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人生初の避難指示 in the U.S.

このところアメリカでは局所的に災害級の嵐が到来し、私が住む地域でもがけ崩れや土砂の流入などで人命が失われたり家屋に被害を被った方々がいます。
私は生まれも育ちも東京のど真ん中なので災害のニュースに触れて心が苦しくなっても、当事者になりませんでした。

先日この地域に”避難指示/ evacuation order”が発令され、電話番号に自治体からのメッセージが届くとスマホがけたたましい音で鳴り始めました。
その時にはすでにご近所さんが我が家のドアをたたいて「避難指示が出たから逃げて!」と知らせに来てくれたので貴重品と洋服などをリュックとスーツケースに詰めているところでした。
そしてそのまま高台にあるホテルに避難しました。ホテルには同じエリアから避難してきた人が多くみられ、会話を交わして無事を祈り合いました。
その後は終日テレビやTwitterなどで公式情報を集めて過ごしました。
そこで初めて災害に会った方々の心持や親しんだ場所が被害に遭う状況を多少なりとも理解できました。
ただ私が避難したのはホテルであり、booking.comで予約したので無料アップグレードまでしてもらえたのです・・・避難先での苦痛はほぼ体験していません。日本の避難所の過ごしにくさとは比べるべくもないことだけは理解できました。
ようやくここで被害に遭われた方とご家族の回復を心から願うことができたと思います。

そして公式情報以外の災害状況を知らせるニュースが英語に限られていることにも今更ながら気づきました。
自分が英語を理解できてよかった~ではなく、英語をほぼ使わずに(理解も難しいレベルで)生活している移住者も少なくないことを知っているからです。英語を理解できる人が身近にいる可能性が高いことを思うと、日本で日本語が理解できない移住者への災害前からの支援がどれだけ必要かについても考えました。

ちなみに、渡米前にアメリカの災害時の避難支援について調べました。私の住むエリアではこんな感じです。
・避難所開設などは有志(赤十字など)が支援するが公的機関の関与はほぼなし
・食料の配給などもなし(日本でも自宅避難者にはないところもありますが)
・避難先は基本的に「知り合いや親族の家に行ってね」
・避難指示や避難準備指示は携帯電話番号に自治体から自動メッセージが届く

知り合いに聞いたところ「3つめの冷蔵庫に夫婦2か月分の食料を入れてある」という人が複数いました。自身にも備えが必要になると身につまされました。
ところで渡米して10か月ほどが経ち、夫ではなく自分でつくった知り合いから「なんで避難するなら電話してくれなかったの!泊められる部屋があるのに(それを知ってるでしょ)!!」と言ってもらえたことが感動でした。
アメリカがご近所助け合いの国(例外はあると思いますが)だと聞いていましたが、彼らにその姿勢を学んでいます。
帰国したら私も「よい隣人の輪」?を広げられるでしょうか・・・