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レコメンド機能は、分断を加速させる

SNSには、デフォルトでレコメンド機能が搭載されている。

例えばTwitterでは、設定変更をしない限り「おすすめ順」でツイートが表示される。そのユーザーがよく接触する他ユーザーのツイートや話題のツイートが優先的に表示される。「時系列順」で表示するには、設定を変更しなければならない。

別の例だと、Youtubeでは、「ホーム画面」に表示されるコンテンツがユーザーごとに異なる。ホーム画面は、ユーザーが最も閲覧するYoutubeのページ。そのユーザーが興味を抱きそうなコンテンツを優先表示する。

これらの機能は、総じて、レコメンド機能・オススメ機能と呼べる。これらの機能のお陰で、ユーザーは苦労せずお気に入りのコンテンツに出会うことが出来る。

「苦労なしに、自分にピッタリなコンテンツが見つかるのは分断じゃなくね?」と思う人がいるかもしれない。

確かにレコメンド機能によって、知らなかった知識やコンテンツに触れる機会を、労力なしに得られる。これは良い面。

じゃあ、レコメンド機能の悪い面は何だろう?


多くのテーマには、賛成派・反対派が存在する。
例えば、あるTwitterユーザーが賛成派だとすると、そのユーザーは自分と同意見のツイートを、閲覧したり「いいね!」したりリツイートしたりする(確証バイアス)。
すると、SNSのレコメンド機能によって、賛成派のコンテンツが頻繁に表示されるようになる。逆に、反対派の意見は表示されにくくなる。

上記の点は、果たして「良いこと」だろうか?

特定のテーマについてアクションを進めるには、「議論」が必要。しかしレコメンド機能によって、賛成派ユーザーは賛成派意見ばかりに接触し、反対派意見に触れる機会が激減する。その結果、ユーザーが偏った知識を得ることに繋がる。

これによって、文字通り、議論が進まなくなる。賛成派・反対派のそれぞれがそれぞれのコミュニティで盛り上がり、内輪化する。

さらにSNSでは、気に入らない意見に対してネガティブな反応を起こせる。例えば、Facebookの「良くないね」や、各SNSのブロック機能がこれに当てはまる。これらの機能も、意見の分断化・内輪化に拍車を掛けている。


レコメンド機能による分断化・内輪化は、SNSに限ったことじゃない

NETFLIXでも、レコメンド機能は大活躍している。ユーザーの視聴履歴に基づいて、気に入りそうな別の映画を表示する。これによって、ユーザーが視聴するコンテンツジャンルに、偏りが生じやすくなる。アニメ好きユーザーに「戦場のメリークリスマス」を優先表示しないし、トレンディドラマ好きユーザーにノンフィクション映像を優先表示しない(逆もまた然り)。

Apple Musicでも、Amazonでも、Googleでも、SmartNewsでも、noteでも、ありとあらゆる媒体で、レコメンド機能は重要な役割を果たしている。


レコメンド機能の大義名分は、「ユーザー体験の最大化」や「事業成長」等だ。けれど僕たちユーザーは、気を付けなればいけない。レコメンド機能によって、ユーザーは、無意識に偏見を持っているかもしれない

インターネットで触れる情報が全てでないし、あなたが触れた情報が正解とは限らない。

レコメンド機能に振り回されていないか、一度考えてみては。

ては。

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