアカウントを持っていれば誰でも見れます。(18歳未満 閲覧禁止)
https://www.pixiv.net/artworks/111181118

また、コミケ当日についての備忘録も投稿予定です。
実際にコミケに参加した日、及びその日の前後の動きを残します。

他にも思い出したことがあれば追記します。

私のTwitterのフォローをお願いします‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼(18歳未満 閲覧禁止)
https://twitter.com/DOOMBREAK

更新履歴

▽2023/08/19
「「ノド」の考慮について」に、無線綴じ、中綴じの場合の見え方を追記
▽2023/08/27
・「C102備忘録 サークル参加当日編」と紐付けるリンクを記載
・「あとがき」に、投稿した漫画のpixivリンクを記載

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